No.578232

恋姫じいちゃん無双

白雷さん

この作品は作者の息抜きのために作られた短編の気晴らし小説です。
それでも、という方々、ぜひどーぞ。

2013-05-20 12:30:25 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:5910   閲覧ユーザー数:5185

じいちゃん無双  1

 

 

「はぁ・・・まったく一刀の奴は・・」

 

わし、北郷三。あ、ちなみに、したの名前はさんと読むのじゃ。わしは北郷流当主、今年で65になる。わしには、一刀という名前の孫がおる。時期、わしとしては奴を当主に継がせたいのだが、一刀にはやる気がない。腕はあるのじゃが、やる気がないのじゃから、どうしようもない。

 

「さいきんは、ギャルゲーうひょうひょとかいいながら、廊下を歩いておるしの。」

 

ギャルゲー、一刀いわく、神がこの世に託した人類最後の希望。一刀がそこまでいうのだからと、わしはその内容が気になり、わいわいペディアというもので調べてみたら、"主に魅力的な女性が登場することを売り物とするタイプのコンピュータゲームの俗称。類似の概念に美少女ゲーム”という結果が出てきた。

 

なかでも、一刀は最近キャラげーというものにはまっているらしい。

 

「まったく、一刀の奴は、ゲームになんぞはまりおって。」

 

わしはそう思いながら道場で竹刀を振り回す。65といってもこの体はまだまだ動く。それは、毎日の鍛錬のおかげであろう。

 

「はぁ、このままでは誰が当主になるのかの?」

 

わしはそう悩んでいた。一刀にはゲームなんぞやるなと一回怒ったことがあった。しかし、一刀は説教の途中から逆にわしを怒りはじめた。

 

 

 

 

 

######

 

「おい、一刀。お前、また稽古をほったらかして。ええ加減似せえよ。」

 

わしはいつものように稽古を終えると、一刀の部屋へと顔を出した。その部屋は暗く、ただパソコンの明かりのみがついていた。もちろんそのパソコンの前に座るのは一刀である。ぱいれんちゃーんといいながら、彼はとてつもないスピードでマウスをクリックしていた。

 

「一刀よ、このままでは目も悪くなってしまうではないか。」

「おい、じいちゃん、勝手にカーテン開けんなよ!今俺はぱいれんちゃんと話してるんだよ!」

「はぁ・・お前は、そもそも北郷流はどうするのじゃ」

「そんなのじいちゃんがやっていればいいじゃん」

「おまえなぁ・・・そういっても、わしは65じゃし。」

「そうはいっても、じいちゃんは俺よりかなり強いし。」

「一刀よ、お前は確かに腕はあるんじゃ。だから修行さえすれば、強くなれるのじゃがの」

「えー、そんなやだよー。俺はしたくないの、そんなこと。それより、じいちゃん。風呂入った?ちょっと汗臭いんだけど・・」

「むっ、すまん。しかし、じゃな一刀よ。こんなゲームをしていてばかりじゃ目も悪くなるばかりじゃし、よく考えてはどうじゃ」

 

その言葉に一刀はすこし黙り込む。おおっ、ついに一刀も反省したのかの、そう思ったのはわしの間違いであった。

 

「じいちゃん、今、こんなゲームっていった?」

「そうじゃ、どうせ一刀が話している女の子も実在はしない。よく現実をみるんじゃ。」

 

「ふざけるなあああぁぁぁあああ!」

 

そういったわしに彼はものすごい怒りの形相をうかべわしをしかりはじめた。

 

「まったく、じいちゃんは何もわかっていない。何もわかっていないぞ!」

「一刀・・・・?」

「こんなゲーム、だと。たとえじいちゃんでも俺の彼女でもギャルゲーをそう呼ぶことは許さん!」

「一刀、お前彼女いないじゃろうに・・・」

「つくらないだけだ!俺は三次元など興味はない!話をそらすなじいちゃん!ギャルゲーは神なんだ。じいちゃん。」

「神・・・」

「ああ、そうだ。俺はつまらない毎日に退屈をしていた。稽古してうまくできれば人はほめてくれ、テストでいい点をとれば親はほめてくれる。しかし、そんなもの俺には退屈だった。しかし、じいちゃん・・・ある日、天使はこんな俺にささやきかけてくれたよ。ギャルゲーをやりなさいと。」

 

そういいながら、一刀は涙を流していた。

 

「それから、俺の人生は変わった、俺はたくさんの女の子にあった。中には楽しい出会いもあり、悲しい別れもあった。俺は学んだんだじいちゃん。この世界はこんなにも広く、美しいんだって。」

 

なぜか、わしは孫がとてもすばらしいことをいっているのにくずにみえてしょうがなかった。

 

「いいか、じいちゃん。ギャルゲーの中には、もちろんヒロインがいる。そして、ギャルゲーのポイントは自分の好きな女の子をどうやって攻略するか、なんだ。いいか、ここで勘違いをしてしまってはだめだが、好きでない女の子を放っておいていいというわけではない。みんなに等しく幸せを与えるんだ。その気持ちを俺に教えてくれたのがキャラげーだった。そんでな、じいちゃん」

 

わしは、そんな輝いている一刀を目の前に、勢いよくそのドアを閉めた。話が長引きそうじゃとおもったからじゃ

 

 

 

#####

 

 

そんなこんなで、わしは毎日ため息をついている。

 

「あのままでは、まずいの。いつか、日本が誇るギャルゲー文化という表題で論文を書いていそうじゃ。どうしたものかの・・・」

 

そういいながら、わしは道場へともどる。道場に入ると、わしはそこに見たこともない銅鏡を見つける。

 

「はて・・・このようなもの、あったかの・・」

 

そう思いながら、拾おうとするとわしはその光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは・・・どこじゃ・・」

 

まぶしい光に包まれたと思い、目を開けるとそこは道場ではなく果てしなく広がる荒野だった。はて・・不思議じゃの。確か、道場にいたはずなのじゃが・・・

 

「おい、貴様、金目のものをだ イッテッーー。」

 

そうわしが考えていると刃物をもった3人組がにやにやしながら、そういってくる。うるさかったので、面をくらわせておいた。覚えていろー、と逃げる若者どもをみながら、わしは深いため息をつく。

 

「はぁ・・・近頃も、物騒になったもんじゃ。」

 

しかし、奴らを拘束すればよかったかの。そうすればここがどこなのか聞けたじゃろうに。

 

「ご老人、大丈夫であるか!」

 

そんな風に考えていると駆けつけてきたのは青髪をしたきれいな女の方である。しかし、そのきれいな容姿とは裏腹に手には槍を持っている。

 

「心配してくれるのはありがたいが、おなごさんがこんな危ないものを持っていてはだめじゃろ」

 

そういいながら、わしは彼女が持っていた槍を取り上げる。

 

「なっ!(私は、気を抜いていなかったはず、いつの間に・・・)」

「まったく、最近の若者は・・。」

 

これは、一刀がいっているコスプレのようなものなのか。わしはやけに露出度が高い服をちらちらみながらそう思う。それにしても、最近の若者はコスプレに本物の剣を使うのか・・やれやれ。

 

「ご老人、なかなか、やりますな。」

 

槍を取られたことを驚いたのか、彼女はそういっている。

 

「いや、老人のたわむれじゃよ。まぁ、コスプレに熱心なのもよいが、ほどほどにしておきなさい。」

 

そういいながら、わしはその槍を返す。

 

「こす・・ぷれ?はて、なんのことですかな?」

 

そう聞かれて、わしは一刀に言われたことを思い出す。確か、コスプレをしているものたちは設定になりきっているから、コスプレとあからさまに聞かれるのをきらう、と。ふむふむ・・なるほどな。

 

「いや、なんでもない。すまなかったの。それで、少し聞きたいことがあるのじゃがいいかの?」

「あ、はい。もちろんですとも。」

「ありがたい。」

 

「星ちゃーーん。」「星ーーー」

 

そうわしたちが会話をしていると、そんな風に小さい女の子たちが走ってくる。はぁ、またこの子達も変な格好をしておる・・おそらく、コスプレ仲間といったところであろう。

 

「すまぬ。ご老人、あの二人は私のつれでな。」

「ああ、気にせんでくれ。それより、星殿、で名前はよいのか?」

 

「きっ、貴様ーーー!!!」

 

わしがそう聞くと青髪の女の子は殺気を丸出しにしながらその槍をわしの首に突きつける。

 

「貴様!どういう用件だ!あって、いきなり真名を呼ぶとは!」

 

はて・・・真名というのはあだなのことなのか・・・しかし、コスプレの設定とはいえ、何も知らぬこのわしに本物の剣を突きつけるとは、

 

 

「いいかげんにせい!!!!」

 

そう、わしは突きつける槍を彼女からぶんどり、遠くへ投げつける。

 

「「「なっ!!!」」」

 

それをみた目の前の女の子三人は目を丸くして驚いている。

 

「いいかげんにせい!お前たちは!何をもって、このわしに生身の刃をつきつけるか!」

「いえー、そのー、それはおじいさんが真名をいきなりよんだからではないかとーー。」

「うるさい!黙れ!」

「ひっ!」

 

わしは、ゆっくりそう言い訳がましく話す小さい女の子を怒りつける。彼女はすこし震えながら、何もいえなくなってしまった。まったく、この子達の親は何をしておるのじゃ。

 

「おい、そこの星というもの。なぜ、わしに剣をつきつけたのじゃ。」

「それは、あなたが悪いのでしょう!」

 

そう問いかける質問にめがねをかけたお嬢さんがすこし怒りながら答える。

 

「ええい!黙らんか!わしはこの星殿とはなしておるのじゃ!親にだれかが話しているときは黙って聞くことをならわなかったのかい!」

「は、はい・・・」

 

そうわしが一喝すると、その女の子も震えながらも首を縦にふった。

 

「さて、星というもの、ここに正座しなさい。」

「え・・・あの・・・」

 

星というものはいきなりのことで、そう戸惑っている。こんなときこそ、年長者の務めだ。少し、つらいことかもしれないが彼女たちには必要なことだ。

 

「正座しなさいといっておる。」

「はい・・・」

 

そう殺気をこめながら、いうと彼女はそう納得がいかないような返事をして正座をした。

 

「剣をつきつけてきた、理由をききたいのじゃが。」

「はい。それはあなたが私の真名を私の許しもなくよんだからで」

「真名とは、あだなのことかの?」

「いえ、真名とは、神聖な名。心を許した相手ではないと呼んではいけないのです。」

 

ふむ・・・なるほど。このこたちは・・・いわゆる、中二病というやつかの。一時は一刀がその病気ともいえる病にかかり、大変じゃった。自分のことを黒の騎士とかよび、わしがその名を呼ぼうとすると”よぶんじゃない!これは神聖な名だ!”と怒られたことを覚えている。

 

この子の親たちも苦労しているの・・・。

 

「そうか、それは悪いことをしたの。」

 

一刀の経験もあるので、とりあえずわしは形だけでも謝っておくことにした。

 

「それで、わしはおぬしらのことをなんと呼べばいいのかの?」

「あ、はい。 私は趙子龍と申します。」

「あっ、そっ、その・・・風は程立と申します。どうか、犯さないでほしいのですよーー。」

「わっ、わたしはその、戯 志才と申します。」

 

そうわしが聞くと、彼女たちはその体を震わしながらそう答える。なんじゃ、これじゃわしが変態暴漢野朗みたいではないか。それにしても、また、この子達は偽名を使っておるんじゃの・・・

 

「はぁ、君たちは三国史ファンなのかの?」

「三国史ふぁん?とは?」

「君たちのような、たとえば君だったら趙雲を真似ておるのであろう。」

「なっ、ご老人。わたしの名はまだ名乗っていなかったはず。なぜ、お分かりに・・?」

 

わしが趙雲となのったことによほど驚いたのか目を丸くしている。なるほど・・・設定づくりとはここまで、こったものじゃったのか・・・わしはそう思う。

 

「まあ、よい。それで趙雲。ここはどこなんじゃ。」

「ここは、陳留のはずれですが・・・」

「陳留とな・・」

 

陳留・・・記憶によれば中国だ。ああ、そうじゃった。この子達は残念なお嬢さんたちじゃったのを忘れておったわい。この子達は三国史の人物になりきっておるのじゃった。いや、しかしじゃ・・・それにしては、すごいセットじゃの・・・

 

わしはそんな感激に包まれながらも周りを見渡す。

 

「いや、何。老人につき合わせて悪かったの。もういいぞ、いっても。」

 

もう、この残念な設定女の子たちに付き合ってはられなかったのでそういった。設定、趙雲は泣いている二人の女の子を抱えながら去っていってしまった。

 

「はぁ、やりすぎたかの・・・」

 

 

 

そうおもいながら、あたりをまた見渡す。そんな時、あの一刀が怒った日に、彼がいった言葉を思い出す。

 

「じいちゃん・・・うらんでやるからな。そして、いつか、みかえしてやる!じいちゃんにいつかきっとギャルゲーのよさをその身をもって味あわせてやる!」

 

そんな彼は、手に"どきっ!乙女だらけの戦国時代演技!”というギャルゲーをもちながら、怒っていた。そのソフトとは、一刀いわく、戦国時代の人間を女体化して、主人公である男がそのものたちとうはうはしながら日本統一をめざすというキャラげーだと一刀は熱心に説明してくれた。

 

 

はぁ・・・これも、一刀の仕組んだことなのかの・・最近の技術は進歩しておるし、現世のわしが意識を失っている間に何かをかぶせてわしにこの世界をみせておるのかの・・・

 

 

そうであれば、このゲームとやらをクリアせんとな。

クリア条件は確か・・・

 

そう考えていると再び一刀がいったことをおもいだす。

 

「好きなこも、嫌いなこも、みんな攻略するんだ!」

 

そうじゃったかな・・・・

まあ、とりあえず、趙雲とそのゆかいな仲間たち一行には最初のイメージを悪く与えてしまったの・・・でも、なんとかなるじゃろ。

 

 

まあ、とりあえず・・・

 

 

わしは、こちらに近づいてくる曹の旗をみながらそう決める。

 

 

 

 

 

「曹操、とその仲間たち、攻略開始じゃの。」

 

 

 

 

 

 

 

えーっと、なんかすみません・・・・

禁断の扉、開けてしまいました。

 

これから、この短編をのせていくかはユーザーの皆様しだいということで・・・

 

 

あ、はい・・・なんかすみません。


 
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