No.519205

明日菜と水妖精

bambambooさん

アニメでアスナさん無事救出!

良くやりましたキリト君! 流石アスナさんの嫁だねっ! 須郷wwザwwマwwアww


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2012-12-16 11:59:53 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1845   閲覧ユーザー数:1753

 

~ 明日奈と水妖精(ウンディーネ)

 

 

ウンディーネは、川や湖などの水辺に住む、美しい女性の姿をしていると言われる水の妖精だ。

 

そんな彼女たちは、私にとてもよく似ている。

 

私の容姿が美しいとか、イメージ図が似ているというわけではない。

 

もっと、《根本的なところ》で似ているのだ。

 

 

 

ウンディーネは、初めは魂を持っていない形だけの存在だ。

 

そんな彼女たちは、《恋》をすることで魂を得ることが出来る。

 

でも、本来は魂無き存在。

 

魂を得た対価なのか、その魂は《脆く》、ある《宿命》を受けることになる。

 

ウンディーネは、好きになった人に罵倒されるだけで、《水へと還ってしまう》ほど脆い。

 

そして、好きになった人が浮気をしてしまったら、ウンディーネはその人を己の手で《殺さなくてはいけない》。

 

そして、そうなってしまったウンディーネたちは、人間界での思い出を《全て忘れて》しまう悲しい存在なのだ。

 

 

 

私も初めは、親や周りの期待に答えることばかりを意識して、ただ言われるが儘の人形だった。

 

食事や結婚相手まで周りに決められて、そのあらかじめ敷かれたレールの上を歩くだけの魂なんて無い《空っぽの存在》だった。

 

あの浮遊城に囚われたときも、私は今まで通り、制作者の敷いたレールの上を何も考えずにただひたすら歩いていた。

 

そんな私は、その世界で真っ黒な男の子に《恋》をした。

 

レールとは無関係で、不必要な想いを抱いた。

 

当時の可愛げの無い意地っ張りな私は、そのことを認めたくなくて、その感情を押し殺した。

 

でも、押し殺した感情は日に日に強くなっていき、ついには押し負けた。

 

敷かれたレールから初めて飛び降りて、その男の子に会いに行ったとき、私は今までにない《幸福感》を感じた。

 

言われるが儘ではない、自分で選んで自分で掴み取った《幸せ》は、こんなにも素晴らしいものなんだと初めて知った。

 

そして、その幸せを、出来ればこの人と一緒に感じたいと思った。

 

それが《恋》だと気付いた時、空っぽだった私の中に、《魂》が生まれた。

 

 

 

貴方はそう思ってないかもしれないけれど、私は貴方に救われた。

 

もし貴方に出逢わなかったら、私は本当の幸せを知らないまま、空っぽで無意味な人生を送っていたに違いない。

 

それよりも先に、あの世界で息絶えていたかもしれない。

 

大好きな友達とそれ以上に大好きな貴方に囲まれて、心からの笑顔を作れる私は、貴方に出逢えたから生まれた。

 

貴方に出逢えた私は、本当に幸せ者です。

 

だから、これ以上の幸せは望んじゃいけないと思う。

 

もしも、これから先の未来。

 

貴方に、私以上に大好きな人が出来たとしたら、私は大人しく身を退いて、心から応援しようと思ってる。

 

それが、たくさんの《幸せ》をくれた貴方への、私が出来るせめてもの恩返しだと思うから。

 

………ううん。ごめん、それは嘘。

 

もしそうなったら、私は自分がどうなっちゃうのか分からない。

 

だって、正直に言うと、私は貴方が他の女の子と話をしているのを見るだけで、どうしようもなくその女の子を憎らしく思っちゃうんだよ?

 

貴方が私のもとから離れていってしまいそうになったら、私は自分を抑えつけられる自信がない。

 

そして、貴方がいなくなってしまったら、私はまたあの頃の《空っぽな私》に還ってしまうと思う。

 

 

 

ねえ、キリト君。

 

私はもう、貴方が、キリト君がいないと生きていけません。

 

キリト君から貰った私の《魂》は、全て貴方のためだけに捧げると誓います。

 

病める時であろうと健やかなる時であろうと、いついかなる時であろうと私は貴方の側にいます。

 

だから、キリト君も誓って下さい。

 

貴方の《魂》を全て私に捧げて下さいとは言いません。

 

私が大好きな優しいキリト君は、きっとそれが出来ないから。

 

でも、せめて、決して私を裏切らないと。決して私を置いて、どこかに行ってしまわないと誓って下さい。

 

今の私はとても脆くて、貴方がいないとダメなんです。

 

誰よりも長く、私と一緒にいて下さい。

 

誰よりも多く、私を見ていて下さい。

 

あわよくば、この身が朽ち果てもなお、ずっと――――

 


 
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