No.478620

超次元ゲイム ネプテューヌmk2 ~Blue Wind~(~rindarinda~)

こたさん

.ソニックはいつものようにエッグマンの計画を阻止しようとしていた。だがそれはエッグマンの罠だったのだ。カオスエメラルドの力で別世界へと飛ばされてしまったソニック。そこはゲイムギョウ界と呼ばれた異世界だった。そしてその世界でネプギアと言う名の少女に出会い―――……ネプギアは姉を助け出すことは出来るのか?ソニックは元の世界へ帰れるのか?これは、ネプテューヌmk2にソニックが居たら――のもしもの物語である。―――

2012-09-01 22:48:23 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1239   閲覧ユーザー数:1224

―――時は少し遡る。

 

 

 

 

「じゃあ、そろそろ帰ろう!――ちゃん!」

「うん………――ちゃん………」

 

西に沈みかけている夕日が、二人の小さな少女を照らしていた。

ただでさえ寒いこの地は夜になるとクソ寒くなるので、子供は早く帰らないと下痢になってしまう。大人でさえも余裕ぶっこいてるとなるのだから。

「はぅ………」

二人の内の水色のコートを羽織った方の少女は口元に両手を置くと息を吐いた。

白くなった息が指の間から漏れる。

「―――あれ?あれなんだろ~?」

もう1人の方、赤いコートを羽織った少女はさっきまで遊んでいた公園内の小さな砂場を指差す。

 

キラッ―――

 

夕日の光に反射して、何かが光っていた。

二人は砂場に近づき、その光っているものを手に取る。

「わー!きれーい!」

「きれい……」

二人の少女は目を爛々と輝かせていた。

「ねぇねぇ――ちゃん!これ、わたしたち二人だけの宝物にしようよー!もちろん、ミナちゃんには内緒だよ!」

「うん……内緒、だよ……」

二人は顔を合わせるとお互いに笑顔を見せあう。

だが、二人が知るはずもなかった。

 

――――その宝物が、水色のカオス・エメラルドであることを………。

 

赤いコートを羽織った少女はカオス・エメラルドを小さなカバンの中にしまった。

「じゃあ帰ろう、――ちゃん!」

「うん……――ちゃん……」

そのまま二人は仲良く手を繋ぎ、そのまま歩き去っていった。

 

 

一同が辿り着いたのは極寒の地―――『ルウィー』。

通称――『夢見る白の大地』。

ホワイトハートが守護する都市である。

 

ゲイムギョウ界の北方を治める産業国家で、魔法文化が主流の国だった。

しかし、魔法文化だからと言って国民全員が常にハリー・ポ●ターみたく『エクスペ●ト・パ●ローナームッ!!』って言ってるわけでもない。じゃあ、ドラ●もんみたく『チンカラ●イ』レベルの軽い魔法なのかと言われたらそうでもないがまぁ説明するとややこしくなるので説明を省く。ジ●ムおじさんの作るアンパンは凄いでしょ?魔法みたいでしょ?あのぐらいの想像すればいいです、多分。(←かえって分かりにくいわ)

国全体にカラフルな建物が建設されている。

北方なだけあり、ルウィー全体に毎日当たり前のように雪が降っている。季節が夏だろうが関係なく、とにかく一年中雪が降っているのだ。

だが、その雪はいつもキラキラ光っておりまるで光の雨のようにも見える。

 

 

「へくしッ!」

ルウィーに着くとその寒さにソニックはくしゃみをする。

「こ……こここここがががががが………ルルルルルウィウィウィウィウィウィーででですすかかか??」

コンパが口を開くが相当寒いらしく歯をガチガチさせている。

「あんた……大袈裟すぎない?そこまで寒くないじゃない。」

「あ、あいちゃちゃちゃちゃんははコココココーーーーートトトトトトトトききき着てるからじゃじゃじゃじゃ」

「コンパ、これ飲みなさい。(つホ●トドリンク)」

アイエフに手渡され、コンパは瓶に入ったホッカホカのドリンクを飲んだ。

 

シャキーンッ!

 

コンパは寒さに強くなった!

コンパはスタミナが減りにくくなった!

「ふぅ、あいちゃんありがとうございますですぅ!」

「やっと喋り方が普通になったわね。」

ネプギアが少し寒そうに震えながらも日本一を見つめる。

「日本一さんは寒くないんですか?」

確かに、服装的に考えれば日本一が一番寒そうだった。

臍から胸元まで地肌を曝け出しているのだから。

「ん?アタシは平気だよ~!常に熱い正義のハートが私の心を温めてるからね~!」

「へぇ~、流石正義のヒーローさんですね!」

「ところでネプギアは平気なの?ちょっと寒そうだけど……」

「は、はい!大丈夫ですよ。」

にこっ、とネプギアは笑顔を見せる。だが、体は震えていた。

「おいおい、無理は禁物だぜ?Buddy?」

なんて5人が話していると、『奴』の声が聞こえてきた。

 

「『マジェコン』いかがっすか~!?何でもコピーし放題、所持金増やし放題!万能ツール『マジェコン』はいかがっすか~!?」

 

「「「「「……………………………」」」」」

 

聞こえた声に一同は話を止める。

声の主は―――どう考えてもあいつしか居なかった。

「…………もう、無視していいかしら?」

「だ、駄目ですよあいちゃん!」

突如目元を暗くすると踵を返し何処かへ行こうとしたアイエフをコンパがおさえる。

「出たね~!犯罪組織マジェコンヌ!正義のヒーローの出番だよ!」

「ヘヘッ!とっちめてやろうぜ!」

一方の日本一とソニックは声のした方へと駆けていった。

「ふ、二人とも待ってください!」

少し遅れてネプギアも駆けていった。

「ほら、あいちゃん!行くですよ!」

コンパもアイエフの手を引っ張り駆けていった。

 

「はいはーい!『マジェコン』いかがっすか~!?」

(………ハァ、ったくここでもまるっきり成果なしかよ……)

 

リンダは一つため息をついた。

先程から『マジェコン』を配布し続けてはいるものの、誰も取ってくれない。

別に通行人が少ないわけでもなかったが………何故?

配布から約二時間ほど経った。流石にそろそろ嫌にもなってくる。

 

「――――リンダリンダ~……♪」

「………リンダリンダリンダ~………♪」

 

「ヒィッ!!!!??」

突如誰かが耳元ですげー低音で歌い、リンダの背筋がゾゾゾッ!!となった。

 

ババッ!

 

リンダは跳躍しその場を離れる。

「だ、誰だ!?」

少し離れた場所で着地し、先程まで自分が居た場所を睨む。

そこに居たのはいつも自分の邪魔をしてくるいつものメンバー。

「リンダリンダリンダ~………♪」

しかし、その中の1人あのいつもツッコミの激しい茶色い髪の奴が目元真っ暗にし歌っていた。

「な、なんだてめぇらか……幽霊でも出たのかと思ったぜ……」

ちょっと怖かったらしく、リンダは胸元に手を置きぜぇぜぇと息を整えている。

「それはさておきマジェコンヌの下っ端!そのマジェコンをアタシ達に渡しなさい!」

「今ならまだ許してやるぜ?」

ビシッ!と日本一とソニックがリンダを指差す。

何故か、先程から二人の息がピッタリだった。

「ハッ!そんな簡単にはいどうぞって渡すと思うか!?」

「だったら、力ずくでも渡してもらうぜ?」

ソニックが構える。

「チッ!」

リンダは苦々しく舌打ちする。

屈辱だが、奴らには幾度も敗戦している。おまけに最近はあのヒーロー気取った変な奴まで増えたせいでこっちの方が圧倒的に不利だった。

 

ザワザワ―――

 

10m程離れた場所で対峙している両者の周りにギャラリーが集まってきた。

「やだ、喧嘩?」

「しかもあのフード被ってる方ってさっきからここら辺で変なことしてた人よね?」

ギャラリーが騒めきだす。

(お……俺、あんなに頑張ったのに不審者扱いされてたのかよッ……!!)

 

ガーンッ!

 

リンダに128の精神的ダメージ!

「…………おッ?」

ショックを受けながらも周りを見回しているとギャラリーの中に一人―――小さな赤いカバンをぶら下げ、防寒用の可愛らしい青いコートを身に纏った年端の行かない少女が怖そうにこちらを見つめて細かく体を震わせていた。

(―――こうなったら……!)

 

バッ!

 

その少女目がけてリンダは走り出す。

「………!!」

少女は逃げようと試みたが、怖くて足が動かなかった。

 

ガッ!

 

そして呆気なくリンダに捕まった。

「ふぇ……!?」

少女は小さく悲鳴をあげる。

「あッ!」

一同は声をあげる。

 

ババッ!

 

リンダは少女を抱えたままギャラリーを掻き分けると愛用のバイクに乗り込む。

「へッ!こいつは人質だ!俺に攻撃してみな!ただし、こいつがどうなっても知らないぜ~!?」

「この、人質なんて卑怯だよ!」

日本一が叫ぶ。

一方、リンダに抱えられた青いコートの少女は怖いらしくその目からポロポロと涙を零し始めた。

 

「ふぇ………!ふぇ~ん……!誰か………助けて………!ラムちゃん……怖いよ……!」

 

そしてまるで蚊のような小さい声で呟く。

 

ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

 

「あばよ~!」

しかし、そんな少女の様子にお構いなしにリンダはバイクのアクセルを捻り猛スピードで何処かへ走り去っていく。

「追いかけなきゃ!あの女の子を助けないと!」

 

ダッ!

 

ネプギアは走り出す。

「待ったネプギア!」

「え?」

ソニックが制止し、ネプギアは足を止める。

「普通に走ったんじゃ追いつかない!お前が女神化してアイエフとコンパを抱えて全速力で飛ぶんだ!俺は日本一を抱える!」

待って、と日本一が言葉を続ける。

「それなら心配いらないよ!アタシ、こう見えても足の速さには自信があるんだ!」

グッ!と日本一は力強く親指を立てる。

「なら、俺はアイエフを!ネプギアはコンパを運ぶんだ!日本一、お前の言葉信じるぜ?モタモタしてたら置いてくからな?」

「そっちこそ、遅れないでよ?」

 

カッ!

 

ネプギアの体が輝き、パープルシスターへと姿を変える。

「コンパさん!」

「はいです!」

 

ガッ!

 

ビュ――――ンッ!!

 

パープルシスターはコンパのお腹に両手を回し、抱き抱えると一足先にリンダの姿が消えた方へと猛スピードで飛来した。

「アイエフ!行くぜッ!?」

 

ガッ!

 

ソニックはアイエフをお姫様抱っこする。

「キャッ!?」

アイエフが頬を赤らめ声をあげる。

「日本一、行くぜッ!」

「うん!飛ばしていくよ!」

 

ギュンッ!!

 

瞬時にして、ソニック達の姿がルウィーの街から消えた。

嵐が去り、集まっていたギャラリーに静寂が奔った。

 

ゴオオオオオオォォォォォォォォォォォォッ!!

 

先程から耳に入ってくるのはゴーーッ!という音だけだった。

まわりの風景―――建物だとか木はまるで流星のように一本の線になっては消えるの繰り返しだった。

アイエフを抱き抱えたまま、ソニックは隣で走っている日本一に顔を向ける。

「Hey!やるな日本一!まさかお前が俺と同じ位のスピードだなんて思ってもみなかったぜ!」

「正義のヒーローは助けを呼ぶ声にはすぐに駆けつけなくちゃいけないから、俊足になるために特別なトレーニングをしたんだ!」

「ヒュ~♪流石正義のヒーローだな!なぁ日本一、今度俺とSerious raceしようぜ!」

「うん!受けて立つよー!」

 

ぐッ!

 

二人は走りながら力強く親指を立てる。その様子はまるで男友達同士のようだった。

この二人がなんでこんなに仲がいいのかハッキリ言って作者も分からない。

そんな二人の会話を聞きながら、アイエフはフゥッ……とため息をつく。

「アンタ達、こんな状況でよく会話なんてできるわね……」

「慣れてるからな!」

「…………!」

目前でソニックの笑顔を見ると何故かドキドキして、まともに目を合わせられない。

照れくさくなり、アイエフは両手をソニックの首筋までまわし顔を胸に埋める。

「お?どうした?」

ソニックが尋ねてくるが、恥ずかしくて返答出来ない。

正直、こんな極寒の中猛スピードで走ってるから死ぬほど寒かった。

 

―――だけど、何故か今はそんなに寒くなかった……いや、逆に温かかった。

 

「あ、ネプギア達だ!」

日本一が指差した方へ目をやる。

自分達の走るスピードより僅かに遅めでパープルシスターは低空飛行していた。

どうやら、合流できたようだ。

 

 

 

「お~い!ネプギア、コンパ~!」

「!」

 

聞こえてきた声に私は飛行しながらも顔を向けた。

「皆さん!」

そこに居たのはソニック、日本一さんとソニックに抱えられたアイエフさん。

「リンダは?」

「あそこですぅ!」

私の代わりにコンパさんが遠くを指差した。

コンパさんの指差したほうに居たのはバイクに乗り走り続けている下っ端。

「よーし、追いついたよ!このまま追いかけて懲らしめてやろうよ!」

「ああ!んでもって、あの娘を助けるぜ!」

日本一さんの言葉にソニックが続ける。二人とも仲が良いなぁ。

「…………………」

けど、アイエフさんの様子がおかしかった。

頬を紅潮させてソニックに縋り付いて動こうとしない。

「アイエフさん……?」

「…………」

返事が無いなぁ……?どうしたのかな?

「アイエフの奴、さっきから様子がおかしいんだ。ま、ほっとけばその内元通りになるだろ。」

「…………うん……?」

 

――――きっと、寒いんだよね。こんな寒い中を走ってるんだから……

 

―――と自分に言い聞かせる。

 

―――きっと、仕方がないんだよね。ああやって掴まらないと落ちちゃうだろうし……でも、どうしてだろう?どうして私の胸はこんなに苦しいんだろう……?

 

そっと、私はコンパさんを片腕で抱きかかえながら自分の胸に手を置く。

「ぎ、ギアちゃん!危ないです!」

「え?」

コンパさんの言葉にハッとなると私は前に向き直す。

「わぁぁッ!?」

巨大な木が目前にあった。このままだとぶつかっちゃう!

 

グオオッ!

 

私は大きく旋回して何とか木をかわした。

 

―――危なかった……!

 

「おいおい、ちゃんと前を見てないと危ないぜ?Right?」

「う、うん……!コンパさん、ごめんなさい!」

「平気ですぅ!むしろちょっとアトラクションみたいで面白かったですぅ!」

こ、コンパさんて意外と怖いものなしなのかも……

 

「あ、下っ端が大きな建物の中に入っていくよ!」

 

日本一さんが指さした方を見ると、確かに下っ端はバイクに乗ったまま大きな建物に入っていった。

あ、あれは確か……『ルウィー国際展示場東館』!前にルウィーに来たときにブランさんに教えてもらった……!

「皆さん、このまま追いかけましょう!」

 

ギュンッ!

 

私達は、そのまま中へと入っていった。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択