No.692481

義輝記 蒼穹の章 その十五

いたさん

義輝記の続編です。 今回、益州攻めになっています。 また、よろしければ読んで下さい!

2014-06-08 12:54:46 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1190   閲覧ユーザー数:1100

【 益州攻略への道 の件 】

 

〖 益州 巴郡 にて 〗

 

鳳舞「よくぞ……益州へおいでいただき、この鳳舞……感謝に堪えません!」

 

何進「世辞などいい。 天城が申していた『協力者』とは、お前の事か?」

 

鳳舞「いえ、正解には……我が主『厳顔』と『黄漢升』様でございます。 私は鳳舞という酒屋の営む者! 益州を救って下さる御遣い様や何進大将軍をお助けするよう、言い含められています!」

 

何進「ふむ……主は、天城と顔見知りのようだが……そう簡単に信じてしまっても良いのか? 儂等が嘘偽りを申しているかも……しれないのだぞ!?」

 

鳳舞「私も商売柄、人を見る目も持っておりますゆえ……。 それに、天城様の姉上は、私に『茶室』なる変わった建造物を、御教授していただいたいた事もあります。 この大陸、どこを探しても見当たらない風雅な建物を!!」

 

何進「……? 天城に姉……聞いた事がないが?」

 

鳳舞「……天城様は姉上と呼んでおりましたが……。 それに、何進大将軍のお噂も、重ね重ね聞き及んでおりましたので………」

 

何進「……儂が信用出来る者と思えるなら……信用してくれ! 儂は儂の信じる道を歩むだけに過ぎん!」

 

鳳舞「……はっ!」

 

☆☆★

 

歳久「さて……ここからが本番です! 左近殿、銅鏡はお持ちですか?」

 

左近「あぁ! しっかり預かっている!」

 

ーーーーーー

 

義久「私は~どうすれば~?」

 

家久「よしねぇは、わたし達と一緒に成都に入るんだよ!」

 

ーーーーーー

 

義弘「ね、ねぇ………ほ、本当に……やらないと駄目……なの?」

 

歳久「何を今更! ひろねぇ一人を逃がす……いえ、仲間外れにする訳には行きません! 島津家四姉妹で行わななけば……意味はないのです!!」

 

義弘「あぁー!! としちゃん、違う事を言おうとしたでしょう!!」

 

歳久「………そのような言い掛かりをつけ、戦場から逃げようなど……鬼島津の名が泣きますよ……………?」

 

義弘「うぅ~~! わ、分かったわよ! やればいいんでしょ! やれば!」

 

歳久「当然です!」

 

ーーーーーー

 

義輝「わらわ達は、敗残兵として成都に逃げ込めば、良いのじゃな?」

 

光秀「はい! その時に☆☆☆☆☆☆☆すれば、よろしいかと……」

 

鳳舞「追い掛ける役目は、私が率いて行いますので! 厳顔や黄漢升は、既に理由を付け、成都城内に留まっています! 」

 

左近「私は、鳳舞殿と共に行動をしよう! 兵を統率するなら、顔見知りが居た方が安心出来る!」

 

鳳舞「これは……有り難い事! 天の御遣いで勇猛を馳せる島様の武を、間近で拝見できる好機!! 宜しくお願いします!!」

 

左近「私の武など義輝様に比べれば……まだまだ! それでも参考になるのであれば、存分に見てくれ!!」

 

義輝「それでは、準備出来次第……行動を起こすぞ!!」

 

◆◇◆

 

【 『益州の夜明け』に向けて の件 】

 

〖 益州 成都 成都城内 にて 〗

 

桔梗「………やれやれ、仕事がやっと終わったわい! 部屋に戻り……一杯引っ掛けるかとするかのう…………」

 

焔耶「桔梗様! よろしいですか!?」

 

桔梗「おう! 焔耶か、入れ!!」

 

焔耶「先程、洛陽より来られた何進大将軍が、劉焉様と謁見を果たしていました!」

 

桔梗「ほぅ? あの劉焉様が……素直に部屋から出て来たのか? 確か大将軍は太った男であろうに。 若者とは到底言えぬ歳だと思ったがのぉ……」

 

焔耶「その通りです! 始めは渋っていた劉焉様でしたが、この前に会われ『天の御遣い』と一緒だと伝えると、積極的にお会いなされ………」

 

桔梗「やはり……劉焉様よの。 また『洛陽に益州を渡さん!』……とほざいているのだろう!!」

 

焔耶「………はい……」

 

桔梗「じゃが、役者が……これで揃った! 紫苑にも連絡を入れておけ! 『益州の夜明けは近い!』とな!」

 

焔耶「それでは………桔梗様!」

 

桔梗「……焔耶よ! お前は若い…紫苑と璃々を連れて逃げるのも…止めはせん! もし……露見しても、儂一人の責任にすれば、それで済む!!」

 

焔耶「何を言われます! ワタシも益州の現状を憂う者の一人! 桔梗様達に任せて……ワタシが外から見ているだけなど……絶対に出来ません!!」

 

桔梗「………分かった! 行動は明日の早朝! 理由は分からんが『天城』なる軍師が指定したのは、霧が発生する日! 今日に少し雨が降ったから、何時もより濃い霧が現れよう!!」

 

焔耶「……? 分かりました! 紫苑様にも連絡致します!」

 

桔梗「それから、瑠々の事は鳳舞に頼めと伝えてくれ! 鳳舞の仲間に未亡人が何人か居る……。 その者達が世話してくれよう!!」

 

焔耶「────桔梗様! 必ず、必ず成功させましょう!!」

 

桔梗「無論! 喧嘩は劣勢を覆し勝ってこそ……勝利の醍醐味を味わえる! これも……また違う戦い! 勝って勝利を味わおうぞ!!」

 

◇◆◇

 

【 夜明けの始まり の件 】

 

〖 益州 成都 成都門 にて 〗

 

《 翌日 早朝 》

 

成都門番1「フアアァァァ~~~!」

 

成都門番2「………おいおい、デカい欠伸をするなよ。 厳顔様にでも見られたら、弛んでると言って……即説教だぞ!?」

 

成都門番1「そんな……事言ったてな……夜から同じように警戒しているんだぞ……。 こんな僻地を……誰が隙好んで攻めてくるのか………」

 

成都門番2「………まぁ、同意だ 『…………』 ──! 何か音が?」

 

成都門番1「──────! 追われいる!?」

 

ーーーーーー

 

ガラガラ ガラガラ ガラガラ………

 

??「ハァー! ハァー!」

 

??「後……少しですよ………!」

 

荷物を荷台に詰めて数十人の者と逃げてくる二人の女!

 

ーーーーーー

 

賊「そこの奴ら! 待てぇ──!!」

 

??「────────!」

 

その後ろを……約二百人の賊が………追い掛けてきた!

 

ーーーーーー

 

成都門番1「───俺の時に限って、面倒な事が!!」

 

成都門番2「馬鹿言ってないで、早く招き入れろ! 俺は城門を閉じる!!」

 

ーーーーーー

 

成都門番1「こっちだぁ! 早く駆け込んだ来い!!」

 

??「す、すまぬ!」

 

??「助かります!!」

 

女二人は急いで……駆け込み、荷物を積んだ荷車も城門に入り込む!

 

??「────!」シューン ブツン!

 

賊の一人が急速に追い付き、荷台の後ろで……持っていた小刀を一閃、固定していた縄を斬りつけた!!

 

グラグラ ゴロリ ガッシャーン!!! 

 

ゴロゴロッ ゴロッ ゴロゴロー! 

 

積んでいた荷台の木箱が下に落ち、木箱が破損! 中に入っていた『石炭』が

ばらまかれた!!

 

成都門番1「何をやっているんだ──『ドスッ!』──グフッ!?」

 

ーーーーーー

 

ズズゥーーーーッ  ガキッ! ガッ!

 

成都門番2「も、門が閉まらない!! だ、誰『ガン!』──グッ!」

 

ーーーーーー

 

義輝「ふぅ……まずは出入り口制圧じゃな?」

 

光秀「このままにして置けば、城門を閉める事は不可能でしょう!」

 

 

▲▽▼  ▼▽▲  ▲▽▼  ▼▽▲

 

《 城門を開閉不能にする策 》

 

荷台に括りつけてある石炭をばらまく。 石炭が固く細かいため、隙間に入り城門を閉めるのが手間どる事になる。 石でも可だが、中身を吟味させる恐れもあるためと、今回の天候次第で使用する予定で、石炭を準備。

 

▲▽▼  ▼▽▲  ▲▽▼  ▼▽▲

 

 

左近「義輝公! 颯馬の策の準備に取りかかります!!」

 

義輝「うむ! 頼むぞ!」

 

鳳舞「お見事な演技でございました! 御遣いの方々!!」

 

義輝「主ものぉ! なかなか堂には入っておったぞ!」

 

鳳舞「……私は、元コレだったもので…………」

 

義輝「そうか……これは…つまらぬを………」

 

鳳舞「……いえ! 桔梗様に出会ったのも──コレが縁ですから!!」

 

光秀「お二人共……長話は禁物。 早く手筈を整えましょう!」

 

◆◇◆

 

【 桔梗達の戦い の件 】

 

〖 益州 成都内各地 にて 〗

 

東州兵「敵兵侵入! 迎撃態勢に移せ!!」

 

東州兵「昨日、城内に参った洛陽勢の攻撃だろう? たかが数十人、五万近くいる東州兵の俺達に適うわけがないじゃないか?」

 

東州兵「ち、違う! 先程、連絡が入り……厳顔将軍、黄忠将軍が……謀反!! 更に城内からも反乱が各地で起こり、手の着けようが………!」

 

東州兵「な、何だと────!!」

 

ーーーーーーーーーー

 

桔梗「成都の民達よ! 長年の不遇の時代は終わりを告げる!! 洛陽より救いの手が訪れた! 皇帝陛下の名代である何進大将軍が、自ら兵を率いて益州救援に赴いてくれたのだ!!!

 

だがな、大将軍が来てくれても、劉焉の力は巨大! これに立ち向かうには、儂等の将の武力と統率力、そして……お主達の国を思う希望への団結力が必要なのだ!! 

 

矢面には、儂が出よう! 責は我にあり! 功なれば、それは全て主達の物! お主達の力で……益州を取り戻そうではないか!!!」

 

ーーーーーー

 

紫苑「黄漢升の名において、約束しましょう! 

 

……もう、苦しみ、嘆き、怒れる暴虐の劉焉政治体制は……私達と漢王朝の救い主『何進大将軍』、『天の御遣い』と共に裁きを受けさせ、益州を平和で住みやすい土地へと変えてみせます! いえ、実行に起こすのです!!」

 

ーーーーーー

 

焔耶「成都の皆………まず謝らせてくれ! ワタシ達将が……至らないばかりに……劉焉様……いや、劉焉の暴走を許してしまった事、申し訳ない! 

 

もし、許してくれるのなら、今度こそ……益州を真っ当な国へ蘇らせるよう、先頭になり働きたい!! 頼む! 許可を願えないか!?」

 

ーーーーーー

 

民「厳顔将軍が矢面に立たれるのに、儂等が不様に守られるままとは、申し訳なさ過ぎる! 近隣に連絡して厳顔将軍に加わるぞ!!」

 

民「あの黄忠将軍が立つのであれば、私達も立ち上がらなきゃ! ウチの宿六も立たせて頑張りますからね!!」

 

民「魏延将軍だけじゃねぇ! 悪いのは、劉焉様やそれを放っておいた益州全体の責任! 今こそ、益州全体を変える時だぜ!」

 

ーーーーーーーーーー

 

〖 成都城内 謁見の間 にて 〗

 

ドタバタ ドタバタ ドタバタ!

 

劉焉「おのれぇーーーー! 儂を……本来は皇帝になる儂を! このような屈辱に合わすとはーーー! 何進!! 身の程を知れ!!」

 

縄で縛られた劉焉を見て、何進は呟くように独り言を吐きだす。

 

何進「……儂が肉屋のオヤジの時……野次馬となり貴方を応援したんだ! 洛陽の街頭に立ち、国を憂いている事を必死に演説している貴方を……本気で! この方なら、腐敗した漢王朝を建て直してくれると信じて……!! 

 

だが……あれから十数年……まさか、こんな結果だとは……我ながら……見る目が無い。 ………はははは………」

 

 

『それは……違うじゃろう………』

 

 

バタン!   カッカッカッカッ!

 

 

 

何進「はっ!? 義輝様!!」───ザッ!

 

 

義輝「……よい、まだ主の方が立場が上! 簡単に跪いては威厳が下がる!」

 

何進「………はっ! 申し訳なく………」

 

義輝「主の目は、しかと成長しているではないか? 月様を、颯馬を、あの軍師二人を、しっかり見いだしたではないか? それに、この策も颯馬が考えた物とはいえ、お主が決断しなければ…実行出来なかった。 そうであろう?」

 

何進「…………………」

 

義輝「主は、これからも漢王朝を守護しなければならん! 柱石となり、幼き皇帝を支えなければ……なんの大将軍じゃ!! わらわの元へ来ようなどと、気の迷いかもしれぬぞ!」

 

何進「───────!」

 

義輝「お主には、お主の役目があり、生きる理由がある。 この機会を利用し今一度……考えて見るのも……ありではないかの?」

 

何進「………………………」

 

ーーーーーーーーーー

 

〖 謁見の間 にて 〗

 

《 先程より四半刻後 (15分後) 》

 

バタバタバタバタバタ!!

 

桔梗「何進大将軍!! 御無事か───!?」

 

桔梗、紫苑、焔耶が成都城内に駆けつけた!

   

ーーーーーーーー

 

何故なら、成都城内に劉焉の護衛も兼ねた、東州兵の精兵数百人が居る。 何進から警護は不要と言われているため、準備もせず自分達の準備を優先した。

 

しかし、後になり考えれば……いくら『天の御遣い』が強いと言っても、数人足らず! 結果は、明らかに……見えているではないか!!

 

もし、ここで何進や『天の御遣い』に何かあったら……劉焉の勢力が盛り返され形勢逆転……しかも、洛陽勢まで敵に廻して、討伐を起こされれば益州が地獄絵図になってしまう!

 

と言っても、大将軍の命令を無視する訳にも行かないため、準備をしながら鳳舞に護衛と連絡を兼ねて任せたのだか……『大丈夫!』の報告のみ。 急いで準備を成し遂げ、城に駆けつけたのだった!!

 

だが、来てみれば……あちらこちらに気絶している東州兵達!

 

流血していない惨劇に、驚きを隠せず向かうと…………

 

ーーーーーーーー

 

何進「おおぉぉ!! ここに居る!! 心配なぞ無用!! ………儂が漢王朝に属する『何進』だ! 国を憂う美しいご婦人方!!」

 

桔梗「──う、美しい!? ゴ、ゴホン! 改めて名乗らせて戴きましょう! 益州巴郡太守『厳顔』と申します!」

 

紫苑「///////  ……楽成城城主『黄漢升』と申します!」

 

焔耶「…………『ゲシッ!』ウグッ! ……はっ、初めまして! 『魏文長』と……も、申します!!」

 

何進「………?」

 

ーーーーーーーーーー

 

こうして、初顔合わせになる四人は……両方の策を話し合い、すり合わす。

 

劉焉は……ジタバタ煩いため、猿轡を付けて劉焉の私室に放り込む。

 

 

─────スッ!

 

小太郎「────何進大将軍! 東州兵達の武器を破壊してきました!」

 

何進「御苦労! こうすれば民や兵達の被害が抑えられよう!!」

 

小太郎「はいっ! では──!!」 

 

スッ──!

 

 

紫苑「武器を破壊とは……?」

 

何進「このまま、武力衝突しても後の禍根が残る! そのため配下の者達に、武器を使用出来ないよう細工をして貰ったのだ……!」

 

焔耶「どうやって! 何万もある武器を破壊するなんて!!」

 

何進「何も全部を破壊する訳ではない。 武器庫の内側から鍵を掛けたり、弓の弦を切り離したり、穂先を落としたりしただけ。 それだけでも、被害は抑える事が出来よう! 無駄に血を流すなど……避けなければ!!」

 

桔梗「………………………」

 

タッタッタッタッタッタッ! バタン!

 

董兵「何進様! 義輝様より準備が整ったため、城壁にて待つようにと!!」

 

何進「分かった! 直ぐに参ると伝えてくれ!」

 

董兵「はい!」

 

何進「それでは、将軍方! 儂と共に来て貰おう! 貴方達を謀反人では無く忠義の人と印象付ける為に!! 小太郎よ! 劉焉の見張り頼むぞ!」

 

『……………………?』

 

小太郎『………お任せを………!』

 

◆◇◆

 

【 なんで…こうなったの? の件 】

 

〖 益州 成都城へ向かう道 にて  〗

 

義弘「まさか………二日間も装着する事に……なるなんてぇ~~!」

 

歳久「私も……流石に……コレは読めませんでした………」

 

義久「いいじゃない~! 全員、可愛いわよ~!!」

 

島津姉妹が各々の容姿を眺め、褒めたり蔑んだり……それぞれ言い合っている最中である。 理由は………言わずとも分かる劉焉の性癖の為。

 

天城颯馬は、鳳舞の証言、漢王朝の伝記物等……あらゆる面から考えて、劉焉に謁見する近道は……『萌』というものに絡めて行うべきだと結論を出す!

 

そのため、月様や詠に白い目で見られながらも……準備した『耳と尻尾』だった。 これらを着用して謁見すれば、劉焉は必ず部屋から出てくるだろうと。

 

勿論……鳳舞を通じて、その格好での謁見許可を劉焉から貰う事も忘れない!

 

どうみても…相手を馬鹿にしていると思われるし、そうでなくても疑われる。

 

結果的に言えば……耳と尻尾を付けた劉焉は、まんまと部屋から出て来るし、警戒が嘘のように薄くなり、捕獲する事も出来た! 

 

しかし……こんな出来事も起こるとは、颯馬も読んでいなかった。

 

ーーーーーー

 

東州兵『おおぉぉぉ────!! いえちゃん、最高!!』

 

家久「にへへへへっ……! 皆! ありがとぉぉぉ!!」

 

東州兵『うおおぉぉぉ─────!!!』

 

ーーーーーー

 

歳久「まさか……『萌』の信者が東州兵に及んでいたなんて………」

 

義久「う~ん、でもでも~武力衝突は無いのは助かるわよ~?」

 

義弘「ううぅぅぅ~~~!」

 

東州兵『ひろちゃんーーーーー!!』

 

義弘「うっ、煩い! 馬鹿ぁー!!」

 

東州兵『ツンデレ最高ぅ────!!』

 

義弘「なんでぇ!? なんでなのぉ!? どうしてぇ……こんなに変態が沢山居るのよぉ!? 信じられない────!!!」

 

ちなみに虎耳…義久、猫耳…義弘、兎耳…歳久 犬耳…家久である。

 

ーーーーーー

 

始めは、何進と一緒に居るつもりが……民達と東州兵の武力衝突が高まるのを懸念した何進自身の命令により、救援に駆けつけた。

 

すると……東州兵達が一斉に反応して、こんな状態になってしまった。

 

どこかで見たような気もするが……追求しないように。

 

ーーーーーー

 

そのままにする事も出来ず……とりあえず、成都城まで連れて行く事になる。

 

歳久「濃霧………ですね。 『蜀犬吠日』の語源の通り、犬が日に吠えるとは思えませんが……先が見えにくくなっていますよ?」

 

家久「大丈夫だよ~! 皆! 道案内~! よろしく!!」

 

東州兵『はいぃぃぃい!!』

 

義久「皆、優しい人達で~良かったわね~!」ニコニコ

 

義弘「違う……! 優しさとは……ぜっっったい違う!!」

 

歳久「『馬鹿と鋏は……』ではなく『老馬の智』ですか……。 やりますね、家久!」

 

家久「えへへへへへっ!!」

 

ーーーーーーーー

 

成都城に近付くにつれ……成都特有の濃霧が……段々濃くなっていった。

 

城壁には……何進、桔梗、紫苑、焔耶が並び立ち、城門付近には島津姉妹と東州兵達!!

 

ーーーー

 

何進「………かの東州兵の人心さえ、この短時間で掌握するとは! 流石と言わざる得ないな……」

 

ーーーー

 

歳久「さて、最後の花道! 見せて貰いましょう!!」

 

 

◆◇◆

 

【 天に写る謎の影 の件 】

 

〖 益州 成都 成都城 にて 〗

 

何進達が並び立った城壁の上空に……光が照らされた!

 

そして、そこには……周りを虹で輪郭を作った人影が写り出す!

 

東州兵1「なんだぁ!? あれは!!」

 

東州兵2「尋常では無い……化け物か!?」

 

そう東州兵が騒ぎ立てる中、渦中の人影が動き……喋り始めた!

 

??『劉焉を操り……人心を荒廃させ……益州を滅ぼすのが……我が役目! なのに……何故……邪魔をする!! 洛陽の臣 何進よ!!!』

 

何進「儂は……お前が言う通り洛陽……漢王朝の皇帝に仕えし者! この大陸を天より任され者の臣である!! 得体の知れない者に、この大陸や民や兵を守り抜くのが……何故悪い!!」

 

??「益州は……遥か神代の頃より……我が預かる土地! だが、劉焉は……己の欲望の為に奪い……我の祭祀を怠り……自分勝手に治め……益州を汚した……憎き者!! 我の怒りが……収まらぬ!!」

 

何進「この地を守護して来た土地神よ!! その無礼、劉焉に成り代わり儂が謝る! 申し訳ない!! 祭祀も儂が引き継ごう!! それで……どうか怒りを収めてくれまいか!?」

 

??「…………劉焉を、このまま殺し……益州を滅ぼしても……我の為にならぬ!! 何進よ!! その言葉……嘘、偽りはないな!?」

 

何進「勿論、生涯の誓いとする! もし、儂が居なくなったとしても、この三忠臣が代わりに行ってくれよう! だから、安心して去られよ!!」

 

??「何進の傍に居る……三人の臣は……劉焉の暴虐を訴え……何進を連れて来た国の忠臣!! 我が……生涯守護しよう!!」

 

桔梗「あ、有り難き幸せ!!」

 

紫苑「ありがとうございます!」

 

焔耶「コクコク!」

 

??「我……何進の言を聞き入れ……一時去る!! されど……誓いを破る時……我は……益州を滅ぼす!!! 特と覚えておくがいい!!!」

 

──────スッ!

 

霧に写っていた者は………消えた!

 

──────────!

 

東州兵『何進大将軍が……土地神から益州を守ってくれた! 何進大将軍、万歳!! 万歳!!』

 

東州兵『何進大将軍! これからも──益州を守って下さい!!!』

 

急に現れた未曽有の危機に、冷静、的確に対応した何進大将軍の名前は、益州全体に知れ渡り……兵や民達に慕われるようになる!!

 

ーーーーーーーー

 

義輝「上手くいったようじゃな!」

 

左近「義輝様の演技……見事でございました!」

 

義輝「ははは………この時代だから通用した演技! 大根もいいところよ!」

 

▲▽▼  ▼▽▲  ▲▽▼  ▼▽▲

 

《 御来光の策 (ブロッケン現象) 》

 

ドイツ ブロッケン山で起こった気象現象。 背後の光源により前方の霧へ『影』が写りだす。 日本では『御来光』と呼ばれる。

 

左近が持って来た銅鏡を据えて、鏡の前で松明を灯す。 すると、鏡の前の人物(義輝)を照らし出し、霧をスクリーンとして写しだす結果となる。

 

▲▽▼  ▼▽▲  ▲▽▼  ▼▽▲

 

左近「霧深い蜀の地形に合わせた颯馬の策……相変わらず見事な物ですね」

 

義輝「これで、何進の人望も飛躍的に上がるじゃろう! わらわ達に付いて来ずとも、居場所は充分必要とされる……立派な『大将軍』よ!」

 

ーーーーーーーーーー

 

これにより、益州は劉焉より漢王朝へと返還される事になり、何進の人望は益州は元より洛陽でも英雄扱いをされた。

 

当然……凱旋すれば若い女性からも声援を掛けられたり、誘われたり、ごくまれにお付き合いを申し込まれる事があったが……心中複雑な思いをしている。

 

何進「確かに……モテモテだが……颯馬の策に便乗したかのようで……納得がいかん!!」

 

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

今回が益州の戦いの結末になります。

 

その後の三人はどうなったかは、また……次回以降となります。

 

また、よろしければ読んで下さい!

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
8
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択