No.63411

少年と魔法のゲーム

雲雀さん

第二作目です。コメント、感想待ってます。

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2009-03-15 11:05:23 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:404   閲覧ユーザー数:381

第一章 プロローグ

「わーい。待ちに待った、春休み。さっさと、宿題(?)を終わらせて買ってもらった新しいゲームしよ。」

「直(なお)輝(き)。帰ってきたんだったら、早く宿題しなさい。」

この直輝と呼ばれた少年は、現在小学校3年生。12月5日生まれで、B型。頭は、良い方で好きな教科は、算数。ちなみに、嫌いな教科は国語の漢字。理由は、覚えるのがめんどくさいから・・・。

要領はいい様で、しかしどこか抜けている。今日から、楽しい春休み。直輝は、春休み前に買ってもらった新作ゲームを、早くやりたいようでいつもなら、寄り道してのんびり帰っているのだが、今日は違う。

「よし、やるぞー。やった、今日は算数しか出てない。さっさと、済ませてお母さんに預かってもらっているゲームを返してもらお」

 

                ――3分後――

「終わったー。お母さん、宿題終わったから、ゲームしていい?」

嬉しそうに、言う直輝に下から声がする。

「いいわよー。下に取りに来てね。」

その返答を待っていたかのように、階段を下りる足が自然に速くなる。

「あんまり、長くゲームしちゃダメよ。」

「はーい。分かってるよ。」

そう言われて、いつもの様に答える。しかし、直輝はこの後思いもよらない出来事に戸惑う。

 

            第二章 始まってしまったゲーム

「始めるぞ。」

ピッピピピピピ。

『あなたのお名前は?』

「優輝、っと。」

『では、あなたをゲームの世界へと連れてってあげましょう。』

「ゲームの世界?ああ、ゲームが始まったのか。」

『さあ、行きましょう。ジャフィーへと・・・』

そう書かれた、画面が突然光りだした。眩しく直輝はゲーム画面に、吸い込まれていった。

 

               第三章 ゲームの世界

ドサッ!

「いってぇー。ここどこだ?」

直輝に前に見えたのは、森、草花、そしてどこまでも続いていそうな、野原。

「うわー。きれいな所。あれ、でも俺って自分の家にいたような・・・でも、まっいいか。こんな所来たことのないし・・・。」

初めての所に、戸惑いそして心が高ぶる。そして、目的を失う。もといた世界へと帰るということを・・・

「あなたは、どこからきたのですか?」

そう話しかけてきたのは、エルフのように、耳が尖がっており、とても可愛らしいお淑やかな少女。そんな事を考えていると、また話しかけてきた。

「どうかしましたか?」

「俺は、こことは違う世界から来た。この世界とは違う世界。なぜか俺は、こんな所に来てしまった。なぜだか分からない。そういえば、お前は誰?」

「私は、この世界『ジャフィー』の住人。名前は、ミカ。そしてあなたは、誰なのですか?」

「ああ、俺は直輝。この世界とは別の世界から来たんだ。」

そう答えたとたん、ミカが、嬉しそうな顔をする。

「当たった。キリカ様の予言が当たった!えっと、これで何回目だっけ・・・あっ!5万6321回目だ!やっぱり、キリカ様はすごいです。」

ここから想像できる、ミカの性格は無邪気で元気な性格。

「ジャフィーってどこだよ。そんな所聞いたことないぞ。しかも、予言が当たった?じゃあ、俺がここに来るのが分かっていたのか。それなら、止めることも出来たのに・・・なぜ。」

「キリカ様の予言は誰に変えることは出来ない。今までたくさんの人が、キリカ様の予言を変えようとしたが、皆失敗し死んでしまった・・・そして、キリカ様もが諦めていました。だから、直輝が呼ばれたのです。そして、直輝が未来を変える。さあ、早くキリカ様の元へ。そうすれば、全てが分かる。」

「何言っているんだよ。急に、言い出して何が、俺がこの世界を変える?何言っているんだよ。」

戸惑いを隠せない直輝だったが、段々と冷静になっていく。そして、話が段々と見えてくる。

「俺が、この世界を変える?こんな俺が、世界を変える・・・未来を変える」

「そうです。あなたしかできない事なの。あなたは、ほかの人間とは違って未来を変えられる不思議な力がある。ほかの人間にはない力がある。その力で、私たちの世界ジャフィーの未来を救ってください。」

 

               第四章 キリカの元へ

「キリカ様。5万6321回目の予言も当たってしまいました。しかし、予言の別の世界の少年をお連れいたしました。」

報告を済ませると、直輝も早く自己紹介をというように手を差し出す。

「あ、あの。キリカ様?俺の名前は、直輝です。俺に何が出来るのかわからないけど、帰り方も分からないので来ました。」

キリカという少女は、とても静かだが本当はもっと元気にいたい様だ。そんなキリカを見て『かわいそうだなぁ』と思った。そう思いながら、周りを見るとたくさんの人(?)がいた。そして、その訳が分かった。

「雄喜(ゆうき)様がなぜこのような所に・・・」

兵士の一人が驚いた様子で言っている。その方を見ると一人の、少年が立っていた。

「僕がここにいてはいけないのですか?それはそうと、さっきからキリカの隣にいる人は誰なのですか?」

突然現れた、雄喜という人物に不信感を覚える。

「こちらは直輝さんよ。直輝さん?初めまして、そんなに硬くならなくていいよ。私の名前は、キリカです。キリカと呼んでくれますか?」

「別に、いいけど・・・こんな話し方でいいの?」

そう言うとキリカは嬉しそうに、頷いた。

「せっかく、来てくれたのにごめんなさいね。あなたには、何も出来ない。ミカから聞いたと思うけど、私の予言は、必ず当たるの。だから、誰にも止められない。」

涙ぐむキリカに、言葉をかける直輝。

「未来は、まだ決まってないんだ。ただ、皆が変えようとしないから予言の通りになってしまうんだ。ずっと前、俺がまだ小さな時にじいちゃんに聞いた事があるんだ。」

『未来は、自分で決めろ。どっかに、「未来はすでに決まっている」と言っている奴がいるが、そんな、奴には言わせておけばいい。未来は、まだ決まっていないんだ。俺は、もっと若い頃に不思議な世界へと行った事があるんだ。皆信じてくれないがな。その世界の名は、ジャフィー。その世界に、予言者がいて、そいつと仲良かったんだがな。また行けたらいいんだが・・・。』

話が終わった後、直輝ははっとした。今、いる世界と、じいちゃんが言っていた世界とが同じ世界なんだと・・・そう思ったのは、直輝だけじゃなかった。キリカ、ミカ他に、その場にいた全ての人がそう思った。

「初めまして。直輝。初めて会って呼び捨てで悪いがいくつか聞きたい事がある。お前の祖父が、この世界に来た事があると言っていたのだな。そして、直輝お前の祖父の名はなんと言うのか?」

「俺のじいちゃんの名前は直(なお)登(と)。」

その名を聞いたとたん雄喜が驚く。

「直登。それが、直輝に祖父か・・・。聞いた事があるぞ。遙か昔、昔と言っても十年か、十五年ぐらい前に、人間界からある一人の人間がやって来た。その人間の名前は直登。直登という人間は突然、西の草原に現れた。西の草原と言うと・・・」

「西の草原と言うと直輝が現れた場所よ。」

 


 
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