No.683307

九番目の熾天使・外伝 ~短編その⑫~

竜神丸さん

幽霊騒動その6

2014-05-02 18:44:12 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1951   閲覧ユーザー数:849

「ひ…雲雀、さん…? 何、で…!?」

 

ディアーリーズは動揺を隠せなかった。

 

美空の母親として知り合ったばかりの自分達に優しく接し、そして管理局の暗部によって命を落とす事となった篝雲雀。

 

そんな彼女が、今こうして自身を殺そうとしているのだから。

 

『酷イジャナイノヨ……ドウシテアノ娘ヲ不幸ナ目ニ遭ワセテルノヨ…!! 約束ヲ破ッテオイテ、マダアノ娘カラ奪ッテイクトイウノ…!!!』

 

「う、ぐ…ぁ…!?」

 

雲雀の憎しみの込められた声が響き渡る中、黒い影が触手のようになってディアーリーズの四肢と首元をガシリと拘束、そのままディアーリーズを締め上げようとする。

 

『ネェ、ドウシテヨ…? ホラ、何カ言イナサイヨ……ネェ…!!』

 

「ぁ、か……ぼ、く…は…!!」

 

触手のようになった黒い影がディアーリーズの右頬をズルリと撫で上げ、ディアーリーズが首を絞められながらも口を開く。

 

「僕、は…美空さ、んを…守れ、な…かった……あな、たに…殺され、ても…文、句は…言え、ない…」

 

『ナラ、早ク死ニナサイヨ……死ンデヨ……死ンデ…!! 死ネ!! 死ネ!! 死ネ!! 死ネ!! 死ネェェェェェェェェェェェェェェェェェェッ!!!』

 

「ッ!? う、く…ぁ……か…!?」

 

雲雀の声が二重にも三重にも響いてから黒い影が瞬時にディアーリーズの全身を飲み込み、それと同時にディアーリーズも少しずつ呼吸困難に陥っていく。

 

(ここ、で……終わるのかな……あぁ…意識が、遠のい、て…く―――)

 

自分はここで終わってしまうのか。もはや抵抗する気力も完全になくなったディアーリーズは、その意識すらも闇に包まれていく―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-おいおい、本当にだらしねぇよなぁ? テメェって奴は-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『―――ッ!?』

 

閉じかけていたディアーリーズの目がパッと開き、瞳の色が青色に変化。同時にディアーリーズの身体中から魔力による白い冷気が放出され、雲雀ごと黒い影を弾き返す。

 

『ナ、何ダトォ…!!』

 

「冗談じゃねぇぜオバサンよぉ? 今コイツに死なれると、俺まで一緒にくたばっちまうじゃねぇか」

 

瞳の色だけでなく、口調や声、そして雰囲気もいつものディアーリーズとは違っていた。普段の彼ならここまで乱暴な口調ではなく、雲雀に対してオバサン呼ばわりもしない。

 

『誰、ダ……アナタハ、ウルティムスデハナイノ…!?』

 

「俺か? 俺はレグルスってんだ。よろしくな、オ・バ・サ・ン」

 

『!?』

 

名前を名乗ると同時にディアーリーズは足元に魔法陣を展開、周囲の黒い影を氷結させてから転移魔法を繰り出そうとする。

 

『グ…待テェッ!!』

 

「やなこった」

 

ディアーリーズが舌を出して挑発し、彼はその場から一瞬で姿を消す。結局その場には、黒い影を氷結させられて動けなくなった雲雀だけが残る事となった。

 

『待テ!! 待チナサイ!! ウルティムス……ウルティムスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――よっと」

 

雲雀の下からまんまと逃げる事に成功したディアーリーズ。雲雀のいない病院フロアに降り立ってから、ディアーリーズは身体がほんの少しだけフラつく。

 

「…チ、そんなに持たねぇか」

 

ディアーリーズは面倒そうに小さく舌打ちしてから……乱暴そうな雰囲気が消滅した。瞳の色も青色でなくなると同時に彼はその場に倒れ、ピクリとも動かないまま動かなくなってしまった。

 

『…!』

 

そして意識を失ったディアーリーズの下に、一人の亡霊が姿を現すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、狭間に存在する神社では…

 

 

 

 

 

 

「……」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ♪」

 

ガルムは口元を引き攣らせながら、蒼崎は目をハートにしながら目の前の光景を見据えていた。現在、二人の目の前では…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ねぇお嬢さん? 私達と一緒に、楽しい遊びをしないかしら?』

 

『可愛らしい顔ね。食べちゃいたいくらいだわ…♪』

 

『あ、ずるーい! 私にも触らせてよー!』

 

『はいはい、先に私の番だからね~』

 

「…私は男なのだが」

 

女性の亡霊達に囲まれたまま、何故かナンパされまくっているUnknownの姿があった。亡霊達は普通の女の子みたいにキャッキャッとUnknownとベタベタにくっ付いたり弄ったりしており、Unknownは囲まれている所為で動けず、されるがままの状態だった。

 

『ねぇねぇ、ここでちょっと遊ばな~い? サービスしちゃうからさ~♪』

 

「いや、私は早く仕事を終えなければ……おい、ちょ…待て!! 巫女服を脱がそうとするな!? えぇい、その手を離さんか!!」

 

亡霊達のイタズラにより、巫女服を脱がされそうになるUnknown。抵抗はしているものの、少しずつ脱がされてより淫らで扇情的な恰好にされていく。

 

「ぐ…ブハァッ!?」

 

「おうおう、凄い事になってるな。R指定入りかねない状況だぞ」

 

「はっ!? おーい、ガルム、蒼崎!! 頼む、ちょっと助けてくれ!!」

 

巫女服を脱がされそうになっているUnknownが二人の存在に気付き、何とか助けを求めようとするも…

 

「いや、何かお楽しみの最中っぽいんで遠慮しまーす。蒼崎、行こうぜ~」

 

「待て!! 俺はそっちに混ぜ…ちょ、待…離せガルム!! はーなーせー!!」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!? 私を見捨てるな薄情者ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!?」

 

ガルムが蒼崎を引き摺って去ろうとした為、それは叶わなかったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ~…どうなるかと思った…」

 

「おいおいアン娘さんや、どうしたのさ? こんな所でエロゲーみたいな展開に遭ってさ」

 

「な、何という事だ…!! まさかアン娘との遊びに満足して、全員が成仏してしまうとは…!!」

 

その後、女性の亡霊達を何とか説得して成仏させる事に成功したUnknown。巫女服を着直している彼にガルムは面白半分にからかい、蒼崎は亡霊達が全員成仏してしまった為に一人で勝手に落ち込んでいる。

 

「エロゲーって言うな、全く……竜神丸と共に任務遂行に励んでいただけの事だ」

 

「竜神丸と? そりゃどういう事かね」

 

「竜神丸を通じて、団長から指令が下ったんだ。ここらの亡霊共を全員成仏させろとな」

 

「ここらの亡霊を…」

 

Unknownの説明を聞いている内に、ガルムはいくらか心当たりがあった。

 

(まさか、これも〝アレ”に関係してるってのか…?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、美容院外…

 

 

 

 

 

 

 

「たぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

『『『オォォォォォォォォォォォ…!?』』』

 

okakaの変身したPD響鬼の音撃による清めの力で、多くの亡霊達が成仏させられていた。亡霊を成仏させたPD響鬼は音撃棒・烈火をしまい、後ろの道の曲がり角に向かって声をかける。

 

「うし、退治完了……こなたちゃーん、もう出て来ても大丈夫だぞー」

 

「…も、もう大丈夫?」

 

「こなたちゃん、どんだけ幽霊嫌いなのさ……ごめん、せめて普通に歩かせてお願いだから」

 

隠れていたこなたは怯えた様子で、FalSigに引っ付いたままだった。彼女に引っ付かれているFalSigは若干歩きにくそうにしている。

 

「さて……美容院の外に出て街中を歩き続けてはいるものの、未だ何の手がかりも無しか。咲良ちゃんとルイちゃん、二人共無事でいると良いんだが…」

 

「ルイちゃんはともかく、咲良ちゃんに至っては亡霊とも普通に仲良くしてそうな気がするんだが」

 

「「あぁ、それは確かに」」

 

PD響鬼とこなたは思わず納得した。そんな彼等だが、今頃その咲良が亡霊と仲良くなっている事など知る由も無いだろう。

 

「とはいえ、何が潜んでいるのか分からん状況だからな。早く見つけるに越した事は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「!?」」」

 

何処からか、男性の断末魔が聞こえてきた。

 

「おいおい、他にも生きた人間がいるのか…?」

 

「どれ、行ってみようかね」

 

「あ、ちょ…二人共、私を置いてかないでってばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

PD響鬼とFalSigが先に向かって行ってしまい、こなたも置いてかれまいと急いで二人の後を追いかけて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ…!!」

 

『ヴォオォォォォアァァァァァァァ…!!』

 

ある公園にて、一人の少女に巨大な大木の姿をした怪物が襲い掛かろうとしていた。怪物の口の中では現実世界から迷い込んできたであろう男性の死体が、ムシャムシャと鋭い牙で磨り潰されており、牙と牙の間からそれらしき腕が食み出ていた。もし木の怪物に捕まれば、同じ末路を迎えてしまうのは容易に分かるだろう。

 

「はぁ、はぁ…あぅ!?」

 

木の怪物に気を取られていたからか、走って逃げていた少女は石ころに躓いて転んでしまった。そしてそのチャンスを木の怪物は見逃さない。

 

『ヴォウッ!!』

 

「え…きゃっ!?」

 

少女の足に、木の怪物が伸ばした枝が絡みつく。そのまま地面を引き摺られ、怪物の方へと引き寄せられていく。

 

『ヴォオォォォォォォウ…!!』

 

「うぁ、あ…!?」

 

木の怪物が口をガパァと開き、少女を美味しく喰い殺そうとする。少女がこれから来るであろう苦痛に備えるべく、目をギュッと閉じたその時…

 

 

 

 

「よっこいしょおっ!!!」

 

 

 

 

-ザシュウッ!!-

 

『ヴォオォォォォォォ!?』

 

「…え」

 

少女を捕まえていた枝が、FalSigの振るった銃の仕込み刃で切断。木の怪物が怯んだ隙に少女はこなたに助け出され、二人は地面に上手く着地する。

 

「うわ!? ちょ、枝が絡みついてきたよ気持ち悪ッ!?」

 

「こなた、伏せろ!!」

 

切断した枝が未だウネウネと絡みついてくるのを嫌がっているこなたと少女をFalSigが強引に伏せさせ、同時に三人の後ろにいたプロトディケイドフォーゼ(以下PDフォーゼ)・ファイヤーステイツが銃型の武器〝ヒーハックガン”を構え出す。

 

「ライダー…爆熱シュゥゥゥゥゥゥトッ!!!」

 

『ヴォオォォォォォォォォ!?』

 

PDフォーゼの繰り出した火炎放射で木の怪物が丸焼きにされ、そのまま跡形も無く消滅。怪物が消え去った事を確認し、PDフォーゼは変身を解除してこなた達の方まで駆け寄り、そして少女を見て驚愕する。

 

「さて、大丈夫か…ッ!?」

 

「あ……ありがとう、ございます…」

 

「「「み、美空ちゃん!?」」」

 

そう。

 

少女の正体は、ここにいる筈の無い人物―――美空だったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

動物園跡地、ジャングルフロア…

 

 

 

 

 

 

「うわ、まだ大量にいやがる」

 

「もう…何時になったら亡霊はいなくなるのよ…」

 

げんぶと凛は目の前にいる大量の亡霊達を見て、かなりうんざりしていた。これまで二人は何体もの亡霊達を退治してきたが、それでも亡霊達は未だ数が減らないでいるのだ。

 

「一体どういう事だ…? さっきから蜻蛉切も使っているというのに、未だに数が減る気配も無い…」

 

「あぁもう嫌になるわ……早く咲良ちゃんを見つけて、楽園(エデン)まで帰りたい…」

 

「ルイちゃんもな。しかし本当に妙だな……何かが、ここに亡霊達を留めているかのような感じにも思えるんだが―――」

 

 

 

 

 

 

-ガンッ!!-

 

 

 

 

 

 

「が…!?」

 

「!? 凛ちゃん!?」

 

突如、何かが凛の後頭部を強打。気絶して倒れた凛に駆け寄ろうとしたげんぶはすぐに立ち止まり、とてつもない速さで襲って来た〝何か”の攻撃を蜻蛉切で受け止める。

 

「!? 何…!!」

 

『おやおや、やはり不意打ちではあなたを倒せませんか』

 

げんぶに襲い掛かって来た〝何か”は後方に下がり、黒い霧に包まれ正体を明かす。

 

「…何のマネだ、竜神丸」

 

その正体は竜神丸だった。デス・ドーパントに変身したまま凛を不意打ちで気絶させ、げんぶも一緒に気絶させようとしたのだ。

 

「いや失礼♪ ちょっとばかり、あなた方には眠って貰わなきゃ困るんですよ」

 

「ほう? いきなり妙な事を言ってくるものだな。俺達が何かしたとでも言うのか?」

 

「えぇ、してますよ。あなた達、あの老害から何か聞かされたのでしょう?」

 

「…あぁ、聞いたな。それがどうした」

 

「その聞かされた話、忘れて貰わないと困るんですよ」

 

「!?」

 

竜神丸が大鎌を構えるのを見て、げんぶは思わず身構える。竜神丸の放つ雰囲気が、本気である事が分かったからだ。

 

「あなた方はまだ、あの情報を知って良いような状況ではありません。そういう訳でげんぶさん、あの老害から聞かされた話は素直に忘れてくれませんかね?」

 

「随分と勝手な事を言ってくれるな。そこまでして忘れさせようとするのは、何か重大な理由でもあるとでも言うのか?」

 

「あなたには関係ありません。少なくとも、選ばれていないあなた方にはね」

 

「選ばれていない、か…」

 

直後、げんぶは自身の魔力リミッターを一通り解除。げんぶの周囲にある檻が震え出し、地面ではあちこちに地割れが起こり始める。

 

「それが一体どういう事なのか……お前からは色々と聞いた方が良さそうだな」

 

「聞き分けがありませんねぇ。素直に言う事を聞いてくれませんか?」

 

「悪いが断る。仲間を不意打ちで気絶させるなど、お前の行動は流石に目に余るからな…!!」

 

「…やれやれ」

 

げんぶに威圧されても竜神丸は全く怯まず、呆れた様子で溜め息をつく。

 

「仕方ありませんねぇ、では…」

 

「ッ…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ソラさん、お願いしますねぇ~?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-ドゴォンッ!!-

 

「がはぁっ!?」

 

真上から姿を現したソラが、げんぶの後頭部に一撃。彼の持っていた蜻蛉切を蹴り飛ばすと同時にソラの拳がげんぶの顔面や下顎、腹部や鳩尾などに次々と命中し、そこへトドメの回し蹴り。これら全て、ほんの数秒の間に起こった出来事だった。

 

「すまない、げんぶ君」

 

「がふ…!! ソラ、さん……何、故…!?」

 

「いやぁ~助かりましたよ、ソラさん」

 

げんぶを捻り潰したソラの下に竜神丸が軽く拍手をしながら歩み寄り、倒れているげんぶの前に来てからしゃがみ込む。

 

「こういう事です。残念でしたねぇ、げんぶさん?」

 

「ッ……グル、だったの…か…!!」

 

「ではげんぶさん、ちょっとだけ眠ってて下さい♪」

 

「く……俺は、まだ…!!」

 

消去(デリート)

 

竜神丸の左手がげんぶの頭を掴み、そのまま記憶消去を開始。げんぶはそれ以上言葉を発せないまま、意識を失ってしまった。

 

「さて、お次は凛さんですねっと」

 

「……」

 

げんぶの記憶消去を完了した竜神丸は、最初に気絶させた凛にも同じ処理を開始する。離れた位置にいたソラは気絶している二人に対して、何処か申し訳なさそうな表情をしていた。

 

(すまない、二人共……だが今は、君達に知られる訳にはいかないんだ…)

 

仲間達に対する罪悪感と、自分の行いに対するぶつけようの無い怒り。それらが合わさり、ソラは思わず近くの鉄柵を掴んだままグシャリと握り砕いてしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、とある山…

 

 

 

 

ードズゥンッ!!-

 

 

 

 

そこに一人、凶悪な男が降り立った。

 

「匂う……匂うぜ……生気の無い、亡霊共の匂いだ…!!」

 

その男―――ZEROは舌舐め摺りをしてから、亡霊の気配を感じる方向を見据える。その先には、ユウナ達のいる小学校が存在していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、とある森では…

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 

 

上半身から地面に埋まっている、kaitoの姿があった。

 


 
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