No.513134

【獣機特警K-9】結集する正義【交流】

古淵工機さん

いよいよ始まった、レオーネ篇!今回はおそらく企画史上最多の出演者でお送りしています!?
◆出演
K-9隊、T-9隊、トリッカーズのみなさん
マキ署長:http://www.tinami.com/view/388852
カケル副署長:http://www.tinami.com/view/452482

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2012-11-28 22:23:50 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:719   閲覧ユーザー数:693

ラミナ警察署・会議室…そこには同署の署長であるマキ・ロックウェル、副署長である参宮橋(さんぐうばし)(かける)

捜査課の課長であるジース・ミンスターとその相棒ミハエル・アインリヒト、

相談課の課長であるセシール・デュラン、そしてK-9隊と機動3課の面々…。

さらにはゴールドホース探偵事務所所長のアンヌ・ロレアル、

レオンハルト・マイバッハ博士らが集まっていた。

「…というのが、先日フェザントヒル市内で起きた事の顛末だ」

最初に口を開いたのはレオンだった。

「正直、あんなことを平気でやるなんて正気の沙汰じゃないわ。思い出すだけで吐き気が…」

「大丈夫ですか…!?」

と、再び吐きそうになったアンヌを落ち着かせるカケル。

 

「しかし…相手も相変わらず厄介なものを持っているようね。ナノマシン兵器は惑星間条約で禁止されているはずよ」

と、マキ。

「確かに法的にはそうでしょう。しかしそれでもなお、裏ルートを使って極秘裏に入手する輩はごまんといる。今回脱走したレオーネも、それくらいの手口は使うでしょうね」

と、ミンスター。

 

会議室のテレビ画面では、ライドアーマー部隊から送られてきた映像が流されていた。

先日ナノマシンを投与され、凶暴な戦闘兵器と化した少女が、次々に警察官を襲っている。

顔と胸の一部を除いてはほぼ醜悪な武器の塊である。しかもよく見ると、その少女たちは狂ったような笑いを浮かべていた。

 

「こりゃ…ひでぇや…」

思わずそんな言葉を呟くのは、機動3課のヴィルマー・マクダネル。

「署長、早いうちに手を打つべきです。このままでも危険なのに、もしも彼女がゴクセイカイやローゼン海賊団なんかと手を組んだら…」

と、慌てた様子でセシールも続く…その時、頭上から何者かの声がした。

「残念ながら、もう手遅れみたいよ」

現れたのは顔に仮面をつけたシカ形ファンガーの少女。

「お前は怪盗ディア…!?」

「トリッカーズ!何故、お前たちがここに!!」

と、食って掛かるカケルとミハエルに対し、トリッカーズのメンバーである怪盗ルプスと怪盗ラピヌが答える。

「おいおい、せっかく人がアンタ方のために情報を盗んできてやったんだ。ちったぁ感謝しろっての」

「そうそう。嫌われるのは勝手だけど、こっちは人助けのつもりでやってるんだからね!」

 

その時、トリッカーズの方に向かって歩み寄ってきたのはK-9隊隊長のエルザ・アインリヒトだ。

「……その情報、詳しく見せてもらおうか」

「これよ」

ディアはコスチュームの懐から、一つのメモリー媒体を取り出すと、それをエルザに手渡した。

「…この中にあたしたちが盗んできた情報が入っているはずよ。ウソかどうかはその目で確かめてちょうだい」

「そうそう!きっと大変なことになっちゃってるかもしれないよ」

と、怪盗バニーが続く。

「…っと。渡すものは渡したし、長居は無用。ここらであたしたちは失礼させてもらうわ。じゃね!」

そう言うとトリッカーズは、一瞬にして部屋の中から姿を消してしまった。

風のように、などというレベルではない…本当に一瞬である。

この窓もない会議室からどうやって抜け出すのか…それは彼女たちだけが知っているのだった。

 

「…トリッカーズ…またボクらを出し抜いて行くつもりか…」

と、呟いたのは九段下(くだんした)久遠(くおん)であった。

かすかな余韻の後に、会議室に漂う静寂と緊張。それを破ったのは、マキの声だった。

「迷っているヒマはないわ。セシール、すぐにメモリーを再生してちょうだい」

「りょ、了解です!」

しばらくしてモニター画面の映像が切り替わる。そこに映し出されていたのは…。

「これは…いつぞやの料亭じゃねえか!」

と、(チャオ)五華(ウーファ)が叫ぶ。

「それに、この人物…ゴクセイカイのトラジ・キクガオカ…」

と、アレクセイ・フトライミツィが呟く。

「…ちょっと待って、トラジの向かい側にいるのは…!!」

「…えぇ、間違いありませんわね」

と、フィーア・天神(あまがみ)とイシス・トライスターが続く。

さらに映像は進み、二人の会話を捉えていた。

 

料亭の料理を挟んで、話をしているのは先日脱獄を図ったレオーネ・モルボーゾと、

ゴクセイカイの首魁であるトラジ・キクガオカであった。

『しかし、よく脱獄できましたな…ドナ・レオーネ』

『まぁ、あれくらいあたしにとっちゃ造作もない話さね。それにしてもアンタんとこの料理、随分美味いじゃないか』

『ありがたきお言葉。ところで用件とはなんです?』

『まぁ、なんだね。せっかく脱獄してきたんだ。アンタにとっても警察は厄介な存在だろ?』

『確かに…あのアイヴィー・ヒルトンなどという女が警察の頭について以降、我々としても少々手を焼いておりましてな…』

『だったらさ』

と、レオーネは箸を止め、トラジのほうに歩み寄ると一言呟いた。

『…あたしと組まないかい?悪いようにはしないよ。あたしらが暴れて警察のヤツラをボコボコにする。ついでに街の一つや二つぐらいさらっておくから、アンタはカジノでも料亭でも好きにおっ建てりゃいいさ』

『なるほど、それは好都合ですな…そのお話、乗りましょう』

お互い不敵な笑みを浮かべるトラジとレオーネ。出会ってはいけない二人が手を組んだ瞬間だった…。

「…なんてこった…!ただでさえ危険なヤツがゴクセイカイと手を組みやがったってのか!」

と、思い切り壁を殴りつけるウーに対し、カケルが言う。

「でも、これは紛れもない事実だよ。トリッカーズはいろいろな情報を盗んでくる…けど、一つだけハッキリしてることがある」

「ハッキリしてること…?副署長、それはいったい何ですか?」

と、煌月(あきづき)陸斗(りくと)が問う。その問いにカケルが答える。

「…彼らは犯罪者ではあるけど…ウソだけはつかない、ってこと」

「…そういうことよ。ちょっと悔しい気もするけどね」

と、苦笑いを浮かべるマキ。その時、会議室のドアが開いた。

「報告!本庁よりアイヴィー総監、フュア警視、ヴァイス警視らがお見えになりました!」

「わかったわ。すぐにお通しして」

張り詰めた空気がさらに緊張する会議室…ファンガルド警察総監アイヴィー・ヒルトンが口を開く。

「…レオーネ・モルボーゾについての情報はもう届いてるわね?」

「はい、トリッカーズのみんなが渡して帰っていきましたけど」

と、答えるリクに、本庁勤務のシーナ・ヴァイス警視と、フュア・アインリヒト警視が言う。

「既に他の署には伝えてきたけど、今回の事件でアイツを特別緊急手配ってことにしたの」

「そこで、特別任務のため…地球連邦警察トーキョー・ベイ警察署より特殊部隊が派遣されることとなった」

「特殊部隊?地球にもK-9隊(オレたち)みてーな部隊があンのか?」

と、問いかけるウーに、マキは少し微笑みを浮かべながら答えた。

「そう、個性派ぞろいだけどいざって時には頼りになる。ちょうどK-9隊と似たような部隊ね」

「まぁ、見てみればわかるわよ。…いらっしゃい、T-9隊の皆さん」

アイヴィーが呼びかけると、特殊な服に身を包んだ警官たちが現れた。

ファンガー、ハーフファンガー、獣人形ロボット…。種族は様々だが、おのおのの衣装にはしっかり隊員番号つきのエンブレムが刻まれている。

「アイヴィー総監、マキ署長、お久しぶりです。そしてK-9隊の皆さんはじめまして!地球連邦警察T-9隊、今回の事件の捜査に協力すべく応援に参りました!」

元気よく挨拶をしたのはT-9隊隊長のユナ・ヒヤマ。それに続き各隊員が一同に敬礼する。

そして、それに応えるようにK-9隊もまた、敬礼。その直後、エルザはユナのもとへ近づきこう言ったのだった。

「…ファンガルド警察K-9隊、隊長のエルザ・アインリヒトだ」

「T-9隊、隊長のユナ・ヒヤマです。よろしく」

二人はしっかりと握手を交わす。そしてそれに続いて、同じ隊員番号同士のメンバーが握手を交わしていく。

そしてその瞬間、どこからともなく拍手がこぼれ始めたのであった。

 

「美しいな…志を同じくするものが地球にもいたとは」

と、腕を組んで頷くレオン。

「ホント…なんだか感動しちゃったわ」

と、涙ぐむアンヌとセシール。

「くそぉぉぉ!洗浄液(ナミダ)が空になっちまうぜ…!」

と号泣しているのはヴィルマー。

その時、アイヴィーの言葉が、会議室の空気を再び緊張させる。

「…と。感動的なシーンはあとのお楽しみってことで…任務の話に戻るけれど、これよりK-9隊、機動3課ならびにT-9隊のみなさんには、レオーネ・モルボーゾの捜索および犯行阻止に当たってもらいます」

息を呑むK-9隊、T-9隊、機動3課の面々。アイヴィーはさらに続ける。

「マキ署長、カケル副署長、ヴァイス警視、および捜査課のみなさんには、ゴールドホース探偵事務所ならびにパームビーチ署NC-7隊と共同で、情報の収集とバックアップをお願いするわね。フュアはK-9隊およびT-9隊の支援を。先の情報どおりなら、レオーネはゴクセイカイと手を組んでいるはずよ。レオーネ一味やゴクセイカイの刺客はもちろんのこと、侵食兵器にも十分注意するのよ。いいわね!」

「了解!!」

アイヴィーの言葉を受け、敬礼する一同。その瞳の輝きは、いつにも増して使命感に煌いていた。

最凶の敵を相手に、結集した最強の布陣。果たして巨大な悪の野望を阻止することは出来るのか!!

 


 
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