No.701139

義輝記 蒼穹の章 その二十九

いたさん

義輝記の続編です。 よろしければ読んで下さい。
于吉の変態度が上がりました。
7/16 文章加筆修正しました。

2014-07-16 02:40:02 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1121   閲覧ユーザー数:1004

【 于吉 無惨 の件 】

 

〖 兗州 鳥巣 鳥巣砦 にて 〗

 

久秀「左慈ぃ……お願いがあるんだけどぉ……久秀の頼みぃ聞いてくれるぅ?」

 

久秀が珍しく甘えた声で左慈に……強請る?

 

左慈「………俺には女への興味は無い! あるのは強者と勝負のみ!!」

 

于吉「貴女のそのような……幼○体型で左慈を誘惑しようとは……ふっ! 身の程を弁えな『ギリィ! グリグリグリグリ』 ギャアアアァァ──!!」

 

久秀「アンタには!! 聞いてないのよぉ────!!!」

 

『グリグリ』

 

『バンバン!』

 

『ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!』

 

久秀「─────────はぁはぁはぁ!!」

 

辺りは血の海になり……久秀の前には『于吉』が………久秀の横には『刀』、『鉄扇』、『槍』、『お菊ちゃん』が………。

 

于吉「ぐふっ! なっ………何という……か………快感!!」ガクッ

 

順慶「え~と、于詰? 于吉! 駄目ね……」フルフル

 

────返事が無い。 ただの屍のようだ──────

 

ーーーーー

 

左慈「………普通に頼め。 貴様の話し方に裏がある事など丸分かりだ。 それに………どちらにしても、ろくな話ではないのだろう?」

 

久秀「…………久秀達の相手は、この世界の英傑、知将、勇将。 それなのに久秀達は、久秀と順慶の二人だけ。 これでは、勝ちは望めないと思うの!」

 

左慈「ふん! 負け犬の遠吠えか………!」

 

久秀「───────キッ!」

 

順慶「老師!! 久秀に物申すとは言え、幾らなんでも………限度がありますわ!? 流石に───これ以上侮辱すれば、老師と言えど!!」

 

久秀「─────!」

 

左慈「媚びるだけなら負け犬でも出来る! 不屈の闘争心が無ければ、また簡単に敗北するだけだぞ? まぁ、その様子なら………ふっ、大丈夫そうだ!

 

…………今回は餞別に『材料』だけ用意してやった。 後は、お前の得意分野で修正なり改造なり……してくれればいい!」

 

ゴソゴソ ゴソゴソ…………ムクリッ!

 

于吉「全く……この于吉に相談してくれれば………。 恥ずかしがり屋ですね…………左慈も…………!」 ツンツン!!

 

于吉が、前触れもなく……立ち上がり、左慈の頬を突っつく!

 

左慈「………貴様は───黙ってぇ死んでぇろぉぉぉ!!」ドゴッッ!!

 

于吉「ぐわばらべらあぼぉぉおおぉぉ─────!!」ゴロゴロ グシャ!

 

左慈の怒りの鉄拳に、もと居た場所に帰される于吉。

 

順慶「………恐るべき回復力と生命力ですわね?」

 

久秀「そうねぇ………? 復活する前に、ネギでも刺しとく? 勿論、刺すのは………」クスクスクスクス

 

左慈「───だぁから、これ以上! 変な事を記憶させるなぁ!!」

 

◇◆◇

 

【 先人からの後押し の件 】

 

〖 江東 雪蓮居城内 謁見の間 にて 〗

 

何進「天城! 大将軍ではなく、この大陸を守る者として問う! お主は………かの者達に勝てるのか!」

 

颯馬「………………………」

 

 

ーーーーーー

 

俺宛に届いた竹簡……そこには月様が、久秀殿と対戦し言葉を交わしたと記載してある。 そこには…………驚愕な言葉があった!!

 

『久秀や順慶は……ただの駒! 本当の敵は…………別にいるわよ!』

 

そして、敵の存在は………漢女即ち『貂蝉』が知っている!!

 

……………………………………………

 

多分………黄巾賊討伐戦で出会った道士の二人か。

 

……………………………………………

 

勝てる………のか? 

 

久秀殿と順慶殿……二人だけでさえ……あれだけ苦戦したのに。 

 

久秀殿達を駒と扱う─────智と武の化け物共が参戦する?

 

勝てるのか? 勝てるのか? 勝てるのか………?

 

??『颯馬さぁ~ん、下手な考え休むに似たりとも言いますよ~?』

 

えっ? は、半兵衛殿───!? どうして!?

 

半兵衛「颯馬さんが……あんまり苦しんでいるので~、あの世から様子を見に来ましたー! あの世に行ってから体調が軽くて~! ほらぁ! ふわふわ浮かんでしまいますよぉ~?」

 

…………そうですか。 

 

…………相変わらずの御様子ですね…………。

 

半兵衛「颯馬殿……! 半兵衛さんは怒っているのですよぉ! もうプンプンですぅ~!! 顔文字にすると(`ヘ´) プンプン……と言う具合な程!」

 

よくわかりませんが……激怒していらっしゃるのだけ……分かります。

 

………そうですよね。 

 

まだ、相手にした事が無い強敵を怯えて……決意が鈍っているんですから。

 

半兵衛「違いますよぉ~! 半兵衛さんのプンプンの理由は、そこじゃなくてぇ~心配してくれる皆さんを忘れているんですかぁ~? 

 

颯馬さん一人が戦を行うなら~話は分かりますよ~。 でも、そうじゃ無いですよねぇ~? 手伝ってくれる人達が………大勢いますよね~? その人達の求めをキチンと聞かないと~ね!」

 

はっ、はいっ! すいません!!

 

………では、決断不足で起こっているわけでは……?

 

半兵衛「───斉孫子兵法に曰わく『方なくして戦う者、少勝して似ってれきに付す者なり』! 颯馬さんみたいに深く考えないと、小さい勝利を得られても、大敗は免れない~! そこはいいのですよー! 見方を変えないと~!」

 

……………見方をですか?

 

半兵衛「今の颯馬さんは~外の相手ばかり見ていますぅ~! 颯馬さんの周りや颯馬さんの内面は……どうですかねぇ?」

 

─────ふと、周りを見る。 

 

身体の自由が……何故か効かず……目だけを動かすと……と姫武将や将達が、心配そうな表情で俺を見ている。 って………動いてない!?

 

半兵衛「半兵衛さんの力だけじゃないですよぉ? ですが、皆さん……貴方に期待しているのです~! それに────ほらぁ!!」

 

半兵衛殿の声が響くと……俺の内面より言葉が……『誓い』が浮上してきた!

 

大陸に始めて訪れ、最初の七人と共に過ごした日々。 あの時に誓った軍師としての思いが! 熱意が! 絆が! ───生み出した『覚悟』!

 

 

《 この者達と共に『大陸』を平和にし、必ず日の本に帰るのだ! 》

 

 

そうだ! これが………俺の軍師としての『源』! 

 

《 誰一人も欠けさせたくない!! 》と思い、策を磨き上げて………結局、最初の七将より心配、怒り、寂しさを与えてしまった改悟すべき理!

 

半兵衛殿………! ありがとうございます!!

 

半兵衛「………いえいえ。 これで安心して日向ぼっこ出来ますよ! あっ、それから一つ、半兵衛さんからの忠告です! 

 

…………コッチに来るのは、まだ早いですからね~?」

 

はいっ! 半兵衛殿も……………お元気でぇ!!

 

半兵衛「ふふっ……。 今の半兵衛さんは病知らずなんですよぉ? もし、困った事があれば………あの巻物を見て下さいねぇ~~!!」───スッ

 

ーーーーーー

 

颯馬「…………俺だけでは勝てません!」

 

何進「……………そうか」

 

颯馬「しかし──ここに集まっている者、今は離れて動いている者、まだ見ぬ味方達の───全ての力を持ってすれば! 必ず撃ち破る事! 天城颯馬が名において、御約束させて頂きます!!!」

 

◆◇◆

 

 

【 三つの玩具 の件 】

 

〖 兗州 鳥巣 鳥巣砦 にて 〗

 

久秀「…………取りあえず、この一月は此方も動けず、あちらも動けずの膠着状態になると、貴方は見ているのね………左慈?」

 

左慈「あぁ! お前達の進撃で、アイツらは被害多数! 洛陽の政治機能は麻痺! 止めに……周辺の異民族達を煽動してやったからな。 

 

─────さぞや、忙しい事だろうさ! ハハハハハハハッ!!」   

 

久秀「───意外と頭が切れるのね? てっきり筋肉お馬鹿と思っていたのに?」

 

左慈「弱った獲物を倒すのは……面白味がないからな!! だから、獲物を肥らす策を自然に覚えたわけだ!! 難敵を倒して勝利を得る! 

 

その醍醐味を味わう手間など─────惜しまん!!」

 

順慶「………ですが、颯馬様だけは私の獲物ですから、残して下さいね? 残して頂かなければ────ドウナルカ……オワカリ……カト………!!」

 

左慈「ふふっ! いい表情を魅せるようになったじゃないか! 順慶!! 

 

言わなくても弱い敵など狩らん!! だが……忘れるな! お前らが狩らねば…………俺が血祭りに上げてやるだけだ!」

 

于吉「…………くふっ。 皆さん酷いですよ? 幾ら私と左慈の仲が羨ましいからといって、このような嫉妬全開の八つ当たりをするなんて…………」

 

何事もなかったように、于吉が立ち上がる。 ………気のせいか頬が赤い。

 

…………………足がガクガクと震えている?

 

于吉「お、おかしいですね? やけに腰が抜け、足に力が入らない。 ………おやっ? …………ベルトが外れている?」

 

左慈「(お前らっっ!!)」

 

左慈が久秀の座っていた場所に置いてある武具と………全然関係ない『玩具』が、何故か…………放置してある。 

 

左慈は、全身を震えさせたまま、その『玩具』を指差す!

 

久秀「知らないわよ? 何故か久秀の傍に、槍と刀と一緒に置いてあったの。 用意がしてあれば、使用するのが人間よね……………ふぅ」

 

順慶「私も知りませんわ? 第一、于吉にそのような施しをする私ではありませんわ!? 行うのでしたら………颯馬様と………///////////」

 

于吉「それに、なぜ…………私の愛用品が…………」

 

左慈「お前んのかぁ──────!! って、いつの間にか……聞いてんじゃねぇぇぇ!!!」

 

于吉「左慈が目覚めてくれて、私はぁ最高に──!」

 

─────!

 

于吉「──────ガッ!」

 

ボオオォォ─────ン!!

 

 

 

左慈「………『不動砂塵爆』! テメェは、俺を怒らせた!」

 

左慈は、于吉にとある空手家の技を掛ける!

 

当てられた于吉は………その場で崩れ落ち……動かなくなった。

 

久秀「…………ネギはね、久秀が吟味した強烈なヤツだけど………平気そうね。 アテが外れてつまんないな。   

 

まぁ……そんな些細な事はいいのよ。 左慈……『材料』ってどんな者? 孫呉の使者は優秀だったわ! あれくらい優秀だと助かるけど………」

 

何も『無かった事に』してしまった三人。

 

于吉は………ちょっと……表現が出来ない状態?

 

身体の一部が、有らぬ方向に向いてるとか?

 

左慈「……………三人! 益州元大守『劉焉』、青州黄巾賊首領『閔純』、冀州大守『韓馥』だ! 韓馥はお前の居城より連れてきた奴だし、後の二人は護送途中で攫ってきたんだぞ! 有り難く思えよ!!」

 

久秀「…………………………………」ガクッ!

 

順慶「……久秀、老師の罪は弟子の罪。 謝罪しますわ」

 

左慈「おいっ!! その態度はなんだぁ!! 俺の選別が………そんなにおかしいのか!?」

 

久秀「───先程の賞賛取り消し!! やはり脳まで筋肉お馬鹿は、役に立たない!! 役立つと思った久秀が悪いのよおぉぉ!!」

 

◆◇◆

 

【 最終戦への準備 の件 】

 

〖 江東 雪蓮居城内 謁見の間 にて 〗

 

冥琳「具体的な策は……………と失敬、まだ秘密だな。 取りあえず準備する物があれば申し出て欲しい。 こちらで用意出来る物は用意しよう!」

 

颯馬「まずは、『法螺貝』を三百個! そして、鳴らす事が出来る奏者を三百三十名を準備してもらいたい!」

 

冥琳「『法螺貝』? どんな貝だ?」

 

穏「冥琳様~! ここは是非とも穏にお任せ下さい~!! むふふふっ、新しい未知の扉が穏を誘う(いざなう)のですよ~!!」

 

信玄「コホン! 私が僭越ながら………指導させていただきます!」

 

謙信「信玄だけでは刻が惜しい! 私と後数人! 誰か法螺貝の吹き方と作成方法をご教示お願いしたい!」

 

道雪「先の戦では活躍場が限られていました! 私も参加します!」

 

義久「お姉ちゃん、活躍出来なかったから~、ここで頑張っちゃいます!」

 

ーーーーー

 

颯馬「それと、どこからでもいい! 『雑草の種』を貰ってきて欲しいんだ! どんな種類でもいいから、兎に角……沢山用意して!」

 

冥琳「それが………何の役に?」

 

颯馬「『荊砦攻略』の準備さ!」

 

華琳「ちょっと待って! 荊砦には火矢は通じなかったのよ!? 桂花が命じて数十発の火矢を射たのに、到着した瞬間には消えた程の厚い荊の壁! 

 

それを…どういう経緯で考えたか分からないけど、火計は絶対に無理!!」

 

朱里「そうですよ! でも………天城様なら『燃える水』を利用とする火計を使用されますから、案外簡単な事なのでは!?」

 

颯馬「今回は………その『燃える水』の策が出来ない!」

 

華琳「どうして!? 『燃える水』は、自然に溜まった物を採取して、洛陽に持ってくるだけと聞いたわ!! 何か不都合な事があるの!?」

 

颯馬「この『燃える水』の採取地は……西涼の奥、五胡の支配地なんだ!」

 

朱里「なるほど………五胡を煽動すれば採取地に行けない。 即ち、天城様お得意の火計を封じ込みのも、目的の一つだったと…………」

 

颯馬「そんなわけだ! だからこそ『雑草の種』が必要なんだ!」

 

冥琳「分かった! 至急用意させよう!! 

 

それにしても………ふふふっ! 颯馬! お前のその謀は、どこから出てくる? 華琳を苦しめた荊砦の攻略! 正直、私さえも攻略の目処が立たないのに……話を聞いだけで……攻略の道筋を示す!!

 

全く………『人越の謀将』、『神情魔謀の天将』その二つ名に嘘偽りは無さそうだな!!」

 

颯馬「それは、その策が成功した時に言ってくれ! ………恥ずかしくて、名乗りたくないんだよ…………」

 

◇◆◇

 

【 于吉、目覚める! の件 】

 

〖 兗州 鳥巣 鳥巣砦 にて 〗

 

左慈「───────ふん! 終わったぞ!!」

 

久秀「…………驚いた! 左慈の妖術で『若返る』なんて?」

 

順慶「私も───前に氣が尽きる前に処置を行って貰いましたわ!」

 

左慈が連れてきた劉焉、韓馥に左慈が手を当てる。

 

パアァァ─────!  

 

シュシュシュッゥゥゥ─────!

 

白い光が輝き───二人の皺だらけの老いぼれだ顔や身体を、瑞々しい若き肉体へと変貌させる!!

 

左慈「韓馥は知らんが、劉焉は若き頃、英傑で名の通った奴だ! 使える将になるだろう! ………人の話を最後まで聞いておけ!!」

 

于吉「さて………取りあえず二万……傀儡兵を境一面に配して起きました。 もし、向こうより攻めてきても、此方の傀儡兵が対応! 時間を稼いでくれますよ。 

 

左慈……貴方の方も異民族の煽動を蜂起に変える事、幽州北部より五胡の兵五十万! 此方に移動するよう命じておいて下さい!!」

 

左慈「やっと……まともな働きが期待出来そうだ!! 久秀! その三人の調教! しっかり行っておけよ!? 

 

───何回も言うが、これで最後だからな!!!」 

 

───スッ!

 

順慶「うふふっ、老師ったら……! ツンデレの仕草が所々出ていましたわね? さて、私も………兵達の訓練に向かわなければ!!」

 

久秀「…………久秀も調教に向かいたいけど、于吉先生? なんで久秀の着物の裾を握るの? 邪魔よ、邪魔!! さっさとお家に帰りなさい!!!」

 

于吉「久秀様あぁぁ!! 是非、卑劣で変態眼鏡で貴女の下僕である于吉にも、あの興奮と痛覚の坩堝と化した至高の調教技をお願いします!!!」

 

久秀「久秀は暇じゃないの! 急いで……この三人の調教を始めるから、アンタの相手なんか、してあげられないのぉ!!!」

 

于吉「な、何卒!! このままでは、性的興奮で身体が夜泣きを起こしちゃう~~~!!」

 

久秀「はっ! 勝手に夜泣きでもしてたら? そうすれば、左慈の愛溢れる鉄拳を奮ってくれるから………丁度いいじゃない!?」

 

于吉「それでは満足感がないんでぇす!! 久秀様ぁぁ────!!」

 

久秀「ったく、仕方がない愚物ね! それなら調教してあげるわよ!」

 

于吉「あ、ありがとうございますぅぅ─────!」

 

久秀「じゃあね…。 あそこの部屋の隅で膝を抱えて座って居なさい! 久秀がいいというまで………! 簡単でしょう? 『放置』という調教法だっていうけど…………」

 

于吉「…………はいっ! やらせていただきます!!」

 

久秀「じゃあっ────ガンバッテ!」クスクスクス

 

◆◇◆

 

【 乱入者 の件 】

 

〖 江東 雪蓮居城内 庭 にて 〗

 

謁見の終了後に義輝に話す。 

 

庭にて、大事な話をしたいと申し出ると、何故か顔を赤く朱に染め……コクリと頷かれた。 ………熱でも無ければいいのだけど…………。

 

ーーーーー

 

俺は……『最終の秘策』を胸にしまい、義輝を待った。

 

颯馬「───義輝! このような場所に呼び出して申し訳ない! 他の皆に聞かれたくなかったから…………」

 

義輝「よいよい! なんじゃ? わらわに何か用か? ………わらわは既に心の準備は出来ているぞぉ!?」ドキドキ

 

颯馬「えっ! 俺の覚悟を知っていたのか!」

 

流石………剣聖将軍と呼ばれ将軍位まで授かった方だ。 俺の覚悟まで分かっていたとは。 

 

これなら……安心して任せられそうだ!

 

義輝「このような場所に……わらわと颯馬……二人きりじゃ! わからん方が不思議ではないかの?」

 

そうか……。 そうだな。 

 

こんな場所で二人だけなら、秘密を打ち明けるには持って来いだ。 

 

俺は……自分の早とちりを苦笑して、口を開いた!

 

★☆☆

 

華琳「ちょっと、誰! 私の頭に、身体を預けるのは!!」

 

穏「あはっ! すいませ~ん! 穏の胸が乗っちゃいました~!」

 

華琳「 ( ̄△ ̄) 」ムギュ~ゥ

 

穏「キャア! 痛ぁぁいぃですよぉ~!!」

 

ねね「静かにしないと────気付かれますぞぉ!!!」

 

ーーーーー

 

雪蓮「うん! ちょっと邪魔しに行って………」ガシッ!

 

冥琳「待てっ! 国の王が人の恋路を……何で邪魔しに行くんだ!? 私だって我慢しているのだ! お前も黙ってみていろ!!」

 

恋「…………………?」

 

霞「恋……いい子やから、指差すんの勘弁してあげな?」

 

ーーーーー

 

蓮華「……こんな事しているだけで……私達……恥曝し(はじさらし)よね?」

 

信玄「違います! これは警護ですよ!」

 

信廉「姉上……武将全員で見守るって、幾ら何でも理由付けに無理が……」

 

凪「ですが、最終戦も近いですので、闇討ちも充分考えられます!」

 

愛紗「そうです! またあのような怪物が現れでもしたら……!!」

 

信長「何をほざく! 颯馬を狙っていた者が、寝言を抜かすなぁ!!」

 

一存「………そん時は、俺が守ってやるさ! 愛紗!!」

 

亞莎「ムッ───!」

 

長慶「……………………」

 

ーーーーー

 

光秀「こうなる事は予測していたのですが………心中複雑ですね……」

 

謙信「ひ、人の恋路を邪魔する訳では無いが………気になるではないか……」

 

昌景「正妻がしっかりしていれば、必ず最後にはお主の元に戻る! 颯馬も然り。 若者の行く末を案ずるのも年寄りの役目じゃよ………ハハハッ!」

 

忠勝「颯馬殿……………」

 

左近「……………(颯馬に固い決意が見える?)」

 

ーーーーー

 

朱里「はわわわっ!!」

 

義清「兄者…………」

 

ーーー

 

星「………やれやれ、まさか私以外に……ここまで見物客が来るとは。 颯馬殿、貴方も英雄の資質があると見える! まぁ……一献」トクトクトク  

 

桔梗「おっととと……すまんの! ここに来て……こんな場面に遭遇するとはなぁ。 まぁ、儂も人の事は言えんか! かかかかっ!」グィ!

 

ーーーーー

 

道雪「………私達に向いて貰うには……なかなか難しいものですね……」

 

紹運「義輝様、相手ではなぁ…………」

 

紫苑「…………簡単に諦めちゃ駄目よ? 

 

恋する女の子は、その時が一番可愛くて魅力的なのよ。 二人とも美人だし、勇気を持って告白すればきっと上手く行くわ!」

 

ーーーーー

 

義弘「やっぱり胸かぁ……………」

 

明命「巨乳は敵ですぅ!」

 

歳久「………胸ばかり考えても仕方がありません。 それを補う何かを持たないと!!」

 

祭「儂も歳では無い……別の何かで迫ってみるかのぉ!!」

 

ーーーーー

 

家久「あたしは、将来~よし姉みたくなるから、大丈夫だよぉ!!」

 

義久「あらあら……うふふふふっ!」

 

思春「くっ!!」

 

焔耶「何故……ワタシの胸を見て………睨み付ける!?」

 

★★☆

 

颯馬「実は…………」

 

義輝「ふむ!」

 

『……………………………』

 

───────ドドドドドドッ!!! 

 

貂蝉「颯馬ちゃん───! お待たせぇん!! 二人の救出、無事済んだわよぉぉぉん!!!」

 

『なぁ───────!』

 

『ブホオォォォ────!!』

 

『へぇっ!?』

 

黒い『れおたーど』を着込んだ貂蝉が、二人を抱えて飛び込んできたぁぁ!

 

貂蝉「怪盗『猫の瞳』華麗に煌びやかに登場よぉん! あらぁ! みんなで私の事を見学に来てくれるなんてぇ───貂蝉、大☆か☆ん☆げ☆き★」

 

二人を抱えたまま、奇抜な姿勢を取る貂蝉!!

 

あまりの大騒ぎの為、唖然とする義輝と俺………………。

 

颯馬「───貂蝉か! どこぞの忍びが来たか思ったが!?」

 

貂蝉「颯馬ちゃんたら、私のセクシーポーズに動じないなんてぇぇぇん!!」

 

義輝「………き、貴様なんぞぉ───馬に蹴られてしまえぇぇ!!!」

 

かなり夜も更けた筈なのに…………庭園内は大騒ぎだった!!

 

こうも騒がしいと、俺の覚悟が鈍る。 

 

また後日──お願いしよう!

 

袁術と張勲を凪と信廉殿が運んでくれる。

 

信廉「貂蝉と皆は、夜の対戦で……まだ部屋へ戻るのは後になります。 颯馬は先に戻って下さい!!」

 

颯馬「いや、それなら……俺も見守った方が………」

 

凪「……天城様! 今、天城様に倒れ込まれると、私達は何も出来ないまま、敵に倒されてお仕舞いです!! どうか、お体の養生に努めて下さい!!」

 

二人に部屋へ帰るよう即され……しぶしぶ部屋へ戻った。

 

★★★

 

貂蝉「な、何よぉぉぉん! 何か、私が悪い事したというのぉぉおお!!」

 

義輝「五月蝿いわ! よくも、わらわへの告白を邪魔しおって!! 右翼──武田、上杉、村上、織田! 左翼──大友、徳川、島! 後方──島津、三好、明智! 包囲して殲滅せよ!!」

 

雪蓮「じゃあぁ! 私達も天の御遣いに加勢!! 突撃───!」

 

霞「うっしっ! 好機やでぇ!! 恋! 貂蝉をいてこましたれぇ!!!」

 

恋「コクッ!」

 

ーーーーーー

 

桔梗「豪天砲最大出力!」

 

ブウウゥゥゥ─────ン! ガキン!!

 

亞莎「我が力を思い知れ!」

 

シュッン! シュッン! シュッン!

 

星「龍撃の舞い!」

 

ザッシュ! ザッシュ! ザッシュ!

 

ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーーー

 

貂蝉「私を───本気で怒らせたわねぇぇぇんん!!!」

 

カァァ─────────!!

 

ーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー

 

この後、庭園内は全壊! 

 

周囲にも被害を齎したしたそうだ。

 

勿論……他の将兵は、理由を聞きたがったのだが。 

 

…………関係者達は一様に口を噤んで語らない為、真相は不明のまま。

 

後に、この事は……一切の記録に残されず、闇に葬られたという。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

于吉の変態度が………何故か上がりました。 おかしいな?

 

取りあえず………双方最後の決戦の為の準備です!

 

まだ策はあるんですが、場所が西涼用の為、示す必要が無い事。 既にある物で使用するとか、三太夫や伊達勢が準備してあるとか色々で。

 

時期は……大陸全体、冬という前提で行います。

 

因みに、西涼は……布、竹、水、土嚢です。

 

他の作品で見受けられる『氷城』も出しますが、オリジナル策も用意しております。

 

 

 

次回も、よろしければ読んで下さい。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
7
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択