No.498818

超次元ゲイムネプテューヌ~青年の伝説~

クロさん

第二十六話です
久々に登場、グローさん
そして復讐に燃える、ゼロ
はたしつグローの運命はいかに!?

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2012-10-21 21:49:23 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:983   閲覧ユーザー数:957

「おはよーございます」

まず俺がルウィーの協会に入って、第一声がこれだ。

これは毎回決まっている。

 

 

「あっ、ゼロさん。おはようございます」

フィナンシェの声が聞こえる。

とりあえず無視しておこう

「ちょっと、なんで無視するんですか!?」

「あっ、フィナンシェいたんだ。おはよう」

「はいおはy・・・って違う!!なんで無視するんですか!?」

フィナンシェが頬を膨らませ、聞いてくる。

あいかわらずおもしろいな、この子。

 

 

「ごめんごめん。それでブラン様に会いたいのだが・・・」

「・・・ブラン様ですね。いつもの所にいますよ」

不機嫌そうにいうフィナンシェ。

「悪いって言ったじゃん」

「女心は複雑なんですよ!ゼロさんには到底わからないと思いますけどね!!」

なんだろう

事実なのだが、妙に腹が立つ

「だから悪いって・・・ほら菓子やるから」

そういって俺はポケットから10円ガムだす。

「くれるんですか!?」

そして目の色をすぐにかえ、俺の目の前に現れるフィナンシェ。

 

 

「やるから・・・ほれ」

そういって俺は10円ガムをおもいっきり遠くに投げた。

「あぁ!?なんてことを~!!」

と言いながらも飛んでいった方に走り出すフィナンシェ。

ほんとうにおもしろいな、あの子

「おはようございます、ブラン様」

「気持ち悪い」

何の変哲も無い朝の挨拶。

このやりくりも何十回目だろうな。

 

 

「相変わらずの返事で・・・」

「あなたも相変わらずの挨拶よ・・・」

本を読みながら、俺の言葉に反論する。

「・・・朝から読書か。少しは仕事と向き合わんかね?」

「昨日向き合った・・・」

こいつ・・・本当に女神か?

いっちゃなんだが、堕落しているぞ

お前の生活・・・

「何か変なこと思わなかった?」

おっと、まずいまずい

顔に出てたか?

「いや、別に・・・」

そういって俺はブランの仕事をこなした。

 

 

「終わった~・・・」

俺はその場で伸びをし、一気に力を抜く。

「お疲れ様・・・」

「ほう、珍しいな。お前がお茶を入れてくれるなんてな」

「私だってそんな非常識人じゃない・・・」

うん

だったら俺にやらせるなよ、お前の仕事

まぁ、変わりに金はもらってるからなんとも言えないが。

「さて、お前の仕事も終わったし朝飯でも行こうかね」

「どこに行くの?」

「ファミレスでよくないか?」

「分かった・・・」

そういって仕事部屋から出て行くブラン。

 

 

ブランがくるまで俺は携帯音楽プレイヤーで音楽を聴いていた

これも何十回繰り返したことやら・・・

いつも代わり映えもしない日常。

俺はそんな日常が好きだ。

【今】も【昔】も

しかし【昔】の日常はあの男によって崩された。

ストローク・グローという男の手によって・・・

 

 

俺はそれが許せなかった。

今も許す気は無い。

そして俺は次にアイツに会った瞬間、俺は殺すだろう。

これは昔に決めていたことだ。

だが・・・

何故だろう・・・

俺の心が・・・

 

―――『殺すな』と言うのは―――

 

「お待たせ・・・」

「あっ、あぁ。それじゃあ行くか」

ブランの声によって、俺は現実に戻らされた。

 

 

「そういえば・・・」

ブランが何かを思い出したかのように言う。

「ん?」

俺は何を言うんだろうと思いながら言葉を返す。

「あなた・・・昨日なにかあった?」

その言葉に俺は心臓が締め付けられるほどの痛みを覚えた。

「な、何も。何故だ?」

俺は質問する。

「そう・・・それなら別にいい。ただいつものあなたの『顔』じゃなかったから」

こいつ・・・

案外、何も見てないようで見ているんだな・・・

「ごめんごめん・・・少し考え事だ。さっ、入るぞ」

そういって俺はファミレスのドアを開けた。

「何度来てもうまいな、ここは」

「そうね・・・。そして食べ過ぎた(ボソボソ」

頬を染めながら何かをいうブラン。

毎度ながらこの行為に俺は毎回首を傾げていた。

何か、変なことあったか―――と

「さて帰るぞ」

「その前に少しだけ運動したい・・・」

珍しいこともあるもんだ。

まさかあのブランが『運動したい』なんて・・・

今日は雪がやんで、日が出てくるんじゃないだろうか?

「何か失礼なこと考えてない?」

「いや・・・別に」

そういって俺たちは集会場に向かった。

 

 

「おっ、ゼロ!おはy―――」

集会場にいた連中たちが一瞬にして言葉を詰まらせる。

そりゃそうか・・・

俺の隣には『女神・ブラン様』がいらっしゃるもんな・・・

「どうゆうことだよ!なんでここにブラン様が来てるんだよ!?」

俺の相棒こと、遠崎 ユウが俺を部屋の隅っこに引っ張られ、問いただされた。

「いや、ブラン・・様が少し運動したいからと言ったから・・・」

「少し!?少しでここにつれてきたのか!?」

信じられんと言う勢いで俺に言ってきた。

「いや・・お前。ブラン様はあぁ見えても『女神』だぞ?はっきり言ってお前たちよりは強いぞ。絶対」

「・・・」

俺が言った言葉に反論できずにグッとうめき声を出す。

それ、気色悪いでやめてくれないかな

もう慣れたけど・・・

 

 

「ゼロ、何しているの?決まったわよ・・・」

「あ、あぁ今行くよ」

そういって俺はユウの手を振り払ってブランの方にかける。

「それでどれだ?」

「これ・・・」

そういって俺にクエストを見せてきた。

「『ローゼリア』か・・・。まぁ、いいか。それじゃあ貸して。手続きしてくるで」

「はい・・・」

俺はクエストの手続きをおこない、出発しようとした。

 

 

「おいゼロ・・・」

「うお!驚かせるなよ・・・ユウ。なんだ?」

ユウは俺の肩をつかみ、こういった

「俺たちのブラン様になにかあってみろ。そのときは俺たちがお前を殺すからな」

「あの・・・目がマジなんだけど」

「当たり前だ」

周りの男たちを見てみると、全員ユウと同じ目をしていた。

怖いな~、相変わらず

「あぁ、まかせておけって」

そういって俺はブランの手を引っ張って目的地に向かった。

「そこだぁああああ!!」

「■■■■!!」

戦斧を片手に持ち、女神化したブランが叫ぶ。

「今だ!ゼロ!!」

「合点!!」

俺は『ストライク』モードに換装した。

「『超圧縮型粒子砲』発射!!」

俺は狙いを定めて敵に撃ち込んだ。

「■■■■・・・」

そしてローゼリアは死んだ。

 

 

「運動にもならなかったな、こいつ」

ブランは何事もなかったように言い放つ。

「少しだけならいい運動だと思うがな・・・」

「あぁ?お前は私の『少し』をどう解釈しているんだ?」

「・・・これぐらい?」

俺は親指と薬指を使って、10cmぐらいの間隔を見せる。

「テメェは少し痛い目を見ないとわからねぇようだな・・・」

ブランはそう言い放つと、戦斧を構えた。

ていうか、なんで武器を構えてるの?

俺なにかやった?

「・・・テメェ、がちで殴っていいか?」

「いやいや、ダメに決まってるだろ」

「ちっ・・・。まぁいい、早く帰るぞ」

「へいへい・・・」

そういって俺たちが帰ろうとした。

次の瞬間―――

 

―――ダン―――

 

俺たちの後ろから銃声が聞こえた。

そして―――

 

―――バタ・・・―――

 

俺の隣を歩いていた、ブランが倒れた。

「お・・い、ブラン?」

倒れるブランから真っ赤な液が出てきた。

その液―――血は地面を赤に染めてゆく。

「ハッハ!!これは間抜けな女神だな!」

その声に聞き覚えがあった。

「ストローク・グロー・・・!!」

俺は後ろを振り返り『やつ』の姿を捉える。

その男は俺の日常を奪った張本人―――ストローク・グローだった。

 

 

「ゼ・・ロ・・・あい・・・・つ・・はいっ・・・・・・・・たい・・・」

「喋るな、ブラン!!今治療するから!!」

俺はやつから目を離し、ブランを見る。

そうだ、今はやつに構っている時間はない

今はブランの治療を!!

そういって俺は神眼を開放し、ブランの治療に移った。

 

 

「させるかよ!」

やつはブランの治療を邪魔しようと、俺に向かって銃を撃ってくる。

「邪魔をするなぁあああああ!!!」

俺は極限を発動し、イグニスモードになり、イグニスフィールドを作る。

「それなら・・・これでどうだ!?」

やつは銃から剣に切り替え、接近戦に持ち込もうとする。

「無駄だ!このイグニスフィールドを破ることは不可能だ!!貴様にはな!!」

俺はやつに言い放ち、ブランを見る。

「大丈夫だ。すぐに終わらせるから。ここにいれば安全だから」

そう言い俺はイグニスフィールドから出た。

 

 

「すぐ終わらせるだ~?お前にできんのか?」

やつは挑発じみた声で言う。

「お前が・・・」

「あ?何だって?聞こえねーな」

「お前が・・・お前がぁああああああああ!!」

俺は叫び、やつに斬りかかる。

「はっ!いきなり斬りかかるとはアホかテメェはよ!!」

そういいやつはガンソードで受け止める。

「テメェが、テメェが俺の家族をぉおおおおお!!」

俺はがら空きになったやつの足を払いのけ、崩させる。

「なっ!テメェ、まさか!!」

やつは体勢を崩しながらも、よこに転がり回避する。

「テメェ・・・まさか記憶を?」

「あぁ、その通りさ。俺は記憶を取り戻した。そして貴様が俺の家族を殺したことも分かったさ!!」

そう言い俺はやつに引き金を引く。

「ちっ・・・あの女、余計なことを・・・」

やつは剣から銃に変え、引き金を引く。

 

―――ガキン―――

 

「テメェだけは許さねぇ・・・。死んでつぐなぇええええええ!!」

「へっ!言うだけ言ってな、クソガキがぁああああああああ!!」

俺はやつに脇腹を斬られ、やつは俺に首筋を斬られた。

 

 

「ぐっ・・・、この程度で、この俺が!?」

やつはその場に膝をつく。

「くっ・・は、は・・・ 、ざまぁ・・みろよ」

俺は傷の痛みを我慢して、やつの方に向かって歩く。

「クソがぁ・・・。こんな負けかたなんざ、あっていいのかよ・・・」

やつにしては随分弱気なことを言っているが、今の俺には聞こえてこなかった。

聞こえたのは死ぬ前の遺言

「遺言はそれだけか?なら・・・死ね!!」

そして俺は天照を勢いよくふるった―――はずだった。

 

―――やめろ!ソイツを殺すな!!―――

 

その『声』に聞き覚えがあった。

その『声』は俺の頭に響き渡り、勢いよくふるった天照が止まった。

その『声』に俺は戸惑いを隠せなかった。

なんだってその『声』は―――

 

―――聞きあきた自分の声だからだ―――

 

その自分の『声』がいまだに頭の中に響き渡る。

『殺すな』と何度も響き渡る。

「ふざけるんじゃ・・・ねぇええええええ!!」

俺はその言葉を無視し、やつに天照を振りかざした。

 

―――ザシュ―――

 

耳に聞こえる不愉快な音。

俺はやつの脇腹だけを斬った。

「ハッ、ハッ、ハッ・・・」

「何のつもりだ?」

やつは俺に問いてくる。

「今回だけだ・・・」

「あ?」

「今回だけ見逃してやる。そして二度と俺の目の前に現れるな!次に俺の前に現れたら殺す!!」

俺はそう吐き捨て、眠ってるブランを担いでルウィーに帰った。


 
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