No.702080

IS 2体の魔神皇帝IFストーリー

HIBIKIさん

少し展開が急な感じです

2014-07-19 23:58:14 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:941   閲覧ユーザー数:928

翌日の早朝・・・東京駅東北上越長野新幹線ホーム・・・

 

「まさか海道のバイクで来るとは思わなかったぜ・・・」

 

「しかも私達をコートに押し込んで・・・」

 

「流石にバイクに何人も乗れないだろ」

 

一夏と箒が眠そうな顔で愚痴をいい、清香は静香と大人しくウトウトしている。

彗もまだ眠そうだ。唯一海道だけが元気でいる。

 

「それに新幹線の中で寝ていれるんだからな。目的地に着くまでには起こす」

 

「頼むわ・・・で、俺達は何に乗るんだ?」

 

「秋田新幹線の始発だ。(そういやこの新幹線って本来、在来線特急が新幹線に乗り入れてるって何かで読んだな)」

 

答えながらも別の事を考えていた海道。その時、ホームに回送列車が滑り込んできた。

最近走り始めた秋田新幹線専用の車両なので真新しい。東京駅方面には東北新幹線の「はやぶさ」号に使われている

車両が連結されている。6人が乗るのは進行方向でみると先頭車両だ。

 

(ロングノーズでなんだかカモノハシだな・・・最近のはデザインが同じに見えるぜ)

 

ドアが開き、乗客が乗り込み始める。海道達は彗と箒のペア、静香、清香のペア、そして男性陣のペアで座る。

女性陣はお互いに向き合うように席を回転させて直ぐに眠ってしまった。

 

「先頭車の座席、随分少ないんだな・・・」

 

「先頭部分のロングノーズと運転室に半分近くスペースを取られているからな」

 

其れだけいうと海道は誰も見た事のないような文字の様な物が書かれている本を取り出して読み始めた。

 

(象形文字?いや、全く別物のようにも見えるけど・・・まぁ良いか・・・)

 

一夏も眠気には勝てずに直ぐに寝てしまうのだった。

 

「オイ起きろ。そろそろ終点の秋田だ」

 

「ん・・・?あぁ、秋田新幹線に乗ってたんだっけ・・・」

 

海道が起こしたのは秋田駅到着5分前だった。

 

「こっからは鈍行に乗り換えるぞ」

 

「何処まで行くの?」

 

静香が海道に問いかけるが彼はさっさとホームに降りていってしまった。

急いで5人も追う。彼等が降りたのは秋田駅11番線ホームだ。

 

「海!乗換え位教えて・・・?」

 

彼は自分で考えろとでも言うように時刻表を差し出した。

 

「行くのは青森県と秋田県の県境だ。山には秋田県側から入る」

 

「えっと・・・奥羽本線で・・・大館まで?」

 

「いや、二ツ井じゃないか?バスが出てるみたいだし・・・」

 

「五能線で岩館ではないのか?」

 

海道は話し合ったいる様子を楽しそうに見物している。

 

「海、ヒントは?」

 

「ん?ヒントか・・・森だな」

 

「ヒント・・・なのか?海・・・」

 

「十二分にヒントだと思うんだが・・・」

 

「解りにくい」

 

「なら俺の名前」

 

「海道の名前・・・海・・・五能線を使うのか?東能代から」

 

「あぁ。確か乗換えが7,8番線だったな」

 

東能代まで行くともう一夏と箒、清香は疲れ始めていた。

 

「ったく・・・。まぁ帰る前に不老不死温泉で一泊する予定を組んであるからな」

 

「マジか!?」

 

「おぉ・・・」

 

「夕日が綺麗なんだよね。あそこ」

 

とにもかくにも喜びまくる3人。

色々とその前に地獄が待っているが・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして何や間やあって8月10日の夕方4時、一夏達は山篭りから帰ってきた。

 

「結構体力付いたな」

 

「しかし・・・死ぬかと思ったぞ・・・」

 

「私も・・・」

 

「海道は基礎トレーニングをずっと見てくれたが・・・」

 

「彗の剣術の修行はきつかった・・・」

 

「それ言うなら静香の山中ランニングも相当だったでしょ?」

 

当の3人はIS学園に荷物を置きに戻っている。

 

「でも不老不死温泉、満喫できたな」

 

「抜け駆けをしてしまったようだがな」

 

「あはは・・・」

 

「?」

 

一夏は何を言っているんだと首をかしげ、箒と清香はそれをみて溜め息をつくのだった。

丁度その時玄関の呼び鈴が鳴った。

 

「誰だ?海道達が来たのか・・・?」

 

(もしかして・・・)

 

(うん、確かもうこっちにいるはず・・・)

 

((まさか・・・(汗)))

 

玄関を開けるとそこに居たのはシャルロットだった。

ムスッとしていてジト目で一夏達を見ている。その理由は直ぐに察しが付いた。

 

(海道の奴包み隠さず言いやがったのか!?)

 

「彗と静香から聞いたよ!!」

 

(((あの2人かよ!!)))

 

「アレだけ抜け駆けは無しって言ったのに!!それに海道にも意味も解らず拳骨喰らっちゃった・・・」

 

「それって早とちりしているのが解ったからじゃないのか?」

 

「へ?」

 

「ん?」

 

「もしかして抜け駆けの程度の問題だったのか?」

 

「「「多分・・・」」」

 

「それじゃあ3人で色々話し合ってみろよ。俺は今の内に買い物済ませて夕飯作るからよ。

 海道達も来るって言うし・・・もしかしたら買い物先で合うかもしれないけどな」

 

一夏は其れだけ言うと財布を持って玄関から出て行った。

自転車で出かけたようでそれを見送ると3人は山篭りでどんな事があったのか話し合う。

 

「え?温泉は行ったけど男女別でお風呂に入ってたし部屋も別?」

 

「其処の所は一夏と海道に気を使わせてしまったがな」

 

「そっか・・・」

 

「それに山篭りの最中もシャルの想像してそうな事はなかったよ。海道は時々痩せこけてたけど」

 

「あはは・・・彗も静香も溜まってたんだ・・・」

 

「悪かったな」

 

「クスクス・・・」

 

ギギギッと錆付いたブリキの玩具のように後ろを振り向くと彗と静香が額に紅い十字マーク

をつけて腕を組んで立っていた。しかも目の部分が影になっていて見えない。

 

「えっと・・・」

 

「まぁいい・・・」

 

「けど・・他言無用だよ?」

 

3人は彼女たちが恐ろしく、ただ頷くだけだった。

一夏が帰ってくると彼の予想したとおり海道も一緒だった。

 

「何だこの状況・・・」

 

「俺が知るか」

 

「だよなぁ・・・」

 

彗達の様子を見て一夏は首をかしげ、海道は溜め息をつきながら呆れかえっている。

彼は推理は出来たが確認する手段を知らず、そのため確証が得られないので黙ってみて見ぬフリをするのだった。

しかし夕飯後に織斑家にとても大きな雷が落ちて周囲40件の家々は皆たたき起こされた事だけ書いておく。

現場には頭に大きなタンコブを創った女性陣が気絶していたとか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして篠ノ之神社の祭り当日・・・

 

「箒ちゃんと一夏君が二人・・・?」

 

(此処でも説明しなきゃならないのか・・・)

 

箒の叔母の雪子が箒と彗、一夏と海道を見て混乱する。

海道が本を使って簡単な説明を行なうと雪子は納得してくれ、箒と彗は禊を行いに行き、一夏は

事務仕事の手伝いをし、海道は力仕事を手伝った。清香と静香、シャルロットは各々の浴衣を買いに

レゾナンスに出かけているので居ない。

 

「なぁ、彗・・・」

 

「ん?」

 

「昔は海道はどんな子供だったのだ?」

 

「如何したんだ?いきなり・・・」

 

「不老不死温泉で一夏と海道が話しているのを聞いたのだ・・・。

 海道が自分は昔は荒れていて他人が全く信じられなかったと・・・」

 

彗は少し考えてから簡単に話を纏めて説明する。

 

「海は人工子宮・・・もとい試験官ベイビーといっても過言じゃなかったんだ。

 母親に当る人は海が生まれた後・・・肉体と精神は3歳くらいの時に事故で行方不明に

 なったんだ。そのせいなのか途轍もなくぐれていて育ての父である私の叔父と私、姉さん

 とお爺様、後は光子力研究所の食堂のオバちゃんくらいにしか心を開いていなかったのだ」

 

「意外と多いではないか・・・」

 

「まぁな。だが姉である千冬さんを殺そうとしたりとかなり問題行動も多かったんだ。

 どうも見た目が海のお母上と似すぎていたのが災いした様で慣れるのに4年近く掛かった」

 

(一夏も元々海道と同じ世界の人間だったと言うが・・・穏やかな性格でいてくれて良かった)

 

「7歳位になってやっと皆と打ち解ける事ができたがな」

 

(色々と凄まじいな・・・)

 

「私とて人の事は言えないのだがな・・・」

 

複雑そうな表情でポツリと呟く彗。箒は如何いうことなのか聞こうとしたが雪子が呼びに来たので

湯船から上がって神楽舞の衣装を身に纏う。

 

一方静香と清香は巫女服姿で神主と同じ格好をしている一夏と海道と一緒にいた。

彼等がいるのは神楽舞をマジかに見ることの出来る特等席だ。

 

「・・・」←古い文献を読んでいる

 

「海ったら・・・やることは何処でも変わりないのね・・・」

 

「何時もなの?」

 

「待ち時間は何時も何か読んでるね。私達には難し過ぎるけど・・・」

 

「考古学者かよ・・・」

 

神楽舞が始まるようで2人が舞台に舞い降りるように出てきた。

箒は右手に刀、左手に扇子を持っていて彗はその逆だ。

海道以外は箒と彗に完全に見とれている。

一方海道はまるで神楽舞の舞の流れで何か考えているようだった。

しかしその表情は何時も見せているような無表情でなく薄くではあるが優しい笑みが零れていた。

 

(海道ってこんな表情もするんだな・・・)

 

一夏は薄く笑うと箒に視線を戻してその舞を見る。

 

「乙姫そのものを見たって感じね」

 

「そうね。私もそう見えたわ。箒が太陽、清香が海、彗が月ならシャルロットは大地かな。

 私は・・・」

 

まるで自分がそこにいても良いのかと言わんばかりに不安な表情の静香。

 

「いやお前は月だな。そして彗は大地だ。シャルロットは・・・聖母か・・・」

 

「ってことは四神で表すと箒は朱雀で清香は青龍、彗は玄武で静香は白虎?」

 

「ねぇ何それ?」

 

海道が静香の言葉を彗から視線を逸らさずに一部否定し、

一夏はやはり箒から視線を逸らさずに静香と海道の言葉から東西南北の守護獣を思い浮かべ

シャルロットは何の事か解らないので聞いてきたが一夏は今は2人の神楽舞を見ようと話を逸らした。

 

最後に2人が扇子を閉じて刀を下ろすと拍手喝采が湧き上がった。

一夏はサムスアップをして箒に笑顔を送り、海道は小さく笑うだけだ。

箒はとても嬉しかったようで笑顔になり、彗も海道が自分に魅入ってくれていたとわかり、

箒と一緒に一礼して下がって行った。

 

「綺麗だったね」

 

「うん!」

 

「・・・」

 

シャルロットと清香は笑顔だが静香は少し沈んでいた。

海道はそれに気が付いて彼女を抱き寄せて頭を撫でてやる。ここがお前の居場所だとでも言いたげに。

合流した彗も彼女を挟んで反対側から抱きついて海道と同じことを考えていると察せる顔をすると

静香の暗い表情が消え、何時もの活発な彼女に戻った。

一夏と清香、箒、シャルロットも何時もの調子に戻った彼女を見て一安心した。

 

「へ?忍の修行をずっとしていたし能力が2人と比べて劣っていたから海道の隣にいても良いのか迷った?」

 

「うん・・・。なんだか最近海の役に立てているのか?って思っちゃって・・・」

 

「阿呆」

 

海道が軽く静香の頭を小突くき、着換える為、社務所に戻る間際に言った言葉で彼女は彼が自分の事を

如何思っているのかが再確認できたので喜んだ。

一夏達は海道の後を追って社務所に着替えに向かった。

 

「静香もやっぱり人間だな」

 

「彗もそうでしょ?でも海を好きだって気持ちでは負けちゃってるかもしれないけど」

 

「そうでもない。好きだからこそ疑問に思ったのだろう?私も最初はそうだったしな。

 アイツはこういう事には口下手だからな」

 

「確かに。口では言ってくれないけど態度は素直だしね」

 

「ま、下手にナンパしてくるような尻軽とは違うと言う事だな」

 

そして2人は笑いあい、社務所に着替えに向かった。

この後着換えて出てきた女性陣にナンパ目的の柄の悪い男たちが十人近く詰め寄ったが

後から出てきた海道と一夏がキレて撃退した。どうやらこの当りを縄張りとしているヤクザらしい。

海道はともかくこの時の一夏のキレ具合は凄まじく、また海道達に鍛えられていた為に7割近くの

男達を倒した。その男達は雪子の呼んだ警察に連れて行かれた。

どうもこの一帯で営業妨害などを繰り返していた常習犯でありセクハラも当たり前のようにしていたらしい。

女性達は下手にヤクザに喧嘩を売って仕返しを受けるのが怖かったらしく被害届を出せずにいたが

この一軒の後、500件を越える被害届が出されたと箒達は噂で聞いた。

 

「しかし・・・あそこまでコテンパンにする必要があったのか?」

 

「箒の言う通りだよ」

 

「人の女に手を出して黙っている男がいるか」

 

恥ずかしげもなく言う海道。一夏は恥ずかしそうに同意すると箒、清香、シャルロットは真っ赤になった。

 

「いけねぇ。そろそろ花火の時間だ」

 

「あ、あそこに・・・行くのか?」

 

「あぁ。あそこしかないだろ?」

 

海道達やシャルロット、清香は何のことなのか解らずに首をかしげるが一夏と箒は付いてくれば解ると言う。

少し森を歩いた後に手すりのある斜面に出てきた。どうもここがポイントらしい。

海道はコートから茣蓙を取り出し、寝転べるようにする。

 

「後5分もしないうちに始まるな」

 

彗と静香は寝転んでいる海道に甘えるようにくっ付き彼に腕枕をして貰っていた。

箒は一夏の膝枕、シャルロットと清香は肩に寄り添って花火を見物した。

 

(((((このまま時が止まってくれれば良いのに・・・)))))

 

「時は止まる事はないが記憶の中では生きている限り何度でも繰り返すだろうよ」

 

(オイオイ・・・)

 

海道が女性陣の考えている事を推理し、発言をするが流石に静香と彗ももう少し気を利かせろと

彼の横腹を強めに殴るのだった。海道は余りダメージはなかったが時折顔をしかめていたので

痛みはかなりのものであったのだろうと一夏は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてあっという間に夏休みは終わり一夏達はIS学園に戻って来た。

 

「なぁ、海道・・・」

 

「露骨だよな・・・」

 

「撒くか?」

 

一夏と海道は後ろで尾行している気配を感じ取って如何するか小声で話し合う。

念の為、部屋を出る前に服に取り付けてあった盗聴器と発信機は全て外した。

 

「それとも潰すか・・・」

 

「お前本当に物騒だな・・・」

 

「まぁ向こうが何かしてきたらコレで一寸脅すさ」

 

「一体何なんだよその弓・・・。ここ数日間簪と一緒に特撮見てたけど」

 

「あぁ、アイツが特撮が好きだって聞いてな。それでIS用装備として束を脅し・・・

 一寸無理言って作らせた。そのうちの一つは簪の専用機に搭載したけどコレは俺の武器として

 色々改造してな。このまま使うつもりだ」

 

「へぇ、特撮が好きなのか・・・」

 

海道の脅しと言う言葉に一切反応しない一夏。

彼もかなり海道のような思考になりつつあるのだろうか?

 

「というよりヒーロー系のジャンルが好きだってのしかしらねぇけど」

 

「そういう海道の好きな物って銃火器か?」

 

「まぁな。俺の戦い方からしてもよく使うからな。グレートでの戦い方は少し無理してたが」

 

「オイオイ・・・。つ~か改造にどれくらい掛かったんだ?」

 

「内部機構の取替えだったがちと手間取って3日掛かった」

 

そういうと振り向きざまに尾行している者に一発の光子の矢(フォトンアロー)を打ち込んだ。

小さい悲鳴が聞こえたが二人は気にせずに体育館に歩いて行った。

 

「ほ・・・報告とは違いすぎるわ・・・。それに夏休みの時の山篭りの事も全く解らなかったし。

 一体なんなの彼等は・・・」

 

水色の髪で扇子を持った少女は大量の汗をかきながら自分の顔の横僅か数ミリの所に開いた

フォトンアローによって出来た穴を見るのだった。


 
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