No.750816

いぬねこ!6

初音軍さん

犬と猫が付き合い始めてからのお話。欲情たっぷりの色々一歩手前な感じで初々しくて可愛い二人!っていう風に感じてもらえれば幸いですw

2015-01-12 09:59:39 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:594   閲覧ユーザー数:594

いぬねこ!6

 

【猫山】

 

 白い息が出て空に吸い込まれるように天へと上っていく。そんな寒い日、学校帰りの

私と犬神さんは途中で見かけた白猫に夢中になっていて隣で凍えている私のことを

放っていた。

 

「犬神さん、まだ~?」

「もうちょっとですから~」

 

 そういい続けてはや30分。寒いのと犬神さんが猫に取られたみたいな嫉妬が混じって

イライラが高まってきた時、ようやく犬神さんが動き出したかと思ったら移動する猫を

追いかけようとしたから私は咄嗟に上着を掴んで引っ張った。

 

「どこにいくの!」

 

 

 犬らしさにも良し悪しがあるものだとこういうことが起こるたびに思い知らされる。

私はちょっとむくれながら犬神さんの隣を歩いていると申し訳なさそうに謝る犬神さん。

土下座でもしてしまいそうな勢いに私は・・・。

 

「今日犬神さんとこに泊まらせてくれるなら許す」

「わかりました!」

 

 私の言葉にすごく嬉しそうに笑いながら反応をしてくれた。

尻尾でもついてたらそれはもう、ちぎれんばかりに振ってるようなイメージで。

それがとても可愛らしくてついつい許してしまう私も甘いんだろうな。

 

 だけど最近付き合ってしまった分、その反応も仕方ないと思う。

だって好きで好きで付き合ったんだからしばらくは盲目的に相手にときめいてしまうのは

仕方ないだろう。

 

「お手!」

「はい!」

 

 そう言って犬神さんの手をとって私たちは恋人繋ぎをしながら直で犬神さんの家へ

向かった。けっこうな割合で両親共帰ってこないらしいので二人で好きに過ごせる

あの時間は好きだし、それに私の大好きなわんこもいるから。

 前はわんこ目当てだったのに付き合うちょっと前からは犬神さんに対する気持ちの

割合の方が多くなってきた。

 

 

***

 

「わんこ~、もふもふ~」

 

 暖かい場所で室内わんこと戯れる幸せ時間。そんな私を恨めしそうに見つめながら

犬神さんは呟いてきた。

 

「私の時は邪魔した癖に…」

 

 拗ねてるように言いながらもちょっと顔を赤くしながらもじもじしている姿に

私は激しく胸キュンされてしまったのだった。

 

「しょうがない犬神さん…」

「そ、それは猫山さんもでしょう?」

 

「確かにそうかもね…」

 

 わんこと密着していた体を離し、今度は犬神さんに飛び掛った後に顔を近づけながら

一つ二つ言葉を交わす。

 私の中で気持ちが昂ぶってくると真っ赤になってる犬神さんに手の平を向けられて

制止される。

 

「さ、さすがにここじゃあ・・・。部屋でしたいです・・・」

「だ、だよね・・・」

 

 冷静になったらこんなわんこが見てる中でやることではないと思い、私は被さるように

していた体勢から起き上がって犬神さんから離れた。

 

 二人順番にお風呂にあがってから犬神さんの部屋に入る。

部屋の中はシンプルで少し寂しいくらいさっぱりしているが、少し嗅ぐと犬神さんの

匂いがいっぱいあって変な気持ちになってしまいそうになる。

 

 例えるとマタタビのような感覚…。いや私人間ですから。マタタビで酔わないですから。

とか言い訳を思考の中で交えながら昂ぶる気持ちを抑えていると私より先に

ベッドに座る犬神さんを見て、さっきみたいに押し倒すように犬神さんに飛び掛った。

 

 シャンプーの香りと犬神さんの匂いが混じって何とも形容しきれない興奮が私の中に

あった。顔が火照りすぎてたまらない。

 

 私が犬神さんに目でキスするように要求すると犬神さんも準備良いとばかりに

軽く頷いて目を閉じる。

 

 汗ばんだ犬神さんの手を握ってそっと口をつけて音を立てる。

 

 チュックチュッ

 

 静かに入った後は高まる気持ちをキスで表して犬神さんの弱そうな部分を攻めると

可愛らしい声が繋がる口のわずかな間から漏れてそれが更に私のテンションが

上がっていくことになった。

 

「い・・・ぬがみさん・・・」

「ふぁ・・・ねこ・・・やまさん・・・」

 

 チュッ チュッ

 

 キスをしばらく続けた後に私は口を離した後、キスで汗ばんだ首筋に舌を這わせて

そのまま服のボタンを外して更に下へ移動して犬神さんの胸に辿り着いた。

 

 邪魔なブラジャーを背中に手を回して簡単に外した後に興奮していたのか

硬くなって立っている乳首を赤ちゃんのように吸い付くと悩ましい喘ぎ声が

ビクンッという痙攣に似た反応と共に口から漏れ出す。

 

「ふふ、犬神さん敏感だね。ここ」

「もう、そこは・・・だめ・・・」

 

「でも犬神さんの体は拒否ってこないよね」

「うぅ・・・」

 

 ちょっと意地悪だったかな?

犬神さんの目元に涙が溜まるがどこか嬉しそうだから私は続けた。

だって汗が混じった犬神さんのおっぱいはとても甘く感じて美味しかったから。

 

 吸った後は顔を胸に擦り付けるように寄せるとドキドキと犬神さんの鼓動が

聞こえてくる。愛しく感じるその音に私は少しずつ落ち着いてきて眠くなってくる。

犬神さんも同じような気持ちなのか胸にくっつく私を後ろに手を回して

抱きしめるようにして手に優しく力を入れた。

 

 私たちはまだこれ以上はいかない。いけないのかもしれないけれど、

慌てる必要はまだない。時間はまだまだ長く残っているのだから。

 

 

**

 

 心地良すぎてそのまま眠ってしまいそうになる私を優しく起こしてくる

犬神さんに視線を移して最後に軽くキスを交わすとたっぷりかいた汗を洗い流すために

もう一度お風呂に入ることになった。

 

 今度は一緒に。お互いの体を洗い流しながら、最近の出来事を共有するために

おしゃべりしながら長く、長く話をしながらお風呂に入った。

 

 わんこの餌をあげてなかったこともあり、自分たちのごはんもまだだったから。

そのまま私たちのごはんも作ってみんなで一緒に食事を楽しんだ。

 

 寝る前にパジャマを持ってきていなかったから犬神さんのを借りるもぶかぶか。

上だけで十分なんじゃないかってくらいの長さはあった。

 

「上だけパジャマな猫山さん可愛すぎです」

「もう、ばか・・・」

 

 少し照れくさいけれど、勢いで何も準備せずに向かった自分が悪いのだから仕方ない。

そのまま犬神さんの部屋で同じベッドで寝て次の日学校に行くことにするのであった。

 

 後日学校内で杜松さんに同じでちょっとシワのできた制服を指摘されて

からかわれたのは言うまでもないことだった。

しかし何を言われても今幸せの絶頂である私には嬉しい以外の

感情がわくことはなかったのであった。

 

 

お終い


 
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