No.696863

仮面ライダーディケイド〜破壊者と天使達〜 エピローグ

D.C.D.さん

仮面ライダーディケイド5周年、原作そらのおとしもの完結記念作品です。


遂に今作品も完結しました。

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2014-06-27 07:10:10 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:1086   閲覧ユーザー数:1081

 

 

 

 

 

智樹

「やべっ!遅刻しちまう!」

 

 

慌ててパジャマから制服に着替え、階段を駆け下りる智樹。

 

 

その表情からして、かなり焦っているようだ。

 

 

 

イカロス

「おはようございます。マスター。」

 

 

ニンフ

「遅いわよ、トモキ。」

 

 

 

イカロスは、既に登校の準備を済ませている。

 

 

 

智樹

「何で起こしてくんねぇんだよ⁉︎」

 

 

ニンフ

「あんたが起きないから悪いんでしょ。一応起こしに行ったけど、寝言言いながら気持ち良さそうに寝てるだけだし。」

 

 

アストレア

「おかわり!」

 

 

守形

「俺も頂こう。」

 

 

オレガノ

「どうぞ。」

 

 

智樹

「お前ら、また人ん家で飯食ってるし!」

 

 

竜見

「美味しいね。誰が作ったんだい?」

 

 

士郎

「イカロスだ。」

 

 

カオス

「私も手伝ったんだよ?」

 

 

晴那

「へ〜、偉いね〜!」

 

 

 

晴那から褒められて、カオスは素直に喜んでいる。

 

 

 

智樹

「って、お前らも食ってんのか!」

 

 

美香子

「大所帯ねぇ〜。」

 

 

凛奈

「あぅ…人が大勢…」

 

 

ラギア

「大丈夫よ。」

 

 

智樹

「って、知らん間にお前ら2人に別れてるし!」

 

 

 

智樹の目の前では、同じ体を共有していたはずの凛奈とラギアが別々になっていた。

 

 

ラギア

「ダイダロス博士に頼んで、2人に別けてもらったのよ。なんだかんだで不便だから。」

 

 

凛奈

「シナプスって凄いね。」

 

 

 

その2人も、例外無く美味しそうにご飯を食べている。

 

 

 

そはらの声

「トモちゃーん!遅刻しちゃうよー!」

 

 

日和の声

「皆さんも急いで下さーい!」

 

 

 

玄関からは、皆を急かす2人の声がする。

 

 

 

士郎

「おい急げよ。学生の本文は勉強だからな。」

 

 

智樹

「はいはい…そんじゃ行くぞ。」

 

 

イカロス

「はい。」

 

 

 

バタバタとしながら、智樹達は空美中学へと向かった。

 

 

どういうわけか、空美中の学生ではないニンフとカオス、アストレアもついて行ってしまった。

 

 

 

士郎

「さてと…」

 

 

竜見

「もう行くのかい?」

 

 

士郎

「まだだ。この世界では、あまり写真を撮ってないからな。」

 

 

 

士郎は愛用のカメラをぶら下げ、桜井家を後にする。

 

 

その後ろを竜見、晴那、凛奈、ラギアが着いて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

ミーノース

「っ……」

 

 

 

ミーノースは全身の痛みを感じながら目を覚ました。

 

 

彼はディケイド達の戦いを、薄れゆく意識の中で見届けていた。

 

 

そして気を失ってしまったようだ。

 

 

ふと気付くと、自分の顔を覗き込むようにしている少女が2人いる。

 

 

 

ハーピー姉

「マスター。」

 

 

ハーピー妹

「大丈夫ですか?」

 

 

 

心配そうな顔で聞いてくる。

 

 

おそらく、相当眠っていたのだろう。

 

 

 

ミーノース

「ふ…お前達こそな…」

 

 

ハーピー姉

「マスター…!」

 

 

 

こうして彼女達を気に掛けたのは初めてかもしれない。

 

 

こうなるきっかけを与えたのは、他ならぬ桜井 智樹と、

 

 

 

ーー命令で動くロボットじゃない。心で生きる人間だっ!

 

 

 

ーーそのたかが10数人の仲間が、お前にはいるのか?

 

 

 

仲間……ミーノースにとっての大切な者とは…

 

 

 

ミーノース

「久々に散歩がしたい。ついてこい。」

 

 

 

ミーノースはゆっくりと起き上がる。

 

 

先程までの痛みなど、再会の喜びで吹き飛んだ。

 

 

ミーノースの言葉にハーピー達は嬉しそうな顔で、

 

 

 

ハーピー姉・妹

「はいっ!」

 

 

 

2人は自分の主の後ろを、着いて行く…

 

 

 

 

 

 

 

ダイダロス

「うーん…ここが引っかかるのよね…」

 

 

 

ダイダロスは研究室のコンピュータ相手に、ブツブツと呟く。

 

 

研究しているのは凛奈の力と、守形と共に解読した世界の暗号についてだ。

 

 

イカロス達を復活させたあの力を解明できれば、新たな技術を得られるかもしれない。

 

 

 

ダイダロス

「ん?トモくん達…こんな時間に何処行くんだろ?」

 

 

 

別の画面を見ると、智樹達が学校から走り出し、何処かに向かっている。

 

 

 

ダイダロス

「…なるほどね。私も行こっかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

士郎

「ここはいい景色ばかりだな…」

 

 

 

空美町の町並みを眺めながら、そう呟く。

 

 

 

竜見

「あぁ。どれもいい写真になってる。」

 

 

士郎

「凛奈。」

 

 

 

呼び止められて振り向くと、突然シャッターを切られる。

 

 

マゼンタのポラロイドカメラから出て来たのは、キョトンとしている凛奈の顔だ。

 

 

 

士郎

「こうして見ると、お前も随分大きくなったな。」

 

 

凛奈

「え?」

 

 

竜見

「士郎、まさか記憶が…⁉︎」

 

 

 

士郎は軽く笑みを浮かべて、また歩き出す。

 

 

 

智樹

「待てよ。」

 

 

 

それを止める声がした。

 

 

 

士郎

「何だ、お前か…」

 

 

智樹

「お前、黙って別の世界に行くつもりだろ。」

 

 

士郎

「…全く…鈍感なのか鋭いのか…」

 

 

ニンフ

「黙って行くのはヒドイんじゃない?」

 

 

 

気付くと、全員がそこにいた。

 

 

士郎がこの世界で出会った仲間達が。

 

 

 

士郎

「じゃあ、皆で写真でも撮るか。ほら、並べ。」

 

 

智樹

「え、いいけど…お前が入れないじゃないか。」

 

 

士郎

「カメラマンが入らないのは当然だろ。早くしろ。」

 

 

「ならば私が代わろう。」

 

 

 

そこに現れたのはベージュの男、鳴滝。

 

 

 

士郎

「鳴滝…どういう風の吹き回しだよ…」

 

 

 

そう言いつつ、カメラを鳴滝に渡す。

 

 

そして全員がギュウギュウ詰めになってより合う。

 

 

智樹とかなり近くなってしまう事に恥ずかしがっている人物もちらほら…

 

 

 

パシャ

 

 

 

シャッターが切られ、2枚の写真が出てくる。

 

 

その1枚を、士郎は智樹に渡した。

 

 

 

智樹

「折角守ってもらった世界だ。これからは俺達が守るよ。だから…たまには来てくれよな。」

 

 

士郎

「あぁ。」

 

 

 

士郎は天を見上げ、軽い笑みを浮かべる。

 

 

 

士郎

「お前達の未来も、俺達の旅も、終わりなんか無い。」

 

 

 

士郎は再び視線を智樹達に向ける。

 

 

 

士郎

「それともう一つ…」

 

 

 

イカロス達を一通り眺めたのち、智樹に人差し指を向ける。

 

 

 

士郎

「この世界には自分から言い出せなかったり、素直じゃない奴が多いからな。どいつにするかは、お前が決めろ。」

 

 

 

その言葉に智樹は首をかしげるが、後ろのイカロス達は顔を赤らめている。

 

 

その光景に再び笑みをこぼし、士郎は振り返る。

 

 

 

鳴滝

「ディケイド!仲間ってなんて素晴らしいんだ!」

 

 

 

突如、感動の表情で叫び出す鳴滝。

 

 

 

士郎

「鳴滝……俺もそう思う。」

 

 

 

士郎は目の前の銀色のオーロラへと入ろうとする。

 

 

 

智樹

「…っ…またな!」

 

 

 

溢れそうな涙を堪え、別れの言葉を送る。

 

 

振り返らずに軽く手を振り、士郎達はオーロラに消えていった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界の破壊者 ディケイド

 

 

次なる世界を巡り、その瞳は何を見る?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

END

 

but their trip continues forever…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作者より…

 

 

 

 

 

こんにちは、毎度お世話になっております。D.C.D.です。

 

「仮面ライダーディケイド〜破壊者と天使達〜」が、遂に完結いたしました。

 

お楽しみいただけましたか?

 

エンジェロイドが全員やられたり、オリキャラのプロフィールが無かったり、序盤しか出番のないオリジナルライダーがいたり…まぁ、色々ありました。

 

この作品では敢えて、門矢士や海東大樹を登場させず、鳴滝を除くディケイドキャラは全てオリキャラにしました。

 

理由は、士達の旅を邪魔しないためです。

 

彼等は今も何処かで、様々な世界を巡り、戦い続けているはずです。

 

「時には道に迷い、間違えたとしても、それでも旅を続けている。お前に道案内してもらう必要は無い!」

 

士のセリフです。僕のような小説初心者が勝手に彼等の行き先を決める事など、出来やしません。

 

そこで、新たな旅人を誕生させることにしました。それが士郎達です。

 

士達と同様、彼等の旅にも終わりはありません。

 

今後も仮面ライダー作品や、それ以外の作品を投稿していく予定です。

 

その時には彼等にも、その世界に通りすがってもらおうと思います。

 

最後まで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。

 

しばらくは、そらおとのネタでも投稿しながら、新しい作品の準備を進めていきます。

 

それではこの辺で、さようなら…

 

 

 

 

 


 
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