No.697151

IS 2体の魔神皇帝IFストーリー

HIBIKIさん

少々スランプ気味でほぼ一ヶ月振りになってしまいました。

2014-06-28 15:23:01 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1181   閲覧ユーザー数:1157

一夏達が学園に戻り数日が経つ・・・。

無事に終業式も終えた翌日の早朝・・・。

 

「箒~抜け駆けはしないでよね~?」

 

「解っている。多分鈴達も・・・」

 

「箒随分変わったよね・・・」

 

シャルロットは箒が自分が転入した当初よりも穏やかな性格になっているのを感じた。

 

「海道達を見ていると嫉妬している自分が馬鹿馬鹿しくなってな・・・。

 だったらいっその事あの2人みたいに皆愛してもらおうと思ったのだ」

 

入学当初とは比べ物にならないほど精神的に成長した上に心に余裕を持ち、

幅広く受け入れられる程に成長していた箒。

 

「あはは・・・ハーレム認めちゃうんだ・・・」

 

「男が浮気する理由はなんなのかこの前海道に聞いたのだが・・・」

 

「なんて言ってたの?」

 

「『生物だからだろう』だと。まぁそう簡単に浮気は許さないがな」

 

簡略しすぎだと思ったシャルロットだった。そのお陰でその理由が解らない。

箒も確かにと頷く。

 

「それって野生動物のオスが何匹ものメスと子供を作るのと理屈は一緒だって言いたいのか?

 まぁオスを選ぶのはメスだけど・・・より多くの子孫を残そうとする本能が原因だと思うぜ」

 

「あぁ成程・・・って一夏!?」

 

一夏が答えの解らない2人に自分の考えを話すとシャルロットは今まで傍にいた彼に気が付かず物凄く驚いた。

彼は自分がいたことに気が付かれなかったことに少しショックを受けたようだ。

 

「俺ってそんなに存在感無いか?」

 

「気配をまるで感じなかったぞ・・・」

 

「海道はそんな事まで訓練してたの?」

 

「海道じゃなくて月村が少しだけ・・・」

 

苦笑いしながら答えた一夏だが箒とシャルロットは目が点になっている。

一夏はその表情が可笑しくなり笑いを堪えるが少しの間しか耐えられずに噴出した。

 

「わ、笑う事はないだろう・・・」

 

「で、でもよ・・・呆気に取られてる表情があまりにも・・・アハハハハハハ!!」

 

「一夏ってば・・・そんなに可笑しかったの?」

 

「傑作って言える位おかしかったぜ・・・」

 

笑いすぎて腹が痛くなったのか少し涙目の一夏。シャルロットと箒は少しふて腐れた様で

一夏の事を軽く叩いた。

 

「いや・・・わりぃわりぃ・・・」

 

流石に笑いすぎたと反省している一夏。彼の荷物はもう纏めてあり、後は家に帰るだけだ。

シャルロットはモノレールから乗り換える時に別れた。彼女は成田空港まで横須賀・総武快速線を利用する。

別れ際に暫くの間抱きつかれたが彼は文句も言わずに抱き返して答えた。

箒と清香とも抱き合ったシャルロットは手を振りながら特急列車に乗って出発して行った。

 

「一夏の家に行くのも久しぶりだな・・・」

 

「箒は6年と少し振りだっけ?」

 

「箒は確かにそれ位ぶりだな。今でも箒と束さんの部屋残ってるぜ」

 

彼の言う箒と束の部屋というのは彼女達が時々織斑家に泊りに来ていた時に使っていた部屋の事だ。

鈴や男の友人である弾にも部屋がある。別命『小さな別荘』だ。

一夏は世間一般でいえば美少女を二人、しかもとても仲が良い様子で歩いているので嫉妬の目

を向けられているが彼等はそのような視線など気にせずに彼の家まで歩いた。

 

「さて・・・ようこそ織斑家へ」

 

「「お邪魔します」」

 

一夏の家に入ると箒は清香を自分の部屋に通す。

6年前のままだが一夏が掃除を行なってくれていたので当時そのままだ。

 

「懐かしいな・・・」

 

「物が全然無いね。テレビとかは有るけど・・・」

 

「元々泊る為の部屋でしかないからな。私達も荷物の整理をやっておこう」

 

「そうだね。海道君達が来るまでまだ時間あるし」

 

「確か・・・夜の7時に来て明日の早朝発つんだったな」

 

清香は頷いて肯定し荷物の整理を始めた。箒も同じように荷物整理を始めた。

一夏は一回で掃除をしている。時折休みには帰ってきて掃除をしていたがそれでも彼方此方埃を

被っている。

 

「千冬姉のやつ・・・時折帰って来てんなら埃の掃除位しろよ・・・」

 

掃除も満足に出来ないのは昔からなので諦めているが埃を取り除くくらい出来るだろうと呆れながら

口にし、作業をする一夏。千冬の部屋に入ると塵屋敷と化していた。

脱ぎっぱなしの下着に食べたままの状態の皿や弁当、ファーストフードなどが散乱していて

布団も干さず、洗わずにいたせいか煎餅のように固くなっている。

 

「こりゃ時間食うな・・・」

 

「一夏・・・って何これ!?」

 

清香が何か手伝おうと来てくれたが千冬の部屋の惨状を見てとても驚いている。

 

「千冬姉の部屋を片すんだけど清香は箒と一緒に下のリビングを掃除してくれ。

 お客にこんな事頼んでる時点でおかしいけど」

 

「別に良いよ♪こっちも頑張って」

 

清香はそういうと箒と一緒に下に掃除をしに向った。

一夏は布団を風呂場に持ってくるとよくそうに水を張って一気に洗った。

汗や汚れで何回も水を取り替えた。一夏は後で絶対海道と共に千冬を〆ると誓うのだった。

洗い終えたのは10時近くになってからだ。幸い雲一つない快晴で天気も安定しているので

庭に布団を干した。そして千冬の部屋の残りの塵をかたづけ始める。

あまりに非道状況だったのでGがちょくちょく出てきたので一旦バ○サンを使うことにした。

そして部屋のドアの隙間に詰め物をして終るのを待つ。

 

「ったく・・・ここまで酷くなってるなんてよ・・・」

 

「一夏、下は終ったぞ」

 

「他に何かない?」

 

「後は千冬姉の部屋だけなんだけど・・・」

 

一夏が言葉を濁したので二人は状況から何を言いたいのか察しが付いた。

冷蔵庫の中に何もないので明日の昼に食べる予定の弁当までの食材を買いに行くことにした。

一夏はその前に風呂掃除をして帰ってきたら直ぐに風呂に入れる状態にした。

 

「暑い・・・」

 

「夏だからね・・・」

 

「雲くらい出ていて欲しかったぞ・・・」

 

日本の夏は湿度が高いのでとてもジメジメしている。

近所のスーパーに到着すると見慣れた人影がいた。

 

「オウ一夏!」

 

「何だ弾じゃないか」

 

「何だとは何だ。そっちの2人は?」

 

「「一夏の彼女だ(よ)」」

 

「は?」

 

弾は箒と清香の言葉でフリーズする。其処へ考えていることが同じだったのか海道達もやって来た。

お陰で弾はさらに頭の中が混乱したが海道がわかり易く事の次第を説明したので理解できた。

 

「つか一夏お前羨ましいぞ。美人二人と良い仲なんて・・・」

 

「五反田、コイツと良い仲なのは今は3人だ」

 

海道の発言で弾はさらに驚いた。大声を出しそうだったが海道が×印の何かで口を塞いだので

大声を出す事はなかった。

 

「成程・・・平行世界のね・・・。にわかには信じがたいけど嘘つくような人間にも見えないし」

 

「よく混乱しなかったな・・・」

 

「ゲームとか漫画にもよくそういう物があるからな。そんな感じなんだって思ったんだ」

 

「織斑より理解が早くて助かる」

 

海道は最初に説明した時によく解っていなかった一夏と直ぐに具体的とはいえ理解をしてくれた弾を

比べて発言した。一夏は事実なので苦笑いし弾も苦笑している。

 

「なぁ、これから家に来ないか?飯まだだろ?」

 

「如何する?」

 

「俺は構わない」

 

「私達もだ」

 

「それじゃあ、買い物済ませたら行くな」

 

「おう」

 

彗や静香に箒、清香も反対しなかったので買い物を終えてから弾の家である五反田食堂に行くことになった。

弾といったん別れてから買い物を済ませ、家に置いて彼の家、五反田食堂に向う。

 

「こっちの五反田も食堂をやっているのだな」

 

「ということはそっちの弾もやってるんだ」

 

「一度しか行った事はないんだけどな」

 

(そういえば蘭の奴、俺達見て混乱しないだろうな・・・?)

 

10分も掛からずに五反田食堂に着いたのでその暖簾を潜る。

 

「お、来たな」

 

「おう。爺ちゃん、6人入るぜ」

 

厨房から野太い声で返事が来ると弾は彼等が来るので先に6人が座れるようにしておいた席に案内した。

 

「お兄!いい加減こっちもてつだ・・・一夏さん!?しかも二人いる!?」

 

「なに!?一坊が二人いるだと?」

 

弾の妹の蘭が上から、祖父の厳が厨房から出てきた。海道は慌てるようなそぶりも見せない。

一夏は苦笑いし、箒、彗、清香、静香は如何していいのか解らないと言う表情だ。

弾はこめかみを押さえている。

 

「どどどどどど如何いう事なのお兄!?」

 

「え~と・・・」

 

海道は未だに表情を変えていない。だが何時もなら平然と説明をしてしまうのだがそれが無い。

彗と静香は彼がどうしていいのか解らずに思考の迷路に入り込んでいるのが解った。

3分ほど2人は慌てていたのだが流石に落ち着いてきているようで弾に説明を求めている。

 

「だからコート着てる3人は平行世界から来た一夏達って言うことで・・・」

 

「そんな事あるわけ・・・」

 

「いや、あるからこの3人がここに居るんだろうが・・・」

 

結局海道は何の説明もしなかった。

 

「弾、注文したいんだけど・・・」

 

「っとすまねぇ。ほら爺ちゃん、厨房に行けよ」

 

「お、おう・・・弾、蘭、お前さんらも一緒に食っとけ」

 

厳が厨房に戻り、弾が彼等の注文を受けて厨房に消えるとやっと海道が元に戻った。

一夏が何故静かだったのか聞くと「厳の爺さんに如何説明すればいいのかわからなくなった」

と返したので彼が特定の人物に対する説明が苦手である事が解ったのだった。

 

「海道にも苦手なことがあったんだな」

 

「俺は完璧超人じゃないぞ・・・。苦手な事くらい幾つかある」

 

「確かにな」

 

彗も海道の言葉に賛同する。静香は彗程彼の過去の事を知らないので何もいわないが。

彼女によると海道は子供や動物達にはとても好かれやすいらしく彼女の祖父、十蔵が

経営を行なっている孤児院に遊びに行けば真っ先に懐かれるのがお決まりであるらしい。

彼は好かれやすいがどの様に遊んであげたりすればいいのか解らずによく四苦八苦しているとか。

 

「子供たちに好かれやすいけど対応がわからない・・・。対応関連で苦手なものがあるんだな」

 

「動物なら平気なんだがな。ガキ共だとよく解らん」

 

「その割に勉強を教えたら全員が嫌がらない上に完全に理解しているからなぁ・・・」

 

「海の意外な一面をまた見たよ・・・。私も元の世界に帰ったら遊びに行こうっと」

 

「ヘイお待ち」

 

弾が各々の注文した品々を持ってきた。

海道、一夏は南瓜の煮つけ定食。この南瓜が甘すぎるとの評判だが彼等は之が好みらしい。

彗と箒、蘭は焼き魚定食、静香と清香は日替わりランチ、弾はカレーだ。

 

「相変らず甘い・・・」

 

「けどそれが良いんだろ」

 

「お前等って好みが変わってるって言われたことないか?」

 

男性陣は男性陣だけで楽しんでいるようで女性陣もまた然りだ。

 

「焼き魚の調理が完璧だな・・・串に刺して炭で焼いているのか・・・?」

 

「あ、よく解りましたね。確か福島の方のお店で教わってきたそうです」

 

「ふ~ん・・・」

 

「油の焼けたにおいが付いてなくて食べやすい♪」

 

「油っぽいようでそうでないんだね」

 

厳は厨房からその様子を見てニヤリと笑っているだけだった。

食べ終えると女性陣は買い物に行こうと蘭に誘われていた。

だが明日から出かけるのでその準備をすると言う事で断るがまたの機会にしようとも言っていた。

弾は店で出している漬物を2人にお土産として持たせた。

 

「しかし良いのか?」

 

「気にすんな。それに爺ちゃんも持ってけって言ってたしよ」

 

「ありがとな、弾」

 

「じゃな」

 

弾と分かれた後、家に戻って一夏は掃除を、海道は庭に蔓延っている雑草をどうにかする事にした。

一夏はものの十分程度で終ったので海道の手伝いをすることにした。

一方女性陣は二人暮らしの家にしては大きな風呂に仲良く入っていた。

清香は静香と彗のスタイルが良いといって羨ましがり、箒は最近少し太ったかと体重を気にしているが

彗と静香が全くそんなことを気にしていないことに驚いたりしていた。

 

「何で気にならないの?」

 

「私は昔から海と一緒に居たからな。海がそんな事気にしないと聞いて私自身もその内気にしなくなったんだ」

「私は元々かな。体重がどうのこうのって言うような環境がなかったから」

 

「太ってきたらどうするのだ?」

 

「「海か私達の世界の姉さん(束義姉さん)に相談して解決する」」

 

「そ、そうか・・・。そういえば修行する期間は・・・」

 

箒は強引だったが話題を帰ることにした。

 

「2週間。確か箒の実家の篠ノ之神社でお祭りがあるでしょ?それに会わせて帰ってこれるようしたんだって」

 

「それはありがたいな。雪子叔母さんに今年神楽舞を舞ってくれといわれていたんだ」

 

「懐かしいな・・・私も舞ってみるか・・・」

 

「それ良いかもね♪」

 

彗が乗り気なので箒は後で連絡しておくと言った。

少し長めの風呂から出た後、大体3時間ほどしてから一夏と海道が順番に風呂に入った。

2人が入っている時は風呂はとても静かで水の流れる音しかしなかったとか。

 

「掃除も終えると退屈だな・・・」

 

「明日は早いから飯食ってもう寝るか・・・腹減ったし」

 

「あぁ」

 

彗と放棄が二人の会話を聞いていたようで幾らなんでも早いだろと言う。

静香と清香も会話に参加し、何か食べるには早いと言う。

 

「アハハ・・・」

 

(俺等は腹減ってんだよ・・・)

 

一夏は苦笑いし海道は不機嫌そうに心の中で愚痴を言うのだった。

 


 
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