No.671883

義輝記 別伝 その弐

いたさん

義輝記の別伝です。 ですので……颯馬達は出ていません。 宜しければ読んで下さい!

2014-03-18 20:05:59 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1436   閲覧ユーザー数:1281

【 鈴々の禅問答 の件 】

 

〖 陳留城内 食堂 にて 〗

 

華琳「鈴々! 私と知恵比べをしましょう!」

 

丁度……お昼頃、元劉備軍の皆と食事をしていたら、華琳が唐突に現れ、鈴々に申し渡す。

 

鈴々「むぅ~、今、昼御飯「勝てたら、私の出来る範囲で何でもするわよ」──! はぁい! 鈴々、やるのだぁ!!」

 

朱里「……はわわわ! では、華琳様が勝てば………?」

 

華琳「愛紗に……… 一晩の同衾を命じるわよ!」

 

愛紗「はっ!? どうして…鈴々の負けの罰を、私が代わりに!!」

 

華琳「あらっ? 姉妹だから、妹の負債は姉の貴女が負うのは、当然でしょ? それとも、妹の勝利が信じられないワケかしら……」

 

鈴々「……………………………………………………」

 

愛紗「ウグググググッッッ!!!」

 

華琳「………そう。 仕方ないわ、一刀! 貴方が一晩私と同衾しなさい! そうすれば「ちょっっっと、待ってぇぇ!!」……ん?」

 

愛紗「わっ、わかりました! この関雲長! 鈴々が負けましたら……同衾………しますぅ…………」

 

星「流石だ、愛紗! 一刀殿のためなら、飛び込む火の中水の中! 見事な忠誠心だな……いや、あい「が、外野は黙って貰おうか!!」………ふっ」

 

桃香「頑張ってね! 鈴々ちゃん!!」

 

鈴々「任せるのだぁ!!!」

 

雛里「ドキドキ、ドキドキ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

華琳「幾ら私でも、言葉の知恵比べでは、勝負にもならない事くらい判るわよ! だから……『 話す 』知恵比べでは無く、手の動きで表現するのよ!」

 

雛里「あわわわ! それなら、鈴々ちゃんにも勝ち目は、充分あります。 動作で示せば分かり易いし、一つの動作で意味は何通りも読めますから。 勿論、それぞれの相手が、その答えを認めなければいけませんが……………………?」

 

華琳「覇王の名に掛けて、正当な勝負を心掛けるわ!」

 

鈴々「鈴々も────────!!」

 

朱里「では、始めましゅう!! うぅ……噛んじゃいましたぁぁ!」

 

 

★☆☆

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

① 華琳………両手で小さい○を空に描く。

 

① 鈴々………両手で大きく○を描く。

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

華琳「………………やるわね! 正直、油断してたわ!」

 

鈴々「??」

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

② 華琳……片手を開き、指『五本』を示す!

 

② 鈴々……片手と指を三本立たせ『八本』を示す!

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

華琳「…………成る程」

 

鈴々「…………………」ジュル!

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

③ 華琳……指を「三本」立てる!

 

③ 鈴々……目に指を当て「あっかんべえー」

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

★★☆

 

     ガクッ!

 

華琳「………………ま、負けた! 私が………」ガタガタ

 

鈴々「うわぁ─────い! やったぁ────のだぁ!!」

 

愛紗「─────────────────!」

 

桃香「鈴々ちゃん! 偉い! 凄い! 最高!!」

 

朱里、雛里「…………………………………!!!」

 

星、一刀「???」 

 

★★★

 

華琳「約束は果たすわよ! 何をすればいいのかしら?」

 

鈴々「鈴々! ラーメン食べたいのだぁ!!」

 

華琳「そう? それで良ければ……「ちょっと待って!!」…何かしら?」

 

一刀「華琳! 鈴々! 答えを教えてくれ!!」

 

星「私からも頼む!」 愛紗「 コクッ!コクッ! 」

 

桃香「はぁーい、私も!!!」

 

朱里、雛里「………………………………」

 

華琳「良いわよ!」

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

華琳としての問題と解答

 

① 華琳…「中原を支配するには、どうすればいいと思う?」

 

① 鈴々…『周辺の国を、味方に引き入ればいいのだぁ!』

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

② 華琳……「敵である『五胡』を押さえよという事なの?」

 

② 鈴々……『《五胡》だけでなく《三国(袁紹、袁術、董卓)》の対処も考えないと!!』

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

③ 華琳……「先に『三国』を対処した方がいいの?」

 

③ 鈴々……『それは、自分の《 目 》で見て、考えるのだぁ!』

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

華琳「全く……あんな正論言われるなんて、思いもしなかったわ!」

 

華琳、鈴々除く『 (゜Д゜;) 』

 

   バタバタバタバタ!  バタバタバタバタ!

 

☆☆★

 

朱里「…………鈴々ちゃんが………あそこまで『 知 』の分野で働けるなんて…………」

 

雛里「大丈夫だよ、朱里ちゃん…! 『腹ぺこ軍師』『大食い軍師』枠に鈴々ちゃんは入るから………私達と被らないはず……」

 

朱里「駄目だよ! それで人気が出たら、私達干されちゃうよ!?」

 

雛里「あわわわわわ!!」

 

☆★★

 

 

桃香「鈴々ちゃん!! お勉強、これ以上頑張らないでね! 出ないと私の立場が────「姉上!」ヒャイッ───!!!」

 

愛紗「鈴々が! あの鈴々が!! 華琳様に勝ったんですよ!!! 勉強嫌いで……姉の私に散々迷惑かけ続けた鈴々が………!!」

 

桃香「そうだね~! ホント凄いよね~! あはははは……」

 

星「うんうん。 流石、姉馬鹿殿。 喜びようも一入(ひとしお)だな!」

 

愛紗「──ですから、姉上! 貴女も鈴々を見習って勉強を!?」

 

桃香「一刀さん、星ちゃん!! 助けて~~!!!」

 

一刀「ごめん! この後、華琳に呼ばれているから!」

 

星「私も、メンマの出来具合を見に…………用事が!」

 

桃香「皆───!! 酷いぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

★★★

 

鈴々「……………鈴々の答えとは、大分違うのだ……」

 

          ピタッ!!

 

桃香「…………り、鈴々ちゃんの…答えは……?」

 

鈴々「う~ん、鈴々は……………」

 

*******************

 

鈴々としての問題と解答

 

① 華琳……『鈴々が食べたいラーメンは、このくらいの『器』かしら?』

 

① 鈴々…「鈴々の食べたいラーメンは、そんな小さいのじゃないのだぁ!! こ───んなに大きいのだぁ!!!」

 

*******************

 

② 華琳……『へえー、そんなラーメンなら『 五杯 』が限度じゃないの?』

 

② 鈴々……「そんな事ない! 『 八杯 』は、いける!!!」

 

*******************

 

③ 華琳……『そんな大きなラーメンなら、三杯奢るのが精一杯かしら………』

 

③ 鈴々……「鈴々! 約束破る奴は、大嫌いなのだぁ!!」

 

*******************

 

鈴々「……………と、思ってた! にゃはっ!!」

 

鈴々除く全員『 …………………………… orz 』

 

 

華琳「………はぁー。 ………身から出た錆とはいえ、約束は約束! 後日、今ここに居る全員の分、奢らせてもらうわ……」

 

鈴々「鈴々は、今でも無問題なのだぁ!!!」

 

愛紗「鈴々!! この後、春蘭と共に協同演習があるだろう!?」

 

鈴々「にゃっ!! 忘れてたのだぁ………………」ショッボン

 

星「それでは、華琳様。 私もメンマを「奢るのはラーメンだけよ?」………orz」

 

一刀「 やれやれ……………」

 

◇◆◇

 

【 桂花と春蘭の問答 の件 】

 

〖 陳留城内 とある一室にて 〗

 

桂花「華琳様が行っていた『知恵比べ』! 臣下たる私達も習って行うのは当然の行為よ! だから、協力しなさい! 春蘭!!」

 

春蘭「ちょっと待て! なんで私になるんだ? 体型的には季衣や流琉が丁度いいと思うのだが…………?」

 

桂花「チィ! これだから脳筋は!? 流琉は鈴々に比べれば、かなり賢い子よ? ………確かに季衣は近いものはあるけど………あんな幼い子達を笑い者にしたいと思うほど、私が鬼畜だと思うの!?」

 

春蘭「────ん、一理あるな。 でも、なんで私「はい! 問答開始!」────おい! 桂花………」

 

      ガチャ!

 

華琳「………あら? 貴女達も始めたの?」

 

桂花、春蘭「「華琳様!」」

 

桂花「華琳様! 私の問題は超難問! 春蘭如きに解けるはずなど……絶対ありません!! 」

 

春蘭「華琳様! 鈴々が解けるなら……私にも出来ます! 曹猛徳古参の将として、その『 知 』をお見せします。」

 

①  桂花……指を一本突き出し、天を指す。

 

①  春蘭……指を一本突き出して、地面を指す。

 

華琳「ふ~ん。 『世に必要になる学問は、《天文》と何?』という問いと『《地理》』と答えるね。 言うだけあるわ!」

 

そう呟く華琳。

 

だが……二人の問答は続いていたらしく、天と地に向かっていた指先が動き出し、そのまま『 華琳 』を示した。

 

華琳「????」

 

桂花「………やるわね、春蘭! 見事よ!!」

 

春蘭「………いや、桂花! お前を見直したぞ!」

 

      ぐっ!!

 

二人は、意味が分かるらしく、互いに握手し合う。

 

華琳「………これは、どういうことなの?」

 

意味が判らず、戸惑う華琳…………。

 

桂花「はっ、はい! 私の指したのは『天』、春蘭が『地』です」

 

春蘭「…………後、失礼ながら華琳様を指差してしまいましたが、「華琳」様となります。 繋げると………」

 

『天上天下唯我独尊』……(天の上にも地面の下にも、華琳様より尊い者は居ないんだぁ!!)

 

華琳「……………………………………ハァー」

 

桂花、春蘭「「 呆れられた!? 」」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーー

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

知ってる方は知っている『三国志民間伝承』をキャラと構成を代えて作ってみました。 

 

本文にも、いくつかネタで使用させてもらってます。

 

実は、この話は日本にも似たような話があり、『蒟蒻問答』『饅頭問答』とあるそうで、落語にもあるそうですよ。

 

 

次回は…………………別伝、いつになるか判りません。

 

ネタあれば…………ですかね。

 

 

 


 
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