No.544997

Sweet & Mint / マミQさんとバレンタイン

佐倉羽織さん

まどかマギカでバレンタイン。1つめのお話しはマミさんとキュゥべえさんです。

2013-02-16 15:05:00 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:780   閲覧ユーザー数:780

○まみQさんとバレンタイン

 

 

その日、マミさんは魔女探しも程々に。自分のマンションのキッチンでなにやらお菓子を作っておりました。そこへいつものようにふらりと現れたキュゥべえさん。マミさんの後ろ姿を見てこう言います。

 

「マミ、今日はなんだか興奮しているね。血圧も脈拍もなかなか高めだよ」

「あら、キュゥべえ」

マミさんは振り向いてしゃがんで。視線を落としてのぞき込みます。両手は後ろに何かを隠しているようですよ。

「いつもながらにジャストタイミンね。はい、これ」

さっと差し出したのはピンクの包装紙でラッピングされたハート型の物体。

「これは。くんくん。カカオ抽出物だね。マミ、これは栄養価が高すぎるよ。また自重の継続的増加に悩まされる羽目になるよ?」

鼻なんてどこにあるのか分からないのに、まるで子猫のようににおいを確かめたキュゥべえさんに、マミさんはにっこりほほえみながら。

「ふふ、私は少し味見をしただけだから大丈夫。これはキュゥべえのぶんよ」

そう言ってウインク。キュゥべえは相変わらず無表情に聞き返します。

「意味がつかみかねるね。どうして僕にカカオ抽出物を渡そうとするんだい?」

「んー。今日は、バレンタインデー、だからかな?」

少しはにかんで答えるマミさんにキュゥべえさんはつれなく、

「マミ、君は少しって言っていたけどかなり摂取したんじゃないのかい?明らかにカフェインによると思われる興奮反応が見えるよ」

との分析。マミさんチョットむくれて確認します。

「もー。キュゥべえは知らないの?」

「なにをだい」

あっさり答えるキュゥべえさんにマミさんは優しく答えます。

「今日は、お世話になった人とか、大事な人にチョコを送る日なの。はい、受け取って」

そう言ってキュゥべえさんの目の前にそっと包みをおいて。

「意味がよく分からないけど、ありがたく受け取るよ」

キュゥべえさんは軽く会釈。それをみたマミさん。うれしそうに答えます。

「ありがとうキュゥべえ」

「なんで贈り物をもらってお礼を言われるんだい?」

相変わらず何を考えているのかわからない表情のキュゥべえさんが聞き返します。マミさんは恥ずかしそうに頬に手をあてます。

「んふふ、いいのいいの。じゃあ、開けるから食べて」

マミさんは早速リボンを解いて包装紙を丁寧に剥がします。

「どうせすぐ食べるのならそんなに厳重に梱包する必要はないんじゃないかな?」

「もう、男の子はロマンがないなあ」

口調とは裏腹に上機嫌のマミさんは、チョコを二つに割って。一つはキュゥべえさんに、もう一つは自分に。仲良く二つのかけらを一緒に食べました。


 
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