No.718552

リリカルHS 68話

桐生キラさん

こんにちは!
今回はラスボス戦その一!
VSゼウス

2014-09-17 17:36:56 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1226   閲覧ユーザー数:1113

 

 

 

 

 

士希「ここは…」

 

私達はミネルバの案内で山奥にある湖へとやってきた。

そこが、なんの因果なのか、私と士希にとっての思い出の地でもあった

 

はやて「まさか、またここに来るなんてな…」

 

ここは、私と士希がお互いの想いを告げた場所や

 

士希「わざとか?」

 

士希がミネルバに問うと、ミネルバはクスリと笑って、楽しそうに「さぁね♪」なんて言ってくれた。

この先生、こんな時まで遊んのかいな

 

なのは「レーゲン君はこの辺に?」

 

ミネルバ「はい。いま、視覚防止の魔法を解きますね」

 

ミネルバは杖を取り出し、魔法を発動させる。

すると、先程まではいなかった人物が湖の中心に立っていた

 

レーゲン「あ!ミネルバ遅いよ!いったい何が……士希さん……」

 

レーゲンが私たちの方に振り向くと、レーゲンはバツの悪そうな表情で士希の名前を呼んだ

 

士希「よぉレーゲン、しばらく見ないうちに、ずいぶん男前になったな?」

 

目の前にいるレーゲンは、いつもの小3くらいの見た目ではなく、少し大人びた顔立ちで、身長170cmくらいの青年の姿になっていた

 

レーゲン「記憶が…ミネルバ!これはいったい何のつもりだ!?」

 

レーゲンにしては珍しい、怒りに満ちた表情でミネルバを怒鳴りつけた

 

ミネルバ「ごめんなさい、私、士希さんに負けちゃった。

士希さん凄いのよ?自力で思い出すんだもん」

 

レーゲン「な!?……クッ!なんで…なんで来ちゃったんですか!?」

 

レーゲンは士希を見つめて叫んだ。目には涙が溜まっているようにも見える

 

士希「レーゲン、帰るぞ。帰ったらお前の好物を用意してやる。

レーゲン、肉じゃが好きだったよな?」

 

対する士希の声音は、とても優しいものやった。何てことない、いつも通りの口調や

 

レーゲン「ッ!?ぼ、僕は!僕はもう、そっちにはいけません!

僕がいたら、いつか士希さんを不幸にします!士希さんだけじゃない!はやてさんも!

リインちゃんも!みんなみんな!僕のせいで争いに巻き込んでしまいます!

そんなの、僕には耐えられない!僕が原因で大切な人が傷つくなんて、僕は絶対に嫌だ!

僕は…僕は殺神器〈さつじんき〉なんです!みんなのもとには居られません!」

 

レーゲンが士希の元を去った理由は、とても悲しいものやった。

あの日記にも書いてあったように、レーゲンは自分の力を恐れている。

スカリエッティが何らかの理由でレーゲンを狙ったように、きっとこれからも、レーゲンは狙われ続ける。

レーゲンは、そんな戦いから士希を巻き込みたくはなかったんや

 

せやけど…

 

士希「……だからどうした?」

 

士希がそんな事を気にするわけがない

 

レーゲン「……え?」

 

士希「知らねぇよ、そんな事。お前がなんであろうと、お前は俺の相棒だろ?殺神器?

ハッ!そんなもん、お前が力の制御出来てねぇからじゃねぇか。

別に非殺傷設定が出来ねぇだけで、必ず殺せるわけじゃねぇだろ」

 

レーゲン「そ、それは…ですが、僕は、僕の手はもう、血で染まっているんですよ?

そんな人が、みんなのそばに…」

 

士希「そいつは俺もだ、レーゲン」

 

士希はポツリと、レーゲンに少しずつ近づいて話し始める

 

士希「俺も、あの世界でずいぶん殺してしまった。

それはどんな理由があろうと、絶対に許されない事だ。

後悔すらしてる。自分が殺してきた奴の中にも、大切な人はいるんだからな」

 

それは、士希にとっての重たい記憶。士希が悔いている出来事の一つ

 

士希「それは、俺に力がなかったからだ。自分の力を制御する力を。だから殺してしまう。

だが、今は制御できる。殺すことを知ってしまったから。

だからもう、俺は殺人を犯さない。もう二度と、誰も殺さない。

だから、お前が自分の力を制御できないなら、俺がお前の力を制御してやる

(はやて、なのは、フェイト、後は頼むぞ)」

 

士希がレーゲンに肉薄する頃、士希から念話が来る。

私らはみんな杖を握りしめ、士希を見つめた

 

フェイト「(本当に、やるんだね)」

 

なのは「(大丈夫かな?)」

 

はやて「(大丈夫。士希なら絶対に、やり遂げる)」

 

私らは事前に、ある打ち合わせをしていた。

レーゲンを、士希のマスターとして認めさせる為の作戦を…

 

士希「ミネルバ、ガイア、レーゲンの中に戻れ」

 

ガイア「はいよ!」

 

ミネルバ「ご武運を」

 

ミネルバとガイアは士希の言葉を聞き、光となってレーゲンの中に入っていった

 

レーゲン「…何のつもりですか?」

 

士希「言ったろ?お前を制御するって。レーゲン、俺とユニゾンしろ」

 

士希はレーゲンを認めさせる為に、士希の体を差し出す事になった

 

レーゲン「!?そう、そういう事ですか。わかっているんですか、士希さん?

あなたが無謀な事を、危険な事をしているってことを」

 

士希「あぁ。全力のお前とのユニゾンだ。下手したら、体乗っ取られるな」

 

士希はそれすらわかった上で、レーゲンとのユニゾンに乗り出したのだ

 

レーゲン「ダメです。出来ません。僕はあなたを失いたくない…」

 

士希「何でもかんでも決めつけんなレーゲン。俺はお前のマスターで相棒だ。

お前とユニゾン出来なくてどうする?」

 

レーゲン「しかし…」

 

士希「うるせぇ!やれ!ちょうどいい。俺達、出会ってからケンカしたことなかったよな?

なら、今からケンカするぞ。お互い殴り合って、気が済むまで言いたい事言い合おうぜ」

 

レーゲンは士希の言葉に、少しビクリとなる。

そして思案し、私らの方を見てため息を吐いた。

それと同時に、目で謝っているようにも見えた

 

レーゲン「わかりました。ケンカです!覚悟してくださいよ士希さん!

もし僕が勝っても、恨まないでくださいよ!」

 

士希「上等だ!さぁ来いレーゲン!ケリつけようぜ!(はやて、無茶すんなよ)」

 

はやて「(了解。あんたも、しっかりやりなや)」

 

士希はこちらを一瞬振り向き、ニヤッと笑って見せた。

そしてレーゲンは、士希の体に潜り込み、ユニゾンをする

 

士希「アアアアアァァァァァァ!!!」

 

レーゲンが士希とユニゾンすると、士希の体から大量の魔力が溢れ、士希は雄叫びをあげた

 

はやて「アカンか!?リイン、ユニゾン!シグナム、ヴィータ迎撃準備!

ザフィーラとシャマルは結界頼むわ!」

 

リイン「はいですー!一緒に、レーゲン君の目を覚ますです!」

 

シグナム「はい!ふっふっふ!合法的に士希を殺れる!」

 

ヴィータ「任せろ、はやて!さて、士希とやんのは初めてか?」

 

ザフィーラ「お任せください。士希、信じているぞ」

 

シャマル「こっちはしっかり固めておくから、はやてちゃん頑張ってね!」

 

リインは私とユニゾンし、シャマルとザフィーラが結界を構築する頃、シグナムとヴィータはそれぞれ武器を構え始めた

 

なのは「じゃあ、私達も行こうか!」

 

フェイト「うん!みんなで、あの二人が帰って来るのを待とう!」

 

なのはちゃんとフェイトちゃんもセットアップする。

不屈の心と、運命を切り開く戦斧を握って

 

士希「アアアアアァァァァァァ!!」

 

士希は尚も雄叫びをあげている。それと同時に、彼の体は徐々に変化していった。

銀髪の碧眼となり、背中からは白い翼を生やして

 

はやて「どうも私らは、神様ってより天使を相手にしやなアカンらしいな」

 

士希がガックリと項垂れると、こちらを見つめて、白い大剣を取り出した。

それと同時に、雨が降り出す

 

さぁ、いっちょやったろうやないか。士希!ドジ踏んだら許さんでな!

 

 

 

 

 

 

士希視点

 

 

 

気がつけば、俺は真っ暗な空間に居た。何もない、闇だけが続く空間。

その果てのない暗闇の中心に、夜を照らす月の如く立っている銀髪の男がいた

 

士希「俺の意識がこっちにあるって事は、やっぱり失敗か」

 

レーゲン「やっぱり、わかっててやったんですね」

 

レーゲンはゆっくりとこちらに近づいてくる

 

士希「あぁ。だから、外にいるはやて達にお願いしておいた。

俺が戻るまで、しっかり抑えておいてくれってな」

 

レーゲン「戻れる保証なんてないのに、ずいぶん危険な賭けに出ましたね」

 

士希「あぁ、だがおかげで、こうしてお前と二人きりだ」

 

俺は拳を構え、レーゲンと対峙する。

対するレーゲンも、背後に今までの神器を展開させて近づいてきた

 

レーゲン「後悔は、ないんですね?」

 

士希「あぁ、じゃなきゃこんなところには来ねぇ」

 

俺がそういうと、レーゲンはクスリと笑う

 

レーゲン「ですよね。士希さんらしい。では、本気で行きますよ」

 

レーゲンはタナトス、プロメテウスを手にした

 

ゼウス「ここから先は、全ての神器を司るゼウスとして挑ませてもらいます。

士希さん、あなたに僕が倒せますか?」

 

士希「ハッ!上等だ。神様だろうと容赦しねぇ。行くぞゼウス!!」

 

俺とゼウスは同時に動き、俺は拳を、ゼウスは刀を振りかざし、お互いの剣がぶつかり合った

 

士希「チッ!」

 

ゼウス「クッ!アルテミス!」

 

力比べが互角と判断するやいなや、ゼウスは後ろに飛び、魔法陣を展開させる。

そして、ゼウスがアルテミスの名を叫ぶと同時に、あいつの背後から大量の矢が出現した

 

ゼウス「掃射!」

 

ゼウスの掛け声と共に、大量の矢が俺の方を向き、俺目掛けて発射された

 

士希「クソッ!」

 

俺はこの大量の矢を避け、時に拳に氣を纏わせ弾いていく。

精神世界ってのは、ずいぶん俺には不利だな。武器無しはかなりキツイ!

 

ゼウス「オプションセット!プロメテウス!オケアヌス!」

 

士希「なに!?」

 

今度は矢に炎と水が纏いやがった!?

 

士希「オイオイオイ!そんな事出来んのかよ!?」

 

これじゃあ近づけねぇぞ!

 

ゼウス「とか言いつつ、しっかり躱してるじゃないですか!?当たってくださいよ!」

 

士希「うるせぇ!こちとら必死だ!そんな痛そうな矢、受けたくねーっての!

お前!男なら男らしく、遠くからぴしぴし撃ってねぇで、こっちこい!」

 

ゼウス「嫌ですよ!士希さんを良く知る人なら、絶対近距離では戦いませんよ!

そんな事するのはザフィーラさんかシグナムさんくらいです!」

 

って事は、近距離に持ち込めば勝機はあるってことか

 

士希「あーあー!そういえばお前、神様名乗ってる割にはヘタレだったな!

なのはの砲撃にはビビってたもんな!このチキン野郎!根性なし!」

 

ゼウス「カッチーン!言いましたねシスコン変態野郎!?

士希さんだってなのはさんの砲撃にはビビってたじゃないですか!

男ならあれくらい受け止められるでしょ!?」

 

士希「アホか!?あんな核兵器並みの攻撃、受けるバカがどこにいる!

ありゃ本気で殺しにかかって来てる時の攻撃だっつの!誰でも避けるわ!

てか、なのはくらい、接近戦に持ち込めば勝てるっつの!」

 

ゼウス「はは!遠距離攻撃できない負け惜しみですね!ねぇどんな気持ち?

こうやって遠くから一方的に攻撃されるって、どんな気持ち?

ほーらほーら、この矢の雨の中、近づいてみてくださいよ!」

 

うぜぇ!そしてこいつ、ちょっと勘違いしてやがる。

俺がいつ、遠距離攻撃できないと言った?

 

士希「なら、無理矢理近付く!ハァァァ…剛衝波!」

 

俺は巨大な氣の弾丸を作り、それをゼウスに向けて発射した。

ゼウスは突然の遠距離攻撃に驚くも、しっかり見極め、タナトスで斬り裂いた

 

士希「ボン!」

 

そして斬ったと同時に、巨大な氣弾は爆発した

 

ゼウス「ば、爆発!?でも威力は……!?」

 

あぁ、剛衝波自体の威力は大した事はねぇ。せいぜい目くらましだ。

だが、今回はそれで十分ってな!

 

士希「せーのっ!」

 

 

ドゴォン

 

 

俺は一気に近づき、ゼウスの懐に潜り込む。

そして氣を溜めた拳の一撃を、掛け声と一緒に腹にぶち込んだ

 

ゼウス「ガフッ!クッ!ちょっと舐めすぎた…アルテミス!」

 

ダメージはしっかり叩き込んだが、ゼウスは耐え、再びアルテミスを掃射させた。

俺はそれに気付き、後ろに飛んで回避する。

ついでに、ゼウスの後ろに展開されていた神器も拝借させてもらった

 

士希「へいゼウス!これなーんだ?」

 

ゼウス「ん?ハ!が、ガイア!」

 

俺は手に持った巨大な斧を見せつける。

どうやらガイアらしい。何気に、こうして武器の形で見るのは初めてだな

 

士希「(力を貸せ、ガイア!)」

 

ガイア「(あたしは難しいぜ!しっかり扱ってみな!)」

 

俺はガイアを構え、振り回す。かなり重いが、使えない事はない。

俺にはおあつらえ向きだな。俺の想いも、しっかり乗せてやる

 

士希「なぁゼウス…いやレーゲン、一つ聞かせてくれ。

お前、俺と一緒に暮らせて楽しくなかったか?」

 

俺はガイアを肩に担ぎ、レーゲンに問う。レーゲンは歯をギリリとさせ、怒った表情になった

 

レーゲン「楽しかったですよ…えぇ楽しかったですよ!

本当に楽しくて、幸せで、僕には勿体無いくらいで!

叶うならまだまだあなたと一緒に暮らしたいですよ!でも!」

 

こいつ自身、自分の使命と想いに板挟みになって苦しんでいる。

なら俺が、相棒であるこの俺が!

 

士希「テメェを解放してやる!正直になれ、レーゲン!」

 

俺はガイアを担いだまま、ゼウスに特攻を仕掛ける。

ゼウスは俺の動きにビクリとし、慌てて手を前に突き出した

 

ゼウス「チッ!ミネルバ、ブースト!オプションセット、オケアヌス!アルテミス掃射!」

 

ゼウスは力を強めた水の矢を発射する。さぁ行くぜガイア!力を見せてみな!

 

士希「土壁!」

 

俺はガイアを地面に刺す。すると地面が盛り上がり、巨大な壁が出現、水の矢を防いだ

 

ゼウス「ハァァァ!!」

 

だがその矢は囮だったらしく、ゼウスがタナトスを振りかざし、突っ込んで来た。

そしてタナトスで土の壁を斬り裂く。土の壁は綺麗に斬り裂かれ、半分に崩れた。

あらゆるものを殺す鎌、大した力じゃねぇか。だが…

 

士希「そう来ることは分かってんだよ。俺だって、お前らの力は知ってんだからな」

 

俺は既に脚に氣を溜め始めていた。

ゼウスがタナトスを使い、壁を斬ると確信していたから。

そして斬りさえすれば、間違いなく隙は生まれる

 

ゼウス「!?しまっ」

 

士希「零式・猛虎蹴撃」

 

 

ドカーン!!

 

 

俺の蹴りがゼウスの顔面に直撃すると爆発し、ゼウスは大きく吹き飛ばされた

 

ゼウス「ま、まだ…」

 

ゼウスは攻撃を受け、空中に飛ばされつつも態勢を整えようとする。

だが、俺だってまだ攻撃は終わってねぇぜ

 

士希「土龍槍!」

 

俺は再びガイアを手にし、地面に振り下ろす。

そして空中にいるゼウスを狙い、地面から大地の槍を出現させた

 

ゼウス「グハッ!」

 

ゼウスはこれを背中からモロに直撃し、さらに吹き飛ばされた。

流石のゼウスも、これには耐え切れず、地に真っ直ぐ堕ちていった

 

 

 

 

 

 

ゼウス「げほっげほっ!!まだまッ!?」

 

俺はゼウスが起き上がろうとするところに、ガイアを突き出し、動きを止めた

 

士希「ホールドアップだ。お前の負けだレーゲン」

 

俺はガイアを手放す。

するとガイアは具現化し、いつもの女性の姿になり、俺の後ろへと着いた。

ガイアだけじゃない。

タナトスも、プロメテウスも、オケアヌスも、アルテミスも、ミネルバも…

全員具現化し、俺に着いてくれた

 

レーゲン「ッ!?僕の負け…か…あはは…やっぱり士希さんは強い…」

 

士希「当たり前だろ?お前のマスターなんだから」

 

俺がそういうと、レーゲンは涙ぐみ始めた

 

レーゲン「……僕、本当は士希さんがこうして来てくれて、嬉しかったんです…

あの日記だってそう。忘れさせたのは僕なのに、本当は忘れて欲しくなくて、ああして未練を残してしまって…」

 

士希「おかげで、お前の事を思い出せたけどな」

 

レーゲン「ふふ……士希さんは優しいですね。こうして追いかけて来てくれるなんて。

僕の手は血で染まっているのに」

 

士希「そうかもしれねぇけど、お前だって殺したくて殺してた訳じゃねぇだろ?

それはあの日記や、普段のお前を見てたらわかる。

お前だって、優しい心を持っているんだ。周りの奴らがお前をどう呼ぼうが関係ねぇ。

お前は俺の相棒なんだ。お前の家はあのマンションだ。だから、一緒に帰ろうぜ」

 

俺はレーゲンに手を差し出す。だがレーゲンは、その手を取ることに躊躇していた

 

レーゲン「でも僕は…」

 

士希「どんなに災厄が降りかかろうと、俺が全部守ってやる。

誰一人、不幸になんかしねぇ。だが、そいつは俺一人の力じゃきつい。

だからレーゲン、お前の力を貸せ!お前のその力で、今度はお前の大切なもんを守って見せろ!」

 

レーゲン「ぼ、僕は…ぼく…うぇぇぇん!!」

 

レーゲンはとうとう子どものように泣き出してしまった。

今まで溜め込んでいたものを全て涙と一緒に流すかのように

 

士希「あーもう、泣くな泣くな。男だろ?ったく、お前をもう一人にはさせない。

これからは、俺が死ぬまで一緒に生きろ」

 

俺はレーゲンを抱きしめ、子どもをあやすように頭を撫でてあげた

 

ミネルバ「さぁ、これで一件落着…と言いたいところなんだけど…」

 

士希「あぁ、わかってる。まだ、やらなきゃいけないことがあるな」

 

レーゲンを、全ての神器を救うには俺が…

 

レーゲン「えぐ…う……あ……し、士希さん、僕、士希さんに謝らないといけません…」

 

レーゲンが突然顔をあげ、申し訳なさそうな表情を見せた

 

士希「ん?まだ何かあるのか?」

 

レーゲン「じ、実は…」

 

レーゲンが指で何かを操作すると、暗闇にモニターが現れ、外の様子を映し出した。

どうやら、外での俺が見ている現在の状況らしいのだが…

 

士希「ね、ねぇ、レーゲン?俺の目の錯覚かな?

あの映像にものすごく怖い光景が映ってるんだけど…」

 

レーゲン「あの…本当にごめんなさい!僕、頑張って士希さんを守りたかったんですけど…」

 

メインカメラがピンクと金と白の光に呑みこまれた

 

 

 


 
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