No.684608

義輝記 蒼穹の章 その弐

いたさん

義輝記の続編です。 宜しければ読んで下さい!
5/7一部修正しました。

2014-05-07 01:32:09 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1486   閲覧ユーザー数:1313

【 星に願いを の件 】 

 

〖 益州 各地 にて 〗

 

璃々「お星様、お星様──どうか、璃々のお願い聞いて下さーい!」

 

益州、楽成城城主 黄漢升の娘『璃々』が、窓際で夜空を見上げつつ願い事をしていた。 

 

母親たる黄漢升は、まだ仕事のため……部屋に戻ってきては居ない。

 

母一人子一人の身ゆえ、一人で留守を守るのも慣れた様子、寂しがる素振りなど見せてはいないようだ。 

 

瑠々「早くお母さんの仕事が楽になり、瑠々と遊べるようにして下さい!! 寂しい日が、早く無くなるようにして下さーい!!」

 

…………いや、心配させないように、装っていたようだ。

 

☆☆★

 

桔梗「焔耶よ! 今の盆暗州牧の政治、どう思っておる!」

 

焔耶「はい! 桔梗様! 劉焉を慕い流れて来た東州兵の横暴、税の追加、値上げのため、民衆の支持が極端に下がっており、このままでは、益州全体で反乱が続発する恐れがあります!」

 

桔梗「世の中、酒と喧嘩があれば、欲しい物など何も無いと思っていたが………わし自身の政治力が無いため、民を苦しめる事になるとは思いもしなかったわ!!」バン!

 

焔耶「………それは、ワタシも同じです。 桔梗様に従い足手まといにならぬよう己を鍛えましたが、政事に関して殆ど手を付けませんでした………!」ググッ

 

桔梗「何とか手を打ちたいが、わし等だけではどうにもならぬ! 何か手立てを考えださなければ────!!」

 

◇◆◇

 

【 華琳、白馬へ! の件 】

 

 

袁本初と曹孟徳……互いに相手を嫌悪しつつ、実は親友である事を認めている不思議な関係である。

 

学問所で同門の学友であり、色々な揉め事に顔を突っ込みあった仲であるが、自分達の求める物・外部の思惑が重なり合い、このような戦を引き起こされた!!

 

また、双方とも領地が拡大したため拠点を移し、袁本初が『冀州 鄴』 曹孟徳が『豫州 許都』としていた。

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

 

袁紹軍………兵力14万人 

 

将……《総大将 袁本初》 顔良、文醜、司馬懿 他

 

 

☆★☆  ☆★☆

 

 

曹操軍………兵力 5万人

 

将……《総大将 曹孟徳》 夏侯元譲、荀文若、許仲康、典韋、李曼成、于文則、北郷一刀、関雲長、諸葛孔明、趙子竜 他

 

許都留守居……兵力 3万人

 

将……《総大将》夏侯妙才、劉玄徳、龐士元、張益徳 他

 

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

〖 豫州 許都 華琳居城 にて 〗

 

華琳「麗羽の軍が、兗州白馬を攻めていると報告が届いた!」

 

桂花「我が軍は、袁紹より軍勢が多いのですが、兵糧の都合が足らず、この人数だけしか集結出来ませんでした!!」

 

華琳「出来なかった事は、悔やんでも仕方ない! 出来た事を運用して勝利を得るのが兵法の妙! すぐさま出撃を開始する! 

 

だが、このまま突撃すれば、無様に包囲されて敗北するが道理。 一刀! 貴方に白馬救援を命じる! 将は、愛紗、星、朱里で一万で向かいなさい! 私達本隊は、延津に移動し麗羽の部隊を分断する!」

 

一刀「了解! 朱里、白馬の情報を至急集めて欲しい! 愛紗、星! 俺に力を貸してくれ!」

 

愛紗「勿論です! ご主人様!!」

 

星「 ( ̄ー+ ̄)フッ 何を今更! 行きましょうぞ! 一刀殿!!」

 

一刀「………ありがとう! それから、また筵を用意してくれ! 偽旗を作ろうと思うんだ! 他にも、適度に使用するつもりだ!!」

 

朱里「わかりました! 準備します!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

華琳「桂花! 旗を出来る限り用意しなさい! 真桜! 『兵器』の準備は出来ているかしら! 『準備万端や、大将!』 そう、それならそれも忘れずに用意しなさい!」

 

秋蘭「華琳様……許都は大事な本拠地! 必ず命に代えても守備し、お帰りをお待ちしております!!」

 

華琳「秋蘭! その忠義は誠に頼もしい! だけど、拠点は奪われても奪い返す事が出来る! 我が命がある限り! 

 

でも……貴女や皆の命を失えば、私は覇王たる道に自信と誇りを持って進めなくなる! 無理は絶対にしない事!!」

 

秋蘭「申し訳ありません……華琳様! その言葉、しかと承りました! ───────どうか、御武運を!!!」

 

華琳「各々、準備を固め、明朝──出発とする!!」

 

『はっ!』

 

◆◇◆

 

【 明命の予感 の件 】

 

〖 江東 孫伯符居城 謁見の間 にて 〗

 

雪蓮「────結果的には、母様の悲願が叶ったのだけど……何、この脱力感。 当てが外れたというか、調子を崩されたというか?」

 

冥琳「まぁ、仕方があるまい……堅実に足下を固めよう。 成り立ったばかりの国だからな、まだ反抗する者も多かろう! 明命、思春! 配下の者に揚州一帯の不穏分子を探るように手配せよ!」

 

明命、思春「「 御意! 」」

 

雪蓮「それと、兗州白馬に、二人の内どちらか向かって貰いたいの! 袁紹と曹操の勝敗の結果を早急に知り、今後の予測を立てたい! だから、臣下の誰かに行って正確な情報を持ち帰ってもらいたいのよ!!」

 

思春「なら、私が『私が行きます!』……明命! お前は洛陽から戻ってきたばかりだろう? 無理はするな、私が………」

 

明命「いえ、思春殿! ここは私に行かせて下さい! 袁術や張勲を攫った人物が、もしや、あの者ですと……大変な事になります!! 

 

それに、青州黄巾賊が崇めていた『神の御遣い』の容貌に、似ている事も考えれば、そちらの方面に居る事かもしれません!! ならば、実際に相手を知った私が出向いた方が、都合がいいんです!!」

 

冥琳「明命や『常山の昇り竜』の異名を持つ趙子竜が、同時に戦い苦戦した曲者………孫呉が戦うとなれば将が少ない分、不利になりかねんか……分かった。 雪蓮! 明命に任せたいが…どうだろう?」

 

雪蓮「そんなに強いのなら、私が相手『 (-_-#) 』……したいけど、王だからねぇ~。 明命! 改めて命じる! その曲者を調査しなさい! ……出来れば、袁術ちゃんと張勲救ってあげて……」

 

蓮華「何故、袁術達を──『救えば謝礼を貰えるし、恩を着せる事も出来る。 ただで救う義理は無いわよ?』 ──成る程! 」

 

穏「それじゃ~こちらは、大船小船を準備して派手に攻め立てましょう!! 祭様! 水軍の準備を! 鐘、太鼓を沢山用意して下さいね~!!」

 

祭「これも訓練の一環として、厳しく行うぞ!! 覚悟せよ!!」

 

穏「え~! 厳しいのは嫌ですよぉ~!!」

 

亞莎「祭様! よろしくお願いします!!」ペコ

 

祭「うむ! その姿勢が大事じゃ!! 穏も見習わなければならんぞ!!」

 

穏「は~~~い」シブシブ

 

◇◆◇

 

【 新たな来訪者(予告) の件 】

 

〖 洛陽 演習場 にて 〗

 

あれから…………一月経過した

 

颯馬「お疲れ様でした! 首尾はどうでした?」

 

歳久「大丈夫です。 私達姉妹が向かって行ったのですから、問題なんてありません。 劉焉にも、最初の時点で話が滞りなく済んでいたものですから、事務的なやり取りで終わらせましたよ」

 

益州は、山に囲まれた土地柄ゆえ、行きの難易度がとても高い!

 

どれほどと言うと………『蜀の桟道』の凄さが、今も洛陽内に噂で流れ、『蜀道の難』と詩仙『李白』が後世に歌い、『蜀犬日に吠ゆ』の諺通り、日照時間が短く霧深い場所。 

 

(帰りは、長江を下れば荊州経由で戻ればいいので、行きだけ心配すれば問題は無い。 護衛の兵も優秀な者ばかりで固めているのだが)

 

そんな場所へ……麗しい姫武将達に『草履を献上する』役をさせるなんて、俺も非情な男だと……思い悩み心配したが……四人は、生き生きとした表情で、無事に戻り報告をしてくれた。

 

おかしいな……最初に使いに出した月様配下の文官が、えらく窶れた(やつれた)顔で、月様に報告していたんだけど………?

 

家久「心配する事なかったのに~! でも、ありがとねぇ!」

 

義久「私達は~幼い頃から『山坂達者』で鍛えているから、これくらいの行軍活動、案外平気なの~! でも、颯馬君がそんなに心配してくれるなんて、もの凄く嬉しいわ~!!」

 

義弘「戦いばかり続いたからね………。 偶には…気分転換したかったから、丁度良かったわよ!」

 

…………体力的に、俺を基準にしては駄目だと、日の本に居る頃から思っていたのに………心配が無駄になったか。 いや、無事に戻ってきてくれた事を喜ばなくては!!

 

益州訪問は幾つかの目的、思惑がある。 

 

壱、《 金策としての藁草履の献上 》 

 

先に月様の配下に交渉を成立させてもらう。 当然、月様にも目的を説明して許可を得ているが、この方法を聞いて月様は、目を丸くして驚き、詠は『そんな考えがあったなんて!』と驚嘆していた。

 

理由なんて……何でもいい。 狙いは『金採掘者に使用してもらう』のが目的。 これが他の採掘だと……実績が無いため出来るか分からない。

 

『金の採掘者』からしか、この方法を知らないためだ。

 

弐、《 益州の道筋調査 》 

 

益州攻略のための道筋を、実際に通って貰うため。 情報だけでは、分からない所もあるからだ。 後、数人の将に行って貰おうと考えている。

 

参、《 煽動、内応 》 

 

益州牧・劉焉の政事が、かなり民達に不満を持っているらしい。 何回か叛乱が起きたようだが、そのたびに劉焉の配下『東州兵』が鎮圧したと報告がきている。

 

まだ、叛乱の芽が絶えていなければ、俺達がその叛乱を後押し、内応を煽れればと画策していた。 そのため、機知に富んだ姫武将を何人か送り込み、見極めをお願いしたのだ。

 

本来は、俺が出向き内応工作に動くつもりだったが、この世界の名将と呼ばれるも者達は、大概『おなご』だ。『おのこ』である俺が行っても、警戒される恐れがある故に控えた事もある………。 

 

それに、曹孟徳……確か、真名を預けられたので……華琳か? 華琳と袁紹の戦いを推移して、行動を起こさねばならない! そのため、こちらを他の者に任せていられない事情もあった。

 

そんな時……俺の行動を嘲笑うが如き、漢女が動いたんだ……… 

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

〖 半刻前(一時間前) 颯馬の部屋 にて 〗

 

ドドドドオォォォ━━━━━!!  バァン!!

 

うおぅぅ────! 敵襲かぁ! ──って、貂蝉!?

 

貂蝉「颯馬ちゃ~ん!! たいへ~んよぉぉ! 

 

あちらの世界から発生した『乙女達の祈り』を、私の『超漢女恋愛探知レーダー網』にかかったのぉぉぉよぉ~ん!」

 

…俺の顔を見て、ほくそ笑む貂蝉! 嫌な予感が──俺の頭を過ぎる!! ……おい! まさか! まさか!? まさかなのか!?

 

貂蝉「この私がぁ! 今、直ぐにぃ! 迎えに行ってぇぇあげるわぁぁぁ─!! ぶぅぅるぅぅわあぁぁぁ━━━━━━!!」 

 

 ドオォォォ━━━ン!!     ───キラッ!

 

俺に分かるように話をしてからにしろおぉぉ━━!!! 貂蝉!!!

 

また、呼ぶ寄せる気か!! いい加減、日の本の政事が傾くぞぉ!!

 

それから───!! 人の部屋の窓から、出て行くなぁ!!! 

 

有らぬ疑いが持たれたら、どうするんだあぁぁぁ!!!!

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

この出来事を、偶然目撃したと思われる、どこかの某軍師が、鼻血を大量に吹き出したまま倒れていた………と後日、報告をもらった………。

 

◆◇◆

 

【 颯馬の金策と意外な報せ の件 】

 

〖 洛陽 演習場 にて 〗 

 

さて、俺は兵士達に命じて大きな桶を用意していた。

 

大の大人が五人程抱えるぐらいの桶だ。 その中に益州で回収した履き潰しの草履を投入させる。 

 

一月前に見た新品の物が、黒々と汚れ悪臭を放っている。 形もボロボロで、中には原形が崩れきっている物まである!

 

様子を見に来た月様、詠、霞、華雄、ねね、恋、凪。 そして、益州まで赴いた島津姉妹に他の姫武将や武将達。

 

稟や風達、馬孟起殿達は、この場所には来ていない。 董卓軍の私的作業でもあるし、あまり大袈裟にしたくなかったから。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

義久「うわぁ~、凄い汚れているわね……としちゃん?」

 

歳久「……採掘者は、暗い穴蔵に低い姿勢で入る危険な仕事です。 汚れている理由は、採掘者の勤勉なる労働、命を顧みず繰り返し採掘した誠実の現れ。 そのような言い方は失礼ですよ? よし姉…」

 

義久「ごめんなさいねぇ~決して貶める為に、言ったわけではないのよぉ……『分かっています。 よし姉が、そんなこと思うはずがありません! だけど……言葉には注意して下さい!』 はぁ~い!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

霞「颯馬軍師は、どないするんやろなぁ? なんぼなんでもあないなもん、金策になりよっかわからへん!!」

 

謙信「私の治めていた国では、禁止事項にしていた有効な方法だ。 期待して見ていてくれ、霞!」

 

 

★☆☆

 

 

このような桶を十数個用意して、それぞれに草鞋と水を入れ、兵士達に棒で突かせる。 水をなるべく外に零さないように…………。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

鹿介「ふむふむ、なかなか興味深いやり方ですね。 この後は……」

 

義清「うむ、何となく分かるぞ! 謙信殿の所で世話になった際、聞いた事がある!」

 

ねね「ねねも、分からない訳ではありませんぞ!! その事を喋ると聡明な恋殿が、答えを発言する機会を無くしてしまうからで……!」

 

恋「ねね……恋、分からない………」

 

ねね「恋殿~~~!?」

 

 

★★☆

 

 

トスッ トスットスッ トスッ トスットスッ

 

草鞋は、棒で突かれて形を崩す。 土汚れ等で汚れていた草鞋が、どんどん解れて水の中に汚れを流していく!!

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ドス ドスドスドス! ドスドスドスドスドス!!

 

信長「フーッハッハッハッ!! 役割が済んだ物を、このように壊すのは楽しいわぁ!! ほらぁ、ほらぁ! もっと、もっとだぁ!!」

 

信玄「………兵士達の手伝いをする事は止めませんが、あまり強く突くと、底が抜けますよ! それでは、颯馬の苦労を水の泡に変えるつもりですか!? 『うぐっ!?』 ……いくら身体が成長していても、これでは先が思いやられます……」

 

紹運「……全くだ。 加減を知らない者は、これだから困る!  私みたいに適度に……『紹運様~! 水が零れていますよ~!』 ……やっ! す、すまない! 忠告痛み入る、小太郎殿!」

 

宗茂「…………そうです。 もう少し力を込めて……そう、いいですね。 これなら仕事が早く終わりますよぉ?」

 

道雪「宗茂が兵士達に、こんな事まで優しく教える事が出来るなんて! ………本当に立派になりました!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

左近「忠勝………お前は禁止!」

 

忠勝「左近殿!! 何ででござるか!? 拙者も手伝いでござるよぉ!!」

 

左近「お前が行うと桶の底が抜ける!!」

 

忠勝「───────!」

 

★★★

 

この後、解き解した草履を手洗いでジャブジャブと洗う。

 

いつの間にやら、見物していた将達も手伝い始めていた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

義輝「う~ん、久しいな……。 逃亡生活中は、よくわらわ自身で洗濯をしたものだが………」

 

家久「義輝様……………クスン」

 

義輝「よいよい! 今思えば……必要な事だったのじゃ。 人間的にも未熟なわらわにとっては……。 それに、あの出来事があったからこそ、其方達と共に、この大陸の平和を目指せる! 寧ろ感謝せねばならないのだろう? のぅ、長慶……」

 

長慶「…………その節は、義輝公に対し不徳の致すところ、どのような成敗も受けますので、何とぞ弟達にはご容赦を!!」

 

一存「ちょっと待てくれ! 義輝公に襲撃したのは久秀達配下の者達だ、姉さんは関係ない! それに、姉さんは三好家当主としてやり残している事が多くある! 罰を受けるのなら俺に──!!」

 

長慶「───馬鹿者! 何を横からほざくか! 黙っていろ!!」

 

一存「姉さんこそ、俺や颯馬抜きで勝手に決めるな!!」

 

義輝「………二人共、話を聞けい! だから、感謝しておるのだと申しておろう! 処罰など論外じゃ! それに、わらわは……颯馬と一緒になる気でのぅ……その際は『義姉様、義兄様』と呼ばせて貰うぞ!?」

 

長慶「─────────!!」

 

一存「なっ! 何ぃ───!!」

 

家久「うんうん、皆仲良くが一番だねぇ!! (……後で皆に知らせなきゃ!!)」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

光秀「………そうです! 編んである藁を解した後、こう水に汚れを落とすように………」

 

華雄「う、うむ。 どうも……このように洗う行為は苦手でな。 私が少し力を入れると……藁が千切れて粉々になってしまう……」

 

光秀「慣れですよ。 私も偶には自分自身の羽織った衣服を洗いますよ? もし、嫁いだ時は、私が家事を任せられると思いますから…」

 

華雄「ほぅ? 天城とか!?(ニヤニヤ)」

 

光秀「//////////」──ジャボン!

 

華雄「ははははっ! いや、結構な話じゃないか! あんないい男など大陸全土探してもいないぞ!? 良き婿を捕まえたじゃないか! 私は武で生きる! 女の幸せは、当分いらないな───!」

 

★☆★

 

将兵達で洗い終わった後に………ゆっくりと水を流す!

 

すると、底には…………泥と…ごみと…………煌めく『金』が!

 

ーーーーーーーーーーーー

 

凪「颯馬様! これは、どういう事なんですかぁ!?」

 

信廉「………金山の採掘で草履に付着した『金』です! えっと、所謂(いわゆる)『砂金』と言う物ですよ!!」

 

義弘「へえー、こういう方法もあるんだ?」

 

昌景「普通なら、履き潰した草履なぞ捨てるが道理。 処分するにも手間がかかる物じゃが、上手い所に目を付けたな。 

 

しかし、武田家には通じぬやり方ぞ? 金山での使用済みの草履一つでも外に出すなと、法度で定めてあるからな!」ニヤニヤ

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

この後、底に溜まった泥の中から『金』を採集。 結果的に手の平に乗る程の小袋三袋できた。

 

最後まで様子を見ていた月様と詠に近付き、三つの小袋を献上する。

 

颯馬「月様の力添えで金の採集が出来ました。 今回の採集分という事で……お納め下さい!!」

 

月「──えっ!? い、頂けません! これは天城様の政策から出た事により得た品物! 私は上に立つ者として命じただけですので、これを頂く訳には参りません……!」

 

詠「月……駄目よ。 これは、月が一度受け取らなくてはいけない公の政策。 受け取りを拒否すれば、颯馬が金を預かるため『賄賂の温床』を作る事になるわよ。 

 

月が受け取り、正式な手続きをした後に、褒美として下賜すればいいの。 そうすれば、颯馬も安心して次の戦の準備で使用出来るでしょう?」

 

月「そう……うん! 天城様! それでは、私が預かります! それから後、詠ちゃんや皆さんと相談の上で、褒美を決めさせて貰いますから!! 皆さん! お疲れ様でした!!!」

 

『ははぁ──────!!』

 

皆が、頭を下げて月様の言葉に返していると、その最中に三太夫が現れて緊急の報告を俺に申し出る!! 

 

三太夫「だ、旦那───! た、た、大変だぁ!!!」

 

三太夫と姜伯約に、官渡の周辺を当たってもらっていた。

 

袁本初と曹孟徳が、白馬で激突したと報告を受けたのが一月前。 

 

兵力差は、俺が知っている事より差が少ない。 知識で知っている兵力差は、一万対十万の十倍。 それが、最初の報告では、五万対十四万……約三倍まで縮まっている。 

 

史実でも数ヶ月以上掛かった戦いだ。 もしかすると、更に日数がかかる可能性がある! 俺は、そのように予測していたのだ。

 

 

それなのに─────この慌て具合は────?

 

     

      ゼェゼェ! ゼェゼェ!

 

 

三太夫「そ、曹操軍が────敗れた!!」

 

『──────────────!!』

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

この外史では、官渡の戦いで……華琳が負けます。 

 

じゃあ、勝者は麗羽? というと……違うんです。 

 

次回に、官渡の戦いの詳細となる予定です。

 

また、宜しければ読んで下さい!

 


 
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