No.671107

魔法少女リリカルなのは -九番目の熾天使-

第31話「ファースト・アタック」

2014-03-16 00:19:26 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:8983   閲覧ユーザー数:3598

 

 

 

 

 

 とある渓谷に二つの人影が耐Gスーツを身に纏い、ハンドガンを手に潜伏していた。そして持っている通信機から女性の声が聞こえ。

 

『では作戦内容を確認する。今回は列車で輸送されているレリックの奪取及び、敵戦力の調査だ。襲撃地点はそこから1㎞先の渓谷だ。100機以上のガジェットによる強襲で列車を占拠及びレリックの回収。またその際に管理局から部隊が出撃するだろうからその威力偵察だ。ま、上手くいけばお前達の出番は無い訳だが、相手もそう甘くは無いだろう。お前達は保険だ。ガジェットによる回収がプランAとする。しかしガジェットが敵勢力により全滅、または奪取が不可能の場合はお前達が出番だ。これをプランBとする。間違ってもお前達が出張っておきながら失敗はするなよ? 失敗したら……分かっているだろうな?』

 

「……ああ」

 

「……問題無い」

 

 最後の言葉に身震いする二人は彼女の恐ろしさが身に染みている。

 

『ならいい。作戦開始まであと5分もある。それまで準備しておけ』

 

 そういって通信は切れた。

 

「なぁ……テルミドール」

 

「……なんだレン」

 

「万が一にも失敗したら……どうなるんだろうな、俺達」

 

 ぶっちゃけ想像したくない。それはテルミドールも同じの様だ。

 

「……言うな。それは貴様が一番分かっていることだろう? それに……考えたくも無い」

 

「同感だ……っと、そろそろ作戦開始の時間だ」

 

 リニアレールが渓谷の影から姿を現す。時間通りだ。それと同時に待ち伏せていたガジェットⅠ型と多数のⅡ型、そして通常の作戦では初めて実戦投入するⅢ型数機が一斉に姿を現した・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 部隊長となってから書類仕事で忙殺されかけていたところにカリムから相談があるといって呼び出された。それでウチはこれ幸いとカリムの呼び出しに応じたんや。

 

「急に呼び出しちゃってごめんなさい、はやて」

 

「ううん。別にええよ。最近は書類仕事で息が詰まっとったから丁度良かったんよ」

 

「ちょっとはやてったら……」

 

 聖王教会へ一緒に同行してきたフェイトがジト目で見てくる。……そんな目で見んといてな。

 

「ふふっ、はやてったらもう……。変わらないわね」

 

「お互い様や」

 

 それからウチとカリムはしばらく昔の話に花を咲かせたんや。途中でシャッハさんがお菓子やお茶を淹れてくれた。いつも思うんやけどシャッハさんの紅茶は美味しいわ。

 

 そして少しした後にやっと本題に入ったんや

 

「さて、そろそろ本題に入ろうかしら。今日呼んだのは例の続きが出たからその解読よ」

 

 例の続き。それはカリムのレアスキル『予言者の著書』による未来を予知した預言書の解読や。

 

「今までのやつを一度読み上げるわね。

『腐敗と欲望の世界 混沌に染まりし時

 黒き熾天使 高潔なる者 清みし霞 鋼鉄の神と共に舞い降りぬ

 その黒き熾天使は破壊と絶望をもたらすだろう』」

 

 これが今まで出てきたもの。そのままの意味を捉えるなら黒い天使が世界を破壊するっちゅう物騒な話や。あとどうでもいいことやけど、ウチは黒が嫌いや。黒という単語を聞くだけで不機嫌になるくらいにや。

 

「そしてこれが昨日に出てきたもの。

『黒き熾天使現れし時

 偽りの真実に苦しむ乙女達が立ち上がる

 夜天の乙女 真実を知りし時

 悲しみの涙に濡れ 世界は平穏を取り戻す』」

 

 う~ん……よう分からんなぁ。

 

「はやて、何か心当たりないかしら?」

 

 心当たりかぁ……。腐敗と欲望の世界ってのは多分この次元世界と思うんやけど。黒き熾天使とか他のはなぁ……。

 

「それに、偽りの真実に苦しむ乙女ってのもなぁ……」

 

「うん。だけど、この夜天の乙女ってのははやてじゃないかな?」

 

 うん? あー、夜天の乙女ってのに当てはまるのは確かにウチぐらいやもんな。でも―――

 

「ウチと天使とか神とかになんの関係があるんやろか?」

 

 全く関係性が見当たらんのやけど……。

 

「そっか……。はやても分からないのね。まぁいいわ。私達の方で解析を続けるわ」

 

「うん。力になれんでごめんなカリム。ウチも何か分かったら連絡するわ」

 

 そしてこれで何も無く帰るはずやった。

 

 だけどその時は突然訪れたんや。

 

「いいの、気にしないで――――っ!? 何事!?」

 

 預言の事は今度皆に相談してみよか。そうウチは思って帰ろうとすると警報がけたたましく鳴り響く。

 

「カリム様! レリックを積んだ護送中のリニアレールが襲撃されました!」

 

「何ですって!?」

 

 いつも嫌なことは突然起こるものや。度合いが違うだけで本当にそれは突然なんや。あの時もそうだった。

 

「はやて! 聖王教会から正式に出動を要請します! どうかレリックを取り戻して下さい!」

 

 だけどそんな嫌なことに抗うため、ウチは諦めん。絶対に。アイツを捕まえるまでは。

 

 その為にウチは今を乗り越えていく。

 

「任せとき! 行くで、フェイトちゃん!」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『リニアレールは完全に制圧。目標の確保にも成功。あとは回収して適当に奴等の相手をしてやればそれで終わり。……ふんっ。どうもつまらん任務だな』

 

 セレンがつまらなさそうに呟く。それもそのはず。作戦開始から目標の奪取に10分も掛かっていないのだから。だがそんなつまらない時間もすぐに終わる。

 

『……来たか』

 

 セレンが呟くと同時に俺のセンサーに一つの熱源が表示される。その熱源へ向けて多数のガジェットⅡ型が襲いかかる。その数およそ130機。並の魔導師なら一個小隊以上の戦力が必要だ。しかし、一つの熱源から二つの熱源が現れる。その熱源は一撃で十数のガジェットを薙ぎ払い混戦状態となった。その間に大元の熱源がリニアレールに近づいていく。

 

「確認した。中型輸送ヘリ一機。詳細な戦力は不明だが……おそらく一個小隊と思うが………何っ?」

 

 テルミドールが呟くとヘリの中から複数の人が出てきて驚愕した。驚愕した内容は人員の数でも感知できる魔力の大きさでも無かった。

 

「子供……だと?」

 

 それは出てきた隊員の年齢があまりにも低すぎたことだ。

 

「管理局の腐れ野郎共……!」

 

「……」

 

 怒りで思わず歯ぎしりしてしまう。そして少しばかり様子を見る。4人の少女と少年。そのうち2人は10歳前後ぐらいだった。

 

『リニアレールに侵入。中のガジェットが順次撃破されていくな……。なるほど、前線に出てくるだけの実力はあるようだ。しかし―――』

 

「まだガキだ」

 

 戦場に出てくるのはまだ早すぎる。それに、実力はあると言っても下の上ぐらいだ。少し小突いた程度で簡単に死ぬ。

 

 そして更に様子を見る。中のガジェットの大半が破壊され、残すはⅢ型一機のみ。それも今は少女が召喚した白い竜と少年によって撃破された。Ⅱ型の方もどうやらどうやら壊滅したようだ。

 

『頃合いだな。これより作戦の第二段階に移行する。間違っても墜とされるような無様を晒すなよ?』

 

「ああ」

 

「ふっ。誰に言ってる?」

 

『ならいいが』

 

 とりあえず先にテルミドールに任せる。

 

「さて……マクシミリアン・テルミドール、アンサング……出るぞ!」

 

 甲高い音を出しながらOBで目標へ向かった。

 

 これが新しい戦いの初戦となるのだった。

 

                               next time

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもお久しぶりですクライシスです。

最近仕事が忙しくまた、スランプに陥っていたため投降がかなり遅れました。

なるべく頑張りますがあまり期待しないで下さいorz

 

ではまた会いましょう

 

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