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~少年が望んだ世界と力~

第二十六話 母と娘

2013-03-19 00:01:54 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:3846   閲覧ユーザー数:3472

アルフがアリサに保護された翌日の朝、俺は何故か早く目が覚めた。

 

「・・・・・ん、んん~、朝か」

 

時計を見ると時間は午前6:40分、いつも目覚ましが鳴る20分前に目が覚めてしまった。

 

「おはようございます。マスター」

 

「ふぁ~。ん、おはよう」

 

「早いお目覚めですね」

 

「なんか目が覚めた」

 

「そうですか」

 

「ボルフォッグからの定時連絡は途絶えてないか?」

 

「イエス、マスター。15分に必ず連絡が来ています。昨晩は敵は全く来ていないようです」

 

「そうか。さーて、飯食うか」

 

 

 

 

「ふーん、この企業の株がまた下がったのか。まぁ、俺には関係ないけど」

 

朝刊を読みながら、朝食を食べていた。

 

『本日の天気は晴れ、降水確率は0%でしょう』

 

TVでは今日の天気予報が流れている。

今日はいい天気みたいだし家出る前に布団干そうかな?

 

『それでは本日の星占いのコーナーです!』

 

天気予報の次は星占いのコーナーが始まった。

今日は俺の星座何位かな?

 

『6位は天秤座、今日はいつも変わらない日になりそうです』

 

・・・・・・微妙だった。

 

 

 

朝食を食べ終え、昨夜のうちに洗った洗濯物と布団を外に干して時計を見ると学校に行かなければならない時間だった。

 

「さーて、そろそろ行くか。あ、そうだアポロン、ちょっと頼みがあるんだが」

 

「なんでしょうか?」

 

「実は・・・・・」

 

俺はアポロンに学校に行っている間にやって欲しいことを話した。

 

「っということだ」

 

「分かりました。すぐに始めます。しかし何故そのようなことを?」

 

「それは後で話すさ。じゃあ、行ってくる」

 

「いってらっしゃいませ、マスター」

 

俺は久しぶりの学校に向った。

 

 

 

 

「なのはちゃん!健悟君!よかった元気で!」

 

「うん、ありがとうすずかちゃん」

 

「おう。ありがとうな」

 

学校ですずか達と会うとすずかが俺となのはに会えて嬉しそうにしている。

 

「アリサちゃんもごめんね。心配かけて」

 

「ふん。まぁよかったわ、元気で」

 

アリサは相変わらず素直でなく、その様子を見てなのはとすずかが笑っていた。

 

 

外で話していた俺達は今度は教室で話していた。

 

「そっか。二人ともまた行かないといけないんだ」

 

「大変だね」

 

「うん・・・」

 

「まぁな」

 

「でも大丈夫!」

 

「放課後なら一緒に遊べる?」

 

「うん、大丈夫」

 

「すまん。放課後は予定があるんだ」

 

「あ、そうなんだ」

 

「まぁ、用事があるんじゃしょうがないわよね」

 

放課後に遊べないことを告げるとすずかとアリサが少し残念そうな顔をしている。

 

「この埋め合わせは必ずする」

 

俺は席を立ち上がった。

 

「健悟、何処行くのよ?」

 

「ん?トイレだ」

 

アリサにトイレに行くと答え、俺は教室を後にした。

 

 

 

アリサ達にトイレに行くと嘘をつき再び屋上に来た俺はファイズフォンを取り出し、電話を掛ける。

 

「アポロン、俺だ」

 

『イエス、マスター』

 

「状況は?」

 

『指示通り、ライダーズギア、G4、ディケイドライバー、ディエンドライバーのデータをベースに開発する準備は整えています。マスターがプログラムを作成すればすぐに開発を行えます』

 

「ありがとう」

 

『問題ありません。しかし改めてお聞きしたいのですが何故急に開発しようと思ったのですか?』

 

「前にお前が使えなかった時があっただろ?他のライダーシステムもあるけど、あの時を想定して保険を用意しておきたいのさ。まあ、本当のことを言うとオリジナルのシステムを作りたいだけなんだけどな」

 

『そうですか。分かりました』

 

「あぁ、すまん。そろそろ授業が始まるから切るぞ?」

 

『ラージャ』

 

電話を切り、ファイズフォンを仕舞って俺は教室に戻った。

 

 

???Side

前回同様、とある世界のビルの会議室に例の人物達がまた集まっていた。

 

「結局今回も駄目だったようだなぁ。あのファンガイアも殺られたみたいだしな」

 

1人の男が自分のモミアゲをいじりながら昨晩の話をしている。

 

「最初から期待はしていなかったさ」

 

モミアゲをいじる男に返事を返したのは、あの時ホースファンガイアに許可をだした壮年の男だった。

 

「全く!どいつもこいつも話しにならんな!」

 

「一度もあの男と戦闘をしていない貴様にそのようなことを言われたくないな!!そんなに偉そうな台詞を言うなら貴様の部隊がやればいいだろう!」

 

軍服を着た大柄の男が文句を言っているのに対し、MDの開発者が言い返す。

 

「貴様!何度も同じことを言わせるな!!こんなくだらん作戦にわしの有能な部下を出撃させるなどふざけているの---「それって単なる言い訳でしょ?」・・っ!なんだと!!」

 

MDの開発者に言い返していた大柄の男が姫の方をみた。

 

「どうせ作戦が失敗した時に色々言われるのが怖いんでしょ?だから色々言い訳をつけてフェニックスと戦わないようにしているんじゃないの?」

 

「小娘の分際でなにを!「でも、案外合ってるんじゃないの?」っ!!」

 

姫が嫌味を言うのに対してすぐに言い返そうとするが今度は黄緑色の髪の女が割り込んできた。

 

「そりゃそんだけの大口たたいといて、もし作戦が失敗したら恥をかくのは大佐ですもんねぇ?」

 

「貴様もワシを侮辱するのか!?」

 

「事実を言ったまでじゃないですか。それにいくら有能な人材の集まりであるティターンズとは言え、所詮は人間でしょ?」

 

「貴様!」

 

「それぐらいにしておくんだ。これ以上大佐を刺激してはいけないよ?」

 

黄緑色の髪の女が大柄の男を挑発していると黄緑色の髪の男が止めに入った。

 

「はーい」

 

「僕の部下が失礼なことを言ってすいませんね。バスク・オム大佐」

 

黄緑色の髪の男が大柄の男、「機動戦士Zガンダム」または「機動戦士ガンダム 0083 STARDUST MEMORY」に登場し、戦死したはずの人物「バスク・オム」に謝罪をした。

 

「ふん!そんな言葉だけの謝罪でなく、なにか行動で表してほしいものだな!!」

 

しかし、当然バスクは許すわけがなかった。

 

「・・・・・分かりました。では、次の作戦は僕達に任せてもらえませんか?」

 

「ほぉ、っということは君達の機体が完成したのかね?」

 

すぐに反応したのはMDの開発者だった。

 

「残念ながら僕の最高の機体は調整が終わってませんが別の機体と僕の部下達が使う機体は先程完成したのでテストも兼ねて行かせていただきますよ」

 

「別の機体だと?」

 

「えぇ、僕達の世界の第一世代のMSです」

 

「そんな旧式の機体が役にたつか!!」

 

「大丈夫ですよ。ご心配なく」

 

「ああ、ちょっとよろしいですか?」

 

怒鳴るバスクに対し、黄緑色の髪の男は余裕な表情で返事を返すとスーツを着た男が手を挙げる。

 

「なんです?」

 

「実はつい今しがた僕の所での例のあれが完成しましてねぇ。次の出撃で君達がテストを兼ねて出撃するならこちらもテストを行いたいのでよろしければ次の作戦、合同で行いませんか?」

 

「おお、あの機体が完成したのかね?どれが完成した?あの重砲撃の機体か?もしくはあのビームを屈折させる機体か?それともあの可変機構の機体か?」

 

「完成したのは三機とも、ですよ」

 

「なんと・・・」

 

「ではあの強化人間共も使えるのか?」

 

「勿論ですよ。あの機体を扱えるのは彼らぐらいでないとパイロットはいませんよ」

 

スーツの男の話を聞いてすぐに反応したのはまたしてもMDの開発者だった。

MDの開発者とバスクからの質問にスーツを着た男は淡々と答える。

 

「あの機体のパイロット、確か『ブーステッドマン』でしたっけ?」

 

「大佐の世界といい、貴方の世界といい、人間を弄るのが好きねぇ」

 

「だからこそ強力なパイロットが生まれるんですよ。それを言ったら貴方達に世界にだって『超兵』という同じ様なものがあるじゃないですか。それで、どうするんですか大将さん?」

 

薄紫色の男と黄緑色の髪の女の言葉に平然といいながらスーツの男は黄緑色の髪の男に合同作戦を行うか否か尋ねる。

 

「構いませんよ。お互いに機体のテストは早い方がいい。それに貴方の作った機体とパイロットの性能も気になりますし、じっくり見させてもらいますよ?ムルタ・アズラエル」

 

黄緑色の髪の男は微笑ながらスーツの男「機動戦士ガンダムSEED」で戦死した国防産業連合理事の任にあり、本コーディネーター政治団体「ブルーコスモス」の盟主「ムルタ・アズラエル」に合同作戦の同意を告げる。

 

「ええ。どうぞご自由に、最高のデモンストレーションを御覧にいれましょう」

 

「ふんっ!せいぜい頑張ってあの狼を捕まえてくるんだな」

 

「いいえ、大佐。僕達はあの狼を捕まえに行きませんよ」

 

「何!?」

 

予想外の台詞にバスクが驚きの声を上げる。

 

「あの狼を捕まえたところで少女の方は渡すでしょうがその上が渡さないでしょう」

 

「だったら・・「捕獲なんて面倒なことをせずにそのまま相手の大将から奪おうっとことか?」・・!」

 

バスクが訊こうとするとガウルンがその答えを言う。

 

「その通りです。ミスタ・ガウルン。それにあのプレシア・テスタロッサの研究しているプロジェクトは中々興味深い。そのまま我々の仲間になってもらいましょう」

 

「しかし、仲間にならなかったら?」

 

「その時は死んでもらいますけど、間違いなく仲間になるでしょう。彼女の目的は娘を蘇らせることなんですから」

 

MDの開発者の質問に対し、黄緑色の髪の男は冷静に答える。

 

「君達の機体のお手並み拝見とさせてもらおう。あのGNドライヴとは実に興味深いからな」

 

「構いませんよ。ツバロフ・ビルモン特佐」

 

黄緑色の髪の男は「新機動戦記 ガンダムW」に登場し、こちらも戦死したはずの人物「ツバロフ・ビルモン」に微笑みながら答えた。

 

「では準備があるので失礼しますよ」

 

「それなら僕の方も準備をさせるとしましょうか」

 

黄緑色の髪の男とアズラエルが出撃準備のために席を立ち、会議室から出て行こうとしたが会議室のドアを開けたところで黄緑色の髪の男が動きを止める。

 

「あと一つ言い忘れていたことがあります。バスク大佐」

 

黄緑色の髪の男がバスクの方に振り向く。

 

「なんだ?」

 

「確かに旧型である第一世代の機体ですが、僕がこれから使うその第一世代の機体は僕達の世界の最初のガンダムなんですよ?」

 

そういって黄緑色の髪の男は自分の部下とアズラエルとともに会議室を後にした。

 

 

 

 

 

海鳴市 野田家 午後3:45

 

「ここをこうして、こっちをこうしてっと・・・・」

 

学校が終わり帰宅した俺はすぐにパソコンを起動させ、パソコンをいじっている。

 

「こいつはここをこうして、この装備の時は電力供給率を下げて、スーツの稼働時間に回すっと・・・そんでもってこの運動プログラムを入れてAIが補助をすることでG4達よりも素早く動くことが出来るな」

 

今俺がパソコンをいじっている理由は開発予定の物のプログラム作りのためだ。

 

「こいつは・・・「マスター、よろしいですか?」・・・ん?どうした?」

 

「アースラから通信が着ています」

 

プログラムの開発の途中でアースラから通信が届いた。

 

「内容は?」

 

「例のアルフの話だそうです」

 

「回線を開いてくれ」

 

「ラージャ」

 

それを聞いた俺はすぐに回線を開かせた。

回線が開かれるとパソコンの画面の隅っこにクロノが映し出される。

 

「よう、クロノ執務官」

 

『あぁ、健悟。今何処にいるんだ?』

 

「自宅でちょっと作業中だ。あ、内容は訊くなよ?機密事項だからな」

 

『まぁいい。今はあの使い魔の話が優先だからね』

 

クロノと挨拶を交わし、自宅の作業を訊かないように言った後、クロノは別の方に顔を向ける。

恐らく別のモニターにアルフが映し出されているのだろう。

 

「・・・映像送ってくれないか?」

 

『あぁ、分かった』

 

プログラム作りの手を止め、俺がクロノに頼むとすぐに映像が送られてきた。

 

『時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。どうも事情が深そうだ。正直に話してくれれば悪いようにはしない。君のことも君の主、フェイト・テスタロッサのことも』

 

『・・・』

 

映像には昨日のようにアルフが檻の中にいて、その檻の前にフェレットモードのユーノが映り、俺に映像が送られるとクロノがアルフに事情を訊こうとするがアルフは黙ったままだった。

 

「ちょっと失礼するぞ」

 

『おい!』

 

『健悟?』

 

それを見ていた俺は回線を経由してアルフに語りかけるとアルフが反応してくれた。

 

「回線越しですまんなアルフ。アルフ、こいつらは信用出来る連中だ。だからクロノ執務官が言った通りお前もフェイトも悪いようにしなはずだ」

 

『・・・』

 

「それに仮にこいつらが約束を破ったら、俺がこいつらを倒す。だから安心しろ」

 

『・・・分かった。あんたを信じるよ、健悟。約束だしね』

 

「ありがとう、アルフ」

 

俺を信頼してくれたアルフが話す決心をしてくれた。

 

『話すよ、全部。だけど約束して・・・フェイトを助けるって。あの子は何も悪くないんだよ!』

 

『約束する。エイミィ、記録を』

 

『してるよ』

 

『フェイトの母親、プレシア・テスタロッサが全ての始まりなんだ』

 

アルフが昨夜俺に話してくれたことをなのは、ユーノ、クロノ、エイミィに話す。

一度聞いたが俺ももう一度話を聞いた。

 

『2人とも、聞いたかい?』

 

『うん。全部聞いた』

 

「あぁ、バッチリな」

 

『なのはの話と現場の状況、そして彼女の使い魔、アルフの証言と現状を見るにこの話に嘘や矛盾はないようだ』

 

『どうなるのかな?』

 

『プレシア・テスタロッサを捕縛する。アースラを攻撃した事実でも逮捕の理由にはおつりがくるからね。だから、僕達は艦長の命がありしだし、任務をプレシアの逮捕に変更することになる。君達はどうする、高町なのは、野田健悟?』

 

クロノが俺となのはがこのまま協力を続けるのか尋ねてきた。

 

『私は・・・私はフェイトちゃんを助けたい!アルフさんの想いとそれから私の意志、フェイトちゃんの悲しい顔は私もなんだか悲しいの。だから助けたいの・・・悲しいことから。それに友達になりたいって伝えたその返事をまだ訊いてないしね!』

 

通信越しでもなのはの強い想いが俺にも伝わってきた。

 

「俺は最初っからフェイトを助けるつもりだ。アルフとの約束もあるし、フェイトには笑顔でいてほしいからな」

 

俺自身も自分の素直な気持ちをクロノに伝える。

 

『分かった。こちらとしてもなのはの魔力と健悟の仮面ライダーの力を使わせてもらえるのはありがたい。フェイト・テスタロッサについては、なのはと健悟に任せる。それでいいか?』

 

『うん・・・なのは・・・・だったね?頼めた義理じゃないけど・・・だけど・・・お願い・・・フェイトを助けて・・・』

 

アルフがなのはにフェイトを助けるように頼みこんでいる。

 

『あの子、今本当に一人ぼっちなんだよ・・・』

 

『うん。大丈夫、任せて!』

 

『それから健悟』

 

なのはの次に今度は俺に話しかけてきた。

 

『改めて頼むよ。フェイトを助けて・・・』

 

「分かってるってアルフ。・・・任せろよ」

 

俺はアルフを安心させるために優しく返事を返す。

 

『ありがとう』

 

答えを聞いてアルフはとても安心そうな声で俺にお礼を言ってくれた。

 

『予定通り、アースラの帰還は明日の朝。それまでに君達がフェイトと遭遇した場合は・・・』

 

『うん。大丈夫・・・』

 

「問題ない」

 

『ところで健悟、一つ訊きたいことがあるんだが?』

 

話が済んだので通信を切ろうとするとクロノが俺に尋ねてきた。

また面倒なことを訊かれそうだ。

 

「なんだ?」

 

『最初にアルフがお前との約束だと言ったが一体いつ約束をしていたんだ?』

 

『あ、そういえば』

 

相変わらず本当に面倒な質問をしてくるクロノに対し、俺は誤魔化すことにした。

 

「あー、ちょっと色々あってな」

 

『その色々とはなんだ?』

 

しつこくクロノが訊いてくるのでこちらから強制的に通信を切ることにした。

 

「すまん。そろそろ作業に戻る」

 

『お、おい。ちょっとま--』

 

「回線カット完了」

 

しかし、俺が通信を切ろうとする前に空気が読めるアポロンが回線をカットしてくれた。

本当に頼れる相棒だ。

 

「ありがとう。さーって、さっさと終わらせるか」

 

通信が終わったので再びプラグラム開発の作業に戻った。

 

 

 

 

「よし。終わった」

 

通信の後、ずっとパソコンをいじり続け、全てのプログラムが完成した。

 

「お疲れ様です。マスター」

 

「おう。ところで今何時?」

 

「現在午後8時37分24秒です」

 

「そうか。随分早く終わったな」

 

「そうですね。この後はゆっくりしてはどうですか?明日は早いですし」

 

「そうだな。そうする---「ピーンポーン」って・・・ん?」

 

プログラムも完成したし、風呂に入ってゆっくりしようと思った時にインターホンが鳴った。

 

「誰だ?こんな時間に?」

 

「宅配便か何かでしょうか?」

 

「いや、時間が遅すぎるだろ」

 

しかし宅配便じゃないとしたら本当に誰だろうか?

回覧板か何かか?

 

「とりあえずオールドライド使うか」

 

「そうですね」

 

『OLD RIDE! TWENTY!』

 

「よし」

 

オールドライドで姿を変えてすぐにインターホンの受話器を取った。

 

「はい。野田です・・・が!」

 

『こんばんは、健悟君♪』

 

画面の向こうには何故かリンディがいた。

 

「えっと・・・・何故?」

 

『それは説明するから、とりあえず入れてもらえる?』

 

「は、はい!ちょっと待ってて下さい!」

 

俺は急いで玄関に行う。

 

「ど、どうぞ」

 

「ありがとう。お邪魔するわね」

 

玄関のドアを開け、リンディを家に入れた。

 

「いらっしゃいませ。ハラオウン提督」

 

「あらアポロンさん。お邪魔してます」

 

リンディがリビングに入るとテーブルに置いていたアポロンがリンディに挨拶をし、リンディもアポロンに挨拶を返した。

俺は気になっていたことをリンディに訊いてみた。

 

「あのリンディ提督、どうやってここまで来たんですか?住所は教えてませんよね?」

 

「ええ。でもなのはさんのご家族のかたから聞いたの」

 

あぁ、恭也か美由希さんかぁ。

ライダーのことについては内緒にするようには言ったけど住所までは言ってなかったな。

 

「・・・とりあえず何か飲み物をお淹れます。緑茶でいいですか?」

 

「ええ、ありがとう」

 

俺はキッチンですぐにお茶の用意をした。

 

「それでリンディ提督、御用件はなんですか?」

 

「健悟君のご両親に挨拶しようと思って来たんだけど・・・ご両親は?」

 

本当なら隠しておきたかったけど、ここまで来たなら今更だし、話しておこう。

 

「あぁ、そういえば言ってませんでしたね。いませんよ。2人とも」

 

「・・・・・え?」

 

「色々ありまして両親はいないんですよ。この家には1人で住んでます」

 

「ご、ごめんなさい。私・・・」

 

俺に聞いてはいけないことを聞いてしまったと思いリンディが謝罪をしてきた。

 

「別に気にしてませんよ。あれ~お茶菓子何処だっけ?あ、あった」

 

お茶を淹れ、お茶菓子としてせんべいを発見した。

 

「・・・・寂しくないの?」

 

「そうですね。アポロンとか前のガタックゼクターとか他にも色んなのがこの家にいるんで寂しくはないですね。はい、どうぞ」

 

2人分のお茶とせんべいをテーブルに置き、更にリンディのところだけに本来はコーヒー用に用意しておいたミルクと砂糖を置く。

 

「あ、ありがとう」

 

お茶とせんべいを出すとリンディがお礼を言って、緑茶にミルクと砂糖を入れて飲む。

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

そして何やら気まずい空気が流れている。

恐らくリンディは親のことを聞いてしまったことをまだ気にしているのだろう。

不安そうな顔でチラチラと俺を見ている。

流石にこのままでは気まずいので俺から話しかけることにした。

 

「あの、リンディ提督」

 

「な、何?」

 

「今さっきも言いましたけど、アポロン達がいますから寂しくないですし、両親がいないことは別に気にしてないので。リンディ提督も気にしないでください」

 

「で、でも・・・・」

 

「俺は誰かが悲しむ顔を見たくないんです。出来れば笑顔でいてもらいたい。だからそんな顔をしないでください。そんな顔されたら俺だって悲しくなります」

 

「健悟君・・・・・ありがとう」

 

元気を取り戻したリンディが笑顔で俺にお礼を言う。

 

「はい。やっぱりリンディ提督は笑顔が一番ですね。とても綺麗です」

 

「そ、そんな!お世辞でもありがとう・・・」

 

「お世辞じゃありません!俺、リンディ提督の笑顔、凄く好きですよ?」

 

「!!/////そ、そう?あ、ありが・・・とう////」

 

「いえいえ」

 

俺が自分の正直な気持ちを伝えるとリンディは何故か顔を赤くしている。

俺が女性と話すと何故か皆顔を赤くするんだよなぁ。

・・・・・何でだ?

 

「そ、それじゃあそろそろ失礼するわね?明日は早いでしょうし」

 

「あ、そうですね」

 

リンディは残っていたお茶を飲みほして立ち上がったので玄関まで見送る。

 

「すいませんリンディ提督、わざわざ来ていただいたのに無駄足をさせてしまって」

 

「いいのよ。勝手に来たのは私だから。それじゃあ、おやすみなさい」

 

「おやすみなさい」

 

 

 

リンディSide

私は転移場所に向う途中、健悟君のことを考えていた。

彼はまだなのはさん達と同じ歳の子ども。

まだ親と一緒にいたいはずの年頃なのに彼にはご両親がいない。

本人は寂しくないと言っているけど本当は私に気を使ってくれたのかしら?

 

「はぁ・・・」

 

そう思うと健悟君の心を傷つけてしまったと思ってしまい、私は溜め息をついてしまった。

 

(リンディ提督は笑顔が一番ですね。とても綺麗です)

 

「!」

 

溜め息をついた時、不意に健悟君の言葉を思い出した。

 

「ど、どうしたのかしら?私・・・」

 

(俺、リンディ提督の笑顔、凄く好きですよ?)

 

あの時健悟君に、大人の姿で、笑顔で言われて私は久しぶりに胸がドキドキした。

そして、今もドキドキしている。

 

「・・・こんな気持ち・・・あの人の時みたい」

 

今の気持ちはもう亡くなった主人の時みたいな気持ちだった。

でも、そんなはずはない。

確かに姿は大人だったけど相手は本当は子ども。

子ども相手にあの人と同じ気持ちになるはずがないと思う。

でも、何故かドキドキが収まらない。

そんな気持ちを抱きながら私は転移場所に歩き続けた。

 

 

 

リンディが帰った後、軽い夕食を取り、風呂に済ませ、自室で寛いでいた。

 

「あぁぁ、マジで驚いたなぁ」

 

「しかし、予想外のことではありませんでしたよマスター?恭也様達から教えてもらって来るのは予想外でしたが」

 

「まぁな」

 

原作でなのはの両親挨拶に行くのだから下手したら俺の所にも来る可能性はあったが住所を教えてなかったので大丈夫だと思っていたが、まさか恭也さん達から聞いてくるとは予想外だった。

今度言っておくか。

 

「それにしてもマスター」

 

「ん?」

 

「よくあのような台詞をさらりと言えますね?」

 

「・・・・・なにがだ?」

 

(本人は無自覚で言っているとは・・・我マスターながらなかなか鈍感ですね)

 

「なんでもありません。申し訳ありません」

 

「?まぁ、別にいいけど」

 

アポロンが何が言いたいのか理解出来なかったが気にしないことにした。

 

「さぁて、そろそろ寝るか」

 

「では6時間半後に起こします」

 

「あぁ。あと・・・」

 

「分かっています。プログラムが完成したのですぐに開発に掛かります」

 

「頼む。おやすみ」

 

「おやすみなさい。マスター」

 

アポロンに頼んだ後、明日に備えるために俺は眠りについた。

 

翌日午前4:30

 

「マスター、時間です。起きてください」

 

翌日、まだ日が上っていない時間にアポロンに起こされた。

 

「ふぁ~。おはよう」

 

「おはようございます」

 

アポロンに起こされた俺はすぐに準備を始める。

 

 

午前5:27

準備を整えた俺はガレージに行き、待機していたオートバジン ビークルモードに跨がり、エンジンをかける。

 

「それじゃあ・・・・いくか!」

 

オートバジンを吹かし、ガレージのシャッターが開くと俺は海鳴臨海公園に向けてオートバジンを走らせた。

 

海鳴臨海公園 午前5:55

オートバジンで来たので10分程早く着いた俺はなのは達が来る前に色々準備をし、準備が済んだ3分後の今、なのは、ユーノ、アルフがやって来た。

 

「よう高町、ユーノ、おはよう」

 

「うん。おはよう野田君」

 

「おはようございます」

 

「アルフ、もう平気なのか?」

 

「あぁ、大丈夫だよ」

 

「そうか」

 

なのは、ユーノ、アルフと挨拶を交わし、黙り込んだ。

 

「はぁ・・・・・ここなら・・・いいね?出てきて、フェイトちゃん!」

 

なのはがそういうとユーノとアルフと俺は辺りを見渡す。

そして何かを感じた様になのはが後ろを振り返った。

 

<Scythe form>

 

なのはに続いて後ろを振り返ると聞きなれたデバイスの音声が聞こえ、外灯の上に魔力刃を展開した状態のバルディッシュを持ったフェイトが立っていた。

 

「フェイト、もう止めよう。あんな女の言うこと、もう聞いちゃ駄目だよ。フェイト、このまんまじゃ不幸になるばっかりじゃないか・・・・・だからフェイト!」

 

「・・・・・」

 

アルフがフェイトを説得するがフェイトは首を横に振る。

 

「だけど・・・・それでも私は、あの人の娘だから・・・」

 

フェイトの母親を想う気持ちはとても強い。

フェイトの言葉を聞き、なのはは目を瞑り、左腕を横に伸ばす。

バリアジャケットを展開し、伸ばした左腕にはレイジングハートが握られている。

 

「ただ捨てればいいって訳じゃないよね?逃げればいいってことじゃもっとない。きっかけはきっとジュエルシード・・・だから賭けよう、お互いが持ってる全てのジュエルシードを!」

 

<Put out>

 

<Put out>

 

「それからだよ。全部、それから」

 

なのはのレイジングハート、フェイトのバルディッシュからジュエルシードが出されるとなのははレイジングハートを構えた。

 

「私達の全てはまだ始まってもいない・・・だから、本当の自分を始めるために・・・」

 

「・・・・・」

 

「始めよう。最初で最後の本気の勝負!」

 

なのはとフェイトが互いを見合い、デバイスを構えるのだが・・・

 

「・・・高町、俺の存在忘れてないか?」

 

俺は話しが進められていく中、自分が忘れられていないかと気になった。

 

「へっ?あっ!ご、ごめん」

 

どうやら忘れられていたようだ。

なのはが謝ってきた。

 

「まぁ、いいけど。ここまで言われたら俺の出番はないな」

 

「え?」

 

流石にあそこまで言ったんなら原作通りここはなのはに任せよう。

最初っからそのつもりだったし。

 

「今回俺はレフェリー、お前達の戦いを見届けさせてもらう。後は任せるぞ、高町」

 

「う、うん!」

 

「お前も俺がレフェリーで構わないか、フェイト?」

 

「・・・うん。いいよ」

 

なのはは元気良く返事を返し、フェイトに確認をとるとフェイトも了承した。

 

「了解。それでは・・・・・リリカルファイト!スタンバイッ!!」

 

「BGMスタート」

 

「機動武闘伝Gガンダム」のBGM「燃え上がれ闘志 忌まわしき宿命を越えて」が流れ始める。

BGMが流れ、俺が叫ぶと突然リングのコーナーポストが出現した。

そしてコーナーポストからピンク色のエネルギー状のロープが展開され六角形の巨大なリングの形となる。

ちなみにこのコーナーポストはなのは達が来る前に設置し、Gガンダムのガンダムファイトの際、地球を覆っているコーナーポストを真似している。

 

「な、なんだいこれ?」

 

「これより、高町なのは対フェイト・テスタロッサの魔道対決、『リリカルファイト』を行う!」

 

「り、リリカル・・・ファイト?」

 

「このリングは簡単に言えば結界のようなものだ。リング内に入れるのは対戦者とレフェリーのみ!それ以外の者は入ることを禁ずる!サポート等は一切禁止。ただし、声援、念話は認める!このリングの広さは半径1.5キロ、つまり全体で3キロまでの広さがある。しかし高度と海の深さは制限はない!またリングはバリアの役割もあるため、町や臨海公園の周り、ユーノ達に危害は及ばないので思いっきり戦っても問題ない!何か質問は?」

 

「えっと、ないよ!」

 

「私も・・・」

 

「うむ。では、両者リング内へ!」

 

ルールの確認を取り、2人をリング内に入れる。

リング内に入ったなのはとフェイトは、距離を取り、デバイスを構える。

 

「お互い悔いの残らないよう、正々堂々と戦え。それでは・・・リリカルファイトォォォッ!レディィィィィィッ!ゴォォォォォォォッ!!!」

 

カァァン!

 

俺の叫びとファイトを告げるゴングが鳴り響くとなのはとフェイトはいきなりぶつかり合う。

ぶつかり合う2人のデバイスからスパークが起こり、互いに離れる。

 

<Photon Lancer>

 

互いに離れるとフェイトがフォトンランサーを周囲に展開する。

 

「あっ!」

 

<Divine Shooter>

 

フェイトがフォトンランサーを周囲に展開するとなのはもディバインシューターを展開した。

 

「ファイア!」

 

「シューット!!」

 

最初にフェイトがフォトンランサーのバリエーションであるフォトンランサー・マルチショットを放ち、それに続きなのはがディバインシューターを放つ。

フェイトが放ったフォトンランサーをなのはは全弾回避し、なのはが放ったディバインシューターをフェイトはディフェンサーで防御する。

なのはのディバインシューターを防いだディフェンサーが割れ、フェイトがなのはを見ると既になのはは第2射撃の準備を整えていた。

 

「シューット!!」

 

再びフェイトに向ってなのはのディバインシューターが放たれる。

 

<Scythe form>

 

バルディッシュをサイズフォームにし、向ってくる5つのシューターに向って行き、4つ切り裂き、最後の1つは回避し、そのままなのはに向って行く。

 

「あっ!くっ!」

 

<Round Shield>

 

フェイトが向ってくるなのはは直ぐに右手でラウンドシールドを展開、フェイトの攻撃を受け止めた。

激しく火花を散らしながらフェイトの攻撃を受け止める中、なのはは残っていたシューターをコントロールする。

なのはの指示を受けたシューターがフェイトの背後に向っていく。

背後からシューターが向ってくることに気付いたフェイトは左手でディフェンサーを展開しシューターを防ぎ、防がれたシューターは消滅した。

 

「・・・・・あ!」

 

フェイトがシューターに気を取られ、なのはから目を離すと前にはなのはの姿がなく、周りを探す。

 

<Flash Move>

 

「せええええいっ!!」

 

「あっ!」

 

デバイス音声と声を聞き、フェイトが見上げると上からなのはが突っ込んでいく。

上から突っ込んできたなのはは、レイジングハートで攻撃するがバルディッシュに受け止められる。

レイジングハートとバルディッシュがぶつかるとスパークが起こった後、眩い光が発生した。

 

<Scythe Slash>

 

「はああっ!」

 

今度はフェイトがなのはを上から斬りかかり、なのはは回避するがバルディッシュの魔力刃がバリアジャケットを掠めた。

 

「あっ!」

 

なのはが距離をとろうとするが前方には既にフェイトが仕掛けたフォトンランサーが浮かんでいた。

 

<Fire>

 

バルディッシュの音声をトリガーにしたフォトンランサーがなのはに向って放たれる。

 

「くっ!」

 

なのはは放たれたフォトンランサーを全弾弾き、弾かれたフォトンランサーは海に落ちた。

 

ドゴォォォォォォン

 

「あ」

 

「な、なんだい!?」

 

「なんの爆発だ?」

 

フォトンランサーが落ちたところから爆発が起こり、水しぶきが上がったことでアルフとユーノが驚いている。

 

「アポロン、状況は?」

 

「展開中だったフォビドゥンブルーにフォトンランサーが命中。当たった場所が悪かったらしく機体は大破しました」

 

「そうか」

 

「健悟さん。今の爆発は一体?」

 

俺がアポロンと会話していると先程の爆発の原因が分からないユーノが訊いてきた。

 

「実は海中にはなのは達が戦闘不能になって落ちた時のことを考えて、お前達が来る前に海に救出用に水中用MSを放っておいたんだが、運悪くフォトンランサーに当たったみたいだ」

 

ユーノの質問に俺は何事もないように答えた。

ちなみに先程大破したMSは「機動戦士ガンダムSEED MSV」に登場するMS「GAT-X255 フォビドゥンブルー」。

フォビドゥンブルーの他にも同じ機動戦士ガンダムSEED MSV」に登場するMS「GAT-706S ディープフォビドゥン」「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」に登場した「GAT-707S フォビドゥンヴォーテクス」の3種類のMSを各4機ずつ海に放っている。

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・」

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・」

 

再び目線をフェイト達に戻すと激しい戦いで2人共息を切らしていた。

2人戦いもクライマックスに差し掛かり、フェイトがバルディッシュを両手で持つ。

フェイトの魔方陣が広がり、「ターンエーガンダム」ターンエーの文字の様になのはの周りにフェイトの魔方陣が出現したり、消えたりを繰り返している。

フェイトが大技を出すつもりだ。

 

<Phalanx Shift>

 

フェイトの周りに38基のフォトンスフィアが生成される。

 

「あっ!」

 

それを見たなのははすぐに警戒し、レイジングハートを構える。

 

「あっ!」

 

しかし、レイジングハートを持っている左腕がバインドによって封じられる。

 

「あっ!」

 

左腕に続き、今度は右腕がバインドで封じられた。

フェイトのライトニングバインドだ。

 

「駄目ぇぇぇっ!」

 

突然なのはが叫びだした。

俺には聞こえないがアルフとユーノが念話でサポートしようとしたのだろう。

 

「平気!」

 

なのはがユーノとアルフと念話で話を終えるとフェイトが呪文を唱え始めた。

 

「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル」

 

フェイトが唱え終わるとフォトンスフィアがバチバチと激しい音をたてている。

 

「フォトンランサー・ファランクスシフト!撃ち砕け、ファイアー!!」

 

フェイトのボイストリガーで38基のフォトンスフィアからフォトンランサーが一斉発射される。

一斉射撃されたフォトンランサーが次々となのはに命中、爆煙でなのはの姿が見えなくなる。

 

「なのは!」

 

「フェイト!」

 

「おぉ、すげえな。まるでアニメの宇宙艦隊の艦隊射撃みたいだな」

 

ユーノとアルフが叫ぶ中、俺1人だけが素直な感想を述べていた。

 

「健悟!なに暢気なこと言ってんだい!」

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」

 

アルフが俺につっこんでいる中、上空では大技を使ったフェイトが息を切らしながら次の攻撃に備えている。

 

「大丈夫だろ?あいつなら。そうだろアポロン?」

 

「イエス、マスター。そのようです」

 

俺がなのはの方に目を向ける。

爆煙が晴れるとそこにはあれ程の一斉射撃を受けたにも関わらず無傷のまま立っているなのはがいた。

 

「撃ち終るとバインドってのも解けちゃうんだね。今度はこっちの・・・」

 

<Divine・・・>

 

レイジングハートの先端に魔力が収縮していき・・・

 

「番だよ!!」

 

<・・・Buster>

 

ディバインバスターが放たれた。

 

「うあああっ!!」

 

フェイトも反撃をするが高出力のディバインバスターに軽く飲み込まれた。

 

「あっ!」

 

攻撃が飲み込まれるとフェイトはすぐにディフェンサーを展開、なのはのディバインバスターを受け止めた。

ディバインバスターの威力にフェイトのバリアジャケットがボロボロになっていく。

そしてディバインバスターの掃射が終わった。

掃射時間、29.8秒。

約30秒間のディバインバスターの掃射に耐えた。

しかし、まだ終わりではなかった。

 

「ハァ、ハァ、ハァ・・・!」

 

フェイトが息を切らしていると桃色の光が強く光っている。

 

「受けてみて。ディバインバスターのバリエーション・・・」

 

なのはの前に魔方陣が展開される。

 

<Starligut Breaker>

 

レイジングハートの音声の後、周りから魔力が集まっていき大きな球体となっていく。

 

「くっ!あっ!」

 

フェイトはすぐに回避行動をとるが動くことが出来ない。

 

「バ、バインド!?」

 

フェイトの両腕、両足にいつの間にかバインドが掛けられていた。

 

「これが私の・・・全力全開!!」

 

レイジングハートをフェイトに向け・・・

 

「スターライトォォォォォッブレイカァァァァァァァッ!!!」

 

なのはの強力砲撃魔法「スターライトブレイカー」がフェイトに放たれた。

スターライトブレイカーはフェイトを直撃、海面に着弾すると凄まじい水柱を上げている。

 

「・・・・・すげぇ」

 

「大迫力ですね」

 

フェイトのファランクスシフトが艦隊射撃ならなのはのあれ(スターライトブレイカー)はU.Cでコロニーレーザー、アフターコロニーでリーブラの主砲、C.Eでローエングリン、ダブルオーでメメントモリかソレスタルビーイング号の大型砲だな。

MSならU.Cでデンドロビウムのメガビーム砲、百式のメガバズーカランチャー、ZZのハイメガキャノン、アフターコロニーでウィングガンダムゼロのツインバスターライフル、アフターウォーでガンダムDXのツインサテライトキャノン、C.Eでブルーフレームセカンドのローエングリンランチャー、ダブルオーでトランザム状態のヴァーチェのGNバスーカ バーストモード、セラヴィーのツインバスターキャノン、ガデッサのGNメガランチャークラスだな・・・・例えが無茶苦茶だな俺。

俺がそんなことを考えていると力尽きたフェイトが海に落下した。

 

「フェイトちゃん!・・・・・!」

 

「大丈夫だよ。安心しな」

 

なのはがフェイトを助けようと海に入ろうとすると海面からフェイトを抱えたフォビドゥンブルー(ジェーン・ヒューストン機)とバルディッシュを持ったディープフォビドゥンが浮上してきた。

 

「ご苦労、フォビドゥンブルー」

 

仮面ライダーブレイドにカメンライドしてジャックフォームにフォームチェンジした俺がなのは達に近づいた。

 

「任務だからね」

 

フォビドゥンブルーとディープフォビドゥンからフェイトとバルディッシュを受け取った。

 

「ん・・・んん・・・」

 

「起きたか?フェイト」

 

「けん・・・ご?」

 

フォビドゥンブルーからフェイトを受け取るとフェイトは目を覚まし、俺の名前を呟いた。

 

「おう。大丈夫か?」

 

「・・・うん」

 

フェイトに無事を確認するとフェイトは頷いた。

 

「フェイトちゃん」

 

なのはがフェイトを呼び、俺はなのはの方を向いた。

 

「私の・・・勝ちだよね?」

 

「そう・・・みたいだね」

 

<Put out>

 

勝敗が決まり、バルディッシュからジュエルシードが出された。

 

「マスター!」

 

「!」

 

アポロンの声で空を見上げると空に雲が集まり、雷がゴロゴロと鳴っている。

プレシアの攻撃がくる。

 

「フェイト。少し放れてろ。アポロン!今日は直接変身だ!」

 

「ラージャ!」

 

フェイトを俺から離れさせるとカードケースからカードを取り出し、フェニックスドライバーに入れた。

 

『BRAVE RIDE!』

 

「変身っ!」

 

『STAR GAOGAIGAR!』

 

トリガーを引くと仮面ライダーブレイド ジャックフォームから宇宙用のガオガイガー「スターガオガイガー」に変身した。

 

「高町、フェイト、下がっていろ!」

 

スターガオガイガーに変身した俺はウルテクエンジンの出力を上げ上昇した。

 

「今度は前のようにはいかない!ウォールリング!」

 

ある程度上昇した俺は背中のステルスガオーⅡの左側のウルテクエンジンに取り付けられているリング状の強化パーツ「ウォールリング」を左腕の前に出す。

 

「プロテクト、ウォォォォォルッ!!」

 

左腕を前に出し前回同様プロテクトシェードを発生させる。

そしてウォールリングによって強化されたプロテクトシェード「プロテクトウォール」でプレシアの攻撃を受け止めた。

 

「よし!」

 

「第2波、来ます!」

 

「何!!」

 

プロテクトウォールで雷を受け止めたことに安心しているとアポロンから第2波の警告を聞かされた。

アポロンの警告の後、すぐに俺の横を別の雷が通りすぎフェイトに直撃した。

 

「しまった!」

 

「フェイトちゃん!」

 

「ううう・・・くうう・・・!!」

 

なのはは叫び、フェイトは苦しみ、フェイトのバルディッシュも戦いのダメージが蓄積されていたため待機モードに戻った。

バルディッシュから出された9つのジュエルシードは転移され姿を消した。

 

「第2攻撃だと?原作ではそんなのなかったぞ!」

 

「恐らくマスターが助けることを想定し、攻撃を2回行ったのでしょう」

 

「くそ!」

 

原作とは違う行動に対応出来なかった俺は悔しさのあまり拳を強く握り締め、ジュエルシードが消えた空を睨んだ。

 

「マスター、アースラに帰還しましょう。恐らく武装局員達が庭園に向うはずです」

 

「あぁ。分かっている」

 

俺は気絶しているフェイトを抱えているなのはの元に行き、フェイトとアルフを連れてアースラに帰還した。

 

 

次元空間 アースラ発令所

アースラに帰還するとフェイトに手錠を掛けられ、アースラのブリッジに連れて行った。

ブリッジに入ると武装局員部隊が転送され庭園に進入を開始していた。

 

「お疲れ様。それから・・・フェイトさん。始めまして」

 

「・・・・・」

 

リンディがフェイトに挨拶をするがフェイトは黙ったままだった。

 

「フェイトちゃん。よかったら私の部屋・・・あ・・・」

 

なのはが念話でのリンディの指示でフェイトを別の場所に移そうとするがフェイトは自らモニターを見る。

 

『総員、玉座の間に侵入。目標を発見』

 

オペレーターの報告を聞き、俺もモニターに目を向けた。

武装局員達がプレシアを包囲し、玉座の間の奥に入っていき扉を開く。

そしてその扉の向こうの部屋には一つのカプセルが置いてあった。

 

「えっ!!」

 

なのはが驚きの声を上げる。

そのカプセルの中にはフェイトがもう1人いた。

カプセルの中にいたもう1人のフェイトは事故で亡くなったプレシア・テスタロッサの本当の娘「アリシア・テスタロッサ」だった。

 

「ああ・・・あ・・・!」

 

あまりのことにフェイト自身も驚いている。

 

(あの子がアリシア・テスタロッサか)

 

なのはとフェイトが驚いている横で俺は冷静にモニターを見続けていた。

 

<私のアリシアに・・・近寄らないで!!>

 

プレシアが武装局員を攻撃し始める。

残った武装局員達も反撃を行うが全く効果がない。

 

<うるさいわ・・・>

 

「危ない!防いで!」

 

プレシアの行動にリンディはすぐに指示を出すが間に合わず武装局員達は攻撃を受け悲鳴を上げ、行動不能となった。

 

<ふふふふははははは>

 

倒れている武装局員達にプレシアは笑っている。

 

「いけない!局員達の送還を!」

 

『りょ、了解です!』

 

リンディの的確な判断で武装局員達が送還された。

 

「アリ・・・シア・・・?」

 

フェイトは唖然とモニターを見ながらアリシアの名を呟いた。

 

<もう駄目ね、時間がないわ。たった9個のロストロギアではアルハザードに辿り着けるかどうか分からないけど・・・けど、もういいわ。終わりにする。この子を亡くしてからの暗鬱な時間も・・・この子の身代わりの人形を娘扱いするのも>

 

「あっ!」

 

プレシアの言葉にフェイトが反応する。

 

<聞いていて?貴女のことよフェイト。折角アリシアの記憶をあげたのにそっくりなのは見た目だけ、役立たずでちっとも使えない・・・私のお人形>

 

『最初の事故の時にね。プレシアは実の娘、アリシア・テスタロッサを亡くしているの。彼女が最後に行っていた研究は使い魔とは異なる、使い魔を超える人造生命の生成・・・そして死者蘇生の秘術。フェイトって名前は当時彼女の研究に付けられた開発コードなの』

 

プレシアの後にエイミィが調べた真実を語った。

 

<よく調べたわね。そうよその通り。だけど駄目ね。ちっとも上手くいかなかった。作り物の命は所詮作り物・・・失ったものの代わりにはならないわ。アリシアはもっと優しく笑ってくれたわ。アリシアは時々わがままも言ったけど、私の言うことをとてもよく聞いてくれた>

 

「止めて・・・」

 

プレシアの話を聞いていたなのはが止めるように言う。

しかしそれでもプレシアは語るのを止めない。

 

<アリシアは・・・いつでも私に優しかった。フェイト、やっぱり貴女はアリシアの偽者よ。折角あげたアリシアの記憶も・・・貴女じゃ駄目だった>

 

「止めて・・・止めてよ!」

 

<アリシアを蘇らせるまでの間に私が慰みに使うだけのお人形。だから貴女はもういらないわ。何処へなりと消えなさい!>

 

「お願い!もう止めて!!」

 

なのはは叫び、フェイトは目に涙を浮かべていた。

事情を知ってはいるが俺自身も怒りを堪えている。

 

「ふふふふ、いいことを教えてあげるわフェイト。貴女を作り出してからずっとね、私は貴女が・・・大っ嫌いだったのよ!」

 

「・・・!!」

 

母親の一言を聞いたフェイトはバルディッシュを落とし、その場にしゃがみ込んだ。

 

「フェイトちゃん!」

 

「フェイト・・・」

 

心配したなのはとユーノがフェイトに声をかける。

ついに言ってしまったか、プレシア・テスタロッサ。

 

「局員の回収、終了しました」

 

「うん」

 

『た、大変大変!ちょっと見て下さい!屋敷内に魔力反応、多数!!』

 

『なんだ?!何が起こってる?!』

 

武装局員の回収を終えると庭園に以上が発生した。

庭園内から無数の傀儡兵が現れた。

 

『庭園敷地内に魔力反応、いずれもA+!』

 

『総数60・・・70・・・80・・・まだ増えています!』

 

「プレシア・テスタロッサ!一体何をするつもり?!」

 

リンディがプレシアに問う中、プレシアはアリシアが入ったカプセルを浮かばせた。

 

<私達の旅を、邪魔されたくないのよ>

 

プレシアはカプセルを浮かばせながら玉座の間に移動する。

 

<私達は旅立つの!忘れられた都、アルハザードへ!>

 

9つのジュエルシードを玉座の間に散開させる。

 

『まさか!』

 

プレシアの行動に気付いたクロノが叫んだ。

 

<この力で旅立って取り戻すのよ・・・全てを!!>

 

そういってプレシアは9つのジュエルシードを全て発動させた。

ジュエルシードを発動させるとアースラの艦内で警報がなり響く。

 

「次元震です!数規模以上!」

 

「振動防御!ディストーションシールドを!!」

 

「ジュエルシード9個発動!次元震、更に強くなります!」

 

「転送可の距離を維持したまま、影響の薄い空域に移動を!」

 

「りょ、了解です!」

 

クルーの報告を受けたリンディが的確に指示を出していく。

 

「高町。とりあえずフェイトを医務室に連れて行くぞ」

 

「う、うん」

 

「アルフ、悪いがフェイトを」

 

「あぁ、分かった」

 

ここにいては邪魔になる可能性があるため俺達はフェイトを医務室に連れていった。

 

 

医務室に向う途中、現場に向おうとするクロノに合った。

 

「クロノ君何処へ?」

 

「現地へ向う!元凶を叩かないと!」

 

「私も行く!」

 

「僕も!」

 

クロノが現地へ行くことを告げるとなのはとユーノも行こうとする。

 

「分かった」

 

「アルフはフェイトについててあげて」

 

「う、うん」

 

クロノは同意しユーノはアルフにフェイトの傍にいるようにいう。

 

「君はどうするんだ?」

 

俺がどうするかまだ言ってないのでクロノが尋ねる。

 

「先に行っててくれ。フェイトに言いたいことがある。俺は後から行く」

 

「分かった」

 

そう告げるとクロノはなのはとユーノと共に転送ポートに向っていた。

 

「行くぞアルフ」

 

「あぁ」

 

クロノ達が向うのを確認すると俺もアルフを連れて医務室に向った。

 

 

アースラ医務室

フェイトを医務室のベットに寝かしアルフはフェイトのそばで俺は少し離れて見守っている。

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

沈黙が続く中、そろそろなのは達が戦い始める時間だ。

時間が迫ってきたので俺はフェイトに言いたかったことを伝える。

 

「フェイト、いつまで寝てるつもりなんだ?」

 

「け、健悟!?」

 

俺のあまりの質問にアルフが驚きながら俺の方を向いた。

 

「母親に大嫌いだと言われて傷つく気持ちは分かる。だが、母親に大嫌いとたった一言言われただけで立ち直らず、もう諦めてしまうなら、プレシア・テスタロッサの言う通り、君はただの人形だ」

 

「っ!!」

 

「ぐっ!!」

 

俺の言葉に怒り、俺はアルフに殴られ、医務室の壁にぶつかった。

 

「あんたにフェイトの何が分かるって言うんだい!!この子は母親のために今までずっと頑張ってきたんだ!あの人に、前の優しい母親に戻って欲しくて頑張ってきたんだ!!」

 

「・・・・・」

 

俺を殴ったアルフは俺に近づき、胸倉を掴み、俺に怒鳴る。

俺はそれを黙って聞いた。

 

「それなのに、この子は裏切られたんだ!!自分が一番大切だと思ってた人に!!何も知らないくせに偉そうなことを言うな!!!」

 

「・・・・・知るかよ」

 

アルフの話を聞いた俺はゆっくり口を開く。

 

「!!」

 

「フェイトがどんなに頑張ってきたのかなんて俺が知ってる訳ないだろ?」

 

「あんた!!」

 

「だって俺は、野田健悟であって、フェイト・テスタロッサじゃない。フェイトの全てを知ってる訳ないだろ?」

 

「あっ・・・・」

 

アルフが再び怒ろうとするが俺の言葉で落ち着きを取り戻す。

 

「確かに俺も大切だと思ってる人に大嫌いと言われたらフェイトと同じように傷つくだろう。もしかしたらフェイトのようになってしまうかも知れない」

 

「だったら---「だが」・・・?」

 

「あるいはもう一つの行動をとるかもしれない」

 

「もう一つの行動?」

 

「立ち直ることだ」

 

俺はハッキリと言う。

 

「例えどんなに心に大きな傷が出来たとしても人は立ち直り、立ち直ることでまたやり直すことが出来る!」

 

「・・・・・」

 

「でも、立ち直るのか、それとも立ち直らないか、あとは個人が決めることだ」

 

そういって俺は立ち上がり、フェイトの方を向き、フェイトに向って話す。

 

「立ち直りたくないんならそれでもいい。でもそれは結局現実から逃げているだけだ。それではさっきも言ったように君は言うこと聞くだけのただの人形だ。自分が人形じゃないと言うんなら立ち直るんだフェイト。立ち直って全てを受け入れろ」

 

「フェイト・・・」

 

再び沈黙した空気が流れる。

 

「・・・・・ちょっとここである物語を話そうか」

 

「?物語?」

 

「ある世界に1人の戦士がいました。その戦士の世界は破滅の危機にさらされました」

 

俺はある物語を語りだした。

 

「その戦士のところに1人の男が現れ、男は戦士にこう言いました。『この世界の九つの国に強力な力を持った9人の戦士がいます。しかし今、その戦士達の力が融合し、そのために国が一つになろうとしている。やがて全ての国が消滅し、世界は破滅します』それを聞いた戦士はどうすればそれを防げるのかを尋ねました。その問いに男は答えました。『10人目の戦士よ、貴方は九つの国を旅しなければいけません。そしてその九つの国の戦士達を倒すのです。貴方は全ての戦士達を破壊する者です。そうしなければ世界は破滅します。想像は破壊からしか生まれませんからね』っと答えました」

 

俺が語っているのは「仮面ライダーディケイド」のストーリー。

ディケイドの装着者「門矢士」が九つの仮面ライダーの世界を旅するきっかけとなる場面の台詞などを使っている。

 

「それを教えられた10人目戦士は世界を救うために仲間である写真屋のおじいさんと孫娘とともに九つの国に向けて旅を始めました。しかし戦士が最初の国に辿り着くと9人の戦士の1人に出会い、その戦士にいきなり『世界を滅ぼす悪魔』っと呼ばれました。戦士がそのように呼ぶ理由を尋ねると『ある男に貴様は世界を破滅される悪魔だと教えられた』っと9人の戦士の1人が答えました」

 

門矢士が旅を始め、九人の戦士の一人、「仮面ライダークウガ」の世界に行った時、後に仲間となる仮面ライダー「仮面ライダークウガ」の「小野寺ユウスケ」にディケイドとして出会った時に言われた台詞だ。

 

「戦士と戦士は互いに戦いを始めますがそこに九人の戦士の一人の国に住んでいる魔物達が現れ、国の人々を襲い始めました」

 

「九人の戦士の1人は自分の国を、国住む人々の笑顔を守るために戦士との戦いをやめ、魔物達と戦い始めました。しかし、魔物達の数に徐々に押されていきました。九人の戦士の1人が諦めかけたその時、さっきの戦士が現れ、魔物達と戦い始めました。魔物が何故その戦士を助けるのかを10人目の戦士に尋ねました。すると10人目の戦士は「こいつが人の笑顔を守るなら、俺はこいつの笑顔を守る」っといいました。その言葉を聞いた九人の戦士の1人は10人目の戦士と協力して魔物達を退治しました。その後10人目の戦士は九人の戦士の1人を倒さず、そのまま旅に出ました。その後、戦士にも仲間が増えていき、他の国でも戦士は九人の戦士達や更に別の国の戦士達に悪魔と言われ倒されそうになりましたがその度にその国で起きた事件に手助けをし、戦士達や戦士達の国を滅ぼすどころか。戦士達や戦士達の国を救っていったのです」

 

クウガの世界でユウスケを救い、その後のキバの世界、龍騎の世界、ブレイドの世界、ファイズの世界、アギトの世界、電王の世界、カブトの世界、響鬼の世界を旅し、更にはネガの世界、シンケンジャーの世界、ディエンドの世界も旅をし、その世界での事件からライダー達を助けてきた。

 

「しかし、それでも世界の破滅はこくこくと迫っていました。その結果、九人の戦士の9番目と5番目の戦士の国が融合してしまい。争いが起こってしまいました」

 

9番目と5番目の戦士の国が融合、つまり仮面ライダーキバと仮面ライダーブレイドの世界が融合してしまった時のことだ。

 

「そしてついに九人の戦士達が破壊者と呼ばれる10人目の戦士を討つことを決意し、10人目の戦士は自分は今まで何をしてきたのか。なんのために旅をしてきたのか分からなくなり、世界の破壊者として世界を破壊することを決めてしまいました」

 

ディケイドの最終話でクウガからキバまでのライダーと戦うことになりディケイドは破壊者へと変わってしまった。

 

「そして戦士は様々な国の戦士から命を狙われ続け、彼を襲った戦士達は皆倒されました。しかし、その戦士も最後は仲間だった写真屋の孫娘によって倒されてしまいました。10人目の戦士が倒されたことによって全ての国は元通りになり、倒されたはずの戦士達も蘇り、全てが元に戻りました。たった一人、10人目の戦士を除いて。世界が元に戻り、10人目の戦士が倒れてすぐ、世界はまた新たな危機にさらされました。今まで様々は国の戦士達に10人目の戦士が世界を滅ぼす悪魔だと教えてきた男とその男の所属している悪の組織が世界征服をしようとあらゆる国の魔物達を連れて世界を滅ぼそうとしました。そんな中、10人目の戦士の仲間であり、戦士を倒した孫娘と最初に出会った九人の戦士の1人と旅をしている時、最初は仲間というものを嫌い、敵同士だったけど、後に和解し仲間となったトレジャーハンターが10人目の戦士を蘇らそうとします。そして、3人の想いが届き、倒された10人目の戦士が蘇りました。仲間のおかげで蘇ることが出来たことを知った戦士はあることに気付きました。自分がこうして仲間に出会えたのは、旅をしていたおかげだと、自分がしてきた旅は無駄ではなかったと。今までの旅は多くの人と出会うためにあったのだと。そして10人目の戦士は再び立ち上がり、仲間達と共に悪の組織に立ち向かう。今までの旅を無駄にしないために、旅と言う名の自分の物語を終わらせないために、そして新しい物語を始めるために」

 

MOVIE大戦2010で全てのライダーを倒し、夏美が変身した仮面ライダーキバーラに倒され全てのライダーが蘇った。

スーパーショッカーが誕生し、世界は危機にさらされた。

士を復活させようする夏美、ユウスケ、海東の想いが届き、門矢士は復活する。

そして士は旅をして物語をつなぐことが士の、ディケイドの物語だとゆうことが分かった。

 

「魔物達と戦っていると今まで旅をして訪れた九つの国の戦士達が10人目の戦士達を助けに来てくれました。10人目の戦士と九つの国の戦士達が力を合わせ、見事悪の組織を倒し、世界に平和を取り戻すことが出来ました。戦いの後は仲間とともに自分自身の新たな物語を始めるために新たな旅に出ましたとさ」

 

スーパーショッカーが生み出したネオ生命体との戦いアギトからキバが集まり全員の力でネオ生命体を倒し、スーパーショッカーに勝利し、戦いを終えた士達はまた新たな旅に出て行った。

 

「・・・以上だ」

 

「・・・・・」

 

俺が物語を語り終え、聞いていたアルフは黙ったままだった。

 

「この物語に出てきた戦士は最初は自分が破壊者だと信じていなかった。でも人々から悪魔と呼ばれ続け、襲われ、世界に失望してしまった。でも、一度倒され、大切な仲間が助けてくれたことで戦士はもう一度やり直すことが出来た。自分自身の新しい物語を始めることが出来た」

 

そういいながら俺は寝ているフェイトに近づいてしゃがみ、フェイトの頭を優しく撫でる。

 

「フェイト、確かに今の物語はお前が望んでいた物語とは違ったかもしれない。でも違っていたのならもう一度やり直せばいい。お前の、フェイト・テスタロッサの本当の物語を・・・ここから始めろ」

 

今の自分がフェイトに出来るだけのことをした俺はフェイトを撫でるのを止め、立ち上がる。

 

「アルフ、後は頼む」

 

「え?」

 

「俺はこれからあいつらを援護しに行く」

 

俺はなのは達が映っているモニターを見る。

 

「あぁ」

 

「いくぞ、アポロン」

 

「イエス、マスター」

 

「健悟」

 

「ん?」

 

フェニックスに変身しようとするとアルフが俺を呼び、アルフの方を向く。

 

「あんた・・・本当に何者なんだい?」

 

アルフに言われた俺はお決まりの台詞を言った。

 

「俺は・・・・・通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」

 

微笑みながら言った俺はフェニックスドライバーを回しながら取り出し、フェニックスのカードを入れる。

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身っ!!」

 

『PHOENIX!』

 

フェニックスに変身した俺はカードケースから別のカードを取り出す。

 

「あ、それともう2ついい忘れたことがある」

 

あることを思い出した俺はドライバーに入れようとした手を止め、もう一度フェイトを見る。

 

「これはとある人達が言ってたことだ。『裏切られることも悪くない。その分人の痛みも分かるようになる』『人は後悔しないように生きるべきだ。自分の思い通りに。自分の人生を狭くするのは他人じゃない。本当は自分自身なんだ』ってな」

 

これらの言葉は「仮面ライダーアギト」に登場する「仮面ライダーギルス」の「葦原涼」と「仮面ライダーアナザーアギト」の「木野薫」が劇中で言っていた台詞だ。

 

「フェイト、確かに裏切られることはとても辛いことだ。でも今の言葉のように裏切られるっていうのは決して全てが悪いわけじゃない。裏切られた時の辛さを知っているお前なら、いつか同じ辛さを持った人と出会った時、その人の辛さを少しでも理解し、手を差し伸べることが出来る優しい人間になれるはずだ」

 

『AESTI RIDE!』

 

「変身!」

 

『BLACK SELENA!』

 

そういって俺はブラックサレナに姿を変える。

 

「後悔のない選択をしろよ?」

 

ボソンジャンプのカードを取り出し、ドライバーに入れる。

 

『SYSTEM RIDE! BOSON JUMP!』

 

「野田健悟、出撃する!」

 

「ジャンプ開始」

 

ボソンジャンプを使い、なのは達のもとに向った。

 

 

 

 

後書き

 

 

ARXー7アーバレスト 「やっと書けた」

 

健悟「本当だな」

 

アポロン「しかしまだ早いほうですね」

 

健悟「最後のシーンのディケイドの例えはちょっと無理があったんじゃないか?それになんかアルフに言ってたのもなんか・・・」

 

ARXー7アーバレスト「あぁ、あれは・・・」

 

アポロン「アルフに言ってたのは作者が本当に思っていたことで、ディケイドのあれはMOVIE大戦2010の門矢士の台詞が凄くかっこよかったから使いたかったからだそうです」

 

健悟「何その曖昧な理由」

 

ARXー7アーバレスト「その曖昧な理由でこの小説は出来ているのだ!」

 

健悟「駄目だこいつ」

 

アポロン「私は慣れました」

 

健悟「なんで遅れたんだ?またゲームか?」

 

ARXー7アーバレスト 「いや、今回はある理由で投稿が遅れた。いや、遅らせた」

 

健悟・アポロン「「ある理由?」」

 

ARXー7アーバレスト 「実は本日、3月18日にて『~少年が望んだ世界と力~』が投稿一周年を迎えたのだ!」

 

健悟「おお!マジか!」

 

ARXー7アーバレスト 「マジです!」

 

アポロン「しかし、その割りには投稿がギリギリでしたね?」

 

ARXー7アーバレスト「実は若干忘れてて、バイトの作業中に思い出した」

 

健悟「馬鹿だろお前?」

 

ARXー7アーバレスト 「いやぁ、面目ない」

 

アポロン「しかし何故それと今回の話の投稿が遅れたのですか?」

 

ARXー7アーバレスト 「この報告しようにも次の二十四話が今日までに完成する自身が無かったからこれを代わりに使って報告してる」

 

健悟「いやいや、そこは頑張れよ」

 

ARXー7アーバレスト 「今回二十四話は結構編集してるから無理だったんだよ」

 

アポロン「それにしても一周年ですか。早いですね」

 

ARXー7アーバレスト 「本当だったら去年の今頃にA's編に突入してたはずなんだけどなぁ」

 

健悟「まぁでも書き直せた分面白くなったからいいんじゃないか?」

 

ARXー7アーバレスト 「そうだね。さて、読者の皆様。皆さんが応援して下さったお蔭で『~少年が望んだ世界と力~』は一周年を迎えることが出来ました。この作品をよく思わない方々からのメッセージを貰い、この作品を続けるか否か多少考えた時がありましたがそれ以上に面白いと言って下さった方や励ましのメッセージを送って下さった方、続きを楽しみにしてると言って下さった方、お気に入りユーザー登録等をして下さった多くの方々のお蔭で続けることができ、一周年を迎えることが出来ました。心からお礼申し上げます。本当に嬉しいです。本当は文章ではなく直接会ってお礼を言いたい程です。しかしながらそれが叶わないため素直な思いを文章で言わせて頂きます。ありがとうございます!これからも『~少年が望んだ世界と力~』をよろしくお願いします!」

 

健悟・アポロン「「ありがとうございます!!」」

 

ARXー7アーバレスト 「ではそろそろ次回予告と行こう!今回の次回予告はこれだ!」

 

アポロン「BGMスタート」

 

BGM「Alive A life」

 

健悟「仮面ライダー龍騎か」

 

ARXー7アーバレスト 「では健悟君、最初と最後よろしく!」

 

健悟「はいよ。ゴホンッ!次回、少年が望んだ世界と力は」

 

クロノ「この程度の相手に無駄弾は必要ないよ」

 

健悟「向こうが数で攻めてくるならこっちも数を増やして攻めるだけだ」

 

フェイト「私の・・・私達の全ては・・・まだ始まってもいない・・・」

 

健悟「始めるんだな。お前の本当の物語を・・・」

 

なのは「上手く言えないけど・・・頑張って」

 

クロノ「世界はいつだってこんなはずななかったことばっかりだよ!」

 

フェイト「それを望むなら、私は世界中の誰からも、どんな出来事からも、貴女を護る」

 

健悟「あの機体は・・・!」

 

『第二十七話 ガンダム襲撃』

 

健悟「戦わなければ生き残れない!」

 

ARXー7アーバレスト 「OK!」

 

健悟「今回は楽しかった」

 

ARXー7アーバレスト 「そうなの?」

 

健悟「あの最後の台詞、好きだからな」

 

ARXー7アーバレスト 「なるほど」

 

アポロン「よかったですねマスター」

 

健悟「次回は様々な作品のヒーローやロボット達が登場します」

 

ARXー7アーバレスト「次回もお楽しみに!!」

 

 

今回登場したMS、ロボット紹介

 

フォビドゥンブルー

「機動戦士ガンダムSEED MSV」に登場する地球連合軍の水中用MS。

ザフト軍の水中用MSに対し水中戦で遅れを取っていた地球連合軍が地球連合軍の第二次GAT-XシリーズのMS「GAT-X252 フォビドゥンガンダム」をベースに開発し青色に塗装されている。

フォビドゥンに装備されていたゲシュマイディヒ・パンツァーとTP(トランスフェイズ)装甲によって理論上は無制限に潜航することが可能だが深海でゲシュマイディヒ・パンツァーとTP装甲が機能停止すると水圧によって機体が一瞬で圧壊してしまいパイロットが死亡する危険性からテストパイロットからは「フォビドゥンコフィン(禁断の棺桶)」と呼ばれ、全機で4機が製造された。

地球連合軍の海軍に所属しフォビドゥンブルーの開発に関わり、自らテストパイロットになったMSパイロット、白鯨こと「ジェーン・ヒューストン」の搭乗MS。

 

ディープフォビドゥン

「機動戦士ガンダムSEED MSV」に登場する地球連合軍の水中用MS。

フォビドゥンブルーの実動データを元に問題であった緊急時の耐圧性をコックピット周辺にチタン合金製の耐圧殻を採用したことで改善し開発した制式使用MS。

 

フォビドゥンヴォーテクス

「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」に登場する地球連合軍の水中用MS。

フォビドゥンブルー直系の機体でほぼ同系の形状、性能を持ち、ディープフォビドゥンのフィードバック技術で採用されたチタニウム耐圧殻を使用し潜行深度の向上、潜水時間が延長されたMS。

 

スターガオガイガー

対原種戦において、宇宙空間での戦闘に対応するため従来のステルスガオーに宇宙用ウルテクエンジンを搭載、改造された「ステルスガオーⅡ」と合体することで完成したガオガイガーのバージョンアップ形態。

宇宙用ではあるが地上でも何度か使用されているので地上運用も問題ないとされている。

 


 
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