No.625697

仮面ライダーオーズ×ポケットモンスター 氷の中で燃える炎・欠ける虹 13話

XXXさん

次回からポケスペ編です

2013-10-06 17:07:20 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1598   閲覧ユーザー数:1582

「…………終わった…のか?」

 

仰向けになって空を見上げるリトはメダルの器内部が爆発している所を見ていた

どうやらタジャドルがやってくれたらしい

そう思っていると、リトの頭上に何かが降ってくる

頭に当たってけっこう痛いが、落ちてきたそれを拾った

 

「…!これは……」

 

それは真っ二つに割れた五色のメダル

偶然にもバラバラにならないでいたのは幸運だった

 

「…ごめんな……」

 

“はっ!何謝ってんだ…?”

 

「!?」

 

割れたメダルに申し訳なく思い、不意に謝るとどこからかアンクの声がした

気が付くと目の前には……アンクを含めた五体のグリードがいる

だが、その姿は半透明で今にも消えてしまいそうだ

 

「アンク…?」

 

“俺達は満たされない存在だ。だが、お前は自分の体を使い俺達に世界を見せた”

 

“けっこう楽しかったよ?君との旅は”

 

“うん、うまいもの、いっぱい食べれた~”

 

“フフ…誰かの為に想う心も理解できたわ”

 

“満足できない俺達グリードが満たされてるんだ。これほど面白い事はない”

 

ウヴァ、カザリ、ガメル、メズール、アンクの順で話す

その姿はもう見えなくなりかかってきていた

 

“俺達はそろそろ行く”

 

“まさかグリードが死ねる何てね…”

 

“バイバ~イ”

 

“また会いましょう、クウガ…平沢梨斗”

 

“悪くなかった……一回しか言わんぞ…あ、り、が、と、う”

 

「ああ…こっちの方こそ…」

 

グリード達は最後の言葉を告げ、消えた

リトはメダルを握りしめながら空を見上げる

 

 

「――忘れない。お前達がいたことを…確かに生きていたことを……絶対」

 

 

 

少し時間を遡る

タジャドルが【ロストブレイズ】を命中させ、ギルの意識が入った紫のメダルは粉々になった

だが、目の前のギルはその体が消滅しかけているにもかかわらず、まだ意識がある

そうとうしぶとい

 

『ぉぉぉぉおおおおお……』

 

「もういい。お前の野望はもう終わりだ!」

 

『…このままでは…すまさん…』

 

とうとう胸の部分まで消えかかっているギルは憎しみを込めた目でタジャドルを見る

タジャドルは何をするのか分からず身構えた

 

「ッッ!?」

 

『貴様の欲望が明日を生きることならば……明日を消すまでよ』

 

「何だと!?」

 

明日を消すとはどういうことか

タジャドルは困惑し、警戒心を強めるが…次の瞬間、ギルは自爆した

それとほぼ同時にメダルの器内部も爆発する

そして響き渡る、ギルの笑い声

 

“フハハハハアハハアハハハ!!!!き…貴様の明日を…奪ってやる…貴様の明日を…奪ってやるぅ!!”

 

「なっ…!?」

 

“ひ…ひひ……ヒャハハハッハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!”

 

笑い声が響き、内部が大爆発…メダルの器は崩壊した

タジャドルは爆風に巻き込まれ、サトシに姿を戻す

無理をして戦ってきたのだろう…再び変身する気力は無さそうだ

 

「(ああ…腕…動かないや…)」

 

弧を描き、真っ直ぐに地面に落ちようとしていたサトシ

だが、サトシは地面につくことはなかった

ふわり、とサトシの体が別の何かに落ちる

羽毛のようで暖かいそれは懐かしさを感じさせた

 

「……?」

 

重い瞼を押し上げながらその正体を確認する

それは――鮮やかな羽毛に包まれた鳥のポケモン…ホウオウ

それだけ確認してほっとしたのか、サトシの意識はそこで途切れた

 

 

 

――――――――。

 

 

「…ぅ…ん…」

 

「ピカピ!」

 

サトシは自分の部屋で目を覚ました

その周りにはピカチュウを含めたサトシのポケモン達

 

「サトシ!」

 

「目が覚めたのね!」

 

ピカチュウの声を聞き、部屋の外からタケシ達がやってくる

この様子だと、けっこう寝ていたらしい

 

「タケシ…皆…?俺、どのくらい寝てたんだ?」

 

「丸々一日だよ」

 

「うん、そうとう疲れていたらしくてね。そのまま寝かせていたんだ」

 

「そうか…。あれ?リトは?」

 

丸々一日寝ていた事に少し驚くも、リトがこの部屋に居ないことに気づく

その言葉を聞いたタケシ達はばつが悪そうな顔をした

 

「リトは……家の外にいるんだ…。いるんだが…」

 

「?いるんだが?」

 

「もう、とりあえず見た方が早いって!」

 

「ってちょ…アイリス!?」

痺れを切らしたアイリスがサトシの腕を引っ張り、家の外に出させる

そのまま家の外の光景を見たサトシは……驚愕した

 

「なっ!?何だよ…あれ…?」

 

それは……空にブラックホールのようなものができ、そこから紫の亀裂が走っている光景だった

 

 

 

「…!?サトシ、起きたのか?」

 

「リト!あれは一体何なんだ!?」

 

「…あれを説明する前に…サトシ聞きたいことがある。ギルを倒した時に、アイツは何か言ってたか?」

少し離れた場所にいたリトがサトシに気づいてやってくる

サトシは空の正体を説明するように言うが、逆にリトは質問し返した

 

「ギルが…?…あっ…!」

 

「何か…あるんだな…?」

 

「うん。俺の明日を奪ってやるって…」

 

「ふぅ…決まりだな」

 

ギルの最後の言葉を思いだし、リトに言うと彼は溜め息をつき、その場に座る

 

「たぶんあれはギルがやったことだろう。意識が完全に消滅する前に、あれの…メダルの器の吸収したメダルを使って大爆発を起こした…。そしてそれは次元の壁を壊すほどの威力」

 

「ってことは…?」

 

「……この世界は『SPECIAL』の世界と一緒に消滅しかかっている」

 

消滅…その言葉を聞き、サトシは大きく目を見開く

リトとブラックホールを交互に見て、信じられないという顔をしていた

 

「今は時間と空間…そして反転世界を司るディアルガ、パルキア、ギラティナが消滅を遅めているけどいずれ押さえられなくなる。それに『SPECIAL』の世界のディアルガ達はこの事を知っていないからな…恐らくこっちより消滅が早い」

 

「何とか…何とかできないのか!?世界の消滅を止める方法が!?」

 

「……あることにはあるんだが……」

 

ある、と言っているリトだがその顔は暗い

だが、希望があると思ったサトシはリトに問いかけていた

 

「教えてくれ!消滅を止める方法を!」

 

「でもその方法は…ギルと同じでお前の……お前達の未来を奪う事になるかも知れないんだぞ?」

 

「え……?」

 

未来を奪う…ギルとほぼ似たような言葉にサトシは固まる

リトは立ち上がり、ズボンの汚れを落とす

 

「…前に言ったよな?俺は管理権限で世界を破壊して再生させることができるって」

 

「あ、ああ…」

 

「この世界を再創造したとしても『SPECIAL』の世界は消滅する。逆も待たしかりだ。二つの世界を同時に再創造するのは無理だ。だけど……破壊した世界をひとつの世界に融合させることが出来たら?」

 

「ひとつの…世界に?」

 

「そのひとつの世界は俺の世界。俺の世界は通称『クロスオーバー』の世界だ。ほぼ無限に世界を融合させる容量がある」

 

「じゃ、じゃあそうすれば…!」

 

「最後まで話を聞いてくれ。融合した世界の人間同士も融合する。それができたとしても、俺が調整しないかぎりこの世界にいる人間の記憶は失われる。さらには、俺の世界はポケモンがいない世界。融合したら必ず俺の世界の動物はポケモンになるだろう…そうなったら大混乱だ。まぁ…そこはどうにかしてごまかすしかないけどな」

 

次々と言われる可能性

それと同時に迷いが出てくるサトシ

自分の夢はポケモンマスター…それなのに消滅を阻止するためにはその夢を捨てなければならないのだ

 

「もしこの方法するのなら、俺は『SPECIAL』の世界に行ってくる必要がある。レッド達がどうなったか心配だからな」

 

「お…俺は…」

 

 

「――サトシ」

 

 

消滅を阻止するためには自分の夢を捨てなければならない…その事に迷っていると、後ろから男の声がした

振り替えると、そこにはハナコと黒髪長髪の男

男の顔を見て驚くがすぐに冷静さを取り戻す

 

「…パパ…?」

 

「ああ…そうだよ。長い間…寂しかったか?」

 

「ううん…ママもいたし、オーキド博士もいたから全然…」

 

「そうか……ごめんな、何も言わずに出ていって」

 

「いいよ…パパが俺達のことを大事にしてくれたから」

 

「ありがとう、サトシ……それでサトシは今、何をしたい?」

 

「え……?」

 

「ポケモンマスターを目指す為にこの世界をそのままにしておきたい?」

 

「そ…そんなこと考えてない!俺の夢が叶ったとしても皆が…」

 

皆が消滅したら意味がない、といいかけたがそれはサトシの父…ホウオウの人差し指で口を塞がれる

キョトン、としたサトシの表情を見てホウオウはクスリ、と笑うと指を離す

 

「そう、自分はよくても皆が消えたらダメだよな。優しいサトシだからそう言うと思ったよ。じゃあ……答えは決まってるな?」

 

「…!ああ、ありがとうパパ」

 

「どういたしまして」

 

サトシは何かに気づいたのか笑みを浮かべながらホウオウに礼を言う

そして再びリトの方を向く

 

「リト、俺はポケモンマスターを諦めきれない。だけど、皆が消えるのはもっと嫌だ!だから、さっきの方法でこの世界を在ったことにする」

 

「それで…いいんだな?」

 

「うん…後悔はしてるけど……また頑張るよ」

 

「……分かった」

 

リトは大きく頷き、近くに停めてあったトライチェイサーを持ってくる

 

「じゃあ行ってくる」

 

「あ、ちょっと待った!」

 

「?どうした?」

 

「俺も一緒に行くから…その『SPECIAL』の世界に」

 

「はぁ!?」

 

世界移動をしようとするリトを止めたサトシは自分も行くと言った

さすがにリトも驚き、声をあげた

 

「だって別の世界だろ?どうせなら行ってみたいし」

 

「で、でもな…」

 

「それにこれは俺のけじめなんだ。ギルを倒しきれなかった、俺の」

 

「……いいよ、一緒に行こう」

 

前半はともかく後半の言葉を聞き、リトはとうとう折れる

そして、目を瞑ってぶつぶつと呟くと、空間が捻れディアルガ、パルキアが出てきた

 

「うわっ!?」

 

「普通は別の世界の人間が別の世界に移動することはできないけど、ディアルガとパルキアの力で制限つきだけど行くように頼むよ」

 

「え…あ、うん…」

 

「それと今から行く世界は…あっちの世界でまだディアルガとパルキアが誕生していない時間に飛ぶから」

 

「?何で?」

 

「別の世界からきたサトシを追い出すからだよ。本来いるべきじゃないからな」

 

「ふーん…」

 

「サトシ!」

 

そんな説明をしていると、ハナコが何かを持ってやってくる

その腕に持っていたのは…新しい服

 

「ママ…これ……」

 

「またまた出掛けると思って昨日作っておいたのよ」

 

寝ている間に寸法を計っていたのだろう、そのサイズはぴったりに感じる

その服は、全体的に黒く、前を開けるタイプの服

最初に旅をした時の服にけっこう似ている

違うところは前の空いている部分にオーズの紋章とモンスターボールを合わせたような模様がある所

さらに渡された帽子にも服と同じ模様があった

 

「ありがとう、ママ!」

 

「相変わらず、裁縫が得意だな」

 

「あら?じゃああとであなたのも作りましょうか?」

 

「考えとくよ」

 

「パパのも作るの!?」

 

親子間の微笑ましい光景を見たリト

だが、不思議と違和感を感じる

何だろう…と考える隙もなく、今度はリトの旅に同行したポケモン達とミュウツーがやって来た

 

『戦友…話は聞かせてもらった』

 

「ミュウツー…それに皆も!?」

 

「ピチュッピ!(マスターだけ行かせないよ!)」

 

「きゅん…!(おれも一緒に行く…!)」

 

「ガルル!(どこまでもお供します!)」

 

「メッタグロ!(別世界って興味あるんだ~)

 

「フォウ(俺はこいつのストッパーで行くけどな)」

 

「お前ら……」

 

今まで旅をしたのに仲間外れは嫌だ、と言わんばかりのミミとコンを筆頭にやってくる

リトはそんな彼女らに感謝していた

 

「そうだよな…仲間外れはやだもんな」

 

「パァルルルルルルルルル!」

 

「ああ、そろそろ頼む!」

 

痺れを切らしたパルキアの声を聞き、リトは頼み込む

するとディアルガとパルキアはエネルギー波を放ち、時空間を歪ませる

 

「サトシ、世界が消滅しかかっているからな…どこに着くか分からないぞ?」

 

「へへ…上等!」

 

「ピッカチュウ!」

 

「皆も行くぞ、『SPECIAL』の世界に」

 

 

 

肌寒くなってきましたね、XXXです

いやぁ……今朝見ましたよ、ガイム

序盤よくわからんかったんですけど、最初に出てきたライダー達は過去のガイム達なんですかね?

しかも、怪人達を配下にしてるっぽいし

ぐっさんが違和感ないし

オレンジマジでふってきたし

そして今言えることは…ヴェヴェヴ(デネブ)ザン、ナニイテンダアンタ!?(声優さん的な意味で)

 

と言う訳で次回からポケスペ編です

どの章の、どの場面からかと言うと……6章の後半部分ですかね

では、ガイムについてのコメントも小説についてのコメントも待ってます


 
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