No.515126

【獣機特警K-9】駆け抜ける嵐【戦闘】

古淵工機さん

ついに始まる、いまだかつてない戦い!
◆出演
K-9隊、T-9隊のみなさん
アンバー:http://www.tinami.com/view/424395
キララ:http://www.tinami.com/view/432887

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2012-12-04 23:00:41 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:866   閲覧ユーザー数:828

フェザントヒル市内・某所…。

 

「ぐあっ…!?」

悲痛な声とともに右腕を斬り落とされ、廃倉庫の冷たい床に叩きつけられるアンバー。

すぐさま、彼の元にキララが駆け寄る。

「アンバーおにいちゃんっ!!」

「く、くそっ…強すぎる…!」

と、痛みをこらえながらアンバーが顔を上げ、目の前の相手を睨みつける。

その相手は左腕をレーザーブレードに変形させ、なおも近づいてくる…!

 

「…へぇ、アンタらみたいなガキが自警団とはねェ」

廃倉庫の屋根から差し込んでくる光が、やがてその姿をはっきりと映し出す。

彼女こそ、巷で世間を騒がせている大悪党、レオーネ・モルボーゾその人であった…。

 

「しかし、威勢がいい割にはずいぶんとあっけなかったじゃないか。もう少し楽しめると思ったけど…興醒めだね」

レオーネはそう言うと、左腕を振り上げ、アンバーの頭めがけて振り下ろそうとした。

「おにいちゃん!!」

「フフフ…さよなら、坊や」

「くっ…!!」

アンバーが死を覚悟した、まさにその時である!

「…でええぇぇぇえええいっ!!!」

突如として目の前を横切るように、シベリアンハスキー形のロボットがレオーネに一撃を喰らわせる!

地球連邦警察、T-9隊のスノウ・インガルスだ!

 

「くそっ!何なんだい、こいつ!?」

「ようやく見つけたぜ…こちらスノウ!レオーネ一味の隠れ家を発見した!!」

スノウの通信に応えるのは同じくT-9隊のエミ・パナヴィアとファンガルド警察K-9隊のアレク。

「こちらエミ!すぐそっちへ向かう!!周りのザコどもはまかせな!!」

「こちらアレク。今しがたこっちもヤツを捉えた。あとはスキをうかがって一気にヤツの持ってる武器を撃ち落すだけ…」

と、ナインキャリアーの屋上に身を乗り出し、トリガーを引こうとしたアレクだったが…。

 

「うわっ!?」

突如、ナインキャリアーの車体が大きく揺れる。

「なんだなんだ!?一体なんなのだ!?」

「あたしが知るかってぇの!」

と、慌てるのはT-9隊のサフラン・マコーミックとクリスタ・ドロン。

「この、まるで心を持たぬ攻撃…『奴ら』も来ているのか…」

「ああ、そーだな…って、冷静に分析してる場合じゃねーだろが!?」

と、いつものように漫才を繰り広げるのはK-9隊のシス・セザンヌと(チャオ)五華(ウーファ)

その傍らでは、フィーアが車両の外にいる相手の気配を察知していた。

「…あれはゴクセイカイの暗殺ロボット…!」

フィーアはしばらくその様子を眺めていたが、やがてゆっくりと立ち上がる。

「アレクさん…私に任せてください」

「フィーア…!?」

驚きを隠せない様子のアレクに、フィーアは笑顔で続ける。

「私だってK-9隊のメンバーです。それに…せっかく出来た恋人を助けるのに、理由なんていりませんよ」

「ああ、ありがとう、感謝するよ」

フィーアはそう言って、レーザーソードを構えて車両外へ出ようとした。

だが、その時…フィーアの後ろから声が聞こえた。

 

「待って、フィーアさん」

「ユナちゃん…?」

T-9隊のユナ・ヒヤマであった。彼女の眼差しもまた、自信に満ちていた。

「一人じゃ心細いでしょう?同じレーザー剣術使い同士、一緒にガンバりましょう!」

「そうね…じゃあ早速だけど私についてきて!」

「了解!!」

二人は、レーザーソードを携えて車外へとその身を投じるのであった。

同じ頃…。

「見つけたぞレオーネ、お前はもう完全に包囲された。大人しく投降してもらおう」

スノウの通信を受け、K-9隊のエルザ、クオン、イシス、T-9隊のネコノ姉弟、そして桜坂ほのかが集まりレオーネを取り囲んでいた。

 

「周りの部下は全部やっつけちゃったよ。レオン博士が作ってくれたリカバーナノマシンであの娘たちも無事さ」

「さァ、これで多勢に無勢だレオーネ!観念するんだな!!」

と、次々に啖呵を切るクオンとスノウ。しかしレオーネは動じることなくニヤリと不敵な笑みを浮かべていた。

 

「ククク…アーッハハハハハハ!!」

「何だ!何がおかしい!?」

と、シュンが問いかける。

「多勢に無勢?フン、あんたらは取り囲む相手を間違ってるんじゃないかい?」

「な、なんだと!?」

レオーネの挑発的な笑みに、勢いよく反発するクオン。

…だがこの時、エルザはとっさに何かを察知したかと思うと、次の瞬間…。

「…危ない!全員奴から離れろ!!」

「え!?」

各隊員が驚く間もなく、レオーネの肩が、腕が、太腿が次々と開き、内部からビーム機銃がせり出してくる。

「…フッ!」

掛け声とともに、彼女の全身から放たれる閃光の弾丸。

軽い身のこなしで次々と避けていくK-9隊・T-9隊の両名だが、レオーネは攻撃の手を緩めることなく撃ち続ける…。

「きゃっ!」

ふと、足をとられ転倒するほのかを、レオーネの冷酷な瞳が捉える。

「フッフッフ…さぁて、まずはお嬢ちゃんからだね…!」

と呟いたレオーネの腹が開き、巨大な砲身がせり出してきたかと思うと、

その先端部分にはエネルギーが充填されていった。

「あれは…粒子収束ビーム砲!そんな…あんなものまで体内に装備しているなんて!!」

驚きを隠せないサハナ。あのビームに当たれば、いくら強化服を着ているとはいえ只では済まない。

「向かってくる相手をジタバタさせといて、踊り疲れて転んだところを一気に仕留める…これがあたしのやり方さね!アッハッハッハ!!」

レオーネはそう言うと、強烈な閃光をほのかに向け放つ!!

(殺られる……!!)

いかにビームに強い強化服といえど、直撃をもらえば風穴が開くのは間違いないだろう。

ほのかは、ただ怯えて立ち尽くすしか出来なかった…。

ビームは無情にも、ほのか目掛けてまっすぐに飛んでいく!!

「ほのかちゃん!」

「ほのかーっ!!!」

ほのかに向けて放たれた閃光。やがて距離は一気に縮まっていく…!!

…ほのかはふと、目を開いた。

「…あ、れ…私、生きてる…!?」

つい先ほどまで死の恐怖と隣りあわせだった彼女は生きていた。

しかし、目を開いた直後、彼女の視界には衝撃的な光景が飛び込んできた!

「…っ!イシス…さん…!?」

ほのかの目の前にはイシスが立っていた。

しかし、彼女のその腹は風穴がぽっかり開いており、その中からは無数の溶けた部品が飛び出しており、

さらに千切れたコードからは火花が、そしてパイプからはオイルが漏れ出していた。

「…だ、大丈夫…です…か…?」

「そんな…イシスさん…!なんで…!!」

「き…決まってるじゃ…ないですか…私は…命を懸けても……仲間を…」

よく見ると、受けたビームの衝撃からか、腕や脚も一部の装甲がはがれて同様に内部メカが晒されており、

さらに彼女の眼をよく見ると、ホログラム・アイに投影された『瞳』が不規則に点滅していた。

「でも、イシスさん…あなたは…!」

「心配…しなくても…大丈夫、です…。私は……ロボッ・ト・で・す…か…ら………」

という言葉を言い切らないうちにイシスの『瞳』が消え、力を失った彼女の機体はゆっくり地面に崩れ落ちる。

「イシス!?おい、イシス!!」

「イシスさん!!しっかりして!!」

「そんな…イシスさん…!」

倒れたイシスに駆け寄るエルザ、サハナ、シュン…そして、涙ぐむほのか。

「う、うぅ…」

ダメージが大きいのか、うめき声を上げながら悶え苦しむイシス。

そしてそれを冷酷な瞳で見据えるレオーネ。

「…ち、ジャマが入ったか。まぁいい、片付ける順番が入れ替わっただけのことだ」

 

「……クオン、イシスをすぐにナインキャリアーへ」

「うん!」

クオンはイシスを抱き上げると、そのままナインキャリアーの方に向かって走り始めた。

そして、その様子を見届けたエルザは、レオーネのほうに向き直り告げる。

 

「レオーネ・モルボーゾ…今一度警告する…!ただちに破壊活動を中止し投降しろ!従わぬ場合…我々は実力をもって貴様を拘束する!!」

 

 


 
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