No.751952

リリカル東方恋姫外伝 ネギま編 第三話 『どんな弱い奴でも無我夢中なときだけは無敵状態』

みなさん、長い間、おまたせしました。

今年、初めての投稿です。

今年もよろくしおねがいします。

続きを表示

2015-01-17 02:14:30 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1593   閲覧ユーザー数:1446

 基地の敷地にある野外のレストランのテラス。そこには紅い翼の一行が昼食を済まして食後の休憩をしていた。テーブルにはナギと遮那、詠春、ガトウ、アル、ゼクト、そして、大食い大会で優勝したリーファしか座っており、各自、それぞれ、飲み物やデザートを堪能していた。ちなみに、ラカンとタカミチは大食い大会でマンガ肉は食べ過ぎて、隣の席で横になってダウンしていた。

 

「ウ~ンっ♪このパフェおいし~♪」

 

 リーファが五十メートルの高さがある、アイスとフルーツと生クリームが山盛りにのった巨大なパフェを平らげていた。

 スプーンで真っ白とカラフルなアイスと生クリーム一すくい上げるたびに、巨大パファが大きく削られていき、リーファの一口で無くなる。

 

「リーファさん、貴女さっきまでワイバーン二頭ほど食べたのにまだ食べるのですか?」

「もちろんよ。女の子にとってデザートは別腹なのよ♪」

「別腹以前に、さきほどピザ25枚にフライドチキン53本、ビンのコーラを3ケース飲み食いして、そのパフェで38個目ではありませんでしたか?」

「あぶらっこ過ぎて胸焼けしそうだ…」

「わしもじゃ…」

 

 様子に紅い翼と周りの客は胸焼けしそうで、甘さに吐きそうなった。ただし、ナギと遮那はいったって普通で、ナギは小豆とアイスが乗っかったハニートーストを、遮那はチョココロネを頬張ってたべていた。

 

「もぐもぐゴックン。常識などいってる奴が質量の保存の無視した腹もってるなんて、おかしなもんだ」

「なによ?まるで、あたしがナギみたいな言い方じゃない。馬鹿にしてるの?」

「オイ、なんでそこで俺が出てくるだよ?そっちが俺に馬鹿にしてんのか?おまえらのなかで俺=非常識=馬鹿っていう方程式でもあるんかコノヤロー」

 

 おちょくる遮那にリーファが青筋を浮かべるが、さりげなくナギを馬鹿にしていた。

 ナギはハニートーストを頬張っていく。

 

「もぐもぐ…ごっくん。くぅ~!ここは飯がうまいけど、デザートももっとうめーな…。姫子ちゃんも食わせてやりてぇーぜ」

「あ~あのチビ姫のことか?」

「アスナって、たしか、私とラカン、それにキョウスケが出会う前に、ナギと遮那が出会った姫様のことよね?」

 

 リーファが紅い翼に入団したの、ナギがアスナと出会った後の、グレート=ブリッジ奪還の時なので、アスナのことはしりません。キョウスケはラカンが最初に紅い翼を襲撃したときなので、アスナと顔を合わせてないが、原作知識があるため、アスナのことは知っている。

 ちなみに、チビ姫という名は遮那がつけたアスナのあだ名である。

 

「あの時の姫子ちゃんは、なんだが無表情っていうか感情が零れ落ちてるっていうか、なんか心が空っぽな感じでなっ。それがなんかかわいそうな子だったんだ」

「子供の姿に固定されたまま、道具としてつかわれつづけば、無感情な性格になるは当たり前だよな」

「でも、ナギや遮那になにやら興味がありましたよ。ナギにいたっては、黄昏の姫のこと心配しておりましたし~、ほんと、ぬけめがありませんね~」

「変なこというな、このホモ」

「うふふふふ、ほめ言葉です」

「キモっ、もう、おまえ、俺から十メートル離れてくれない?」

 

 アルカリックスマイルで微笑むアルに、遮那は気持ち悪くなった。

 

「へぇー、ナギが女子を心配するなんてねー…もしかしてナギって…」

「安心しろリーファ。俺は幼女よりボン!キュン!ボン!の大人の女性が大好きだから。二次元の嫁より三次元の美女を選ぶから。つーか、キョウスケど同属だったら、今頃、俺の隣にいる遮那が無傷のわけねーだろう」

「あぁ~、たしかに~」

「なんで、納得する!?」

「俺の扱いひどくない?」

 

 リーファの納得に遮那が驚き、キョウスケは自分の扱いに疑問におもえた。もっとも、方や見た目が王道のツンデレ少女、方やむっちり煩悩オタクなので、そう言われてもしかたないだろう。

 

「誰が王道のツンデレ少女だ!そもそも、おまえが俺をこんな姿にしたんだろうが!!」

「誰に言ってるんだ、おまえ?」

「いや、ものすごく、不愉快なことを言われて…」

「安心しろ、遮那。たとえ、シャナたんの容姿でズボンの下に穢れたバベルがあろうと、俺はおまえのことを好きだぞ」

「私もですよ♪」

「おねがいだから、豆腐の角に頭を打って死んでくれないか?」

 

 いい笑顔で親指を立てるキョウスケとアルに、殺意が芽生える。また、リーファは顔を赤くしてパフェを食べ続けていた。

 

「ごっほ!…そもそも、チビ姫が気になるんなら、会いに行けばいいだろう?ちょうど、ここにいるんだしよ」

「けど、この基地、結構広いか、姫子ちゃんがどこにいるのかわからないんだぜ?全部さがしたら、夜になっちまう」

「基地の人に聞こうにも、相手は一様、国の姫だから、簡単に合わせてはくれないでしょう」

「ふふふ、それなら俺にまかせろ。すでに、アスナちゃんの居場所は突き止めている」

 

 ナギたちはキョウスケに視線を向けると、キョウスケは懐から、大きめな見取り図を広げた。

 

「アスナちゃんがいる場所は、基地の地下りある特殊部屋だ。そこにいくまでは何十の罠が仕掛けられているが、罠を解除するために基地内の機関を管理している指令室はすでに手配済みだ。もしものときは、この軍服を着て潜入すればいい」

「おお、さすがキョウスケ。用意周到だな~!」

「フン、仲間のために働くのは、兄貴分として当然だ」

 

 軍服を片手に持つキョウスケはナギにほめられて、クールに笑う。

 だが、詠春はあることに気づく。

 

「ところで、キョウスケ…この見取り図と軍服はどうしたんですか?」

「レべリングしていたナギに見習って、その変の雑魚モンスターを倒してレべリングしていたら、ドロップアイテムで手に入った」

「いやいや!ドロップアイテムって、ゲームじゃないんですから普通モンスターを倒してもアイテムは手に入りませんって!第一、基地の指令室を手配済みっていったいどういうこt――」

「ちょっとすいません。あなたたち紅い翼ですよね?」

 

 後ろから声をかけたのは、軍服に身を包んだ三人の男性たち。軍服からして連合に所属する軍人であろう。

 

「はいそうですが?あなたたちは?」

「私たちはこの基地で働いてる者です」

「その人たちは私たちになにか?」

「実はさきほど、指令室で勤務する兵士なにものかに襲われて身包みを剥ぎ取られる事件が起きまして…聞き込みをして犯人を捜している所なのです。なにか不審なものなどをみかけませんでしたか?」

 

 聞かれたナギたちは後ろを振り向き、黙り込む。軍事はなぜ、顔を向けないのか首を傾げると、キョウスケが犯人の名前を言い出す。

 

「たぶん、それはヘラスの大将であるブレイドの仕業だと推測できるなぁ…」

「あの帝国のブレイドですか!?」

 

 軍人が唖然と叫ぶと、ナギたちはその名前に驚く。軍人はキョウスケに質問をする。

 

「そ、それは本当ですか!?」

「あぁ、なにせ、この基地には多くの人材と兵器が運び込まれている噂がある。先手を討つ彼なら、どこからか情報を掴んで、この基地に置かれている物資を狙って襲撃するきかもしれん」

「そ、それがほんとうなら一大事です!?すぐさま上司に連絡します!ご協力感謝しました!」

 

 軍人たちはそういって、その場から走って立ち去った。

 彼らの背中を見送ったキョウスケに詠春が尋ねる。

 

「キョウスケ、あのブレイドがここを襲撃して、軍人の身包みを剥いだ話、ほんとうですか?」

「うんや。嘘だ」

 

 清清しいほどの自白に、詠春がキレた。

 

「なんで、そんな嘘をつくんですか貴方は!?」

「だって~俺が盗んだなんていえないだもん」

「いえないだもんっじゃっないですよ!ってか、盗んだんですね、やっぱり!!??」

 

 本人がいないことをいいことに捏造された一刀。さすがのナギも、悪いことしたなと思った。

 

「たしかに、悪いことなのはわかっている。けど、こうしなちゃー、そのちいさな姫には会えないだろう?」

「まさか、キョウスケ…おまえ姫子ちゃんを…」

「ふん、小さい子が道具にされているのは黙っておくほど、大人じゃないさ。いずれは自由の空の下にあそばせてやりたいんだ」

 

 原作知識をもっていようがなかろうと、小さな子が道具にされているのなら、助けるのは決定的明らかである。たとえ、それで原作が変わろうが、関係ない。それが一般論であり、チートと幻想の業に食われていない者であり、主人公級のキャラなのだ。今頃、彼を転生させた天使は、彼を転生させたこと誇りに思い喜んでいるだろう。どこぞの勘違いでモブであるクズ転生者と違う、オリキャラであり正真正銘の『安部 キョウスケ』であることに。

 ナギたちは、キョウスケのそういうかっこいいところが気に入っており、リーファは彼をちょっと見直した。

 もっとも、遮那にはバレバレであったが。

 

「んで、本音は?」

「そらーもちろん、白馬の王子様作戦で見事救出してツンデレの申し子になる現在幼女のアスナちゃんを俺の妹になるフラグをたたせる為だ!」

 

 良い顔で煩悩丸出しの本音丸出しの宣言。

 その瞬間、

 

 

ドッカーン!ボォーンッ!ゴッスン!!

 

 

 

雷と火炎の光が輝き、刀の鞘や拳で叩く轟音が鈍く響いた。

 

 

「どうかされましたか、お客様――ひっ!?」

 

 ウェイトレスが駆け寄ると、なにごともなかったように、デザートを食べているとナギたちの足元で、黒焦げで頭に大量のタンコブをつくった、キョウスケが地面に寝ていた。

 

「いえ、ちょっと、馬鹿の中身がレアだったので、すこし熱しただけです♪」

 

 リーファはウェイトレスにそう言うが、頬に血が付いていて、笑顔が怖かった。ウェイトレスはおびえながら、その場から離れた

 

「それにしても、アスナのやつどうしてんだろうなぁ?」

「それを言うなら、ブレイドさんもよ…キョウスケのせいで迷惑かけちゃったし…今度会ったら謝らないと…」

「おやおや、リーファさんったら、もう彼に手を付けようと考えているんですか?」

「ふっぇ!?い、いや、手を付けようとかそんなことじゃなくて、ただ、ちょっと好みだったから、いいな~って思ったりしたりとか、やさしそうな人だな~とかで、気になっちゃったりーとかそんなのは無いから!!」

「おちつけって…。動揺しすぎで言葉がめちゃくちゃになってんぞ?」

「フフフ、乙女ですね~。でも、これだけフラグが立ちそうな会話をしていたら、もう此処へ来ているかもしれませんよ、彼…。もしかしたら、黄昏の姫を誘拐してたりして…」

「そんなことあるわけねーだろう普通。キョウスケじゃーないんだしよー…」

 

 

 

 

 

 そのころ、基地の地下の廊下では・・・・・・

 

「はっくしょん!?う~誰かうわさでもしたんのか…?」

 

 くしゃみをしたのは、シルバースキンを身に纏った一刀である。ただいま、廊下でなにかを壁を設置していた。それは粘土の様なものと、長方形の四角いものであった。

 

「カズト…なにやってるの?」

 

 アスナが一刀に尋ねる。ちなみに、彼女はシルバースキンの似た、シルバースキン・アナザーを着ていた。

 

「いや、ちょっとした置き土産をな…。安全のために、それはしっかり着ててくれ」

「うん、でもこれ…ブカブカだよ…?」

 

 アナザーはアスナの体のサイズがあわず、布を部分が余分に余り、裾や袖が地面についていた。海賊帽子に似た逆A文字が入った帽子もアスナの子供の頭を半分被っていた。そこが一刀にとってはおかしかった。普通、シルバースキンを他者に着させる場合、巨体ならともかく、大抵は大人から子供まで体形に合わせて、自動でサイズが変わる。対して、アスナにはサイズ調整ができず、大人サイズになっていた。

 これは、アスナのもつ能力の影響なのだろうと一刀は推測したは今はどうでもよかった。なぜなら・・・・・

 

「あ~もう、アスナはかわいいな~♪」

 

 北郷 一刀は完全に萌えていた。なにせ、ぶかぶかのコスプレイ?をした幼女がよちよちと小さく歩いて付いてきたり、大きい帽子が深く被らないように、何度も両手で持ち上げたり、手を上げると余分にある袖をバタバタとふったり、無表情でつぶらな瞳で上目使いをしたりと、さすがの鈍感な一刀もこれにメロメロになり、萌えてしまった。むしろこれで萌えない人がない。ってか、キョウスケらの種族ならその場でお持ち帰りしてしまうほどの、かわいさであった。

 

「うにゅ・・・?」

 

 一刀がなに言ってるのかわからず、アスナは首をかしげる。その仕草に、一刀はたまらずアスナを抱きしめて頭をなでなでした。

 

「どうしたの…一刀?なんで、わたしの頭…なでるの?」

「そらもちろん、アスナがかわいいからだ。こんなかわいいアスナが俺のそばにいてくれて、俺はとってもうれしくって、たまらずなでなでしてるんだぞ!今ならレナの気持ちがよくわる!かわいいはお持ち帰りだ!!」

「?…わたしが、カズトとそばにいる、カズトうれしいの…?」

「うれしいさ!つーか離さん!俺をこんな風にしたアスナは責任とって、俺のそばに一生いてくれ!もしも、お前の妻にしたい男がいたらそいつはブチ殺すぞ俺は!俺たちの中を引き裂こうするやつが、たとえ神なら内臓をぶちまけてかわりに綿をつめて首を絞め殺し、魔王でも手足を折ってバイクで引きずって殺し、帝王でも皮と衣服ひん剥いて体に蜂蜜塗って蜂蜜牧場に放り込んで殺し、たとえテオでも…いや、テオ様には土下座して頼もぉと…」

 

 萌え萌えで暴走してしまう一刀。もはや、別人になっており、台詞が若干、シスコンに近く、キモかった。もっとも、テオ相手には自信がなった。

 

「えへへへへ♪わたしとカズト…ずぅうううと一緒・・・・・うれしなぁー・・・♪」

 

 無表情であったアスナに笑顔がつくられていた。ドン引きしてしまう台詞であったが、どうやらまんざらでもないご様子。ちなみに、二人がいる廊下に何人もの兵士が通っているが、兵士たちはきづかない。なぜなら、ベクトル操作で視覚と音をまわりを遮断したステルス状態のため、見つからないのだ。そこだけ抜け目の無い野郎である。

 くっ、おまわりさんに連行できないがくやしい。

 

 

 

 

 

 そのころ、地上では…

 

「おのれ種馬ぁぁぁああああああ!!妹キャラを愛でるのはおにいちゃんキャラである俺の役目だぁぁああああ!!!」

「「ウッセェェェェェエエエエエエエエエ!!」」

 

 キョウスケが何かを受信し発狂して叫ぶ。が、ナギと遮那に殴れた。

 

「安部ひろいきっ!?」

 

 机に叩き潰され、沈黙。机の上が血であふれた。

 

「まえから、頭が腐っていると思ったけど、本格的に頭が醗酵してきたなこいつ」

「いっそのこそ、海に捨てるか…。おい、リーファ。空のドラム缶とコンクリート材買ってこい!」

「気持ちがわかるけど今食事中よ。物騒なことはやめてよね」

「そうですよ。頭がカオスなキョウスケでも一様、私たちの仲間なんですから」

 

 本気でキョウスケを捨てる気のナギと遮那を、リーファと詠春がとめた。

 

「食事の後で買ってくるからまってなさい」

「貴女まで仲間を捨てる気、満々っ!?」

 

 が、食事中までであった。

 そんなとき、

 

「おっ!やっぱりナギたちじゃねーか」

「おお、ほとんだ。半年振りだな」

 

 ナギたちは後ろを振り向くと、二人の男性とマントで顔を隠した一人がいた。

 復活したキョウスケはその二人の男性を見て顔を出さす驚き、ナギやその他にいったては男性二人が顔見知りであった。

 

「クラインにエギルじゃねーか!」

「よっ!元気にしてたか?」

 

 手を上げて返事したナギとおなじ赤髪の男性は『クライン・シンゲン』。もう一人のスキンヘッドの褐色気味の男性は『エギル・アックス』である。一見、『ソード・アート・オンライン』の登場人物なのだが、この世界では苗字がついており、その他は原作とほとんど同じで、クラインは武者鎧で刀を使う旧世界の剣士で義勇軍『風林火山』のリーダー。エギルはアフリカ系アメリカ人で江戸っ子で妻と店を出すために、資金収集で傭兵をやっている。

 ナギとの関係はナギが紅い翼を結成するまえ、戦争について無知であったナギに戦争のことや戦況、集団を結成するための心得などを教え手伝ってくれたのがはじまりで、グレート=ブリッジの奪還のとき共闘したり、情報交換したりと、紅い翼とは長い付き合いのある友人たちである。

 

「ひさしぶりだな。おまえらもここに来てたのか?」

「一ヶ月前から、活動諸点をここに移したんだ」

「俺は店を開くための資金集めのついでに、ここで立地を調べていたんだ。それにしても、いい身分だなナギ。両側に花とは…」

「方やクールな黒髪美少女、方や爆乳の金髪美少女。うらやましーぞ、このこの~」

 

 肘でナギを突くクライン。

 ナギの右にはリーファ、左に遮那と二人の間に座っており、一般人からみれば美少女二人の間に座ったいるしかみれない。

 

「おい、誰がクールな黒髪美少女だ。俺は男だぞ」

「おまえみたいな少年なんかいねーって」

「たたきにすんぞ中年親父」

「誰が中年だ!?俺はまだ24歳だぞ!!」

「二十歳過ぎれば誰だっておっさん、おばさんだ」

「「ぐっう!?」」

 

 遮那のきびい言葉に、クラインとリーファの胸に突き刺さった。

 

「リーファさんどうかしましたか?」

「ななななななっなんでもないよ!!」

「ものすごく同様しておるぞ」

「たしか、リーファは妖精よエルフのハーフでしたよね?エルフは長寿ですからもしや、見かけより実年齢は…」

「アル、女性に年齢を聞くのは失礼ですよ」

「そうよ!あたしは永遠の17歳なんだからね!」

「え?さすがにサバ読みすぎでは…」

「詠春、黙ってクレナイカナ?」

「・・・・・・・・・・・・・・・ハイ、モウ何モ言イマセン」

 

 笑顔で黒いオーラを出すリーファに詠春は黙り込む。彼女が転生する前、青春時代を無駄にしその後、婚期があせっていたので、とてつもなく恋愛に興味があり、年齢についてはタブーである。

 そんなリーファのよこに、キョウスケは遮那と念波で会話する。

 

《遮那!なんでソードアートオンラインの登場するキャラたちと知り合いだと俺に教えなかった!?》

《しょうがねーだろう。おまえと違っておれはジャンプ以外のアニメとか漫画は知らねーんだよ。そもそも、おまえに教える義理ねーし》

《それにしても、前にあったときから私、なーんかこの二人と親近感が感じられるんだけど、どうしてかな?》

《そら、そーだろう。なにせ、おまえのモデルはこの二人の元ネタの世界の登場人物だから、親近感をもって当然だ》

《あと、そいつらの原作の主人公とかは、たぶん、この世界にはいないらしいぞ》

《へっ、そうなの?》

 

 ジャンプ派である遮那だが、SAOはメジャーなので、それなりに知ってるが、主人公とヒロインくらいしかあまり知らない。また、興味本意で二人に原作の主人公とヒロインを知ってるかと聞いたが、二人は知らないと言った。

 キョウスケにいたってはキリトとアスナ(S)に出会えないことに落胆するが、ヒロインがこの世界のヒロインと被るため、あえて存在しないと推測する。また、逆に考えれば、他のSAOキャラが登場するかもしれないと推測し、楽しみであった。とくに、猫耳ロリとか竜使いとか、鍛冶師とか、緑の娘とか、ロリとか妹キャラ少女とか。

 

「ところで、後ろにいる奴誰ですか?風林火山の仲間ですか?」

 

 さきほどから、クラインとエギルの後ろにいる人物が気になり、詠春が訪ねた。

 

「いや、こいつは途中で出会った奴でな。なんかナギを探してたらしいぃから連れて来たんだ」

「俺を?」

「やっと、やっとみつけたわよ!ナギ・スプリングフィール!」

 

 マントを被った人物が、怨んだような声でナギのフルネームを叫んだ。声からしてまだ声変わりをしてない少女だろう。

 

「えぇーと、どちら様?」

「この声を聞いてわからないいいわ!この顔を見て思い出しなさい!!」

 

 首をかしげたにナギ、マントの人物はマントを取って素顔をみせた。マントの下にはピンク色の髪に頬にそばかすで、ウェイトレスのような洋服をきた、かわいらしい少女であった。その少女にキョウスケはまたまた、おどろいた。その少女はリーファとクラインたちの原作に登場するヒロインと一人といって過言ではない娘であった。

 少女は胸を張って、ナギに言う。

 

「どう?この顔をみて思えだした?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰だおまえ?」

 

 ガッタン!

 

『ダーーァッ!?』

 

 長く考えても首をかしげてわからなかったナギに、少女と紅い翼、クラインと周りの人たちがずっこけた。

 少女は怒り、ナギの胸元をつかむと、女性の細腕でなのにナギを軽々く持ち上げた。

 

「ぐっほ!?」

「あんたっていう人は!幼馴染の顔まで忘れちゃったの!?」

「だ、だから誰だよオメー!?」

「リズよ!リズベット・T・ロックベルト!!あんたの幼馴染で魔法学園でいつも一緒に居た鍛冶職人見習いだったリズよ!」

 

 ナギを宙に揺らして自分の名前を叫んだ。ナギはその名前に覚えがあった。

 

「へ?リズ?あのリズっか?あの普通で生真面目でかわいくねーあのリズ?」

「そうよ!そのリッカよ!かわいくないくわるかったわね!」

 

 胸元を離してナギを開放する。

 

「げっほげほ、その容赦ない締め方はたしかにリズだ…」

 

 胸元を掴まれて持ち上げられて息苦しかったらしく、せきを込むナギに、リズベットは「ようやく思い出しか、この馬鹿っ」と両腕を組む。

 

「おい、ナギ…こいつは誰だ?」

「こいつは、リズベット・T・ロックベルトで、あだ名はリズ。俺の幼馴染だ」

「へっ!?あんた幼馴染いたの!?」

「俺とつるむまで、てっきり、破天荒すぎて、一匹狼な青年時代を送ってるのと思ったわ」

「オイオイ、どういうことだそれ?俺だって友達くらいいるぞ」

「いやいや、遮那の場合があるので、てっきり悪友ぐらいはいると思っていましたが、まさか、彼女のよう普通ぽい娘の友達いたとは驚きです」

「普通って言うな!!気にしてるんだからそれ!そもそも、ナギみたいな破天荒で濃いキャラが隣にいたおかげで普通しかみえないだけよ!!」

「あっ、すいません…;」

 

 普通と呼ばれ怒るリズベットに、詠春が謝る。そして、彼女の台詞から自分と同じ苦労が感じられた。おもにナギの面倒で。

 

「彼女も、苦労人なんですね…;;」

「?なんで泣いてんだ?」

「聞かないであげて…」

「それで、彼女とはどうやって知り合ったんですか?」

「あぁ、知り合ったっていうか、俺がイギリスで暮らして村で道具から武器を手がける鍛冶師の跡取り娘でな、家が近いから子供の頃からの腐れ縁で、学校を退学するまでつるんでいたんだ。あと、リズっていうあだ名も俺がつけたんだ」

「しかし、長年の幼馴染のわりには彼女をみて気づかないなんて酷いではありません?」

「そうなんだけど、こいつ、まえはこんなにハイカラじゃなくってもっとジーミーっていうか、普通すじてな。それほどおしゃれじゃなかったんだ。あと髪も茶髪だったし…。ほんま、一年以上会っていない間に変わったな~おまえ…」

 

 ナギはジーと、リズベットの顔を見つめると、リズはすこし紅くなる。

 

「とうぜんよ。あんたが村から出て行ってる間に女を磨いてイメチェンしたの。どう?生まれ変わったあたしの美貌は?」

「おお、きれいすぎで別人だと思ったぜ。けど、その、かわいいそばかすを見れば、リズだってわかったぜ」

「うっ!?フンだ!さっきまで、私だって気づかなかったくせに調子のいいことね…――そこだけは覚えてくれたのはうれしいけど」ボソ

「なんかいったか?」

「なんでもないわよ!」

 

 頬を赤くしてをそむけた。ナギとキョウスケは以外は「あ~なるほど、そういう関係ね…」と内心納得した。

 ナギはなぜ顔を背けるかわからず、キョウスケは黒い嫉妬のオーラを出しながらナギを睨んでいた。

 

「ところで、おまえ、たしか鍛冶職人になるって言ってたくせに、ウェイトレスに転職しのか?」

「そう言うと思った…。言っとくけど、これは制服じゃなくて、鍛冶での仕事服よ。免許皆伝の証として両親に頼んで鍛治の仕事ができるよう服をオーダーメイドしてくれたプレゼントなんだ~♪これを着てるおかげで客受けがいいし、耐久性が高いから武器を売るとき戦場を通っても鎧としても活用できるとかいろいろ便利な仕事服なのよ」

「ほー…すげーなーその服…ん?武器売り?おまえ、こっちで武器売りしてんの?」

「えぇ、リッカの武器屋として、それなにり評判はいいわ」

「へー。でもなんでまた実家の鍛冶屋継がないでこんな世界で武器屋やってんだ?」

「それはもちろん、あんたを故郷に連れ戻しに来たためよ!ナギ・スプリングフィール!!」

 

 と、大声で言って、ナギに向けて指を指した。

 

「あんたは勝手に学園を中退して、スタン爺の許可を取らずに村の外へ飛び出した挙句、あたしの留守中に魔法世界に行って!ほんで戦争で活躍して、紅い翼っていうヘンテコ集団作って、有名になって女の子にちやほやされちゃってる間、どれだけあたしと爺が心配したかわかってんのかぁこの鳥頭ーっ!」

 

 また、胸元をきつく締めつかみ、ナギを大きく揺らす。頭を揺らされて、酔ってしまい、気分が悪くなる。

 

「うっげ!たっ、たんま!この状態は苦しい…」

「あっ」

 

 ナギが顔を青くなっていることに気づき、リズベットは胸元を離した。

 

「ハァハァ、おまえが言いたいのがわかるけど、俺のことはほっとけ!」

「嫌よ!いつ死ぬかわからない戦場にあんたを置いとけないわ!爺さんと学園には私がよく聞かせるから私と一緒に帰るわよ!」

「リズさん、落ち着いてください。」

 

 にらみ合う二人に詠春がとめに入る。はたからみれば兄妹、もしくは姉弟の喧嘩であった。なら、詠春はわが子の喧嘩を父親である。

 

「大体、なんでおまえがそこまでして俺を連れもどそうとするんだよ!別におまえには関係ねーだろ?」

「あ・・・それは、…えぇ・・・・・・・・・もちろん幼馴染としてその・・・・えぇと・・・・///」

 

 言葉が出ず、さらに全体を紅くなった顔を伏せながら、もじもじするリズベット。ナギはなんだ?と首を傾げるが、この鈍感に一人、われらの兄貴がブチ切れた。

 

「ナギィイイイイイイイイ!!」

「へっ?ぶっへェエエエエエ!?!?」

 

 キョウスケに、ナギが顔面ストレートで殴られた。

 

「イテテテテ・・・何するんだよいきなり!」

「黙れ!おまえというやつは、これから立つフラグ一筋だと思っていたが、まさかもうフラグを建築済していたとは…!しかも、幼馴染の女の子だと!?それも、鍛治の女神だと!?SAOのヒロイン級と過言ではないリズベットだと!どういう関係(設定)だこんちくしょう!!」

 

 悔し涙を流し泣き叫ぶように獣のことく怒り狂った。原作やパロなどのカップリングでは微笑ましく見守るタイプだが、それでも一人の男。普通キャラでヒロインであっても過言でもないリズが幼馴染で、片思いというシュツエーションがうらやましく、そして、それに鈍感なナギに殺意が芽生えた。キョウスケの体から嫉妬とオタク怨念の紫色でオーラがあふれ出し、その殺意と闘気に、さすがのナギも冷や汗をかく。

 

「どどどっ、どうしたんだよキョウスケ!?言ってる意味がわかんねぇぞ!?」

「やかましい!我が業界の裁判により貴様は有罪となった!よって我が同胞たちに代わって貴様を断罪する!抵抗は無意味と知れぇええええ!!」

「ぎゃぁああああああああ!!!」

 

 業界(というよりどこぞの馬鹿の異端審問会)の執行人となったキョウスケは、容赦なくナギを粛清する。おもに顔面を集中して殴り殺しの刑である。

 

「えっ…なにこれ?あのナギが反撃できないなんて…てか、なんであの人、ナギを締めてんの?」

「気にすんな。いつもの発作だ」

「いやいやいや、あれのどこが発作!?発狂してるんですけど!?」

「まぁ、キョウスケ風に言わせれば、お約束、かな?」

 

 子供のころからナギの出鱈目な強さを知ってるリズベットは、見知らずの青年?に一方的に殴られていることに驚くが、遮那とリーファ、紅い翼のメンバーにいたっては、キョウスケがあんな風になって当然だと理解していた。

 

「あの~たしか、遮那さんとリーファさんでしたよね」

「あぁ、別にさんずけでなくてもいいぞ」

「わたしも、あんまし年変わらないから、リーファでいいよ」

 

 リズベットは遮那とリーファに、ここに来る前に聞いたある事を尋ねた。

 

「こんなこと聞いて失礼なんですが、遮那がナギの恋人で、リーファは愛人なんですか?」

「「ぶぅぅうううううう!?!?」」

 

 途方もなく事に、二人は驚いて吹いた。

 

「なにそれ!?ナギの愛人初めて聞いたよ!」

「なんで俺がナギの恋人なんだよ!そもそも俺は男だぞ!」

「へっ。遮那って男だったんですか!だって、クラインさんが、ナギと一緒にいる時が長いから二人は出来てるんだって…」

「あぁ~そうかそうかクラインがな~…オイ、逃げようとしてる中年、止まれ」

「ギック!?」

 

 十メートル以上先で、静かに立ち去ろうとするクラインを殺意が篭った一言で止めた。

 クラインはゆっくり振り向くと、肩に天狼を乗せ、鬼神のような瞳で睨む、殺意駄々漏れの遮那がいつのまにか立っていた。

 

「テメェ、なにナギの幼馴染に出鱈目な冗談を吹いてんだ?アァ~?」

「はっはっはっは…ちょっとしたおちゃめでつい口が…」

「ふぅーん。なら、その口がおちゃめしないように、唇を切り落とすか…。大丈夫、綺麗な口裂け女になるだけだ」

 

 そう言って、鞘から天狼をゆっくりと抜いた。

 あの目はマジだ。クラインは危険を感じた。

 

「女性とキスしてねーのに、カマになって唇がなくなるのは御免こうむる!」

「待ちやがれ、このヤロー!!」

 

 脱兎のごとく、逃げ出すが、小さな鬼神が刀を振りながら追いかけた。

 武者と鬼神の鬼ごっこを、紅い翼のメンバーは興味なく、無視。リーファとリズベットだけは苦笑していた。

 

「ええーと遮那が女性じゃないなら、あなたの胸も偽者よね!」

「なんでそうなるの…!?」

 

 どいう方程式でその結論になり、リーファの爆乳を偽者と決め付けた。

 

「だって、そんな胸なんてみたことないんだも!絶対、シリコン100パーセントでしょう!」

「ちがうから!これは自前だから!天然素材だから!」

「嘘だ!こんなに腰が細いのに、超特盛りサイズはありえない!偽乳だ!」

「きゃっぁ!」

 

 ムニュ♪

 

「ほ、ほんもの・・・・・」

「あ、あの、揉むのをやめてくれる・・・・?」

 

 手から毀れそうなほどの質量にリズベットは絶句するが、左右の胸を揉み続ける。

 

「あんっ!?」

「見ててもわかるけどすごいボリューム…それに重たくて、やわらかい・・・・ありえない。こんな物体がこの世界にあるなんてありえないわ!?」

「あっぁん!?お、おねがいだから揉むのをやめ――きゃっぁ!」

「くっそーこのデカパイがー!!この乳でナギを誘惑したのかー!ナギの馬鹿ー!おっぱい星人ぃいいいん!あたしの胸を興味なかったくせにぃいいいいい!!あたしだってまだまだ成長してるんだこんちくしょぃぉおおおおおう!!」

 

 

 ムニュムニュムニュムニュムニュムニュムニュムニュムニュムニュムニュムニュ♪♪♪

 

「いいかげん、あたしの胸を揉むのをもうやめてぇええええ!!」

 

 暴走したリズベットに、リーファは揉まれながら叫ぶのであった。

 

 

 ちなみにナギのほうでは・・・・・・・・。

 

 

このハーレム野郎ぉぉおおおおおおおおおお!!

爆乳エルフにツンデレ幼女を手に入れてるのに、幼馴染にいるってどんだけリア充なんだぁこの主人公がぁぁあ!!

うらやましすぎるぞこんちくしょうぉおおおおおおお!!

リーファたんに胸をいやらしい目で見たら承知しねーぞコラー!!

遮那ちゃんに手だしたら、殺すぞ糞餓鬼ぃいいい!!

リズさんのメーアド教えろぉぉおおおお!!

 

 

「ギャッァアアアアアアア!!なんか増えとるぅううううう!!!」

 

 嫉妬に狂った男たちがキョウスケと一緒にナギを粛清していた。なにせ、両側の美少女二人に挟まれ、結構かわいい幼馴染というギャルゲー的なリア充の体質に、モテない男たちが嫉妬して当然である。

 

 

 

 

 

 そのとき、

 

 

 

 

 

 

ズドンッ!!!!

 

 

 

 

 

 地面から響くような重たい轟音と同時に地面が大きく揺れた。

 この揺れに紅い翼のメンバーとその他の基地内全員が驚き、遮那はクラインの唇を斬る寸前で、キョウスケと男たちナギをリンチを、リズベットは不完全燃焼になったリーファの胸を揉むのをやめた。

 地震かと思われる中、基地の各施設が火の気があがり、全域に非常警報のサイレンが鳴り響いた。

 

【緊急警報発令!緊急警報発令!基地地下施設に爆発が発生しました。地下施設はほとんど不能になりただいま事態の収拾をしております。爆発の原因は調査の結果、目撃証言から、敵国の大将、ブレイドが基地に侵入し破壊工作を行ったと推測。目撃は不明ですが、滞在していた黄昏の姫巫女が姿が無いことから、姫巫女を誘拐が目撃だと推測されています。まだ基地内に潜伏してる恐れがありますが、爆発で武器庫に連鎖し引火、地上の施設へ連鎖されただいま火事が起こっておりますので、探索は危険です。一般人、非戦闘員は速やかに基地からはなれてください。また、軍人関係者は火事の鎮圧とけが人の救助と非難の誘導をお願いします。繰り返します。基地地下施設が爆発―――】

 

 アナウンスが繰り返される中、突然の爆発事件の基地内にいた者たちは大慌てになった、基地に所属するものは急いで火事の鎮圧やけが人の救助に向かい、傭兵も手伝う人は救助や鎮圧に手伝いに行き、関係ない者は非難した。

 その中で紅い翼のメンバーは黙り込んだ。なぜなら、瓢箪からコマという、会話が現実になってしまったのだ。

 フラグを立てまくったキョウスケとアルはマジでか?という顔で関心し、詠春にいたっては責任を感じてしまった。

 

「オイオイ、ようやく腹が落ち着いたと思ったら大惨事だな」

「ラカン!?起きていたんですか!?」

 

 詠春のそばに、大食い大会で食いすぎで寝ていたラカンがいた。

 

「無理な大食いでお腹、大丈夫なの?」

「まぁな。だいぶ、食ったモンが消化したから気分がよくなったぜ…。ってか、おまえにだけにはいわれたくねーよ!」

 

 巨漢であるためそれなりに大食いであるのに、腰が細い少女に負けたことがショックであり屈辱であった。

 だが、それとりも目の前で起きてる事件の犯人のほうが重要であった。

 

「さぁーてと、消化したからエネルギー満タンだし、腹ごらしにいきますか…来てるんだろうアイツが?」

「確証はありませんが、こんな大胆な破壊工作と、今までフラグをあわせれば、この爆破の主犯はおそらくブレイドであるのが高いでしょう」

 

 と、アルが推測する。なにせ、自分がいた場所に核爆発させる相手だ。爆破工作はお手の物だろう。

 

「まさか、あいつがキョウスケよりさきに姫子を誘拐するなんてびっくりだよなー」

「俺としては、さきを越されて悔しいぞ!」

「まじで、悔しそうな顔すんなよ…おい…」

「ハァハァ、わたし・・・彼がそんなことする人なんて信じたくないなー…とくにキョウスケと同類なんって考えたくもない!」

 

 一刀の行動に驚く、遮那とキョウスケに、復活したナギとリーファ。ちなみ、リーファはまだ身体が火照っており、刀を杖代わりにしながら、息荒く立っていた。

 

「エルフ娘がどう思うが、アイツがこの爆破の犯人だろうが俺には関係ねー!」

 

身体の間接をボキボキと鳴らし、準備運動をした。

 

「さっさと出て、俺と戦えブレイド!今度こそ、この俺、ラカン様が完 全 勝 利だ!がっはははは!」

 

 挑発のように勝利宣言して笑うラカン。

 

「ん?なんだあれ?」

「どうした遮那?」

「いや、ラカンの足元、なんか不自然に土が盛ってねーか?」

 

 遮那が指差した先にはラカンの足元の地面で、なにやらそこだけ土が盛っており、小さな山になっていた。モグラが地面の中で掘った土が地上に盛られたのあろうかと、詠春がそう思った。

 そして、その盛った土の山から突如・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

ギュッゥィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!

 

 

 

 

 戦艦のバルジと同様な巨大なドリルが出現し、ラカンの肛門めがけて突き刺した。

 

「あっふん♪」

 

 一瞬、花園の顔になったラカン。先端にラカンを突き刺したドリルはそのまま天を貫こうと伸びていく。

 

「あれまー大変です。ラカンの尻が天元突破されました…」

「ラッカァァァァアアアアアアアアアアアン!?!?」

 

 アルはいつも通りアルカリックスマイルだが少しだけ苦笑してしまい、詠春は叫んだ。

 ドリルは天へ駆け上ると、その巨体を地上へと現した。垂直から平行に、傾けて、ナギたちはその物体に驚愕した。

 それは船であった。先端に巨大がドリルがついた飛行戦艦。これぞ出落ちの潜水艦の武装錬金『ディープブレッシング(空中専用)』である。

 

「巨大戦艦がキタァァアアアア!!」

「一発ネタであっても、やはり、ドリルは男の誰もが憧れるアルティメットウェポンだな!」

「大きいぃいいいよ!かっこいいぃいいよ!!」

 

 ナギ、キョウスケ、リーファが子供のように目を輝かして叫び、周りでジタバタしていた軍人、とくに男性陣がナギと同様に浮遊している戦艦に目を輝かせて「きゅぅうきょっくぅぅうううううだ~!」と叫んでいた。やはりドリルと巨大戦艦は子供と大人にとってロマンであるため憧れるのは当たり前。そんな反面、他の紅い翼のメンバーと女性陣らシーンと静まっていた。

 しかし、なぜリーファがナギと同様に喜んでいるか?理由は生前、武術一筋で男のように育てられ、また、日曜の朝にやっている特作ヒーローに出てくるロボットに興味があったためである。そのため、男のロマンは割とあるのだ。

 

 

シュ~ウ~…ポロ・・・・・・ドッテ!

 

 

 風が吹き、その風でドリルの先端に突き刺さっていたラカンが煽られて地面に落ちてきた。

 

「あがあがあがあが…!?!?」

 

 巨大で鋭利なドリルが肛門を突破された影響下、痙攣していた。

 

「大丈夫ですか、ラカン!?気をしっかり!!」

「や、やめろ…!揺らすと開いた穴からマンガ肉がゾロメカみたく出てくる…」

 

 詠春が介抱するが、相当ダメージがデカイらしい。不死身とされる強靭で堅牢のバグな肉体をもつラカンでも、さすがに尻の門はバクではなかった。

 

「しかし、なぜこのよぉな、戦艦が地面から出てきたのじゃ?」

「…あの船、資料で見たことあるぞ…たしか、数日前、連合の艦隊が南に進行してきたときに、たった一隻で艦隊の六割を沈めた戦艦だ!?」

「一隻で艦隊の六割をなんてそんな馬鹿げた話あるわけ――」

「ありえないとは言い切れないぞ詠春。なんせ俺たちはありえないほどの馬鹿げた力を持ったやつと戦った」

「?…っ!?キョウスケ、もしやあの船は…!?」

「あぁ、まちがいない。あの船はブレイドが錬金術で生み出した武装だ!」

「なにー!?つーことは、あのロマンあふれる船はアイツのもんか!?」

「あの銅色のボディーはあいつが使ったコートの武装の色と同じだ。どうやら、あの船で黄昏の姫巫女を連れて逃げるらしいな」

「ちょっ!それよりも、この場所でブレイドの名前はやばいんじゃない?」

 

 キョウスケの推測をリーファが横から止めようとした。なぜなら先刻、スモーキーが人が行きかう大道理で、一刀を賞金首になったことと、その値段を大きく叫んだ。で、紅い翼はいる場所は野外で、まわりには逃げたり戦艦を眺めている傭兵たち。

 よって…、

 

 賞金んんんんんんんん!!

 500万ドルぅぅぅうううううううう!!

 撃て撃てぇぇえええ!!

 ヤッホぉぉおおおおおロリコンは消毒じゃぁぁぁぁああああ!!

 

 

 金の亡者となった傭兵たちが、戦艦にむかって一斉に砲撃を開始した。

 銃弾から魔法の矢、極太のビームや槍や剣が空へと飛んでいき、この弾幕の被弾しないよう紅い翼は近くの店へと非難した。また、戦闘不能になったラカンは詠春が担いでいる。

 

「これじゃーやばいぜ。もしも、アイツが姫子ちゃんを誘拐してんだら、あの中に姫子ちゃんが!?」

「しかし、この猛攻の中では、船には行けませんよ?」

「くっそー、あいつら目が金になってるから、簡単に止めてくれなさそうだ」

 

 攻撃されているが戦艦はビクともせず、沈黙したまま宙に滞在している。、だが、いつ動き出すかわからない。ナギたちはなんとかして戦艦の中へ入りたいが、傭兵たちの撃っている弾幕が邪魔で、空からの侵入は無理であった。

 

「こうなれば、あの人たちを吹き飛ばして、船の中に突入するわ」

 

 そう言って、金の亡者たちへ駆け寄り、三本の刀を抜刀する。

 

「はじめっから大技いくわよ!三刀流!百八煩悩鳳!!」

 

 走りながら刀を振るって巨大な三つの斬撃を放った。

 

ドカーん!

 

『ぎゃっぁぁああああああああ!!!』

 

 斬撃で傭兵たちは吹き飛んだ。これでも手加減をしたので傷は浅く気絶していた。だが、黒刀・秋水で飛ばした黒い斬撃だけは威力は衰えず、そのまま空へ上昇していき、

 

ドッカン!!

 

 戦艦の横腹に激突。綺麗な断面ができるほど横に両断され、八の字に折れるようにして、高度が下がっていきリーファたちの目の前で墜落した。

 

「あっ」

「おっぃいいいいいいいい!?雑魚を吹き飛ばすところか船ごと一刀両断しちゃったぞ!?」

「これはまた見事に切断しましたねぇー。栗を切るときに中の虫ごと切るように、ブレイドと姫様が両断されていなけらばよいのですが…;」

「怖いこと言わないで!あたしのせいになるじゃない!」

「どうみても、おまえのせいだろう!!」

「アスナ姫ェェェェエエエエ!!ブレイドさぁぁああん!!!」

 

 詠春は一刀たちの身を心配して叫ぶと、戦艦が光になって消え去ると、空から六角形の銅色プレートがリーファの手の平に落ちてきた。

 

「これなに?」

「そいつは、核金。簡単に説明すれば、ラカンの千の英雄と似た能力を持った錬金術の産物で、先っきの戦艦の正体だ」

「原作同様、出オチだったな…」

 

 キョウスケが核金の説明をする。その横に武装錬金を読破した遮那もいた。

 

「しかし、シルバースキンの件があったが、核金も葉が音色ではなく銅色とは…、最近2Pがはやっているのか?」

「あれ、うしろになんか書いてある?」

 

 原作と違うのかと考える隣で、リーファが核金の後ろになにかテープが紙が張られていたのに気づき、めくると…

 

 

【残念賞】

 

 

 と、書かれていた。

 

「・・・・・・・・・もしかして、はずれ?」

「はっ!とういうことはこれは囮か!」

「なら、本人たちはいまごろ別のところに!」

「馬鹿!また、そんな大声で言ったら・・・・」

 

 大声で叫ぶキョウスケとリーファに遮那が叫ぶが…

 

 

 近くにいるはずだぁぁああ!!

 探せぇぇぇえええええええ!!

 賞金は俺のもんだぁぁああああ!!

 幼女の姫様ぁぁぁああああああ!!

 

 

 いつの間にか復活した金の亡者たちが、一刀たちを探しに走り回った。

 リーファの大技を食らって、数分で復帰する彼ら、とくに変態なやつらに紅い翼は呆れてしまう。

 

「ハッ、俺たちもこうしちゃーいられねー!俺たちもいくぜ!」

「状況はわからないけど、あんただけは、まちなさい!まだ、話は終わってないんだからね!」

 

 ナギは一刀を探しに、基地の外へ行くと、リズベットも後を追った。

 

「すげー執念…」

「ナギは罪深いものです…」

「とにかくナギたちを追いかけなくては…」

「せっかくだし、俺も付き添ってやるよ」

「そうだな」

 

 クラインとエギルが紅い翼の横にいた。どうやら、傭兵たちが砲撃しているときに紅い翼と一緒に店に非難したようだ。

 だが、それよりも……、

 

「…いたのかエギル?」

「初登場からクラインと一緒にいたぞ…」

 

 影が薄いのか、遮那でさえ、いたことすら気づかなかった。

 クラインとエギルの二人を含め、紅い翼はナギとリズの後を追うとした、そのとき

 

 

タッタッタッタッタッタッタッタッタ!!

 

 

 どこから何本ほどの針が飛んきて、遮那たちの影に突き刺さった。

 

「なんだこれ!?」

 

 不明な針に驚くが、それ以前になぜか身体を動かすことができなかった。

「う、うごけない!?」

「これは、影封じの術!?影に針を刺して、動きを封じる術です!」

「そのとおり!」

 

 詠春が影封じの術を説明すると女性がいた。いえ、それよりもいつの間に現れたのか不思議であった。

 しかしも、その女性は、見覚えがあった。

 

「おまえは、さっきのウェイトレス!?」

「こんな術を使うんなら、ただのウェイトレスじゃないだろう!」

「そうよ・・・・・」

 

 女性は制服を捲りあげると、その格好はまるで忍びのような洋服となり、首にはマフラーを巻いていたその女性の姿にキョウスケがは目を開いて驚いていた。

 

「『夜の偶像』所属。二番隊隊長、内川 鈴!我が主の命により、此処から先、主の元には行かせない!」

 

 艦これの『内川改二』に似た内川 鈴(うちかわ りん)が名乗りを上げた。

 

「夜の愚像!?まさか、あの組織がこの戦争に雇われいるとは!?」

「詠春、知ってるの?」

「ハイ、夜の偶像は、日本の各忍びたちが設立した傭兵ギルトで暗殺から討伐まで手がけ、総力戦では一国をも落とすほどの戦闘力と武力をもつ裏世界の大組織です。しかも、彼らを雇うには多額の契約金と自ら認めた相手にしか契約しないとい信念があり、たとえ国王でも雇えることができないほどの忍びの組織です。なのに、隊長クラス、それも二番隊隊長が雇われているとは…いったいだれが契約したのか…」

「うんなもん、あいつしかいねーだろう」

「ブレイドさん…ね」

「それしか、想像できん(天龍、龍田、そして、内川…この分だと、あいつの周りには艦これを基にしたオリキャラがまだいそうだ)」

 

 転生組みがそう考えると、凛がどこからだしたのかクナイを指の間に三本挟みならがら、クナイの剣先をリーファに向けた。

 

「ちょっと、そこの金髪牛乳!」

「へ、あたし?」

「あんたしか牛のような胸の人いないでしょう…。あんた、店で私の主に手を出すと、好みとか言ったわよね?」

「い、いや、手をだすとか別に、ただ好みの人だから気になっただけで…」

「そう…。主からあまり死人を出すなっていわれてたけど、命令変更。あんた此処で始末するわ!」

 

 ガッシャン!!

 

 どこから出したのか、両手に日本製の重火器、74式車載7.62mm機関銃を二丁を持ち上げ、銃口をリーファに向けた。

 

「ちょっとぉおおおおおおおお!?そんなあぶないものどこから出したのぉぉおおおお!?!?そのクナイはなんだったの!忍者だからクナイだしただけ!?ってか、なんであたしが殺されなちゃいけないのよ!?」

「あたりまえよ!あんたは主の貞操と心を狙った。ただでさえ主の争奪戦で激しいのに、また新しいの入ったらこっちはいい迷惑なの!だから、参加させるまえに殺す!わかった!!」

「そんなの、わかりたくない!!恋するのは自由のはずよ!」

「自由よ!だから、障害になるものは排除してもいいの!とくに恋敵にはね!」

「あの~恋敵以前に、その重火器で私たちも巻き添えを食らいそうなんですが…?」

「一人だとかわいそうだから、ついでにあなたたちも殺っとくわ」

「「「「なんでそうなる!?」」」

「お、俺は紅い翼のメンバーじゃないから、俺だけ見逃してくれ!?

「オイ、一人だけ助かろうとすんな中年!!」

 

 ついでに殺されそうになった男性陣。メンバーではないクラインが命乞いをし、遮那がつっこむ。

 

「リーファ!おまえが原因だから何とかしろ!!」

「無茶いわないでよ!あんたたちと同じで、体が動かないんだから!」

 

 体が動かせないため、武器に手を触れられず、呪文を唱えたり、不自然な動きをすれば、瞬時にハチの巣になってしまうため、打つ手なしの状態であった。

 

「さぁ、あの世で三途の川を渡りなさい!!」

 

 引き金を引こうとしたそのとき、

 

「うっぉぉおおおおおおおお!!!」

 

 動けないはずなのに、エギルが斧をブーメランの様に投げた。

 

「なっ!?」

 

 

ガッキン!!

 

 

 斧は重火器の砲身に当たり、凛はびっくりして、紅い翼に隙をみせた。

 

「ガーディアンアーム・ウィンディーネ!」

『まっかっせてー!』

 

 キョウスケは水の妖精『ウィンディーネ』を創造し、ウェインディーネは水の玉を作ると、キョウスケの足元に落とした。

 すると地面が塗れて、刺さっていた針が倒れ地面から抜けた。よって、

 

「あっ。うごける」

 

 針が抜けたことで影封じの術の効果がなくなり、動けるようになった。

 

「くっ、この――」

『やらせないよ!アクアニードレスっ!』

「きゃっ!?」

 

 片方の重火器を使おうとする前に、ウィンディーネが放った八本の水の槍で、服の先端を刺さり地面に貫通し寝転がるように、動きを封じた。無理して起き上がろうとするが、首筋に遮那の天狼があたる。

 

「形勢逆転だ」

「ぐっ!」

 

 状況が逆転され鈴は苦い顔になる。

 

「なんで、あの禿が動ける…?あいつにも影封じを施こしたのに……?」

「ん…?それもそうだな・・・?エギル、おまえ、なにかしたか?」

「いや…、たしかに動きづらかったが、別に動けないわけじゃんかったぞ?」

「なら、なんで…あっ!」

「リーファ?なにかわかったのか?」

「わかったていうか・・・エギルって影薄いじゃない?だから、影が薄いから影封じの効果も薄くなったんだと思う…」

「いやいや、影が薄いのが忍術まで効果まで支障をきたすわけありませんよ!?」

「そうだぞ!たとえ、影薄いからって本当に影まで薄いわけが…」

 

 エギルが自分の影を見下ろすと、影は真っ黒ではなく、グレイで半透明であった。

 

「「「「まじで薄い!?」」」」

「な、なんでだーーー!?」

 

 ほんとうに影が薄かったことに、キョウスケ以外の紅い翼とクライン、そして影封じをした凛は仰天し、エギル本人も頭を抱えて叫んだ。

 まぁ、影薄キャラなので、それほど問題はないだろう。

 

「問題大有りだろうが!影がグレイの人間なんて嫌だろうが!もとに戻せ!嫁と店を開く前にもとの影に戻せ(怒)」

 

 ムシムシ(黒)。

 

「おい!!」

 

 

 

 

 

『あっはははは、ご主人のお友達っておもしろいね♪』

「そうだろう。なんせ、自慢の仲間だからな」

 

 エギルが大変なときに、他人のようにお気楽に笑うウィンディーネとキョウスケ。原作とおなじ性格のはずだが、この状況でもおもしろく笑ってしまうの、生みの親がキョウスケが原因なのだろう。

 そんなとき、ウィンディーネが危険を感じて、キョウスケを押し飛ばした。

 

『ご主人あぶない!?』

「えっ?」

 

 バッン!!

 

 押し飛ばしたキョウスケの目の前で、突如、霧散して消えた。

 

「ウィンディーネ!?」

 

 何が起きたのかわらからズ驚くキョウスケ。

 ウィンディーネが消えたことにより、凛を封じていた水の槍は形を崩れてただの水となった。

 

「きゃっ!?」

 

 その水で鈴は水浸しになるが、首を振って水を飛ばすと、その場でジャンプして後ろに下がる。

 着地した横に一人の女性がいた。

 

「助けるなら、ぬれる前に来てほしかったわ」

「にゃっはははは、ごめんねー。東のほうでファンが大人しくしてくれなくって遅れちゃった♪」

 

 反省の色をみえず。笑い女性。その女性にリーファはみおぼえがった。

 

「あの子って大食い大会で実況をしていた娘じゃない!?」

「あの子は…まさか…!?」

 

 キョウスケもその女性が何もか気づいた。正確には元ネタが何なのかが。

 

「うふふふ、数時間ぶりだね、大食いのクイーンさん♪」

「あんた…ただのリポーターじゃないでしょう・・・?」

「そう、流浪のアイドルとは仮の姿。私の実態は…とう!」

 

 服を捲りあがると、艦これの那珂改二に似た格好で、片手にマイクを持ってポーズをきめ。

 

「夜の偶像、一番隊隊長、那珂うづきこと、みんなのアイドルぅー!ナカちゃんだったのだー!」

『な、なんだってぇー!?!?』

 

 全員が目を丸くして驚き叫んだ。キョウスケにいたっては、ある程度予想したが、ここまで予想道理であったことに、驚きを隠せなかった。

 

「うふふふ、びっくりしたでしょう?」

「びっくりしたわよ。てっきり、ただの売れないアイドルだと思ってたんだもん」

「ぐっほ!?」

 

 『売れない』という単語がナカちゃんの胸に突き刺さり、卯月は胸を押さえて一歩後退した。

 

「うづきぃぃい!?大丈夫なの!?」

「さ、さすがは大食いクイーン…ナカちゃんが気にしていた事を容赦なくゲイ・ボルクで突くなんてね…」

「いや、別に狙ったわけじゃないんだけど…とりあえず、あやまっとくよ。ごめんなさい」

「やはり、どこいってもそのネタは付くのか…もはや呪いだ」

「なに言ってんだ、おまえ?」

「こっちの話だ」

 

 初登場から、大ダメージを受けたナカちゃん。しかし、彼女はこれくらいでは沈まなのであった。

 

「だが、しかーーし!このみんなのアイドル!ナカちゃんはここで終われない!私の大事な姉妹とプロデゥーサーをいじめる奴は、アイドル忍法で懲らしめてあげるんだから!覚悟しなさーい!」

『アイドル忍法?』

 

 紅い翼たちは聞きなれない言葉に首をかしげ、仲間で姉妹のはずの凛は嫌な顔して「あんた、忍者として自覚あるの…」とため息を吐いた。

 

「いっくよー!アイドル忍法!『ステージ召還の術』!!」

 

 

 パァーン!

 

 

 突如、昼だった空が夜に変わり、目の前にはアイドルのライブのステージが現れ、景色がナイトコンサート一色になった。そして、紅い翼はステージの前で大勢の観客たちに中に埋もれていた。

 

「なにこれ!いきなり景色がライブのステージになった!?」

「ぐっ、なんなんですか、この人だかりは!?動けない!?」

「せ、せまい…!?それに、汗臭いぞぉ…!?」

「そうか…?俺には懐かしく感じるが?むしろ、ワクワクしてきた!」

「なんで、おまえだけ元気なんだ?」

「おい、こいつら、さっきの傭兵だぞ!?」

 

 観客たちの複数が、さきほどブレイドを探しに行ったものたちであり、彼らは全員が同じ服を着て、アイドルのコンサートで振りかざす光る棒を持っていた。

 そして、どこから音楽が流れると、観客たちは声を上げ、光る棒を振り上げる。

 すると、ライトがステージを集中して照らすとステージの中央からナカちゃんが現れた。

 

「みんなー!ナカちゃんのコンサートに来てくれてありがとうぉお!!」

 

わーわーわわー!!

 

 観客たちは一斉に声を上げて、ナカちゃんを応援しはじめた。。

 

「今夜はめいっぱい歌うから応援してね♪それじゃ、一曲目!『恋の2-4-11』♪」

 

BGM【恋の2-4-11】

 

 

 ナカちゃんが歌う。ナカちゃんが踊る。ナカちゃんが笑う。ナカちゃんが観客に手を振る。

 その姿、一級のアイドルであった。

 

 

 

 なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!

 なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!

 なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!

 なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!

 なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!

 なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!

 なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!

 なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!

 なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!

 なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!

 なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!

 なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!なーかちゃんハイ!

 

 

 ファンたちがヒートアップして一切乱れない統制とれた動きで応援する。

 この状況に、紅い翼たちはどうすればいいかわらなかった。

 

 

「いったいこれは…」

『これこそ、うづきの忍法。ステージ召還の術が発動されると、相手をナカちゃんワールドに強制転送させ、自分の虜にしてしまう忍術よ』

「この声はたしか内川さん!どこにいるの!」

『右の壁側の上をみなさい』

 

 リーファたちは壁側のほうへ振り向くと、鈴がおり、ライトを動かして歌っている踊っているナカちゃんにライトを当てていた。

 

「……なにやってんの?」

『見てのとおり、あの馬鹿アイドルにライト当ててんの…!この術が発動されると味方はライブのスタッフにされちゃうのよ…。それも強制的に…!』

 

 紅い翼から遠めであったが、ライトを操作している鈴の額に青筋が浮かぶのが見えた。強制的に手伝えさせれて腹が立っているのだろう。鈴は隣にいたスタッフに代わってもらい、紅い翼たちの下へ降りて着地した。

 

「もしや、この方達も…?」

「そうよ。こいつらもうづきの歌を聞いてファンになった人たちよ。そしてファンになったら最後、ナカちゃんワールドの住人になって永遠にうづきのライブを盛り上げるためだけに生き続けるのよ」

「なにそれコワ!?」

 

 ナカちゃんの術にリーファは恐ろしく思った。

 

「だから、さっさとあいつのファンになった私を解放してよ。このライトを当てる仕事ってけっこう暑いのよねー」

「おまえの、事情なんて知るか!」

「みなさん!あの人の歌を聞いて虜にならないよう気をしっかり持ってください!!」

 

 遮那が鈴にツッコミを入れ、詠春が注意する。

 だが、

 

「那珂ちゃーん!こっちをみてくれー!手を振ってくれー!」

「な~かちゃん~ハイハイ!な~かちゃん~ハイハイ!」

「なかちゃん俺だー!結婚してくれー!」

「なかちゃんフィィイバァァァアアアアアア!!!」

 

 キョウスケ、アル、クライン、いつの間にか復活したラカンが、ファンたちと同様にナカちゃんTシャツを着て光る棒を振っていた。

 

ゴンッ!×4

 

「気をしっかりもてっと言ってるそばから、なにやってるんですかっあなたちは!!」

「「「「すみません…」」」」

 

 詠春に殴られ、頭にタンコブをつける独身男性、四人は正座して反省した。

 

「だぁぁああああ、こんな世界いれるかっ!さっさと出るぞ!」

「でも遮那、どうやって出るの?」

「そんなの、術を発動させてる、奴を倒せばいいだけだろう」

 

 ステージを踊っているナカちゃんに指を刺した。遮那にとって、こんな世界は息苦しく、辛いのである。

 遮那は鞘から天狼を抜くと、ジャンプしてステージに飛び込んだ。

 

「ノッてるとこ悪いが、ライブはここまでだ!」

 

 ナカちゃんに向かって斬りかかるが、

 

「えい♪」

 

 遮那の一振りをマイクでうけとめた。

 

「なに!?」

「とうぉ!」

 

 遮那が驚いた隙に、腹にキックを放ち、蹴り飛ばした

 

「ぐっわっ!?」

「うそ!?遮那を蹴り飛ばした!?」

 

 遮那が蹴り飛ばされことにリーファたちが驚き、遮那はステージの上に着地したが、腹を押さえて膝を床についてしまう。

 

「言い忘れたけど、ナカちゃんワールドが発動してる間はうづきには物理接触はできないわよ」

「そ、それを早く言え…」

 

 腹の蹴りが重く、そして鋭かった。遮那は目の前でふざけているナカちゃんに容赦しないことにし、立ち上がる。

 

「ぐっ、こんな奴に大技使いたくねーけど、しかたがねっ!!」

 

 刀身をなぞり、背後から神風が吹く。ナカちゃんは突如の風にはぴくともせず歌い続ける。

 そして、遮那は奥義を発動させた。

 

「無明神風流奥義『青龍』!!」

 

 天狼を大地に叩きつけるように振っると、円周状に14本のみずちが放たれ、みずちはナカちゃんを囲むと、渦を巻き、竜巻が発生し、ナカちゃんを上空へ浮き上がらせると、空には青く巨大な龍が襲い掛かろうとした。

 

「よしっ!これなら――」

「嫌、駄目だ…」

 

 リーファが勝利を確信したが、キョウスケは見抜いていた。竜巻の中、ナカちゃんは屈してはおらず、踊っていた。

 そして、

 

「~!~!!」

 

 綺麗な旋律が響いた瞬間、青龍が霧散した。

 

「青龍を消し飛ばしただと!?」

 

 それだけではとまらず、歌声が衝撃波となり、遮那をステージに外に吹き飛ばした。

 

「ぐあぁぁああああああ!?」

 

 そのまま、紅い翼のもとへ、飛ばされた。

 

「いっててててて…」

「遮那大丈夫?」

「あぁなんとか…」

 

 軽傷であった。そして、ナカちゃんはゆっくりとステージへ着地し、何事もなかったように歌い続ける。

 

「しかし、なぜ、遮那の奥義が消されたのでしょうか?」

「その正体はナカちゃんの歌声だ」

「歌?」

「そうだ。ナカちゃんは声で音をあやつり、音の振動で物体を破壊したんだ。ウィンディーネが霧散したのもナカちゃんの声だ。音だから攻撃を見えなかった。そうだろう?」

「大正解。あなたの言うとおりよ」

 

 鈴はハナマルのプレートを上げた。

 

「あいつ、昔アイドル希望だったんだけど、音痴だったからいつも不合格になってね。結局は実家で忍者を継いで組織の一番隊隊長になんたんだけど、まだ、夢は捨てきられいないのよ。だから、忍術もアイドル関係のが多くてね。物を破壊する歌声も発声練習で身に付けたものよ」

「発声練習で超音波破壊を獲得すってどんな発生練習だよ!あいつ、アイドルより兵器のほうが似合ってんぞ!」

「けど、これが音痴?綺麗な歌声に聞こえるんだけど?」

「あんたらは聞いてるのは忍術で強化した歌声。ほんとは音痴で、曲もマニアなやつがほとんどで、なかなか審査が通らなくてねぇ…忍術を使えば一発でアイドルになるのに、あいつ、術の力に頼らず自分の力だけでなろうとしたんだ。ほんと、馬鹿みたい」

「馬鹿って、一生懸命がんばたあの子にひどいじゃない!あんたそれでも姉妹!?」

「血が繋がっていないけどちゃんとした姉妹よ。だから妹してあきらめてほしいの。そもそも、その一生懸命でがんばれば、夢は叶うと思う?夢なんて所詮は叶わないもの。むしろ叶わないから夢なのよ。…もう、昔の夢で悲しいことをわすれて新しいことをはじめればいいのに…」

 

 鈴は一瞬、悲しそうな顔になった。不合格を告げられ、自分たちの前で元気の姿をしたナカちゃんと、部屋で一人泣くナカちゃんの姿が脳裏によぎった。

 その横顔にリーファたちが察した。

 

「あなた、姉想いね…。けど、そんなの間違っているよ。叶わないのが夢じゃない。叶いたい夢だから夢なの…あたしはそう思うわ」

 

 リーファの真剣な目をみて、鈴は主である一刀と目と重なった。

 

「…あんたも主と同じようなこと、言えるのね」

「ブレイドさんも?」

「えぇ、もともと、一番最初に主と契約したのはうづきなの。私たち夜の偶像に契約しに現れた主は最初にこう言ったの『俺が求めているのは、俺のために命令を聞く奴じゃない。己で決める奴だ。思考を捨てて、掟に縛れた奴に興味はない。俺と共に己の野望を夢を求める奴だけだ』ってね。わかる?主の命に従うだけの忍びに、己の野望、それも自分たちを夢を求めてる人を推薦したのよ?あのときは組織の人間のほとんどは呆けて、みんな主のことを馬鹿だと思ったの」

「うわー、さすがブレイドさん…やること半端ないわね…」

「でしょう。でも、彼の言葉はアイドルの夢で苦しんでいたうづきの光を与えてくれたんだ。もうちど夢をつかむため勇気を与えてくれたんだ。それでうづきは主と契約したの。その内容は二つ。主のために傭兵として働くこと。そして、主のために立派なアイドルになるってね。いまでも主のもとでアイドルの勉強とトレーニングをしているの」

「へぇ~、がんばっているんですねぇ…。ん?組織がブレイドを馬鹿にしたのに、なんであなたは契約したの?」

「私はそもそも、主の威風堂々な姿に惚れちゃって自分が一生御使いすべき人だと悟ったのよ。もっとも、うづきに先こされちゃったけど、その後で私も主と契約をしたんだ♪」

「あははは、なるほどねー……。こりゃー、ブレイドさんを狙うのは難しそう…」

 

 乙女の勘なのか、一刀の周りのまだ女性がいることがわかるリーファ。彼女もまた、徐々に一刀に毒牙という天然にかかり掛けていた。

 もっとも、今はそれどころではないのだが?

 

「あのーリーファさん?シリアスなガールズトークの途中で悪いのですが…こっちらはそろそろ限界です!!」

「放せ遮那ぁぁああ!!これではなかちゃんの応援ができん!!!」

「お前まで、正気が失ったら俺たちまですぐに正気が失いそうだから無理だ!」

「なんだ、嫉妬か?」

「もうすこしキツクしようか、あぁんっ?」

「イタタタタタ!?腕が!間接が曲がらない方向に曲がっちゃう!!」

 

 詠春、キョウスケ、遮那、リーファ以外のメンバーは完全にナカちゃんの術中に嵌り、ファンたち一緒に応援していた。

 また、キョウスケが術中に嵌ってしまえが、真面目組みもすぐに正気を失いそうになるかもしれないため、遮那がキョウスケの両手を後ろに押さえて拘束していた。え?なんでキョウスケを正気にさせてるって?変態が大丈夫だったら、真面目もまだ大丈夫ってことだからだ(by作者)

 

「あぁーそうだった!!ねぇ、鈴さん!おねがい!この術を破る方法をおしえてくれない?」

「なんで、私がおしえなちゃーいけないのよ?そもそも私は敵よ。それに、この術を破る方法なんて知らないわよ?」

「そんな~!?」

「あ~ここで彼女のファンになっちゃうと故郷にいる許婚を裏切ってしまう…わたしはどうすればいいだろうか…」

 

 リーファと詠春はあきらめムードになるが、遮那だけはあきらめずにいた。

 そして、さきほどから気になっていたことを鈴に問いかけた。

 

「ところで、なんでさっきから俺たちに話しかけてんだ?それも術の手の内やあいつの過去を明かして?」

「もともと、この術をやぶって、強制労働を早めに終わらしてほしいのが本音だけど、あんたらに話したのは主の命令だったからなのよ」

「ブレイドがか?なんでまた?」

「私に聞かれても知らないわ…。あっ、そういえば、うづきをあんたら紅い翼にぶつけようにしたのは、うづきのためだとか言ってたわね…あれってどういうことなんだろう?」

 

 鈴は頭をひねって考えると、キョウスケがあることに閃いた。

 

「なるほど…読めたぞ。ブレイドの考えが。そして、この術の攻略法が!」

「わかったのですかキョウスケ!」

 

 詠春が声を上げて質問するが、

 

「キョウスケ?誰のことを言ってる?」

「えっ?」

 

 遮那たちに背中を見せていたキョウスケが振り向く。

 その頭にはPのアルファベットの文字があり、メガネをかけていた。

 

「俺の名はプロデューサーと呼びたまえ君たち」

 

メガネを指で上げると、フレームがピッカンと輝いた。

 

「…なんか、いや~な予感するな…」

「あたしもよ…」

 

 悪い予感が感じた遮那とリーファ。その傍らで、詠春と鈴は一歩下がった。

 

「さぁ、みんなのアイドル、ナカちゃんよ。ここからさきは…

 

 

 

 

                       LIⅤEバトルに路線変更だ!!」

 

 

 

 赤い翼(三人)VSみんなのアイドルとの勝負が開始されようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 その同時刻。基地から六キロ離れた岩の多い荒地に、二人の者たちが『出現した』。

 

「おかしいなー?テレポートの飛距離がいつもより短い?」

 

 シルバースキンを着ていた、我らのペドの王であり変態北郷一刀と、その一刀に身も心も蹂躙された幼女ことアスナであった。

 

「ちょっとまてぇぇぇぇぇええええええ!!」

 

ん?なにか間違えがあったか?

 

「間違えがある以前になんだよ、この地の文!?つーか身も心を蹂躙したってなんなの!?これじゃー俺、おもいっき鬼畜で変態のペド野郎じゃねーーか!!」

 

そらそうでしょう。なにせ、小さくて知識不足のアスナに、抱きついてナデナデという名の肌の陵辱をしたんですからねー(棒)

 

「オイ、馬鹿やめろ。この小説にはR指定は付いていないんだぞ!?この話は早くも終了ですね!?」

「なに叫んでいるの…カズト…?」

「いや、ただ、小さい子の教育に悪い電波を受信してな…」

「?…そう…」

 

 アスナは顔を埋めると、反動で帽子が下がり、アスナの顔を隠す。

 一刀はアスナの帽子を上げると、アスナはなぜか、バツが悪そうな顔をする。

 

「ごめんね…カズト…」

「ん?どうしたんだ?急にあやまっちゃって…?」

「わたしの…能力…いろいろと消すから、それで、カズトの力も…」

 

 知識があまりないアスナでも自身の力についてよく知っている。それゆえに自身の能力が一刀の能力をも半減してしまっていることにきづいていた。その証拠に、自分が着ている服も、テレポートも支障をきたしている。そのことに、自分が一刀の足手まといになっているのだとと思ってしまった。

 だが、

 

「えい♪」

「うにゅ…!?」

 

 一刀はアスナの両頬をやさしく引っ張った。突然のことに驚きの色を見せたアスナに、一刀は笑って言う。

 

「アスナは笑顔のほうが似合うんだから、悲しい顔をしない。それに、能力と力が使えなくても、アスナが一緒にいてくれればそれだけで十分。むしろ、一億倍馬力がでるんだから、俺は♪」

「カズト…うん」

 

 ほっぺてを放すと、アスナはうなずき、少しだけ微笑んだ。その微笑に一刀はかわいく思いアスナの頭を撫でた。

 

「よしよし、笑ったアスナはほんとかわいーなー♪ほーら、高い高いしちゃうぞー!」

「もう…子供扱いしないでよ…」

 

 アスナの持ち上げて、高い高いをする一刀。アスナは子供扱いされ、ほっぺたを膨らますが、まんざらでは無い様子。

 このまま、ベットに直行したらエロ展開はおきそうなほどの仲が良かった。

 

「たのむから、黙っててくれない?まじでおまわりさん来ちゃうから」

 

 安心しろ、おまわりさんより先にもっと怖い人が来るから(自慢)

 

「え、どういうこ――」

「ここにいたか、ブレイド・H・フェイクドール大将」

「っ!?」

 

 ドスが効いた男性の声が聞こえ、一刀は振り向くと、軍服を着た男たちは横に整列して、その中央で白髪の巨漢が葉巻を加えながら、一刀を睨んだ。

 

「…誰だおまえ…?」

 

 一刀はアスナを地面に下ろす中央の男を警戒する。その男、自分がよく知ってる人物と同じであった、世界が別なため別人のはわかる。が、別人であろうと、その男の覇気と威圧は変わらないものであった。地面に下ろされたアスナはすぐさま一刀の後ろに隠れて、男を嫌そうな目で見つめた。なにせ、自分と一刀との空間を割ってはいったのだ。気に入らず不機嫌であった。とくに男から発せられた葉巻とタバコの匂いが苦手であった。

 そして、男は口から葉巻の煙を吹いて、自己紹介をした。

 

「フー…、メガロメセンブリア軍所属、スモーキー。階級は准将。テメェーに恨みがないが捕まえさせてもらうぞ」

 

 

 一刀たちの前に現れた、スモーキー准将に、一刀はどうするか。また、スモーキーの力はいったいなんなのか?

 このあとの展開は次回へ続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ、そういえばなーんか忘れているような…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う~もうたべらません…すいません…リーファさん…zzz」

 

 

椅子の上でタカミチ少年がまだ寝ていました(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

 

 そのころ、ブレイドを探しに行ったナギとナギを追ったリズベットはというと・・・・・・・、

 

 

 

「「「「「死ねっモブ野郎!!新のオリ主の力をみやがれぇええええ!!」」」」」

 

 金髪にオッドアイのイケメンという、モブ臭漂うクズ転生者たちに襲われていた。

 

「うっぜぇええええええええええ!!千の雷ぃぃいい!!」

「あたしに近寄るなぁぁああああ!」

 

 ナギは千の雷で宝具を撃とうとするクズ転生者たちを黒焦げにし、リズベットは巨大なハンマーを振り回して聖剣を振りかざすクズ転生者たちを剣ごと叩き潰した。

 

「ったく、こっちはいそがしいのに、邪魔すんじゃねーよ!」

「そもそも、誰よあんたら?自分をオリ主ってキモわ。なに、流行の中二病?」

 

 二人の圧倒的な力でチートの特典をもらったクズ転生者たちをごみの様に返り討ちにしたナギとリズベット。

 生き残ったクズ転生者たちは、二人の異常なほどの力に驚き怯えた。

 

「な、なんだこの強さ!?デタラメすぎる!?」

「原作より、強くねーか、こいつ!?」

「ってか、なんでネギまの世界にSAOのリズがいるんだ?」

「そのリズも、めちゃくちゃ強すぎ!?」

「くっそー舐めんなよ!こっちは最強の特典もらってんだ!!おまえみたいな奴に負けるはずはねー!」

「囲んで殺せー!」

「にっひひひひい、リズは俺の肉便所にしてやるぜー!」

「あれ、これ死亡フラグ?」

 

 チートでなくなった恐怖に現実逃避になり、ほぼヤケクソでナギたちに襲い掛かった。

 

「しつこい連中だな。しょうがねー、とっておき使うか。リズ、あぶねーから離れてろ」

「わかったは」

 

 リズがナギの後ろに下がると、ナギはポケットから一枚のコインを取り出した。

 

「キョウスケが教えてくれたお気に入りの必殺技だ。ブレイド戦用に取っておいたけど、特別におまえらにみしてやるよ」

 

 コインを指で挟み、腕を突きつけるようにクズ転生者たちの前に伸ばした。

 ナギの体から魔力があふれだし、魔力は電気に変化させ周りにバチバチと電流を纏った。

 

「これが俺のとっておき!『レールガン(超電磁砲)』だぁぁああ!」

 

 コインを指で弾いた瞬間、

 

 

チュゥッドォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

 

 轟音が鳴り響き突風が吹き荒れ、それが治まると、音速を超えたコインの軌道上がすべて溶けて融解した。

 前方の大地がえぐれる様な赤く焦げて両断され、向こうにあった森林が吹き飛び、遠くあった山が向こうの空が見える丸い風穴が大きく空けられ、そして襲い掛かってきたクズ転生者たちが塵となって消し飛んだ。

 出鱈目な破壊力と大災害が起こったような光景にリズベットは呆け、ナギは大技が綺麗に成功して気分がよかった。

 

「ふー、気分爽快♪」

「……あんた、見ない間にバグに磨きがかかったわねー」

「そうか?まっ、雑魚は片付けたことだし、さっさとブレイドたちを探すとしますか!オーイ!ブレイド~!姫子ちゃ~ん!どこにいるんだぁ~!」

 

 と、リズを置いて、さっさと一刀たちを探しに行ったナギ。

 

「だからまちさないって!そもそもブレイドって何!ってか、姫子ちゃんって誰よ!?あたしに教えなさい馬鹿ナギぃいい!!」

 

 必死に後を追うリズ。ナギはリズベットをほっといて荒地を走るが、一刀たちがいる方向とは逆方向であった。

 後日、大量の死体と不自然な大地に割れ目と山の風穴が発見され、のちのち、魔法世界の怪奇現象として語られることになるが、そのことにナギは知らないのであった。

 

 

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
2
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択