No.700569

義輝記 蒼穹の章 その二十八

いたさん

義輝記の続編です。 また宜しければ読んで下さい。
7/14于吉の変態度をちょっと上げました。

2014-07-13 20:46:12 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1267   閲覧ユーザー数:1045

【 来訪者 の件 】

 

〖 揚州 江東 雪蓮居城内 謁見の間 にて 〗

 

何進「先触も無しに赴いた事、詫びさせて貰う! 漢王朝大将軍何進だ!」

 

雪蓮「はっ! 何進大将軍にはご機嫌麗しく…『堅苦しい挨拶は無しでいいぞ!』………はっ! この度は、どのような儀を持ってお越し召されたのでしょうか?」

 

何進「主達も知っておろう! 今、漢王朝……いや大陸全体において、未曽有の危機に襲われている事を!! 敵は知謀に長け、武に秀でた恐るべし者共!

 

────このままにして置いては、大陸の浮沈に関わる! よって、我々は一丸になり、その敵を排除したい! そう思っておるのだか……どうだ?」

 

雪蓮「…………ならば、御命令を下していただければ……我々は身命を賭して──「う~ん? 少し待て!」──!」

 

何進「………やはり、形式的な話をすると事が難しくなるか。 大将軍何進の名に置いて許可する──!  只今より、儂と話す際は形式的事柄は一切無用! 対等な質疑応答を行うよう申し渡す!!

 

…………どうだ? 身分はそのままだが、立場は対等! 遠慮無しに申して構わないぞ? 普通の会話で結構だ! ───ツッコミもボケも許す!!」

 

雪蓮達以下『……………………………』

 

颯馬「───どうして、其処まで許可しなくちゃならないんですか!? 何進殿!!」

 

雪蓮達以下『───────────!』

 

何進「むっ! 早々に突っ込んできたか! 流石は天城!!」

 

颯馬「………まず、誰かが先鞭を付けなくては、動きづらいですからね。 お久しぶりです、何進殿! つつがなく益州を陥落、お見事でございました!」

 

何進「………お前のお膳立てが済んだ後だ。 儂など……お飾りに過ぎん」

 

颯馬「それにしては……後ろの将の方々に……かなり慕われているようですが………?」

 

後ろには四人の猫娘?のような将が、何進殿にくっ付いている。 何進殿が小声で『静かにするように!』と注意するが、あまり効き目はなさそうだ。

 

美以「何進ぃ~ん! そろそろハラッペコにゃ~~! 何進特製の肉料理、また作って欲しいのにゃ~!!」ゴロゴロ

 

ミケ、トラ「「食べたい! 食べたいにゃ!」」ドタバタ

 

シャム「お腹~空いたのにゃ~~」グゥ~

 

何進「駄々を捏ねるなぁ! 後で食べさせてやっから! なっ? なっ?」

 

颯馬「何進殿………肉屋のオヤジに、また戻りつつありますよ?」

 

緊張していた空気が……一気に弛緩した瞬間だった。

 

◇◆◇

 

【 類は類を呼ぶ? の件 】

 

〖 兗州 鳥巣 鳥巣砦 にて 〗

 

順慶「─────何ですって!? 袁術様達を攫われたというのですか?」

 

袁兵「………はい」

 

久秀「……順慶、仕方ないわ。 このような真似が出来るのは『漢女』しかいないもの。 この『荊砦』の壁を、跳躍で越えれる化け物は二人しかいないわよ………」

 

順慶「ですが……久秀! 傀儡とはいえ、あの二人が居なければ正当な袁家とは認められず、兵が大量に離脱する可能性がありますわ!」

 

久秀「ならば……袁家などという不甲斐ない迷家の看板を外し、私達が国を建国するのよ! 『 晋 』を………ね。 

 

それに、今ここに居る袁兵は、久秀の術と自分達の末路をよく存じている者ばかり。 勝てば官軍、負ければ賊軍としてね…………」クスクス

 

順慶「…………今の状況では、それが最善の策のようですわね。 

 

……ですが、『兵力差』がどうするのです!? 

 

洛陽が西涼、益州と手に入れて、孫呉は徐州に兵を送り込み進行中! 大陸の三分の二を奪われ、相手方の方が……遥かに動員数が多いのですよ!」

 

久秀「ふふふっ……愚問よ、順慶!  

 

──────出てきなさい! 于吉!! 貴方が調子に乗って、此方の様子を見ているのは、最初から分かっているわ!! ………それに、貴方の事。 久秀達を泳がせておいて、大規模な策を企んでいるのでしょう!?」

 

─────スッ!

 

于吉「全く………呆れてしまいましたよ。 どうして私の策謀を分かってしまうのですかね? 

 

─────はっ! まさか……私への横恋慕!? 

 

いけません! 私には左慈という……心に決めた者がいるですよ!?」

 

久秀「─────心配しなくて結構。 久秀の玩具に貴方のような者は遠慮するわ! まぁ、左慈なら……調教の楽しみがありそうだから、シテあげてもいいけど………?」クスクス

 

于吉「お気遣いも、ご心配もしていただなくて……結構ですよ。 左慈との付き合いは、結構長いのですからね? 例えば……本人の知らない七癖は元より……知っていると自覚している四十八癖をも………全て! 全てを把握しているんです! 無論! この事を知るのは──この于吉のみ!」

 

順慶「………二人が極度の異常者だと言うのは、よく分かりましたわ。 で、兵の準備はどうするのですか!?」

 

久秀「───順慶? 貴方も、その一人だと言うの、忘却していないわよね? 久秀は知ってるのよ? 颯馬の洗濯物を、一時侍女より預かっていた事……」

 

順慶「愛する方の残り香を……傍に置いて慰めたい。 そんな悲しき女性の性(さが)と言うものですわ!」

 

于吉「…………普通の女性は行いませんが、いいですね! 左慈に対してやってみても『 ドゴオオォォォ─────!』 ────グボオオォォ!!」

 

───ドカァーン! 

 

ゴロゴロゴロ ………バタン!

 

左慈「馬鹿野郎!! この男色変態紳士に──変な事吹き込むなぁあ!!」

 

順慶「老師! お久しぶりです!」

 

久秀「久秀は悪くないわ! 勝手に聞いて勝手に実行する、倒錯的性癖な相方を制御できない貴方が悪いんじゃない!!」

 

 

◆◇◆

 

【 団欒 の件 】

 

〖 揚州 江東 雪蓮居城内 謁見の間 にて 〗

 

明命「な、なんとぉ!! 南蛮とは……このような楽園を差していたんですかぁ!! こ、これなら……お猫様を戦場に同行させれますね!?」プニプニ

 

義弘「うんうんっ! 私もね? この姿見たら……元の世界に帰りたくなくなちゃたのぉ!! 私の聖域はここ! 南蛮確定って!!」プニプニ

 

美以「いい加減~~みぃの肉球をプニプニするの、やめえぇぇ!!」

 

家久「でもねぇ~? 二人とも考えて見てよ。 ヒト型の猫さんだよ? 勿論武器持って戦ってもらうよねぇ? そうなると……敵を殺したり……殺される事もあるんだよ~?」

 

明命「はわぁ─────────!!」

 

義弘「そんなの駄目!! 可愛い南蛮兵達が……殺されちゃうなんてぇ!!」

 

ーーーーー

 

祭「これはこれは………益州で名を馳せる『厳顔』殿か?」

 

桔梗「左様……。 そう言うお主は……風貌からして、孫呉の重臣『黄公覆』殿ではあるまいか?」

 

祭「如何にも! いやいや愉快愉快! 益州の名将と言われる御仁に逢えるとは、人生塞翁が馬! どのように転ぶか分かりませんな!」

 

桔梗「全く……! 時に黄公覆殿? ………こっちの方はいける口か?」

 

祭「無論! ……しかし、近頃は罰則で、冥琳いや公瑾に半年慎むように言われてばかりでの………。 赤壁で命令違反を犯してしまい、可惜(あたら)若き兵達の命を無駄にした結果よ………。 

 

儂一人の命だけで済ますつもりで、あったのだが………」

 

桔梗「儂が思うに……命で償う厳罰には二種類あってな? 一つは命を奪った者には命で償わせる……当然の事。 もう一つは……生きて働きで償う。 

 

黄公覆殿……尋ねさせて貰おう! 兵達は…貴女の生還を喜んだか? 恨んでいたか?」

 

祭「儂が言うのも……とやかくだが、孫呉の皆が……喜んでいた。 こんな死に損ないに……何の価値があるものか……と考えたが…………」

 

桔梗「なら、その命を大事にしつつ、働きで恩を返す事だ! 貴女は天に生かされておる! 死ぬ時まで……返し続けなければならない!! 

 

───昔、同じような事をして、漢中の五斗米道の教祖が言うておった言葉よ! それに───この地に来て、初めての『呑み友』になろうというのに、早めに世を去られては………後味が悪い!」

 

祭「……………………」

 

ーーーーー

 

璃々「初めまして~! 黄漢升の娘『璃々』と申しますー!!」

 

紹運「これは……御丁寧に。 高橋紹運と申します」

 

道雪「………紹運、幼子にその口調。 些か……どうかと思いますが?」

 

璃々「わぁっ! 凄いお姉ちゃん! 椅子に座りながら移動してる!? 璃々も乗りたいなぁ────!!」

 

宗茂「あ、あぁ~、ごめんね! これは乗り物とは違うの!」

 

璃々「でもぉ、お姉ちゃん乗ってるよ? 乗り物じゃないのぉ?」

 

宗茂「だ、だけど……これは!」

 

道雪「…………………」

 

紫苑「────駄目ですよ! 璃々! お姉さんは、身体が丈夫ではないの。無理を言ったら嫌われてしまいますよ?」

 

璃々「はぁ~い!」

 

道雪「…………助かりました、礼を言わせて下さい。 私は董仲穎様に仕える『立花道雪』と申します」

 

紹運「義理の妹になる『高橋紹運』と申す!」

 

宗茂「義理の娘になります『立花宗茂』と申します」

 

紫苑「………娘が失礼しました。 何進大将軍付きの武官『黄漢升』と申します。 宜しくお願いしますわ、天の御遣い様方!」

 

◇◆◇

 

【 于吉の暴走 の件 】

 

〖 兗州 鳥巣 鳥巣砦 にて 〗

 

于吉「いやはや……左慈の飛び蹴り! 久々に食らいましたが………う~ん、最ぃ高ぉぉっ! お肌の艶が一段とテカリますよ! 

 

───おやっ? 何を落ち込んでいるのですか……左慈?」

 

左慈は……部屋の隅で体育座りをして、顔を伏せている。

 

左慈「…………………俺の周りには、まともな奴は居ないのか……………」ウジウジ

 

于吉「───可能であれば、私が身体を使ってでも、慰めてあげたいところですがね? 残念ですが……久秀達に策謀を伝えないといけないので、のんびり黄昏ている暇も……ないのですよ、左慈?」

 

『だから……』と言いつつ近寄り、耳元で息を吹きかける!

 

于吉「ふぅ─────」

 

左慈「ビクビクッ!」

 

于吉「フッ、続きは帰ったら二人で『ボゴッ!! メッキョオオォォ!!』 ─────こばぁぁぁ!!」

 

左慈「──はぁ!! はぁ! はぁ! はぁ! はぁ!」

 

『……………………………………』

 

一瞬の内に于吉の懐に入り、左慈の右拳が───于吉の顎(あご)を綺麗にヒットしたあぁぁ────っ!! 

 

───某漫画のように、天高く舞う于吉! 

 

呆れて………物も言えない久秀と順慶。

 

左慈「続きなんかしねぇ!! 要件をサッサッと終わらせろ!!」

 

于吉「…………これだから……恥ずかしがり屋さんめ『ガシィ!』ぐっ!」

 

床に寝そべっている于吉の顔を、思いっきり踏みつける久秀。(因みに履き物は───ハイヒール!)

 

久秀「───いい加減にしてくれません? セ・ン・セ・イ?」グリィ!

 

于吉「ウボッ! 分かりました! 分かりましたから! お願いします!! もっ、もっと踏んでぇええ!!! 久秀様『グリグリィ!』あぁ─────!!」

 

順慶「はぁ~~~っ」

 

左慈「……こんな世界───早く終わらせてやる!!!」

 

 

◆◇◆

 

【 愛紗の提案 の件 】

 

〖 揚州 江東 雪蓮居城内 謁見の間 にて 〗

 

愛紗「お、お願いします! わ、私を天城様の傍で仕えさせて下さい!!」

 

『ザワァ─────────!』

 

その時、この場に居た者は………異口同音(いくどうおん)で語る。

 

『あの場は、一瞬……時が確実に止まっていた』と。

 

颯馬「お、落ち付いて下さい! い、一体何が、あったの考えですか?」

 

華琳「そうよ! 私の許可無しで孫呉を離れるなんて『華琳は関係無いでしょう?』………うっ、はい」

 

雪蓮「颯馬から許可を得る前に、私に話さないと許してあげないわよ?」

 

ーーーーー

 

光秀「───お離し下さい、義輝様! 関羽が……あのような殊勝な態度を取るなど、何か策を持って……颯馬を害しようとしているに違いありません!!」

 

義輝「待て待てっ! まだ関羽より話をしておらん! 先に相手の意見を聞いてからにせよ! 早とちりは失敗の元ぞ!?」

 

ーーー

 

一存「聞いたかぁ! 姉さん! 関羽が此方に参加したいんだって!?」

 

長慶「あぁ! だが………今までの経緯からすれば、眉唾物だ。 気を付けろよ、一存! 颯馬も心配だが……お前の事も案じられるからな」

 

ーーー

 

左近「ふむ、まずは静観して様子見だな!」

 

霞「ウチかて……来て貰えれば……めちゃええやんけどな!!」

 

昌景「…………霞を鍛えて貰うには、格好の将だのぉう!」

 

ーーー

 

恋「敵……………?」

 

忠勝「どうでござろうか?」

 

ーーー

 

信長「颯馬に手を出そうとするか! もし、出して見ろ! 私が叩き切ってくれるわぁ!!」

 

鹿介「ですが………前よりも、雰囲気が柔らかい気が?」

 

ーーー

 

信玄「颯馬も颯馬です! 関羽に言い寄られ、鼻の下を伸ばすなど……」

 

謙信「まぁ、関羽程の美少女なら……分からなくはないが……」

 

義清「兄者には指一本触れさせぬぞ!!」

 

ーーー

 

ねね「恋殿に関係なければ……どうでもよいのです!」

 

凪「それは困ります! 私の命に代えても天城様をお守りせねば!」

 

信廉「凪が居なくなっては……私や颯馬が困ります! 二人で頑張りましょう!」

 

ーーー

 

道雪「接する機会が少なかったのですが……颯馬殿に恨みを持つ将とは、思えませんね…………」

 

紹運「…………ですが、油断は出来ません!」

 

宗茂「あの時の────巨乳の将!!!」

 

ーーー

 

義弘「またぁ、私より胸の大きい将が入るのぉ!?」

 

歳久「………正確には……打診中ですね。 私としても、心穏やかではありませんが…………」

 

家久「う~ん? あの人が『関羽』なんだぁ?」

 

義久「みんなで仲良く出来れば、お姉ちゃんは賛成~!」

 

ーーーーー

 

愛紗「……私は……ご主人様を信じ、御為だと思い……戦場で働きました。 

 

私がいつも意見を述べると、優しい笑顔で納得してくれるご主人様に甘えて、いつの間にか……ご主人様を免罪符代わりに扱う自分に……気付かないままで過ごしていました。

 

天城様からの再三忠告を受けていたのに関わらず、私は免罪符を失う事を恐れ、反発………致しました」

 

冥琳「そうだな。 他勢力である我等からしても、無理があったのは見えていた。 黄巾賊討伐の時よりな……」

 

華琳「………そこが愛紗の可愛いところじゃない。 桃香共々かなりの入れ具合だったから大変だったけど………」

 

冥琳「ん? 漢王朝より……御遣いの肩書き剥奪の報が入っているのに関わらず、青州兵の獲得のため、不定せずに使用したり、颯馬からの忠告をワザと無視するような事をして、汜水関を攻撃したりは………どこのどなたかな?」

 

華琳「『兵とは詭道なり』………如何に敵を欺くかは、大事な事じゃなくて? 戦わず勝利を呼び込めれば最善、敵の言う事を鵜呑みにするようでは、連合軍の指揮官は務められないわ!」

 

雪蓮「はいはい! 今、愛紗の事が大事なのよ! 私としては……孫呉の武力が落ちるけど、洛陽との連携を密にしたい為に送りたいと思うけど………一刀達に伝えなくていいの?」

 

愛紗「ご主人様達の顔を見ると………決心が鈍りそうで………」

 

星「一刀殿達には、私から伝えておこう。 桃香殿も心配していたからな」

 

愛紗「姉上………が?」

 

星「桃香殿はな…………」

 

***  ***  ***  ***

 

桃香『自分としての納得が付いてるから、天城様には正式に謝罪したい。 だけど、私が謝罪すると……愛紗ちゃん自身が納得しないままで謝罪する。 

 

それは追従しただけで、謝罪じゃない! だから、心から謝罪した時に私も行うんだ!』

 

***  ***  ***  ***

 

星「………と、こんな事を申されてな。 私もそれなりに動いたわけだ! ところで──天城殿? 愛紗をどうされます? これで孫呉を離れた身、断れば行く場所がなくなり流浪の将になってしまいますが……?」

 

颯馬「そんなわけないじゃないか? 俺が断っても……雪蓮や冥琳が必ず受け入れてくれるの知ってるからな!」

 

ーーーーー

 

雪蓮「…………颯馬!」

 

冥琳「………信用し過ぎだ!」

 

ーーーーー

 

颯馬「俺なら構わない! 仲間達の力、学べる事があれば学び、更なる成長を期待しているよ!」

 

光秀「はぁ~颯馬が賛成すれば……誰も文句など言わないでしょう。 例え月様と言えど………。 但し! 颯馬に……危害など加える気でしたら、私達全員が相手になりますからね!?」

 

愛紗「は、はい! ありがとうございます!! 

 

それと……何度も不快な思いさせて申し訳ありません!! 謝罪と同時に『愛紗』の真名を───洛陽勢の皆様に、お預けします!!」

 

ーーーーー

 

【 四人の密議? の件 】

 

〖 兗州 鳥巣 鳥巣砦 にて 〗

 

于吉「くっ! 私とした事が………駒如きに………屈伏させられるかぁ!!!」

 

左慈「おい………台詞は格好いいが、ただ単に……コイツに踏まれたのが良かっただけだろう? 唾棄する変質者め!」

 

于吉「ああぁ! 愛する左慈からの言葉責め!! いい! 凄くいぃぃ!!」

 

順慶「…………話になりませんわ? 老師、説明を承りまりたいのですが…」

 

左慈「………面倒だが……教えてやる」

 

***  ***  ***  ***

 

洛陽を最初に攻めた時より、俺は大陸の周りにいる五胡等に接触した。 奴らは平和な民族だったが……漢王朝の度重なる政治の軋轢やらで恨み骨髄に徹して(てっして)いた。 

 

だから、お前達が中央で乱を起こすので、乗じて攻めよ………と!

 

話し合いで済めば御の字、まぁ、納得しない時が多かったから……俺が力でねじ伏せたよ。 そんな調子で……今、四方から異民族の軍勢が、虎視眈々と狙っているんだよ。

 

***  ***  ***  ***

 

左慈「…………その兵数《 約三百五十万 》だ!」

 

順慶「───────!」

 

久秀「………」ガンッ! グリグリ───

 

于吉「…………あんまり、このような責めを受けると、漢女の世界を開いてしまいそうですので、止めまし『ガンッ! グリグリ』──や、止めて! 漢女どころか宦官になってしまうぅぅぅ!!」

 

左慈「鳥丸だけは………応じる兵が少なくてな。 このような数になったが……お前達に五十万を譲る。 それで最終の決戦を挑め!! 

 

────俺らは西涼、益州、交州の三方を三百万で攻める!!」

 

久秀「ふふふっ……これで結果が出なければ……久秀達は用無しということね? 于吉センセイ!?」ギュウゥゥゥ!!

 

于吉「────────ああぁぁぁ!! み、見える! 新しき扉が!!!」

 

左慈「………そこまでにしてくれ。 後で……俺が尻拭いをしなくてはならん! 奴はあれでも有能なんだ! これ以上、危険人物の異常性を高めてくれるな……」

 

久秀「クスクス……そんな言い方してると……ツッコミが入るわよ?」

 

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あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

あっちこっち作ったフラグ回収と最終章に向けての予備知識の披露、次の戦いへの策謀作りへの時間稼ぎの話です。

 

真恋姫の最終戦(蜀)の時、三百万の軍勢が攻めてきた、と言うことでしたので、その流れに沿ってみました。

 

撃退というか惑わす策は、幾つか出来ていますが………どこまで納得されるかと心配している作者です。

 

下のオマケは、ネタを考えていたのですが、平凡過ぎて……本文では却下しましたが、オマケぐらいなら許可して貰えるのではと思い、出しました。

 

また、宜しければ読んで下さい!

 

 

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【 雷 の件 】

 

〖 城内 謁見の間 にて 〗

 

《 本人達のプライバシーの為……名前は伏せております 》

 

「…………付かぬ事をお伺いしますが……○○様は、雷をお斬りになられた事があるとお聞き致しましたが?」

 

「えぇ……若き頃、落雷に遭った時の話ですよ。 私は……咄嗟の内に、目の前に現れた『雷の化身』を斬ったのです!」

 

「そ、尊敬致します!! 私は雷が大の苦手で……娘に良く慰められているんです! それでは、○○様が傍にいらっしゃれば……雷も恐ろしくて近付いで来ないんですね?(☆。☆)」

 

「それが………私も雷が大の苦手で。 確かに雷を斬りましたが、結局……身体は御覧の通り。 ですから……今でも鳴りだして光れば……怖いのです!」

 

「そうですか………。 ○○様を雷が避けてくれるのでしたら、私……終生お仕えしようかと思っていたのに………残念です」

 

「……………。 ただ、天の国には『雷除けの呪文』があるそうですよ? 効果は………定かではありませんが………」

 

「ぜ、是非、ご教授を────お願いします!」

 

「『桑原(くわばら)、桑原』と唱えれば、雷鳴りが避けるそうです。 桑畑に雷が落ちて救われたからだ……と聞いていますが?」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

ーーーーーーーーーー

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ゴロゴロ! ゴロゴロ!

 

「桑原、桑原」ブルブル

 

「お母さん……何を言ってるの?」

 


 
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