No.659801

リリカルなのは~翡翠の戦士と七つの才牙~

第十九話アリサ対剣也

2014-02-02 12:31:29 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:3581   閲覧ユーザー数:3331

フェイトがクロノに連絡を取ってくれ、アースラの訓練室を借りる事になった。そこで一旦すずかの家に向かい、エイミイさんがすずかの庭からアースラに転送してくれた

 

「そう言えば杏樹ちゃんとローズちゃんは良いの?」

 

なのはが二人の事を思い出し、聞いて来た

 

「今日はお母さんが迎えにいくって」

 

剣也の代わりにアイが答えた。そんな会話をしながら歩いていた

 

「主はやて!」

 

剣也達の前方から声を掛けてくる人がいた。

ピンクの髪をポニーテールにした女性…シグナムだった

 

「シグナム?今日はお仕事休みやった筈やろ?何でここにおるん?」

 

「折角の休暇ですが最近自己鍛錬を行っていなかったもので。少し訓練室で身体を動かしてました。主達は何故アースラに?」

 

「剣也君達の模擬戦を見るためや」

 

「…ほう」

 

それを聞いたシグナムの目の色が変わった

 

「…柊」

 

「?なんです?」

 

「私とも模擬戦をしないか?」

 

「?…何でまた?」

 

「お前は以前私達と出会った時に剣を使っていたな?」

 

ーあぁ、使っていたな~そう言えばーと剣也は思い出していた

 

「同じ剣を振るう者同士、是非手合わせ願いたい!」

 

物凄く目を輝かせながら言うシグナム

剣也は剣也で考えていた

 

「(…どうする?今断ればしつこく誘われるだろうし、もしかしたら此れからもここの訓練室を使う機会があるかも…アリサに他の人達との実戦経験を積ませるのにも丁度良い…引き受けた方が良いな、アリサの模擬戦の後で)…良いですよ、アリサとの模擬戦の後で良いですか?」

 

「?別に良いが…それだと柊が不利ではないか?」

 

「大丈夫です、ウィル」

 

「はい、DLCモード起動」

 

ウィルがDLCモードを起動させ、剣也の回りに疑似リンカーコアが出現した

 

「アリサとの模擬戦はDLCモードを使うんで」

 

「DLCモード?」

 

魔導師組は不思議そうに言ったのでアイが説明してくれた

 

「リンカーコアを疑似的に作るとは…」

 

「剣也君、凄すぎやろ…」

 

それを聞いたシグナムとはやては驚きを隠せなかった

 

 

「言っとくけど手加減しないわよ!!」

 

「此方もそのつもりだよ」

 

刀になった華炎を持つアリサとソードフォームになったウィルを持つ剣也はバリアジャケット(アリサのバリアジャケットは『魔法少女リリカルなのはINNOCENT』のデザインです)を展開して訓練室でお互いに向かい合うようにしていた

 

 

 

 

「そう言えばなんでアリサちゃんバリアジャケット展開出来るの?」

 

「そう言えばそうね…リンカーコアの反応も無いし」

 

観戦室ではエイミィとリンディが不思議そうに言った

 

「それは僕も気になっていた」

 

クロノもそれに賛同した

 

「デバイスにリンカーコアを組み込んでいるそうです」

 

すずかがその疑問に答えてくれた

 

「「「………え?」」」

 

教えられた三人は驚いて固まってしまった

 

「(剣也…勧誘の嵐が酷くなるよ…)」

 

アイが心の中でそう呟くのだった

 

 

「「…始め!!」」

 

ウィルと華炎の言葉に同時に両者は一直線に突っ込んだ。

そして

 

「「ハァ!!」」

 

共に渾身の力で袈裟斬りを放った。

剣がぶつかり合った瞬間、周囲に響くほどの衝撃波が走る。

 

「クッ・・・・・・」

 

数瞬、そのままの体勢で固まっていた2人 だったが、やはり武器の種類からなる戦闘方法の違いからか、力押しでは剣也の方に分があった。

 

「シッ!」

 

だからこそ、アリサは剣也の剣を右下に逸らすことで力を受け流し剣也の体勢を崩した。

 

そこで、刀を翻し上から振り下ろす。

 

「甘い!」

 

だが、剣也は瞬時にウィルでそれを平然と受けとめた。

 

そして、それを払い除け、お返しと言わんばかりに斬りかかる。

 

「「ハァァ!」」

 

お互いの剣戟が火花を散らす。一閃・・・・・・また一閃と。

 

その数は最早20合を優に超えているが、その太刀が相手にはまだ触れてもいない。

 

打ち込み、捌き、切り返す。

 

これ等の繰り返しも、並みの剣士の範疇を遥かに超えているのだ。

 

「フンッ!」

 

剣也の力強い剣が頭上から振り下ろされる。

 

相対する敵にしてみれば、視認することさえ叶わない神速の一撃。

 

だが、アリサの刀がそれを阻む。

 

斜めに構えた刀の切っ先が剣也の剣の軌道を僅かにずらし、さらには体を半身にするこ とで攻撃の射程から逃れたのだ。

 

これによりウィルが空を切る。

 

その隙に剣也の首筋を狙うが・・・・・・当然阻まれる。

 

「やるな」

 

「そっちこそ」

 

剣戟が40合を越えたあたりで戦局が一変し た。

 

両者ともに埒が明かないと判断したのだろう。

 

同時に距離をとり、そして・・・・・・・・・・・・同時に空へ飛んだ。

 

(ここ!)

 

先手を打ったのはアリサの方だった。

 

剣也に真正面から突撃する・・・・・・・・・・・・ と思った瞬間にはすでに側面に回りこんでいたのだ。

 

「何っ!?」

 

左・・・・・・かと思えば背後から。

 

後ろに意識を傾けた、その次の瞬間には頭上から。

 

それはまさしく縦横無尽と呼ぶに相応しい動きだった。

 

これにはさすがの剣也も足を止め、迂闊に動くことが出来ない。

 

「成る程…俺も教えていない事を身に付けたか!」

 

剣也は、アリサが教えていない事を自分なりに見つけ、身に付けている事を嬉しく感じていた。

 

そして、その戦いを画像から見ていたフェイトは胸中で密かに呟いていた。

 

「(天撃ってあんなことも出来るんだ・・・・・・)」

 

補足としてアリサのスピードは確かに速いが、フェイトより数段遅い。

 

ならば何故剣也は、ハンデで覇気や念を使ってないとはいえアリサの動きについていけないのか?

 

その理由は、アリサの移動方法にあった。

 

アリサは風の天撃を使って初速から瞬時に最高速度を出すことと、速度を極力殺さない急激な方向転換という2種類の動きを身に付けているのだ。

そのため、人の動体視力ではその動きを捉えきれず、結果としてアリサを見失ってしまうだ。

だが、この動きも種が割れていればそこまで脅威とはいえない。

なぜなら高速移動魔法や高速機動魔法などと比べ、スピードそのものが速くなっているわけ ではないからだ。

動きに慣れてしまうか、少し距離をとれば十分に対処できる。

だからこそアリサは空に上がった直後にこの動きを出したのだ。

相手がこの動きを捉えきる前に。

この一撃で仕留めるために。

 

「ハァ!」

 

左斜め後ろ、死角からの一閃。

体勢、速さ、タイミング、あらゆる要素が万全とされた必殺の一撃。

 

これにはアリサも直撃を確信した。

 

確信した・・・・・・はずだった。

 

「ウィル!!」

 

「パンツァーガイスト」

 

その一撃は"パンツァーガイスト″の全力展開により威力の大半を削がれてしまった。

剣也のバリアジャケットの肩が浅く裂けた・・・・・・が、ダメージなどさしたるものでもない。

むしろ、攻撃が失敗したこの隙を狙うかのように、剣也の剣が奔る。

 

「くっ!」

 

かろうじて刀で受けたが、衝撃で数メートルは後退してしまった。

 

「いい一撃だったけど、まだまだだね」

 

その言葉を皮切りに、再び剣戟が開始される。

地上で斬りあっていた時のように、一進一退の攻防が繰り広げられている。

その戦いぶりになのは達はおろか、リンディたちも舌を巻いた。

 

 

「す、凄い…」

 

「これが…天撃使い同士の戦い…」

 

などと、感嘆しているなのは達

 

「・・・・」

 

シグナムは二人の剣士の動きに見入っていた

 

 

「「天撃の…」」

 

二人は距離を取り、天撃を繰り出す策に変えた

 

「雷弾!!」

 

「火炎!!」

 

剣也は雷の玉を投げたのに対しアリサは火の玉を投げてそれを相殺

 

「天撃の影縛(えいばく)!!」

 

さらにアリサは剣也の影から糸を出し、縛り付ける事により動けなくした後…

 

「天撃の火柱!!」

 

火を矢のようにして放った

 

「甘い!!天撃の気流!!」

 

剣也はそれに対し自分の回りに風の流れをお越し、受け流した

 

「天撃の石柱!!」

 

剣也はアリサの回りに石柱を囲う様に展開した

 

「んなっ!?…天撃の……っ!!!??」

 

アリサは天撃で壊そうとしたが固まってしまった

 

何故なら………

 

 

 

 

 

 

 

巨大な氷塊が真上にあるから

 

「天撃の氷塊…まだ続ける?」

 

石柱を壊そうとすれば確実に落とされる

 

「ま、参りました…」

 

アリサは降参したのだった


 
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