No.660476

ランドシン伝記 第14話 白百合-騎士団

ヴィル達は木人により保護されていた。
一方、追っ手として、女性を中心とした
騎士団、白百合-騎士団がヴィル達に迫って
いるのだった。

2014-02-04 18:28:21 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:203   閲覧ユーザー数:203

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第14話 白百合(しらゆり)-騎士団

 

 ヴィルは夢を見ていた。

 それは-かつての情景だった。

 騎士を目指す仲間と、笑い、泣き、共に励(はげ)んだ、そんな記憶。

 

ヴィル(ああ・・・・・・これは夢だ。夢に違いない。そうだ。

    この頃は、楽しかった。人生が輝いて見えた。

    未来に道が-あると信じていた。

    でも・・・・・・大人になり、現実をしり、道が閉ざされて

    いる事を知り、それでも抗(あらが)い続け・・・・・・そして・・・・・・)

 すると、ヴィルの目の前にはヒヨコ豆-団の仲間達の姿が映った。

ヴィル(それでも、お前達が居たから、俺は歩み続ける事が

    出来たんだ・・・・・・)

 そして、ヴィルの意識は目覚めた。

 

ヴィル「う・・・・・・」

 ヴィルは上半身を起き上がらせ、周りを見渡した。

 そこは草で出来たベッドだった。

ヴィル「・・・・・・そうか、俺は毒を受けて・・・・・・」

 すると、トゥセとアーゼが入って来た。

トゥセ「ああッ!団長―ッ!お、起きたッ!団長が目を覚ましたぞッッッ!」

 と、トゥセは叫んだ。

 そして、ドタバタと音がして、モロンやカシム達が入って来た。

モロン「団長―ッ!」

 そう言って、半泣きになりながら、モロンはヴィルに駆け寄った。

ヴィル「ごめんな、心配かけて」

 と、ヴィルはモロンの頭を撫(な)でながら言うのだった。

トゥセ「うぅ、団長ーーーッ!」

アーゼ「団長ーッ!」

 と、二人もヴィルに駆け寄るのだった。

 そして、ヴィルは少し困りながら、トゥセとアーゼの頭を

撫(な)でるのだった。

 そして、トゥセ達が落ち着いたのを見計らい、ヴィルは

口を開いた。

ヴィル「俺は-どれくらい眠っていた?」

カシム「三日ほどです。それと、湯薬(とうやく)を飲んで下さい」

 そう言って、カシムは薬草で煎(せん)じた湯をヴィルに渡した。

ヴィル「ああ・・・・・・」

 そして、ヴィルは湯薬を飲むのだった。

ヴィル「苦(にが)いな・・・・・・」

カシム「ぬるま湯もあります」

ヴィル「ああ、ありがとう」

 そう言って、ヴィルは湯を飲んだ。

ヴィル「ふぅ・・・・・・。ここは古(いにしえ)の森か?」

アーゼ「はい。ツリー・フォートさん達に案内されて、

    古の森の奥、この安らぎの森へ着きました」

ヴィル「そうか。安らぎの森・・・・・・。懐かしいな」

トゥセ「団長。体、大丈夫ですか?どっか、痛んだり

    しませんか?」

ヴィル「いや。大丈夫だ。明日にでも、ここを発(た)とう。

    追っ手が来るかも知れない。ツリー・フォート

    の人達に迷惑をかけられない」

モロン「でも、団長。本当に大丈夫なの?」

ヴィル「ああ。俺を信じてくれ」

モロン「うん・・・・・・」

カシム「皆さん、ヴィルさん-の診察を行うので、一旦(いったん)、

    部屋から出て頂けますか?」

 とのカシムの言葉に、皆は部屋を出るのだった。

カシムは手をヴィルにかざし、あちこちの気の流れを

調べだした。

ヴィル「カシム・・・・・・。どうだ?」

カシム「・・・・・・全体的に気の流れが滞(とどこお)ってます。本調子

    では無いのでは?」

ヴィル「お見通しか・・・・・・。だが、剣は振れそうだ」

カシム「毒の作用で関節や背が痛んでいます。あまり、無茶を

    なさらないで-ください」

ヴィル「ああ・・・・・・。ところで、俺は三日も寝ていたのか。

    その間、もしかして、カシムが世話をしてくれたのか?」

カシム「はい。私とケシャ殿で交代で」

ヴィル「ケシャさん-が?」

カシム「はい。ケシャさん-は猫からヒト型と化した時も、人間と

    比べると小さいですが、中々、器用にシーツや服を

    替(か)えていましたよ」

ヴィル「後で礼を言わないとな。ああ、カシムも-ありがとな」

カシム「いえ。昔から、病人の看病をよくしていたものでして。

    その経験が活(い)かされたのなら幸(さいわ)いです」

ヴィル「・・・・・・本音を言うと、明日、発つには体がキツイ。

    だが、せねば-ならない。一週間ほどでいい。体を

    動かしたい」

カシム「・・・・・・分かりました。針の療法を施してみます。

    ただ、これも一時的なモノです。しっかりと、

    休息をとらないと、体が壊れてしまいます」

ヴィル「分かってる。船に乗りこむまでだ。そしたら、

    ぐっすりと休んでいるよ」

カシム「ええ、そうしてください。では、針の治療の用意を

    して来ます。その間、トゥセさん達と話してあげて

    ください」

ヴィル「ああ」

 

 ・・・・・・・・・・

真夜中、ヴィルは部屋をこっそり抜け出していた。

 そして、ヴィルは剣を素振りし、その感覚を確かめていた。

 すると、ツリー・フォート(木人)のテヒシが-やって来た。

テヒシ「ヴィルよ。あまり、無茶をするな。体が壊れては

    もともこうも無いのだぞ」

ヴィル「ああ・・・・・・。ただ、剣の感覚を確かめておかないと、

    って思ってさ。でも、もう大丈夫。最低限、勘は

    取り戻した」

テヒシ「そうか・・・・・・。ヴィルよ、お主は強いな」

ヴィル「いやいや。俺なんか、まだまだで、聖騎士だった頃

    だって、俺より強い騎士は-いくらでも居て」

テヒシ「だが、この古の森に-魔の大蛇すみついた時、それを

    退治できたのは、ヴィルよ、お前だけであったぞ」

ヴィル「あれは運が良かったんだ。酒好きの蛇で、助かったよ」

テヒシ「だが、いくら酔わせても、大蛇の力は強大であった。

    あの死闘、いまでも思い出す。我ながら、あの戦いを

    思い出すと、全身の管(くだ)という管(くだ)が、

    小気味よく震えおる」

 と言って、テヒシは嬉しそうに笑った。

ヴィル「・・・・・・なぁ、テヒシ。本当に良かったのか?俺達を

    一時とは言え、かくまってしまって?」

テヒシ「何を言う。森の恩人を追い返せると思うのか?」

ヴィル「ほんと、義理堅いな」

テヒシ「ヴィルよ。多くの人間やエルフやドワーフ、そう言った種族は、

    ワシら、木人(きびと)を気むずかしい種族と思って

    おる。だが、ワシらは-森を愛し、森に恩恵を与える

    モノには、最大限の礼節を尽くすのだよ」

ヴィル「俺は森に対し、何も出来てないよ。火を使う時には

    薪(まき)を使うし・・・・・・」

テヒシ「フム・・・・・・。ヴィルよ。それには-あまり気にするな。

    ワシの親である木人は-かつて黒の女皇帝に哀願され

    た事がある。女皇帝は泣きながら、ワシの親に頼んだ。

    『どうか、お願いです、国を守るため、大量の薪(まき)が

必要なのです。そのために木を切り倒す事をお許しください』と」

ヴィル「それで?」

テヒシ「ワシの親は快く、女皇帝に木々を与えた。

    ヴィルよ。ワシ等(ら)は木であって、木で無い。

    ただ、ワシ等(ら)は森の一部ではあるのだ。

    だから、礼節を持って木を切り倒す分には、

    ワシ等は何も言わん。

そもそも、ワシ等も移動する時に、木や草を

踏みつぶしてしまう事も、多いしの」

 と言って、テヒシは-お茶目に笑った。

ヴィル「そっか・・・・・・。でも、テヒシの親は-じゃあ、

    ミズガルドに住んでいたのか?」

テヒシ「そう・・・・・・そう、その通りだ。黒の女皇帝は、

    我々、木人に報いてくれた。いや、木人に

    対してだけで無い。あらゆる少数種族を

    保護してくれた。だが、愚かな人間どもは

    彼女を・・・・・・彼女の作った理想郷を・・・・・・」

 そう言って、テヒシは怒りに体を震わせた。

ヴィル「・・・・・・なぁ、テヒシ。女皇帝の作ろうとした世界、

    その世界は現実に本当に出来るのかな?あらゆる

    種族が普通に暮らせる世界。そりゃ、異種族で

    戦ったりする事は-どうしたって有るだろう。

    でも、それでも、互いを最低限、ヒトとして

    認め、殺す事に罪悪感を覚える、そんな、

    本当は当たり前の世界が・・・・・・」

テヒシ「・・・・・・分からぬ。だが、ヴィルよ。お前のような

    ヒトが増えれば、それも可能では無いのか?」

ヴィル「賛同者は全然、居ないけどな」

テヒシ「ヴィルよ。正しさとは中々に受け入れられぬモノ

    なのだ。特に-それが世界の常識と-かけ離れていた

    場合は特にな」

ヴィル「かもな・・・・・・」

テヒシ「今は耐えるのだ。種をまいても、芽吹きには時間が

    かかる。花が咲くのは、さらにだ。

    ただ、ただ・・・・・・その時を待つのだ」

ヴィル「その時・・・・・・」

テヒシ「ヴィルよ。もう、部屋に戻れ。大分(だいぶ)、冷えてきた。

    肩を冷やしては良くない」

ヴィル「そうだな。ありがとう、テヒシ」 

テヒシ「気にするな。友よ」

 と言って、テヒシはニッコリと微笑(ほほえ)むのだった。

 

 ・・・・・・・・・・

 白百合-騎士団の隊長であるミリトは夢を見ていた。

 そこでは、ミリトは聖騎士の面々の前で、必死に意見を

述べていた。

ミリト「故に私は、女性を中心にした新たな騎士団の創設を

    提唱します」

 と、ミリトは言うのだった。

 それに対し、多くの聖騎士が賛同した。

聖騎士A「まぁ、悪くも無かろう。女性で魔力を持つ者も多い。

     それを人材として活用するのは正しいであろう」

聖騎士B「元老院も女性の議員を増やすように努力をしておる

     しな。騎士団だけが-その流れを無視するワケにも

     いくまいて」

 すると、聖騎士ローが挙手した。

ロー「私は反対です。確かに、その理念は納得が行きますし、

   いずれ必ず行(おこな)わねば-ならない事でしょう。

   しかし、現状で行(おこな)っても、ロクな結果には-

   ならないと思われます」

 すると、老将軍ダンファンが口を開いた。

ダンファン「何故そう思う、聖騎士ローよ?」

ロー「心構えの問題です。ここに記(しる)されている資料では、その

   騎士団の人員として、ミリトさん、君の子飼いの部下

   達を登用したいとの事だが、これは-いかがなモノかと」

 それに対し、ミリトは毅然(きぜん)と反論した。

ミリト「しかし、聖騎士ロー。彼女らの実力は私が保障します。

    もし、お疑いならば、何かしらの試験を行って頂きたい」

ロー「・・・・・・試験では計れない強さも-あるんだよ、ミリトさん」

 とのローの言葉に、ミリトは唇を噛(か)んだ。

 

 会議は終了し、ミリトはローのもとに詰め寄った。

ミリト「聖騎士ロー。どうして、反対なされるのですか?

    どうして」

ロー「別に私は-いじわるで、あんな事を言ったワケじゃないよ。

  ただね、考えて見て欲しい。聖騎士とは国を守る為(ため)に命を

  捧げるのだ。その意味を」

ミリト「私を含め、彼女らも、その覚悟を十二分に持っております」

ロー「口だけなら何とでも言える。しかし、そもそも何故、

君は女性の騎士団を創設したいと思うんだね?」

ミリト「それは、女性の社会的な地位が未だ、低くあるからです。

    現に騎士団では女性の数は限られているでは無い

    ですか」

ロー「しかし、だね。君の乳母である聖騎士エリーのように、

   優秀な女性は-きちんと採用されているのだよ」

ミリト「ですが、それにしても少なすぎます。それに、エリーは

    コネで採用されたと聞きますが」

ロー「・・・・・・ミリトさん、本気で-そう言っているなら、君の

   目は節穴(ふしあな)だね。むしろ、私としては、君の方を

   聖騎士と呼ぶのに-ためらいがあるよ」

ミリト「なっ・・・・・・」

ロー「私はね、男女の差別が-あってはいけないと思っている。

   だからこそ、女性の優先枠を作るのでは無く、完全な

   実力主義で騎士は登用されるべきだと思っている。

   しかしだね。君は知らないだろうが、騎士の実技での

   女性の合格者の割合は、確かに、非常に少ない。しかし、

2次試験である面接に合格する女性の割合はね、その

数倍はあるんだよ」

ミリト「どういう事でしょう?」

ロー「つまり、面接において、女性は圧倒的に優遇されている

   んだよ。分かるかい。一般職は別にして、騎士や官僚と

   いった職業においては、女性は簡単に試験を通る事が

   出来る。しかし、現状、確かに、女性で上の立場にいる

   者は少ない。何故か。それは甘えがあるんじゃないかな?」

ミリト「甘え・・・・・・?」

ロー「つまり、騎士において言うなら、一生を剣の道に捧げる

   覚悟が-あるかと言う事だ。男性の騎士志望は、幼い頃

   より-それだけのために生きてきた。しかし、君の部隊の

   女性達は-どうだ?一生を剣に捧げる覚悟で生きてきたか?

   そして、これからも生きていく覚悟があるのか?」

ミリト「と、当然ですッ!私は現に人生の大部分を剣に費やして来ましたッ」

ロー「だが、君以外の面々はどうだ?一度、君の子飼いの部隊を

   見た事があるよ。ずいぶんと、キャピキャピしていた

   ね。それで、将来は聖騎士の誰かと結婚したいとか、

   言っていたのを耳にしたよ。私はね、妊娠し、子育て

   する期間を一時的に休職するのは問題ないと思って

   いる。むしろ、その経験は剣技においても役だったり

   するだろう」

 と言って、ローは言葉を区切った。

ロー「しかしだね。その後、騎士を辞めて、主婦になられたん

   じゃ、こちらも困るんだよ。騎士団は男を漁(あさ)る場所じゃ

   無い。第一、騎士を育成するのにも-かなりの金が必要

   なんだ。だからこそ、騎士に甘い気持ちでなられても

   困るんだ。それに・・・・・・」

ミリト「なんです?」

ロー「君達は弱いよ。非常にね」

 とのローの言葉にミリトは怒りを抑えるので精一杯だった。

ミリト「確かに・・・・・・私達は弱いかも知れません。

狂戦士ローと呼ばれる貴方(あなた)からしてみると。

しかし、私達は懸命に鍛錬を積んで来ました。

第一、女性の方が男性より肉体的に不利なワケで」

 とまで言って、ミリトは言葉を止めた。

 今、ローは悲しげな目でミリトを見ていた。

ロー「それを言ってしまったらお終いだよ、ミリトさん。

   それは魔力を持たないヒトの話だ。確かに、筋肉の

   量は女性より男性の方が多いだろう。しかし、魔力の

   量は女性の方が男性より多いワケで。現に、多くの

   女性の剣士、騎士は居る。かの黒の女皇帝シャーリアも

   世界最高の剣士と称されたワケで」

ミリト「わ、私は・・・・・・黒の女皇帝シャーリアに幼い頃より

    憧れていて・・・・・・」

ロー「女皇帝は悲しいまでに男女に差別はしなかった-と言われる。

   女性の騎士団を彼女は創設したが、その女性の騎士達は、皆、

   体格が良く、筋骨隆々(りゅうりゅう)で、非常にたくましく、

   頼もしかったとされる。そう、君の乳母(うば)の聖騎士

   エリーのようにね」

ミリト「そ、それは・・・・・・」

ロー「戦場で魔力切れを起こしたらどうする?その時、仲間が

   死にかけていて、脱出せねば-ならなかったら?重装備

   の上に、仲間を背負って脱出する筋力は最低限、必要

   なのでは無いか?君の子飼いの娘達に-それが出来る

   のかい?見たところ、細身ばかりだったけど。

   別に見た目が細身でも、実は力が強ければ問題は

   無いが。剣聖シオンのギルドに居る元-聖騎士のエレナ

   のようにね」

ミリト「・・・・・・ッ、確かに、今の彼女らは弱いかもしれません。

    ですが、いずれ必ず、鍛え上げた姿をお見せいたします。必ずッ」

 と、ミリトは瞳に闘志の炎を燃やしながら答えるのだった。

 それをローは困った顔で見ていたのだった。

 

 ミリトは目を覚ました。

 そこはテントの中だった。

ミリト「さぁ・・・・・・追跡の開始だ。見ていろ、聖騎士-ロー」

 と、低く呟(つぶや)くのだった。

 

 ・・・・・・・・・・

トゥセ「ウオオオオオッ」

 と叫び、トゥセは起き上がるのだった。

アーゼ「ど、どうしたトゥセ?」

トゥセ「や、やべぇ、悪夢を見ちまったぜ・・・・・・」

アーゼ「あ、そう・・・・・・まだ早いから寝るな。お休み」

トゥセ「待ってくれよアーゼ。俺の悪夢を聞いてくれよ」

アーゼ「・・・・・・簡潔にな」

トゥセ「あ、ああ・・・・・・。最初、それは素晴らしい夢かと

    思ったんだ。人間の女の子と追いかけっこして

    遊んでたんだ、俺が。『待ってー』とか言われちゃ

    ってさ」

アーゼ「あ、そう」

トゥセ「だ、だがな、しばらくすると様子が変わりだした。

    その女の子が完全武装して、剣を片手に『待てー』

    とやり出した。しかも、何か、女の子の人数が急に

    増えだして、俺を捕まえようとするんだ」

アーゼ「ふーん」

トゥセ「その上、反撃しようとすると、『いやーん、止めてー』とか

    言って、奴ら泣き出すんだ。どうしろって言うんだよ・・・・・・」

アーゼ「さぁなぁ。まぁ、でも、女の子に囲まれて良かった

    じゃないか」

トゥセ「お、お前なぁ。この悪夢は-ただごとじゃ無いぜ。

    きっと、何か嫌な事が起きるに違いない。

    だから、アーゼ、お互い用心しよう・・・・・・って、

    寝るなー」

 しかし、アーゼは完全に熟睡しており、トゥセの話を

無視していた。

 

 そんな中、白百合-騎士団は着々とヴィル達のもとへと近づいて来ているのだった。

    

 ・・・・・・・・・・

 一人の若く壮麗(そうれい)なエルフの剣士が地図を片手に、森を歩いていた。

 彼こそは、ヴィルの剣を質屋(しちや)で買ったクオーツであった。

クオーツ「うん・・・・・・かなり近づいている感じだ。早く、

     ヴィルさんに-この剣を渡さないとな」

 そう言って、クオーツは再び歩き出すのだった。

 

 ・・・・・・・・・・

 

 


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