No.674592

義輝記 雷雨の章 その弐拾参

いたさん

義輝記の続編です。 宜しければ読んで下さい。
3/29 加筆修正いたしました。 ご迷惑お掛けします。

2014-03-29 18:33:25 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1524   閲覧ユーザー数:1351

【 颯馬と孫策達 の件 】

 

〖 洛陽へ向かう道 休息中 にて 〗

 

    タッタッタッタッタッタッタッタッタッ!

 

雪蓮「やっほぉー! 颯馬、久し振りね!!」

 

颯馬「ん? その声は雪蓮……!? 良いのか? 敵の軍師に単独で会ったりして…… 『 こんな《じゃじゃ馬》を一人で行かす訳はないだろう? 』 ………えっ?」

 

    ザッザッザッザッザッザッザッザッザッ!!

 

冥琳「全く………お前の、その切り替えの早さが羨ましいよ。 

 

私としては、久しい友として語たるべきか、連合軍を翻弄した恐るべき軍師として警戒して接するべきか、悩み込んでいるのに………」

 

穏「彼処まで、弄ばれたのですから~キチンと責任を取って貰わないと~~!!」

 

祭「穏よ! 一体、何の責任を取らすつもりじゃ!? 」

 

蓮華「………………」   思春「…………」 

 

明命「…………………………」

 

颯馬「───えっと、お揃いで何のご用ですか?」

 

雪蓮「久し振りに会えたから、挨拶しようと思っただけ…『違うだろう!!』…えぇ~何かあったかしら……冥琳?」

 

冥琳「はぁ………考えるのが馬鹿らしくなった。 

 

コホン……久しいな、颯馬。 今回の戦では見事にしてやられた。 私の軍師としての才など、まだまだと思い知らされたよ……」

 

颯馬「冥琳……すまない。 体調が良くなったと聞いていたのに、戦に巻き込ませてしまい……… 」

 

冥琳「いや、これは仕方ない。 袁紹が参加すれば、袁術が加わるのは当然! ボソッ( ……後、これは憶測だが、お前はワザと袁術を狙っていなかったか? ) 」

 

颯馬「ボソッ( 冥琳達が、独立目指しているのは…《天の知識》で知っていたから……その手助けをしたかっただけさ!)」

 

冥琳「………お前は、どうして、そこまで我らに肩入れする? 面識も殆ど無いのだろう? たった数回会っただけで、私の病気を指摘し治療させただけでなく、色々便宜を図ってくれた。 何故なんだ?」

 

颯馬「雪蓮や冥琳に、将来…悲しい事が起こるのを知っていた。 …だから、回避させるために動いただけだよ」

 

雪蓮「………もしかして、同情やお情けで手助けしたと、言うの!? そんな事なら『 ………いや、違う 』……じゃあ、何?」

 

颯馬「……君達の事は、天の知識で知っている。 

 

だから、雪蓮… 君と黄巾賊討伐戦の時に、話を交えた。 流石に、最初は刃を向けてくるとは、驚きだったけどね………。 

 

君がどんな思いを抱き、どのように国を治め、どのように民達を大事にしてくれるか……俺は、話の中から探ってみた。 その結果、生きて貰わなければ困る人だと思い、融通を通したんだよ……」

 

冥琳「……私の病の事も……か?」

 

颯馬「あの時は、俺も名前を聞いて驚いたんだよ。 孫伯符が居れば周公瑾が居ると分かっていたんだが……まさか、こんな『美女』だとは思いもしなく、つい口から出てしまったんだ…………」

 

冥琳「………恥ずかしい事を……サラッと言う男だ!」プィ!

 

雪蓮「フフフ~ 恥ずかしがる冥琳も可愛い~! 」

 

***      ***      ***

 

    ザッザッザッザッザッザッ!

 

信長「颯馬!! 休息も終わりだ! 早く洛陽へ───うん!?」

 

信玄「どうしました…信長? 颯馬は見つかりましたか………!!」

 

***      ***      ***

 

     ガタガタガタガ! ザワザワ! ザワザワ!

 

雪蓮「キャアアァァァ────!! 冥琳! 冥琳!!」ブンブン!

 

冥琳「煩い!! 気になる将が来たからといって、騒ぎたてるなぁ───!!!」

 

穏「ああぁぁぁ~! 新防御法『竹束』を使用していた方~!! 是非とも~穏に新しい知識を~~~!!!」

 

祭「あの『童』はどこだぁ!!! 今一度、勝負だ!!!」

 

思春(─────! あの『百地』の視線! だが…どこから張られているか……見当が着かないとは!? )キョロキョロ!!

 

明命「…………猫好きのアノ方は、居ないですね………」ショッボン

 

蓮華「…………何なの?…この将達の将器って………」

 

***      ***      ***

 

信長「よく分からんが……賛辞は受けるぞ!!!」

 

信玄「くっっっ!! 新手の嫌がらせですか!? そのように自分の胸を揺らし、誇示しながら迫るとは………!!!  」

 

颯馬「…………はははははは………」

 

◆◇◆

 

【 虎牢関の後始末 の件 】

 

〖 虎牢関 にて 〗

 

義輝「………それにしても、派手にやったものよのぉ……」

 

義輝が見上げて、感想を漏らす巨石群。 

 

歳久「はい……。 本来、もう少し岩を置く距離を、少なくするつもりだったのですが………」

 

家久「恋さんと忠勝さんが、隠れる岩が上手く準備出来ないって、手当たり次第に岩壁を穿ったの!!」

 

義弘「……………手加減………していたんだよね? コレ……」

 

伯約「えぇ!! 上に策の準備もしてありましたし、恋様の居らした所は、『猫牢館』がありますので、万が一も被害は無いですよ!」

 

昌景「やれやれ……後始末が大変じゃな?」

 

稟「とんでもない! これだけの石材があれば、虎牢館や汜水関の修復もでき、尚且つ有り余る程ですよ!」

 

謙信「なら、『石畳』にしてみるのも一挙だぞ!?」

 

信廉「良いですねぇ~!! 雨に降られて濡れる石畳、その上を颯馬と歩く………また風流です! ほわぁ………!!」

 

霞「何にせぇ、早いとこ用途を決めて、颯馬軍師に追いつこうやぁ!! 洛陽も皆も心配だしぃなぁ!?」

 

ねね「そうです!! 恋殿も洛陽に向かっているとはいえ、油断は、禁物ですぞぉぉぉ!!!」

 

光秀「では、これくらいに致しましょう。 兵達に詳細な状況を纏めさせ、洛陽で文官達に決めてもらえばいいのですから。 

 

義輝様!! 軍を纏め急ぎ向かいましょう!! それと同時に、天水に使いを送り、洛陽へ援軍を送って頂くように要請を!!!」

 

◇◆◇

 

【 不吉なる再開 の件 】

 

〖 洛陽 西門 にて 〗

 

何進「もっと引き寄せろ! ……今! 放てえぇ!!!」

 

ヒュンヒュン! ヒュンヒュン! ヒュンヒュン! ヒュン!

 

白装束1「……………!!」 バタッ

 

白装束2「!!」 バタッ! バタッ!! バタッ!!!

 

***      ***      ***

 

 

〖 洛陽 北門 にて 〗

 

一存「行くぞ!! 俺に付いて来い!! 突撃だぁ!!!」

 

北軍『オオォォォーーーーーーー!!』

 

***      ***      ***

 

一存「おりゃ!!」  ブシュッ!! 

 

白装束3「グハッ!!」 バタリ!!

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

北軍兵1「えっ、えぇぃ! 軍師の仇だぁ!! 『ガキィン!』なっ!?」

 

白装束4「………………」ニヤッ  ブゥ────ン! ザシュ!!

 

一存「────クッ! 痛いだろうがあぁ!!」 ザクッ!!

 

白装束4「────────!」バタッ!

 

北軍兵1「十河様!! すみません! すみません!! 俺を庇って、傷を負われるなんてぇ!!! 」

 

一存「構わん!! こんな傷、塩を付けて紐で縛れば、大丈夫だ!! これ以上死なせる訳にいかないんだよ! あの世で、あの馬鹿に兄貴面されて………叱られるなんて、御免だからな!!」

 

***      ***      ***

 

〖 洛陽 東門 にて 〗

 

小太郎「皆さん!! 準備は良いですか?! 落下!!!」

 

城の上に備えてあった、『大木』、『岩』、『瓦礫』を落とす!

 

白装束5「─────!」

 

白装束6「━━━━━━!」

 

小太郎「ここは………必ず守るんですよ! 颯馬様が、命を掛けて守ったのですから!! その思いを引き継ぎ死守するのです!」

 

***      ***      ***

 

〖 洛陽 南門 にて 〗

 

左近「………お前達は、城に入って弓を射って私を援護しろ!!」

 

南兵1 「しかし! 島様が………!?」

 

左近「…………今の私は、虫の居所が悪い。 これ以上、文句を述べるなら────────!!」

 

南兵1「わっ、わかりました!! 御武運をお祈りいたします!!」

 

左近「よし! 私は行く!! 後は頼むぞ!?」ダッ!! シュッ!

 

南兵「城壁から………飛び降りたぁ!?」

 

   ストッ!!   ダッ!!!

 

左近「どけぇい!! この左近の前に立つのなら、その屍を晒す事になりえるぞぉ!!! 」

 

***      ***      ***

 

〖 洛陽城 『董仲穎』私室内 にて 〗

 

………昨日、天城様の訃報が届き、皆さんの奮戦が続いていますが、洛陽の陥落も………時間の問題となりました………。

 

禁軍の兵士さんも、初日の些か頼りない働きから……信じられない勇猛振りの戦いを示し、私も詠ちゃんも驚きましたよ。

 

何でも、何進様の演説で……奮起したとの事ですが、どんな演説だったのでしょうか? 興味は湧きますが……今は、それどころではありません。

 

私は………自分の出来る事をするため、『華水お母様』の形見の銅鏡に向かい、祈りを捧げています!!

 

詠ちゃんと長慶さんは、今後の対応のため、別室にて話し合いをしています。 展望が開けば良いのですが……………。

 

?? 「…………貴女が………『董卓』サマ……なのかしら?」

 

えっ? ここは私の私室。 仲良しの詠ちゃんでさえ、声を掛けずに入室する事など無いのに…………? しかも、聞き覚えもない声。

 

私は、銅鏡より目を離し……ゆっくり振り返りました。

 

まだ、日中だから部屋の中はよく解る。 

 

いつもの家具の配置、豪華なだけの壁掛け絵画……その横に『天城様』の絵を飾ってあるのは、詠ちゃんにも……言えない。 

 

そんな事、言えるわけないじゃないですか~~!! ///////// 

 

 

??「ふぅ~ん、貴女も『颯馬』に焦がれてるの………。だけど、駄目よ! あれは、『久秀』の玩具(オモチャ)なのだから!」  

 

 

     …………………あ~う~/////////     

 

 

はっ! ブンブン!! 恥ずかしがってる場合じゃない!! 

 

声がした辺りを見ると、いつの間にか置いてある『見慣れぬ竹で編み込んだ箱』の上に、女官が一人座っている。

 

だけど………ただの女官とは思えない! まるで、天城様の仲間『天の御遣い』の皆さんと同じ雰囲気を持っている!!!

 

久秀「……董卓……この世界は本当に変わっているけど……『アノ』董卓が、こんな姿、性格になるなんて………実際、確認しても……本当に驚愕ね…………!!」

 

…………前にも、似たよな事を言われて、天城様達に尋ねたんですが……誰も『天の国の董卓』の事を教えてくれません!

 

詠ちゃんが必死に頼み込んで、長慶さんに聞いたら……顔が真っ青になり『月は、この世界の月で、本当~~に良かった!!!』って、私の手を握り締めて泣いて…たんですよ???

 

…………絶対、教えて貰いますよ! 生きていましたら………ね。

 

久秀「……颯馬の現君主『董卓』! 貴女は久秀の事は知らない。 知っている事は無いわ。 ………だけど、久秀は貴女を憎むのよ!

 

─────殺したい程に────────!!」

 

急に『久秀』と名乗る女官より、怒気と言うか、覇気と言うか、禍々しい『気』が発しられ、辺りを包み込まれました!!

 

くぅっ!!………普段なら、得物の一つは準備するんですが……私室に居たため、何も準備が…………! 

 

周りも見ても、武器になりそうな物は、『銅鏡』のみ。 

 

でも、嫌です!! 『華水お母様』の形見を武器に使うなんてぇ!!

 

      バァーーーーーーーーン!!

 

詠「月────────!!」

 

長慶「月様!! 大丈夫か───!! 久秀!? お前が……何故ここに!?!?」

 

久秀「あらあら、長慶様。 ご無沙汰振りです。 恙無く(つつがなく)お過ごしのようですね………」クスクス

 

長慶「あぁ…久しいな! ……お前がこうして居る事は、やはり……裏で糸を引いていたのは……久秀だったのか…………」

 

詠「長慶……この女官を知ってるの?」

 

長慶「知ってるも何も……元居た世界の家臣だ。 とても優秀な能臣だったよ。 今は………奸雄になるのだろうか………」

 

詠「──────────!」

 

★☆☆

 

〖 洛陽 南門にて 〗

 

左近「───貴様等では、相手にならん!! 大将を出せ! 大将を!! 『……ウフフフ。 では、お相手をお願いしようかしら?』 ───! まさか!?」

 

??「元主の声を忘れてしまったの? 案外薄情なのね、左近ったら……………」

 

左近「貴様は! いや、貴女は……『筒井順慶』様!!!」

 

順慶「………昔は、『筒井家にその人あり』と謳われた鬼左近も、すっかり角を抜かれ、大人しい番犬になってしまったようね……!」

 

左近「なんとでも言えばいい!! 日の本の戦乱も終結した際に『鬼左近』は眠りに着いたのだ!! だが! 例え貴女でも……颯馬の願いを阻むなら、『鬼左近』の名を再び呼び戻すまで!!!」

 

順慶「そう………。 それでしたら、私も前の『筒井順慶』では無い事を、披露してあげますわ!! そして、知るのです! 颯馬様に最も相応しいのは、この『筒井順慶』と言う事を!!!」

 

◆◇◆

 

 

【 思いがけない救援 の件 】

 

〖 天水から洛陽への道 にて 〗

 

義清「急げ! 急ぐのじゃ!!」

 

鹿介「義清殿!! 急ぐのも大事たが、我らや兵の体力、士気もしっかりしなければ、救える者も救えなくなるぞ!!」

 

★☆★   ★☆★   ★☆★

 

天水の戦い終了後、一休みしていた姫武将に、緊急事態が告げられた! 『洛陽、正体不明の軍勢に包囲、落城間近のため救援を請う!!』と──────!

 

姫武将達は、協議の末に『村上義清』、『山中鹿介』の両名に三千の兵を付け送り出す。 

 

天水の防衛は既に安全と思われるが、洛陽に襲いかかる軍勢の正体が解らないため、全員を送り出すのは不可能。 

 

送った後に天水を攻められれば、陥落は間違い無いため用心で残さなければならない!!

 

そのため、少ないながら、この人数を送ざるえなかった……………。

 

★☆★   ★☆★   ★☆★

 

義清「じゃが! じゃが!! 添付の報告に『兄者が身罷った』との別書きが──!! 私が不甲斐ないばかりに……!!! 

 

これで洛陽まで落とされ、月様達が害されれば……私達は何の為に!!!!」

 

鹿介「……………お待ちなさい。 そこが、おかしいのですよ。 

 

颯馬殿が亡くなったら、使いの者の報告だけで済ましますか? 颯馬程の軍師、人望溢れる『おのこ』ですよ?

 

私なら……姫武将の一人を送り出し、事情を説明して貰います! ただでさえ、虎牢関では、勝ち戦をしたのです! 将を多く残す理由はありませんよ!?」

 

義清「──すると、偽情報か!?」

 

鹿介「推測ですが………可能性は高いです! だから、落ちいて判断して下さい! この人数で洛陽を救援出来る方法を……考えなくては……」

 

義清「……………すまなんだ! 鹿介殿が冷たい『おなご』だと、勘違いして『 勘違いではありませんよ…… 』──えっ!?」

 

鹿介「某は………戦の前に三日月に祈ります。 《某に七難八苦を与えたまえよ!!》と。 今回も、そう祈り……現実に起きました。 某は、己の事しか考えない冷たい『おなご』なのですよ……」

 

義清「……そうなのか!? 私や兄者や兵達を心配してくれる鹿介殿が、冷たいなどと思われぬ!! 少なくとも私は、そう思わぬぞ!?」

 

鹿介「……義清殿。 フッ、ありがとうございます!」

 

        タッタッタッタッタッタッ!!

 

兵「伝令!! 前方数里先に砂煙発見!!! 

 

斥候の報告では、約二万の軍勢! 牙門旗は『 馬 』、西涼太守『馬寿成』様の一族の方と思われます!!」

 

鹿介「 ───! うむ、すぐに迎えを出せ! お会いすると伝えてくれ!!」

 

兵「はっ!!」ダッ!

 

 

義清「鹿介殿!!」

 

鹿介「………これは、天意か……! 上手く行けば、洛陽を救う事ができますぞ!!!」

 

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あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

休日の日は、普段忙しいのですが…………時間が出来たので、その間に駄文書き。 短いですが出来ましたので投稿です。

 

今回の話は、殆ど『戦極姫』の人間関係が多いため、『恋姫』の読者の方には、何だか解らないと思われます。

 

でも、我慢して読んで下さいね。 次の話が続かないもので。

 

 

また、宜しければ読んで下さい。

 

 


 
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