No.625329

仮面ライダーオーズ×ポケットモンスター 氷の中で燃える炎・欠ける虹 12話

XXXさん

正直言うとこれがしたくて書いたんだと思う

2013-10-05 17:20:08 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1198   閲覧ユーザー数:1185

カントーの森を、岩を、大地をセルメダルに還元しながら削り取る物体…『メダルの器』

それは段々と南下しながらマサラタウンまで近づいてきた

そしてそれを追いかける人影が二つ

仮面ライダークウガ・アルティメットフォームと仮面ライダーオーズ・プトティラコンボだ

 

「サトシ、よく聞け!俺がジムリーダーや四天王を集めたのは、これからあれが出す屑ヤミーの相手をしてもらうためと住民の避難のためだ!」

 

「屑ヤミー…!?」

 

「所謂戦闘員だ!一体一体は大したこと無いが耐久性が高い……アイツを倒すまでそいつらが延々と落ちてくる!」

 

クウガAFが屑ヤミーについての説明をしていると、話の通りにメダルの器から数十…いや数百の人影が落ちてくる

その人影はミイラのような怪人…恐らくあれが屑ヤミーだろう

 

「出やがった…」

 

「アイツらを倒しながら行こう!」

 

「ああ……ゴウラム!!」

 

クウガ達の目の前にも表れ、クウガAFは次元の壁からゴウラムを呼び出す

そしてトライチェイサーと合体させ、トライゴウラムにさせた

そのまま地上にいる屑ヤミーをはね飛ばしながら進み、プトティラもテイルディバインダーやメダガブリューを使い、屑ヤミー達を払いのける

そうしている内に後数百メートルという所までメダルの器まで近づいてきていた

 

「あっ………サトシ、悪い。あれの倒し方考えてなかった」

 

「え゛!?」

 

クウガAFのカミングアウトに変な声を出すプトティラ

――だが、そんな余裕はすぐに無くなった

目の前から紫の衝撃波がやって来たのだ

 

「ぐあっ!?」

 

「サトシ!?」

 

衝撃波が当たり、落下しかけるプトティラ

クウガAFは衝撃波が放たれたと思わしき場所に目を向ける

 

 

 

そこには…深い紫色の、恐竜グリードが空に浮かんでいた

 

 

 

 

 

マサラタウン、ここではシンオウジムリーダーとアルトマーレのラティアスが屑ヤミーの相手をしていた

それだけではなく、カスミ、ハルカ、ヒカリ、ポッチャマ、そしてリトのポケモン達がトキワシティから到着し、応戦している

残りのタケシ達はトキワシティの住民の避難やポケモンの避難、やって来る屑ヤミーの対処に負傷者の治療をしていた

 

「もー!!虫ポケモンより鬱陶しい!!」

 

「しかもどんどん増えてない!?」

 

「ポチャァアア~…」

 

「ああ!ポッチャマがスタミナ切れした!だいじょばない~!」

 

それぞれのポケモンで屑ヤミーを攻撃しているが、数が多くしぶとい

そんな相手に苦戦していた

 

「ママさんも早く逃げて下さい!」

 

「でもあなた達が…」

 

そのなかで誘導係をしていたサトシの母、ハナコは逃げ遅れていた

カスミ達はハナコを逃がそうと戦っていたのである

 

「バリちゃんも早く早く!」

 

「バリ!」

「ええ、安全な場所に…キャア!?」

 

その時、ヒカリの小さな悲鳴が響く

マンムーを押し返した屑ヤミーがこちらに流れてきたのだ

よく見れば周りのジムリーダー達のポケモン達も押されぎみだ

 

「バリバ!?」

 

「バリちゃん!」

 

そしていつの間にかハナコの近くにも屑ヤミー達が迫って来ていた

バリヤードは攻撃しようとするが、両腕を掴まれてしまい、身動きが取れない

その間にハナコを襲おうと、数体の屑ヤミーが近づいてきた

 

「い、いや……!こっちに来ないで!」

 

「ママさんッ!」

 

「このっ…離れなさいよ!!」

 

カスミ達だけでも守ろうとしようとするが、屑ヤミー達がそれを阻む

ハナコは屑ヤミーに囲まれ、とうとう腰が抜けてしまった

 

「あ…、ああ……」

 

「ママさん、逃げてぇ!!」

 

「いや…!サトシ………アナタ…!」

 

 

抗うことができない状況で、ハナコは自分の息子と、今は居ない夫を想う

そんな時だった

――暖かく、美しい炎がその場にいる屑ヤミーを焼き払ったのは

 

 

「え…!?これって…」

 

「………キレイ」

 

ハルカは突然の事態に驚き、ヒカリは炎に見惚れる

ハナコは目を見開き、炎の出所を見つめる

出所は段々とハナコのもとに近づき、人の形を成した

 

 

「…もう、長い間どこに行ってたのよ。サトシと一緒ね」

 

「はは!サトシと同じなのか………変な所似ちゃったな」

 

「はいはいそうね。で、帰ってきたら言うことは?」

 

「そうだったな………ただいま、ハナコ。長い間待たせたね」

 

「…!おかえり……なさい…!」

 

 

ハナコは炎から出てきた古びた着物を着た男と会話し、とうとう泣きながら抱きつく

癖っ毛があちらこちらにある黒髪長髪の男

カスミ達は男の顔を見て驚く

その顔はどこか……成長したサトシに似ていた

 

「辛い思いをさせた。これからは皆で暮らそう」

 

「でも……あれが、近づいて…」

 

「心配いらないよ……あそこには、俺達の…自慢の息子がいるんだから…さ」

 

 

 

 

『ヌゥウウウウウ……!』

 

「アイツは……まさか」

 

目の前に表れた恐竜グリード

以前とは違い、身体中に恐竜のモチーフがちゃんとある

トリケラトプスの胸、プテラノドンを模したマント状の羽、ティラノサウルスの顔

クウガAFは恐竜グリードを見て、もしやと思う

 

「お前、ギルか!?」

 

「何ッ!?」

 

『…そうだ…貴様らに我が計画を阻まれ、このような中途半端な姿となった……かつての王、ギルぞ』

 

クウガAFの超直感が目の前の恐竜グリードの正体を直感させる

一方の恐竜グリード…ギルは憎悪の籠った視線を二人に浴びせる

その視線は二人の仮面ライダーに威圧をかけるのに十分なものだった

 

「…まさか、メダルが足りないから意識を失わずにいられるのか…?」

 

『そのまさかよ……この醜い姿で我は外界で活動できる。…貴様らをなぶり殺しにするためになぁッッ!!』

 

「…!?っく…!」

 

目の前のギルはメダルの器から出てきた分身と言える存在

ギルはすぐ近くのプトティラにつかみかかり、一緒に落下

クウガAFはそれを見て、落下地点にトライゴウラムを走らせる

 

木々を倒しながら、攻防を繰り返すプトティラとギル

ややギルの方が優勢なのは突然の奇襲に対処しきれていないプトティラが原因だ

その真横からトライゴウラムに乗ったクウガAFがギルに突撃する

 

『ヌゥッッ!!?』

 

「サトシ、加勢するぞ!」

 

「ああ、行こう!」

 

『こざかしいわぁぁぁぁ!!』

 

クウガAFが加わり、再び拳を交える

クウガは最強形態一歩手前なだけあり、スペックがギルと同等以上

落ち着き、体勢を立て直したプトティラもいることもあって形勢は逆転していく

 

クウガAFのカッター部分とプトティラのメダガブリューがギルを切り刻むとギルは空中に浮游

プトティラはエクスターナルフィンで追いかけ、その補助にクウガAFの『超自然発生能力』でギルの周りに竜巻を発生させ、行く手を阻む

その隙にプトティラはメダガブリューを使い奇襲

冷気を使ってギルの体を凍らせつつ、じわじわと地上に降り立つように攻めていった

 

「サトシ!決めるぞ!!」

 

「ああ!」

 

『プットティラ~ノヒッサーツ♪』

 

クウガAFは助走し、一気にギルの元へ距離を縮める

一方のプトティラはメダガブリューをバズーカモードにして必殺の体勢へ

ギルは全く反対の方向から来る攻撃を避けようとするが先程の攻撃で凍った羽のせいで避けきれない

 

「――ぉおおおお、りゃああああああああ!!!!!!」

 

『ヌォオオオオオオオッッッ!!!』

 

「セイヤァァァァァァァァァァァッッ!!!」

 

土煙を上げながらやって来るクウガAFの【アルティメットキック】は命中し、ギルは後方へ引き飛ばされる

そのタイミングを待ってましたと言わんばかりの勢いでプトティラは【ストレインドゥーム】を放ち、そこで爆発

ギルはメダルに還元され、全てに決着がつく

 

 

 

はずだった

 

 

 

「が……ッッ!?」

 

「サトシ!?」

 

爆発を見て、気が緩んだプトティラに紫の衝撃波が当たる

今までのダメージもあって、プトティラは地面に落ち、その姿をサトシに戻した

当然クウガAFは驚き、最悪の予感を考えつつも再びギルのいた場所を見る

――そこには無傷の状態のギルの姿があった

 

「お前…!?」

 

『何を驚く?あくまでも我の本体はあそこだ。ここで戦闘している我はただの分身。本体からの力で何度でも蘇るわ』

 

……迂闊だった

さっきの言葉を信じていれば、先にメダルの器から倒すはずだった

だが、結果はこのざま

 

『我の野望を無に反した罪……器よ、貴様も我と同じ苦しみを味わうがいい!!』

 

ギルは指先に紫色の小さな球体を造りだし、それをサトシに向ける

ヨロヨロと立ち上がったばかりのサトシにはそれをかわすのは不可能だろう

そして指から放たれたそれは――――サトシを庇ったクウガAFの左胸を貫いた

 

「…ぐっ…あ……っ」

 

「り、リトォ!?」

 

『庇ったか…まあいい。いずれ貴様にもやっていたがな』

 

刺されるような苦痛にクウガAFもその姿を元に戻す

実際には刺されては居ないが苦しそうに胸を押さえるリト

ギルはそれを見て満足そうな顔をすると、空へ浮かび上がる

 

『器…貴様はこの世界を無に反した後でもよかろう…。その頃には絶望しているはずだがな』

 

「何!?」

 

『ふんっ……だが、納得いかんな。貴様は人間と獣より生まれた子だ。それが何故完全な人間の形をしている』

 

「…それは……」

 

『本来であれば我と同じ醜き姿のはず……。言わば同類のはずだ、それが何故…』

 

「――お前と…、一緒にするな……!」

 

ギルとサトシが同類という発言に横から抗議の声が出てくる

その声の主は今も胸を押さえているリト

苦しそうにしながらも、その目は真っ直ぐギルを見ていた

 

『何ぃ…?』

 

「ギル…お前は、いや…お前のオリジナルは自分の欲望の為に周りを犠牲にしてきた…。オリジナルの全てを受け継いだお前のその心は、今のお前の姿よりももっと醜い…!だけど、サトシは……自分の父親の事を知らなくても、自分の夢を達成させるために、仲間を作り、出会い、旅をする。誰かの為に戦い、自分を向上させるその心は誰よりも綺麗で…強い」

 

「…………………」

 

「たとえ、サトシがお前と同じ醜い姿だったとしても!こいつには、それを受け入れる仲間が、家族が…ポケモンがいる!自分の欲望しか考えなかった、お前とは格が違うんだ!!」

 

『き…貴様ぁ…!!』

 

リトの説教ともとれる発言を聞き、ギルは怒りをあらわにする

リトの方も限界だったのか、再び地面に倒れこんだ

 

「リト…!」

 

「悪い……もう戦えねぇや…!」

 

「大丈夫、後は俺が…」

 

「サトシ…頼み、聞いてくれるか?」

 

「頼み…?」

 

リトの上体を起こしながら、サトシはリトの頼みを聴く

 

「あいつらを、グリード達を……ちゃんとした命にしてやってくれ」

 

「え…?」

 

「グリードは命を持たない…だから俺はグリード達を一つの命にしようとした。でも、成功はしていない…。それにギルを倒すことは意識の入ったメダルを破壊することだ…。救いだす方法は今の俺にはない。だからせめて

、命として……終わらせてやりたい…」

 

リトの目を見据えたサトシは黙って頷く

それを見て、少し笑ったリトはサトシの手に何かを渡す

戸惑ったサトシだがすぐにリトを寝かせると、ギルの目に前に歩きだす

 

 

「わかったよ…。それが今、リトのやりたいことなんだよな」

 

 

うっすらと笑いながら手渡された……赤のメダルをオーズドライバーにセット

赤く光るメダルは一瞬、虹色にも見えた

 

「パパ……俺がパパの息子なら…一緒に戦ってくれないか?」

 

オースキャナーを持つ手が震えるが、そんな事は関係ない

マサラタウンに彼の父親がいることは知らないが、それでも強く願う

 

 

 

「皆を守る力を……明日を掴む力を……変身ッッ!!」

 

 

『タカ!クジャク!コンドル!…タ~ジャ~ドル~~♪』

 

 

 

 

メダルをスキャンした瞬間、サトシから紅蓮の炎が溢れだす

それは次第にサトシに集まり、その姿を変えていった

 

「――はぁッッ!!!」

 

『ヌォオオ!!?』

 

紅蓮の炎を鮮やかな虹色の…ホウオウを模した三対の翼とともに広げたのは赤いオーズ

本来のタカヘッドは変化してタカヘッド・ブレイブに

クジャクのような形状のクジャクアーム

コンドルの爪のように鋭いコンドルレッグ

そして不死鳥のように変化したオーラングサークル

 

仮面ライダーオーズ・タジャドルコンボ

 

その熱風はギルを退けるほどのものだ

 

 

『ヌゥ……付け焼き刃の力など…!!』

 

「はぁッッ!!」

 

ギルは狼狽えながらも地上に降り、タジャドルにパンチをする

だが、タジャドルは軽い身のこなしでそれをよけ、裏拳で攻撃

すぐにギルは反撃をしようとその鋭い爪を突き刺そうとするがオーラングサークルから具現化されたタジャスピナーで防御

その隙にタジャスピナーから火炎弾を打ち出し、ギルを追撃する

 

『グゥ…!?何だ、この力は…!?』

 

「これが…サトシの、ホウオウの力…」

 

形勢を立て直す為にギルはメダルの器へと飛び立つ

タジャドルはそれを見逃さずクジャクウィングで空中を飛行

音速に近いそれはあっという間にギルの正面をとる

 

『スキャニングチャージ!』

 

「あそこに行きたいんなら、俺が連れてってやる!!」

 

スキャニングチャージをして【プロミネンスドロップ】を発動

炎を纏ったコンドルレッグのクロー部分でギルを掴み、背中からせいなるほのおを噴射しながらメダルの器へ突撃していく

 

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!!」

 

『グォオオオ!?』

 

そして数十秒した後にはメダルの器に激突

そのまま内部まで貫通した

メダルの器の内部は異空間と言ってもいい場所

そしてその空間の中央にギルとグリード達の意識の入ったメダルがあった

 

「あれが……」

 

『貴様ぁ……わが野望の邪魔をするなぁぁ!!』

 

「いいや、邪魔させてもらう。明日を掴む為にも!!」

 

『プテラ!トリケラ!ティラノ!プテラ!トリケラ!ティラノ!…ギガスキャン!』

 

啖呵を切ったタジャドルはタジャスピナーに恐竜メダルをセット

タジャスピナーを回転させ、オースキャナーでスキャンし、タジャドル専用のギガスキャンの体勢に入った

ギルは得体の知れない何かを感じ、衝撃波を放つがクジャクフェザーにより相殺される

 

「ハァアアアアアアアア……セイヤァァァァァァァァァァァッッ!!!!」

 

『こんな……青二才に…我は……ぐぁああああっ!!』

 

クジャクフェザーの炎を巻き込み、タジャスピナーから放たれる【ロストブレイズ】は目の前のギルを貫き、中央のコアメダルに命中

紫以外の五色のメダルは真っ二つに割れ、紫のメダルはその邪悪なオーラとともに消え去っていった

 

 

 

はい、上の説明の通りです

この小説をやるときの初期に決まっていたのがサトシはホウオウの子供っていうことなんですよね

最終回の感動がスゴくてスゴくて

まぁ…ホウオウは…擬人化とか無理だし、サトシに似せる意味でも黒髪にしました

長髪は……趣味ってことで☆

 

と言うわけで中盤は次回か、その次かです

コメント待ってます


 
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