No.642153

一刀の晋王転生録 最終章十話

k3さん

一刀と鐘会の会話が終わる頃、劉備は諸葛亮と対峙する。
彼女から発せられる想いとは?

2013-12-02 20:09:36 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2046   閲覧ユーザー数:1809

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第十話

   「諸葛亮の想い」

 

 

 一刀と鐘会の会話が終わろうとしていた頃、諸葛亮の率いる軍団と戦っている劉備軍と董卓達は彼女の知略により苦戦を強いられて

 

いた。そこで董卓軍は劉備軍だけでも諸葛亮のところまで進軍させる事にする。

 

「劉備さん! 此処は私達が道を開きます! ですから貴女達は諸葛亮のもとに!」

 

「あ、ありがとうございます董卓さん!」

 

 劉備は迷う事無く月の提案に乗り、この場を突破することにする。

 

(劉備さん……どうか無事で)

 

 月は祈る。

 

 自分と同じような志を持つ仲間の無事を。

 月達の力を借り、ついに劉備と趙雲は諸葛亮のもとに辿り着いた。

 

「朱里ちゃん! どうしてこんな事するの!? せっかく乱世が終わろうとしているのに!」

 

「もう一度乱世に戻し、貴女の天下を作る為」

 

 諸葛亮は淀みなくそう言った。

 

「私は天下を望んだ事なんて一度も無い! どうしてそこまで私に拘るの!?」

 

「王になった時、それが通用すると思いでしたか? 王になった時、貴女は多くの想いを背負う立場になったはずです。そして、貴女

 

にはその期待に応える義務があったはずですよ」

 

「そ、それは……」

 

 彼女の言う事は確かに劉備も感じていた。だからこそ、劉備は夷陵の戦いを起こすまで自分の願いを表に出すことが出来ないでいた

 

のだ。

 

 故に劉備は言い淀んでしまう。

 

「黙れ! 朱里よ!」

 

 それを打ち消すように趙雲が怒鳴る。

 

「そもそも我等が桃香様を主として崇めたのは野心が無く、清い心があってこそだ! ならばその心を守り、少しばかりでもその願い

 

を叶えるのが道理では無いのか!? だと言うのにお前は桃香様に天下を獲るという野心を植えつけるかのように言うのはどう言う事

 

だ!? それでは本末転倒という奴では無いか!?」

 

「うるさい……」

 

 その時、諸葛亮は表情やしぐさが一変した。それこそ子供が泣き喚くように。

 

「うるさいうるさいうるさいうるさい! 貴女達には分からない! 私の苦しみは! 私が! 私が今までどれだけ苦しんできたのか

 

分からないくせに! 国を保つ為に本当はやりたくも無い反乱分子の暗殺! そして餓えに苦しむ者達の見殺し! さらには策による

 

犠牲! 私がどれだけ手を汚してきたのか分からないくせに! それが、それが! 何一つ報われないなんて! そんなの! そんな

 

の耐えられない!」

 

 そう、それこそ、諸葛亮の暴走の根源だった。彼女は自ら率先して手を汚してきた。しかしだからと言って心が蝕まれないとは限ら

 

ない。

 

「私は報われたい! 自分の行いを! だから! だから私は劉玄徳の天下を望む!」

 

 故に鐘会に付け込まれた。その報われたいという想いを。

 

「ほざいたな朱里! それが反乱の理由か! 桃香様の義務だの言っていたが、結局は己の我侭では無いか! 最早見るに耐えん! 

 

かつての仲間として、お前は私が討つ!」

 

 趙雲は諸葛亮の言い分に怒り、武器を構え、突撃する。彼女を討つために。

 

 そんな中、劉備は俯き、両手を強く握っていた。

 

(ああ、やっぱり……私のせいだったんだ)


 
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