No.472191

魔法少女リリカルなのはmemories 第五章 ベルカ時代の記憶(メモリー) 第五十七話

J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。

その青年はなのはに関わりがある人物だった。

だがなのはにはその記憶が消されていた。

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2012-08-19 00:14:59 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1923   閲覧ユーザー数:1858

「突然呼び出してしまってすまない。少し聞きたいことがあったので」

「こっちも、今までの間に手に入った情報が欲しかったからな。それで、一体何の用件なんや?」

 

 お互いに聞きたいことがあったらしく、とりあえずユーノが呼び出してきた理由についてフェイトとはやては聞くことにする。

 ユーノもなのはが居なくなり、研究所を破壊したという事を聞いてから、かなり調べていた。なのは達のリーダー的な存在、フィルノ・オルデルタ事やアリシアと名乗った人物の事などを。

 今回、フィルノが聞きたいことはあのオリヴィエに似たような人物の事であった。

 

「まず確認したいのだけど、フィルノ・オルデルタと共に行動しているのはなのはとアリシアと名乗った人物の他に誰が居る?」

「まず一人はエメリア・ラスティル。なのはがフィルノと会う前に居た研究所の研究長をやっていた人物だね」

「他には?」

「分かっている範囲内だと、多分デュナ・シルフィア、リィナ・シルフィアの二人も共に行動している模様や。両方とも誘拐扱いにはなっているんだが、後に指名手配にはわかると思うな。とりあえずこんなもんや」

「成程ね……」

 

 フェイトとはやての言葉を聞いて、ユーノは考えるような顔をするのだった。

 ユーノが気になっていたところはデュナとリィナの両名の事であり、ユーノの中である仮定が生まれていたのである。

 しかしこれは先ほどの件とは違って、フェイトとはやてに伝えておこうと思っていた。なのはに関わる事なら気にしすぎてしまうだろうと思って言わなかったが、シルフィアの事について言ってもそこまで気にすることはないだろうと思ったのであった。

 

「それで、それがどうしたというんや?」

「これはまだ仮定の話だけど、まずオリヴィエ・ゼーゲブレヒトの参加の一人にシエルフィ・シルヴェルンという人物が居たんだ。彼女はオリヴィエの死後、ベルカ時代の歴史書を書いていたりしており、彼女自身がオリヴィエとはかなり親しかった位置に居たとこの本には書いてあるんだ」

 

 ユーノは目の前で開いていたページをしおりなどで挟んでから本を閉じて、著者書いてあるところを開いている本をフェイトとはやてに見せるのだった。そこには確かにシエルフィ・シルヴェルンという著者の名前が書かれており、それから裏表紙を上に向けて裏表紙を開くと彼女の写真も映っていた。その写真を見てフェイトとはやては驚くのだった。

 

「確かに似ている……シエルフィの子孫が誰なのかというのは聖王教会も分かっていなくて探していたぐらいなのに」

「そう言えば昔からそのような事を。まぁ、その話は今はどうでもええとして、もしデュナ・シルフィアとリィナ・シルフィアがシエルフィの子孫だとしたら、あのオリヴィエ・ゼーゲブレヒトに似ている人物も関係があるかもしれへんという事か?」

「そういう事だね。だけど、一体その人物が誰なのかという事はまだわかってないのだよね?」

「うん、その本人はお面だか仮面を付けていたから、私たちからは顔を見ることは出来なかった」

「……お面か」

 

 お面をしていたというフェイトの言葉に、ユーノは考え事を始めていた。

 それはフェイトとはやてが来る前に先ほど考えていた内容である。この内容は今フェイトとはやてに言えば動揺するかもしれないような内容である。だからアルフにも言わなかったし、現に自分が思った内容なのに自分自身が信じたくない内容でもあった。

 ユーノが考えてた事、それはなのはに関わっているかもしれない内容でもあった。ここ最近なのはを見たという情報は一気に消えており、その代わりにオリヴィエに似ている人物が研究所を破壊していた。

 唯休んでいるかもしれないともユーノは思ったが、アリシアと名乗った彼女は尚も研究所を破壊を繰り返しているから本当に休んでいるのかも分からない。かといってオリヴィエに似ている人物が仲間になったからなのはは念のための待機させているというのも考えられるので、とりあえずさまざまな事が考えられるので確実な答えだとは言えなかった。

 それでも、シエルフィ・シルヴェルンが書いた歴史書を読んで、なのはがあのオリヴィエに似た人物ではないかという仮説が出てきたのだ。シエルフィ・シルヴェルンが記した本にはテュディアとレイジングハートの事が書かれており、本来の使い方については書いてなかったがオリヴィエが最後に頼んで作らせたものだと書かれてあったのだ。先ほどアルフとユーノが話していた内容はこの事であった。

 そしてレイジングハートはなのは自身が持っているし、テュディアもはやてから前に聞いた話からなのはに持たせていたという事を知っており、それはなのはがオリヴィエの親戚の子孫か何かなのではないかと思ったのだ。

 可能性としてはあり得なくないが、まだ確実といったものはないし、フィルノが唯持たせていただけというのも考えられたので、あまり確証のないことを言って混乱させないようにしようと思ってアルフにすら先ほど言わなかったのだ。そしてそれは今いるフェイトとはやてにも同じことを思って言うつもりはなかった。

 

「……ユーノ君? なんか気になることでもあったのか?」

「ん? あぁ、ごめん、ちょっと考え事をしてた。あんまり気にしなくてもいいから」

 

 なんとなくだが、今のユーノの対応に何かを隠しているとフェイトとはやては思っていた。だが、その事を二人は聞こうとはせず、言わないという事は何か理由があるのだろうと思って今は気にしないことにしたのだった。

 なのでフェイトとはやては詳しく聞かず、今度は自分たちの話をし始めるのだった。

 

「それじゃあ、今度はこっちから聞いてええか?」

「うん、そっちの話はなんなの?」

「まぁ、こっちもユーノ君が知っている情報を聞こうと思っていたぐらいやけどね。なんかテュディアについて分かったのか?」

「一応ある事は分かったけど……」

 

 だがユーノはその質問に戸惑った。その事は先ほどユーノが考えていたことになったきっかけでもあるし、もしかしたら自分と同じ答えに辿り着いてしまうのではないかと思ってしまったのだ。

 かといってそこで拒むのもどうかと思うし、分かったと自分から言ってしまった。アルフも本を読んでいるときに一緒に見ていたが、ユーノが思ったところには辿り着かなかったからよかったが、フェイトとはやても自分と同じ考えにたどり着かないことはまだわからないのだ。

 しかし、こう言ってしまったのは仕方ないことなのでユーノは先ほど調べていた本について話すことにし、そして先ほど閉じた本にしおりを挟んであったページを開いてフェイトとはやてに見せるのだった。

 

「さっき僕とアルフが読んでいたシエルフィ・シルヴェルンが書いた歴史書に、テュディアの事が書かれていたんだ。使い方については載っていなかったが、それよりももう一つテュディアと一緒にこれも記されていたんだ」

「こ、これってっ!?」

「れ、レイジングハートそのままやないかっ!!」

「そう、正式名称はカリべリティア。構成から材料などを考えるに、レイジングハートと同じもだと思うんだ」 

 


 
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