No.687541

義輝記 蒼穹の章 その六

いたさん

義輝記の続編です。 宜しければ読んで下さい。

2014-05-18 01:39:36 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1274   閲覧ユーザー数:1124

【 嗤う久秀 の件 】

 

〖 冀州 鄴 袁術居城 謁見の間 にて 〗

 

久秀「ふ~ん………曹操達を逃がしたの……」

 

順慶「……こちらの方は、許昌こそ落としましたけど、肝心の将達には逃走され、おまけに火計の罠まで放たれましたわ! ──おかげでわたしの大事な衣服が真っ黒………!!」

 

久秀「兵の被害……一応聞いても…いいかしら?」

 

順慶「兵は二万程やられましたわ。 しかし、途中に暗示が解けて逃げ出しだ愚か者ばかり、深く暗示がかかった者は、私が周辺と門を破壊して、逃げ道を確保して被害を抑えましたわよ!」

 

美羽「蜂蜜水……飲みたいの………じゃ……」

 

七乃「は……い、お……嬢様………」スクッ トタトタ

 

久秀「この二人は、そう簡単に解ける暗示を掛けていないから、大丈夫だけど……他の兵には、暗示をかけ直さないとか…面倒な話……」

 

順慶「そんな、のんびりしていて宜しいの!? 曹操は、このまま逃走するでしょうに!!」

 

久秀「……当然、策なら最初から仕掛けてあるわ。 どこへ逃げようとしても…『手枷足枷』が付けてあるから、早くは動けないわよ!」クスッ

 

順慶「??」

 

ーーーーーーーーーーー

 

春蘭「曹孟徳様からの御命令だ、お前逹を解放する!! ここから急ぎ逃げるんだ!!!」

 

青州兵「しかし、我々は『天の御遣い様』を信じています! 何卒、後を追わせて頂くこと、お許し下さい!!」

 

華琳「春蘭! 民や兵達はどう!?」

 

春蘭「はっ! 我々に付き従うの申し出を断り、別の安全な地へ逃げるように説得しております。 しかし………青州兵とその家族達が、どうしても『北郷と共に逃げたい!』と願い出て───!!」

 

華琳「!!!」

 

桂花「─────まさか!? こんなやり方で………私達の行動を制限させるなんて~~!!!」

 

春蘭「?? 兵や民が多数来てくれば、我らの仕事が楽になるのではないか? 『姉者! 私が説明しよう!』 おぉっ! 頼む!!」

 

秋蘭「……北郷のおかげで、私達は無類の忠誠心溢れる精兵を手に入れた。 ここはいいか?」

 

春蘭「うむ!」

 

秋蘭「ここでだ。 手弁当もなく、華琳様に急用を頼まれた時に、北郷が一緒に連れて行ってくれ……と言ってきたら……………?」

 

春蘭「お前なんか居ても足手まといだぁぁ!!!」

 

秋蘭「それと同じだ!!」

 

春蘭「! ──か、華琳様!!! ど、どうしましょう!!!」

 

華琳「………悔しいけど、どうにもならない。 青州兵を捨てれば軍は弱体化し暴動が起こる! だからといって、一緒に連れて行けば、遅延により敵の捕捉に掛かり、孫呉に降る前に殲滅される!」

 

桂花「桃香や一刀達でしたら、清州兵を捨てると言えば……絶対に反対してくるでしょう!! なんとか…青州兵達を連れ、敵の進撃を阻む策を考えなくては───!!」

 

春蘭「ん~~!!!」

 

秋蘭「難しい…………な」

 

華琳「………………」

 

タッタッタッタッ! バッ! 

 

雛里「し、失礼しましゅ!!」

 

桂花「何よ! なんか用なの!?」

 

雛里「……桂花しゃん! は、話は聞きましゅたぁ!!!」 

 

桂花「……いつ聞いたから問い掛けたいけど、そんな事いいわ! 何か策があるために、私に報告に来たんでしょう!!!」

 

雛里「は、はいっっ!! 地図と地域の出身兵に確認しゅましたら、汝南の付近で河川があり、吊り橋が掛かっているそうでしゅ! この吊り橋を落とせば、袁術軍も渡れなくなりましゅよ!?」ブルブル

 

桂花「よくやったわ! これで一刀達にも話が通るわね!!」

 

華琳「……………桂花? 」

 

桂花「あぁ……華琳様! これも、我が軍が足手まといを増やさず、素直に退却出来るように、準備を整えただけ…なんです! べ、別に、変な思惑なんか……あ、ありません!!!」

 

ダダダダダダダダッ──!

 

華琳「……桂花まで。 ……ホント……誑しだわ……。 

 

だが、これで希望の光は見えた! 全軍、至急準備をなさい!!!」

 

◇◆◇

 

【 益州からの『商談』 の件 】

 

〖 洛陽 宮殿内廊下 にて 〗

 

長慶「颯馬! 話がある!!」

 

颯馬「何かありましたか……姉さん?」

 

長慶「ぐっ……いいな。 颯馬に姉さんと呼ばれると、顔か綻んでしまう! ……って、そんな話をしている場合ではなかった! 益州で政を司る者の使者と……秘密裏に会う事になったのだ!」

 

颯馬「一体なんで、姉さんと接触したんでしょう? 俺達よりも、元よりいた将達に話せばいいものを………」

 

長慶「それがな……《酒に滅法強い『天の御遣い』にお会いしたい》と、その者が酒屋で問うと、何故か皆……私の事を名指しするらしい……そう、何回も立ち寄って居ない筈なのに………」

 

颯馬「……姉さんは、優雅な姿勢で酒を嗜むんだけど……足元に酒樽が何個も転がってたら、噂にもなりますよ。

 

それで? ────どんな内容なんですか?」

 

長慶「表向きは益州の地酒の売買だが……裏は、益州を漢王朝に返還するための打診らしい。 益州の劉焉重臣『厳顔』、『黄忠』連名の竹簡を所持している……」

 

颯馬「成る程………罠かも知れませんが、益州を劉焉の手から奪取する良い機会ですよ。 それで、俺も同伴しても良いんですか?」

 

長慶「先方からの要望でな。 数々の異名を聞く『天城颯馬』と一緒に、お出でいただきたい………とな」

 

颯馬「俺に異名…? そんな話聞いた事が無いですが?」 

 

長慶「霞と謙信殿で飲みに行くと、色々と噂が耳に入る。 そのたびに私達は鼻が高いのだ! 曹操側では『人越の謀将』、孫策側では『神情魔謀の天人』、洛陽では『神速の相方』と…………」

 

颯馬「ちょっと──最後の異名は!?」

 

長慶「フッ! ……何にしても、弟が、颯馬が……異世界と言えど、人々が認めてくれているのだ! 嬉しくないわけがなかろう…… 」

 

颯馬「…………………」

 

長慶「その者とは、明日の昼頃に会う。 念のため、何人か護衛を付けて行こう。 そうしないと、月様に叱れそうだ!」クスクス

 

☆☆★

 

〖 洛陽市街 にて 〗

 

ガヤガヤ  ガヤガヤ……

 

客「ねえちゃん! コレ一人前頼む! 酒も付けてくれぇ!!」

 

店員「はぁ~い! ただいま!!」パタパタ!

 

次の日、約束の刻限になり、姉さんと俺、凪の三人で例の人物に会いに出かけた。 場所は……大衆食堂の一角。

 

秘密裏の割には、いやに人が多いが?

 

鳳舞「お初にお目にかかります! 益州の『鳳舞庵』店主鳳舞と申します!! 三好様と天城様……と、お連れの方ですか?」

 

凪「天城様の護衛を務める『楽文謙』と申します!」

 

俺達を見かけて、手招きする青年。 鳳舞殿が身なりの良い服装で座っていた。 

 

髪は長く後ろを束ね、顔には、にこやかに笑みを浮かべている。 

 

体型は中肉中背ながら…袖から見える傷痕の数から、武の嗜むもある人物だと考えれた。

 

凪からの挨拶に、嬉しそうに笑いながら軽く返して……

 

鳳舞「これはご丁寧に………。 それでは、商談に移りましょう!」

 

長慶「ん?」

 

凪「…………?」

 

………むぅ? 

 

鳳舞「実は益州には『銘酒』を産出する酒造庫がございましてな。 

 

昔は……非常に良い味の酒を酒造できたのですが、場所が悪かったのか、蔵に入れっぱなしにしたのが悪かったのか、すっかり味が落ちてしまいました………」

 

そうか………。 そう来たか……………。

 

颯馬「それはそれは……そんな良い酒であれば、皇帝陛下に献上するのですが……残念ですね」

 

鳳舞「本当に……無類の酒好きの厳顔様、黄忠様も甚く(いたく)名残惜しんだのですが、どうしようもありません。 しかも、その酒造場所に無数の蠅が集り、日に日に劣化が激しくなるばかり………」

 

颯馬「その酒造庫と……我らが何の関わりがありますかな?」

 

鳳舞「『天の御遣い』様の中にも、大酒飲みの方がいらっしゃると、お聞きしましてな? もしかしたら、我らが濾しても呑めない酒ですが、その方なら呑めるかもしれないと! 」

 

颯馬「御冗談を……。 我らも…そのような酒は到底呑めません!」

 

鳳舞「……そうですか。 

 

ならば、天城様! 私共の技術や力では、酒造庫を改変する事ができません。 それだけ、頑丈で集る(たかる)蠅の数も多いのです。

 

そんな折り、貴方様の腕は誠に見事なものと巷の噂では聞き及んでいます! どうか……益州の酒造りを、貴方様の力で改変して頂きませんでしょうか!!」

 

颯馬「……私は、陪臣の身の上ですので、酒造庫を持つなど疑われるものですよ? 最後には、漢王朝に献上するつもりですが……宜しいですか?」

 

鳳舞「お二人に聞いてからではないと分かりませんが、多分納得される事になりましょう!!」

 

颯馬「…正式に返事を頂ければ……御協力致しますよ!」

 

鳳舞「はっ! ありがとうございます!! お二方に連絡が着きましたら、私から報告をさせて頂きますので!!」

 

☆★★

 

長慶「…………行ったな…」

 

颯馬「そうですね」

 

凪「あの……天城様?」

 

颯馬「……いい加減に『颯馬』と呼んで貰っても良いんだけど……」

 

凪「いえ! 月様が『天城様』と敬称を、お付けになるのに、陪臣の身で名前を呼び捨てなんて──とんでもない!!!」

 

颯馬「何人かは呼び捨てなんだけど。 あっと、ごめん! 何か聞きたい事があったんだよね?」

 

凪「長慶様より聞きました要件は、天城様が益州乗っ取りの支援工作を為さる話の護衛と伺ったのですが……」

 

長慶「……間違いない。 今の話がそれだ。 益州や劉焉を酒造庫に例えていたようだが…………」

 

───スッ!

 

小太郎「颯馬様! 周辺には劉焉の手の者は居ませんでした! 念のため配下の者に、鳳舞の護衛を任せてきましたので!!」

 

颯馬「うんうん! ありがとう、小太郎!!」ナデナデ

 

小太郎「えへへへへっ!!」

 

凪「………………」

 

天城「ん? どうしかしたか……凪?」

 

凪「い、いえ!」

 

長慶「──とりあえず城に戻り、方策を練ろう!!」

 

◇◆◇

 

【 孫呉の計算 にて 】

 

〖 江東 孫伯符居城 謁見の間 にて 〗

 

雪連「───事情は分かった! だけど、これが茶番である可能性もあると考えなかったのか!? 明命!!」

 

明命「ですが! 私と対峙した将が居た事は、間違いありません!!  あの特異な容姿、只ならぬ殺気、時折見せる冷酷な笑みを見間違える事など!!」

 

冥琳「明命の伝える事が、虚言と言っている訳ではない! 普通…敵対する軍の当主が、対戦している相手に転がり込むと言うのが、分からないのだ! 公孫勢に逃げるのも一つの道だと思うがな!?」

 

朱里「孫伯符様! ……お話中に口を挟む事、お許し下さい!」

 

雪連「『臥竜』諸葛孔明か…! 構わん! お前の意見を聞こう!」

 

朱里「はい! 袁家前当主『袁本初』は、本陣内で捕縛されそうになり、我が軍に逃れました! これには、二つの理由があります!!」

 

冥琳「………一つは、公孫勢で袁家と対峙しても、勝利の見通しはない!」

 

明命「公孫様は、万能ですが臣下が頼り過ぎて人材が育たず、兵は団結力は一枚岩で固めてありますが、公孫様を崇拝するあまり、他将の命令を無視する傾向にあります!」

 

朱里「洛陽では、遥かに遠く路銀の無いまま頼るのは無理。 孫伯符様に頼ろうとしても、その方面は我が軍が阻んでいる! これでは、選択肢は自ずと決まるものですよ!!」

 

雪連「ふ~ん。 もう一つの理由は?」

 

朱里「我が主君『曹孟徳』は、敵対する者は容赦致しません! しかし、自ら下に就こうとする者を、受け入れる度量があります!!」 

 

冥琳「『窮鳥入懐』の言葉か………」

 

雪連「………暗に、私にはそんな度量が無いと挑発しているわけね? やるじゃない! 諸葛孔明!!」

 

朱里「……私の背には、曹孟徳様を始めとする多数の主君や仲間、多くの兵や民が居ます! その者達が危険に迫りつつも、私の吉報を待ってくれているんです!! 

 

だから、孫呉の皆さん全員を説き伏せる覚悟で、此処に参ったのですから!!!」

 

雪連「……………プッ! アーッハハハハッ!!」

 

明命、朱里「「───!?!?!?」」

 

冥琳「駄目じゃないか! もう少し真意を聞かなければ……」

 

雪連「充分、もう充分よ!! この子達の真意は、しっかり届いていたから。 さて………諸葛孔明よ!! 」

 

朱里「ふぁ、ふぁい!!」

 

雪連「心配しなくても大丈夫よ! 汝南まで援護に出るから!」

 

朱里「あ、ありがとうございましゅ~!!」

 

冥琳「ただ、諸葛孔明よ! この地に着けば、曹孟徳達は我らの将! そこは間違えさせないよう報告せよ!」

 

朱里「わっ、分かりました~!! その証拠に我が真名『朱里』を孫伯符様、周公瑾殿にお預けします!!」

 

雪連「確かに預かったわ! 私達の真名は曹孟徳達と交換後…」

 

冥琳「いや、私は先に預けさせて貰う! 相互間の約束だからな」

 

雪連「フゥ~、はいはい……」

 

冥琳「私の真名は『冥琳』だ! 朱里、預けさせて貰うぞ!?」

 

朱里「はいっ! 冥琳殿!」

 

冥琳「う~ん、違和感があるしな。 敬称は『殿』ではなく『さん』にしてくれ!」

 

朱里「冥琳さん……?」

 

冥琳「うむ!」

 

★☆☆

 

〖 謁見の間の一角 にて 〗

 

穏「これで~曹操軍を取り込めれましたね~!!」

 

蓮華「でも、もし本当に芝居だったらどうするの?」

 

思春「蓮華様、残念ながら…既に選択肢が無いに等しいかと!」

 

蓮華「えっ!? それって……」

 

亞莎「……もしかして、袁術達の進行は、大陸を制覇する可能性があるということですか!?」

 

穏「曹孟徳達を見殺しにすれば~、各個撃破で次に~この孫呉を狙ってきましょう~。 そうすれば、袁術は大国となり荊州、幽州は自ずとと靡き、無駄な兵力を使わずに戦力を増やせちゃいますね~!!」

 

亞莎「で、でも、曹孟徳側が袁術と繋がっていたら、私達は中と外からの挟撃で滅亡なんですよ?」

 

穏「……滅亡必須を目指すか、一か八かの賭けを行うか~蓮華様ならどちらを選びます~!?」

 

蓮華「そ、それは……この国を守るため、最後まで戦うわよ!!」

 

穏「は~い、雪連様達も、そう思われているのでしょう~! だから、この結果なんですよぉ~!!」

 

蓮華、亞莎「「あっ!」」

 

思春「………洛陽側には、一報を入れた方が良いのではないですか? 穏様!」

 

穏「う~~~ん、雪連様との相談の上ですねぇ! 私一人の権限では決めれませんし~、もしかすると、既に情報を得ている可能性も無きにしろ非ずですからね~?」

 

思春「…………………」

 

◆◇◆

 

【 想定外の出来事 の件 】

 

〖 洛陽 宮殿内 謁見の間 にて 〗

 

あの会談の後、数日後に連絡が入り二人の将軍より、是非お会いしたいと申し込みがあった。 厳顔、黄忠……二人とも老将で名高いが果たして、どんな人物かと楽しみだ。

 

また、数日前に涼州太守馬寿成様から、代理の者より『漢王朝救援に駆けつけるのが遅くなり申し訳ない』と書状で謝罪を表明。 

 

その代理とは、馬寿成様の娘『馬孟起』と一族になる『馬岱』だ。

 

実は、洛陽攻めの時に、俺達を助けにきてくれた馬孟起と馬岱は、袁本初達が帰国する際に、同時に国へ戻っていたのだ。 反董卓連合が国へ戻れば、洛陽も安全ということである。

 

二人共、『天の御遣い』なんて言われている俺達に、興味津々だったんだが、早々に戻る事になったため、ゆっくり喋る暇もなかった。

 

だが、今度は正式に応援で滞在する事を、命じらていたようで、謝罪の手紙を皇帝陛下に献上後、正式に何進将軍配下と加わるようになったのだ! 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

そんな折り、俺が益州攻めと次の予定になる『赤壁の戦い』を想定した戦の準備を始めた。 

 

赤壁の戦いは、史実では曹孟徳からの攻撃を、孫仲謀が防ぐ戦い。 その曹孟徳が袁家に破れた状況なので、実際に起きるか疑わしい。

 

しかし、雪連が呉を立ち上げた後だから、別の勢力が長江を挟み対峙するはず。 ならば、今のうちに準備をしておいた方がいい。

 

そう考えて、月様に進言していたのだが…………。

 

颯馬「月様! 御許可を願います! 今度の戦いと……現在の状況より想定している次の戦に、これらが必要になりますので!!」

 

月「──拝見しますね? 『等身大の銅鏡 十枚』、『燃える水 大瓶五十』、『竹 千束』、『松の材木 百』ですか?」

 

一刀「はい! それと………これが重要です!」

 

月「………………はっ? あ、天城様!? これ…は、天城の趣味じゃなくて、策の一環ですよね?」

 

颯馬「月様! 貴女まで言うのですかぁ……。 勘弁して下さい! 紛れもなく我が策の一つでして、こんな趣味なんかありません!!」

 

ヒョッコ!

 

詠「…………珍しいわね。 あんたが月に怒鳴るなんて……」

 

月「うぅん、私が……天城様の事、信じてあげれなかったから……」

 

詠「どれどれ……!! ──あんた! 何、自分の趣味を国庫から落とす気よ!!! 変態! 泥棒! 種馬!」

 

颯馬「だから!!! 違うと言っているだろう! 『虎耳、兎耳、猫耳、大熊猫耳、犬耳』と『尻尾』は大事な策の一つなんだぁ!!!」

 

────スッ!

 

姜伯約「……天城様!」

 

颯馬「ご苦労様! 雪連の方は進展はあった?」

 

姜伯約「はい! 逃走する曹孟徳様を、受け居る準備が決定したようです! 後は、曹孟徳様が無事に逃げ切れるかどうかです!!」

 

颯馬「三太夫から聞いたよ。 それと、曹孟徳を破った者は袁紹?」

 

姜伯約「…………違います! 『袁術』だったと聞いております!」

 

え、袁術!? この前、強引に誘拐されたと聞いていたけど、なんでそんな場所に!! 張勲も一緒に………!? どういう事だ!?

 

姜伯約「わかりません! ただ、はっきりしている事が二つ。 

 

一つは袁本初と顔良、文醜が曹操軍に参入している事。 

 

もう一つは、『司馬仲逹』が裏で糸を引いていたとの、袁本初達が申していたと、聞き出しています!!」

 

『司馬仲逹』か………一体、何者なのだろう?

 

月様と詠、姜伯約が心配そうな顔をしていたが、俺は気付かず考え事に熱中していた。

 

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!!

 

久秀の策、最終段階に入りましたが……上手く説明出来たか凄く心配です。 また、誤字や文章間違いありましたら、適度修正致しますので、お願いします。

 

また、次回も宜しければ読んで下さい!!


 
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