第百二技 嬉しい報告
キリトSide
俺が意地悪くもう一つの報告を聞こうとすると…、
「え、あの…その…//////」
「//////」
「ふぇ?」
ヴァルとシリカは顔を赤く染め、アスナはよく分かっていないようだ。そこは分かろう、アスナ……。
「えっと……多分キリトさんの予想通りだと思いますけど…////// 僕とシリカは……結婚しました//////」
ヴァルがそう言った、やっぱりか。
朝連絡が入った時からどこか声音がしっかりとしたものになっていたし、
ここに着いた時も顔つきがしっかりしていたからな。
アスナは驚きで固まっている。
「おめでとう。ヴァル、シリカ」
「あ、ありがとうございます///!」
俺の言葉にヴァルがそう答えた途端にアスナが動きだした。
「おめでとう、シリカちゃん!」
「ありがとうございます、アスナさん//////」
アスナは嬉しそうに言い、シリカも喜んでいる。なにはともあれ本当にめでたいな。
「それじゃあみんなに報告して、
「賛成!」
俺達の時も祝ってくれたからな。こっちも盛大に祝ってやらないと。
「そ、そんな…わるいですよ」
「遠慮しないでいいよ。ね、キリトくん?」
「ああ、俺達の時も祝ってくれたんだ。これくらいはやらせてくれ」
「キリトさん、アスナさん……。分かりました」
パーティの提案にシリカは遠慮しようとするが、アスナが俺に賛成を求め、
俺は当然ながら賛成し、ヴァルは俺達の間に遠慮はいらない事を心得ているから、納得して了承した。
「おいしい料理一杯作るからね♪」
「まかせたよ。シリカはみんなにメッセージを送ってくれ」
「は、はい//////」
アスナはキッチンで料理を始め、シリカはどんなメッセージにしようか悩んでいるようだ。
「ヴァルはちょっと……」
「……はい」
俺はヴァルを連れて外へと出た。
外に出た俺とヴァル。そこで俺は気になっていた事を聞いた。
「ヴァル……。シリカが連れ去られる前に彼女と何かあったんじゃないのか?」
「……はは、やっぱりキリトさんにはバレてしまいますね」
思った通りだ。シリカがピナとはぐれて一人でいたというのはおかしいと思った。
「…で、何があったんだ?」
「実は………」
ヴァルは自分のせいでシリカを傷つけたと言った。
告白してくれた彼女から逃げたと、そのせいで彼女を危険な目に会わせてしまったという事も話してくれた。
「なるほどな。だが、もう逃げないんだろ?」
「ええ。僕の命に代えても守り抜きます」
「そうか、ならいい」
俺が確かめるまでもなく、ヴァルの覚悟は強いものだ。
「それとこれは俺からの結婚祝いだ」
俺はアイテムトレードのウインドウを操作して一つの武器をヴァルに渡した。
「この槍は…?」
「それは昨日俺が第76層の迷宮攻略に入った時にレアモンスターからドロップした、
『魔剣』…いやこの場合は『魔槍』か。まぁそれがその槍、『アルスライベン』だ」
昨日の昼過ぎ頃、俺とアスナは最前線である76層の迷宮に入った時に運良くレアモンスターと遭遇して、
倒してみればまさかの魔剣ならぬ魔槍をドロップしてくれた。形状は
最近俺とアスナの運気は一体どうなっているのだろうかとよく思う。
「い、いいんですか、こんなレアアイテムを…!?」
「槍が使えない俺が持っていても宝の持ち腐れだからな。お前の実力ならその槍も使いこなせるはずだ」
「わかりました。ありがとうございます!」
「それじゃあ中に戻るか」
「はい」
俺とヴァルは家の中に戻った。
「おかえり。なにを話してたの?」
「秘密。男同士の話しってところだ」
訊ねてきたアスナに俺は話を暈かした。さすがに俺から話すことではないからな。
「アスナ。ヴァルに『アルスライベン』を渡したからな」
「うん。ヴァル君になら安心して譲れるね♪」
結婚するとアイテムも共通になるし、いきなりレアアイテムが無くなっていたら驚くからな。
ちゃんと伝えておかないと。
「みんなもすぐに来ると思うよ」
「な、なんか緊張してきました///」
シリカは結婚を祝ってもらう事に緊張か。分からなくもないけどな(苦笑)。
でも一番年下のヴァルとシリカの為だ。盛り上げていくとするかな。
その後、みんなが集まり二人の結婚祝いが始まった。
俺達の時同様に料理を食べながら話しをしたり、二人に質問したり、どんちゃん騒ぎだった。
ただ、皆に笑顔が溢れていたのは嬉しかった。
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
次回はキリアスでかなり甘く+コメディでいきますw
ヴァルとシリカの話しが終わったものの、すぐに長編に入りますので。
それでは・・・。
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第百二話です。
今回にて「ヴァル&シリカ編」はちゃんと終了です。
どうぞ・・・。