No.476181

魔法少女リリカルなのはmemories 第五章 ベルカ時代の記憶(メモリー) 第五十九話

J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。

その青年はなのはに関わりがある人物だった。

だがなのはにはその記憶が消されていた。

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2012-08-27 16:26:37 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1717   閲覧ユーザー数:1676

「次はここのようだね」

 

 フェイトとはやてが無限書庫に言ってから数日後、第74管理世界にある研究所、フィルノに言われたこの場所にナノハは来ていた。

 この研究所はつい数週間前までリィナが捕まって人体実験に使われていた場所と同じでここの研究長で、あったフォルベルクという男性がフィルノに殺された場所でもある。

 高魔力を持っているリンカーコアとの波長に合わせることによって持っている魔力総量を上げようとする内容であることはフィルノから聞いており、成功例は何十人をやって一回しか成功したことがないという事を聞いる。失敗すれば死ぬか暴走してしまう事も聞いてあるのでナノハは早くこの場所を破壊しないとと思っていた。

 今回は構造的にエメリアが居た研究所と同じように崖の中に研究所が建てられているような感じなので、中に入って壊すしかなかった。

 とりあえずまずはその研究所の入り口の扉を破壊するためにナノハはティルヴィングの先を向け、先に魔力を収束させて放つのであった。

 

「『ティルヴィング・フルアクセスブレイカー』」

 

 そしてなのはは研究所の入り口である扉を破壊するためにティルヴィング・フルアクセスブレイカーを放つのだった。

 たとえ丈夫であろうと、ティルヴィング・フルアクセスブレイカーの中には全く持って意味をなさない。魔法を放っても絶対に破壊されない扉だろうと、どこか脆いところを探し出して、そこを一点に放たれればどんなに丈夫でも意味を持たないのだ。その場所を探さずにその一点を破壊するのがティルヴィング・フルアクセスブレイカーであり、そしてなのはが前に使っていたスターライトブレイカーと威力は変わりないぐらいであった。

 そして扉をすべて破壊し、ナノハは研究所内へと入るのだった。

 

「……なんか、かなり静かだね」

 

 研究所内に入って、なのははすぐにそう思った。

 扉を破壊する音がかなり響いたと思うのに警報も鳴っていないし、誰か一人慌ててもおかしくないのにその人間が一人も感じられないのである。

 とりあえずこの研究所を破壊する前に、様子がおかしいこの研究所を一度見ていた方が良さそうだと思い、ナノハは奥へと入っていったのだった。

 研究所の廊下を歩いていても人が歩いて来ている気配は全くなく、殺気もまったく感じなかった。

 さすがにこれはどう見てもおかしいと思い、とりあえず近くにあった扉へと入っていった。その中は誰も人がおらず、ここ最近使われていないような感じであった。

 

「……ここ最近使われていた形跡はなそうだね」

 

 ナノハは近くにあった机の上を指でなぞってみると、指には埃がかなり指にまとまってくっ付いていた。それはこの数週間全く使われていなかったという事の証明であった。念のため他の場所も調べてみたが、同じように埃が少し積もっていたので数週間も人が来ていないという事が分かった。

 とりあえずなんか情報が残っているのではないかと思い、ナノハは研究所内を歩き回ることにした。

 歩き続けていると、廊下の先で血痕の跡が廊下に付いている事に気づいて、すぐに近くに寄るのだった。

 

「これは、フィルノがここの研究所に侵入した時に殺したと言っていた研究長から出た血痕の跡かな?」

 

 普通、そんな血痕を見つけたらすぐに綺麗にすると思ったが、全く持ってそのままの状態になっていた。っていう事はフィルノが研究長であったフォルベルクを殺してからその日かその翌日にこの研究所を捨てたという事がナノハには分かった。多分フィルノに知られたからにはここを撤退させるしか方法がなかったのだろう。

 それからナノハはさらに先へと進み、扉がぶっ壊れているある部屋を見つけ、中を見てみる。

 中はとてつもない惨状になっており、何もかもが壊れていた。だがフォルベルクがみたフィルノが変装して侵入した死体はなくて血痕も飛び散っていないし、続いていた血痕の跡もなかった。それらはフィルノがフォルベルクに掛けていた魔法の幻術であったので、本来なら血痕なんて存在してなかったのである。

 それでもナノハは爆発が起こったみたいな跡を見て、一体ここで何があったのだろうと思った。フィルノは爆発だけを本当に起こしており、実験による爆発だと思わせるために起こしたのであった。だがそんなことを知らないナノハは何があったのだろうと疑問に思っていた。

 

「とりあえず、今から爆発跡を調べても意味ないから、先に行こうか」

 

 だがナノハは今調べる必要は特にないので、とりあえず先へ進もうとその部屋を後にするのだった。

 さらに奥へと歩いて行ったが、これと言っていい情報は得られずに唯奥へと進んで行くだけだった。

 そしてほかの部屋の扉とは違って少し大きな扉を見つけ、ナノハは何かあると思ってその扉の中へと入ろうとするのだった。

 

「……あれ、ここだけ開かない?」

 

 どうしてここだけ扉が開かないのだろうかと思い、ナノハはもう一度ティルヴィングで扉を壊そうと考えるが、すぐにやめた。

 もし、誰かが中に閉じ込められているという可能性も考えられたので、破壊して怪我を負ったら大変だと思ったのである。

 とりあえずどうやってこの扉を開けるかと考えるが、何か扉を開けるものがあるかもしれないと思って、後で開けようと思うのだった。

 そう思って先に行くことにしたなのはであったが、その近くにあった扉に入るとそこには大きな画面があるのがすぐに見えた。ここはフォルベルクがリュベルに報告していた場所である通信室であった。

 

「……ここで、上の人間に報告していたという事か」

 

 近寄ってみると、まだいつでも動かせるようらしく、多分いつ戻ってきても平気なようにの為に完全に電源を切っていないのだとナノハは思うのだった。

 ここを調べれば先ほどの扉の開く方法もあるかもしれないと思ったが、弄って何かをしてしまったら大変な事だから何も弄らない事にしてほかの場所を調べようと後にしようとする。

 

『なるほど、やはりそういう事だったのか』

「っ!?」

 

 突然声が聞こえてきたことにナノハはすぐに後ろへと振り向く。

 すると先ほどまで映っていなかった大きな画面にある人物が映っていた。

 その人物はナノハも知っている人物だった。その人物はナノハが管理局に居たときにも絶対に聞いた名前であるし、ナノハと同じように知らない人はいらない人物であった。

 

「……まさか、あなたがこのような事をしているとは思いませんでしたよ。ミルティオル・ベスカ中将。いや、人体事件をしている黒幕というべきですかね」

『やはり私の名前は知っているのだな。((高町なのは|・・・・・))元二等空佐。そして、どうやら俺が黒幕だと分かっているようだな」

「えぇ、中将レベルのあなたが上からの命令で働いているわけでもないだろうし、私に話しかけてきたという事は直接話があっての事。リュベルなどのような下の者に頼むよりあなた直々に話すのが早いと思ってこのように連絡を仕掛けたのでしょ?」

『その通りだ。さすが私と同じようにエースと呼ばれていた人間である』

 

 今の姿はオリヴィエ似ているような姿であるのに、見ただけで正体を見破られるとは思っていなかったが、ナノハはそれほど驚いていなかった。

 いや、どちらかといえば見破られるとは思っていなかったとしても、そのうち彼にはばれてしまうだろうと思っていたぐらいであったのであまり驚かなかったのである。

 ミルティオル・ベルカ中将。レジアス・ゲイズ中将の後釜であり、当時22歳という若さで中将に這い上がってきた人物。彼の功績はナノハと同じくらいの数を持っており、JS事件の時には少将であった。ちなみにナノハも階級昇格を一度も辞退しなければ、ミスティオルと同じくらいの階級ではあったのではないかと言われているくらいであったりする。

 そんな人物がまさかこんなことに関わっているとは思いも知らず、彼も自分と同じで正義と貫いているような人物だと思っていたぐらいであった。

 

「それで、こんな場所で私と会話してきたという事は何か話したいことでもあるのでしょう?」

『その通りだ。その話は先ほど君の正体を知っている理由とも繋がっている。要するに君が聖王の末裔だという事を知っていたという事だ』

「ほう。それで一体何の話なのかしら? 私は急いでいるのだけど」

『そう焦るな。確かに話す内容は君も知っている話だと思うが、君が急いでいるのには本当のようだからなるべく早く話させてもらうよ』

 

 そして、ミルティオルはナノハに向けてある事を話し始めるのだった――


 
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