No.462649

魔法先生と竜と漆黒の狂戦士と 第一話 

予告通り書いてみましたが・・・大丈夫だろうか?

2012-07-31 00:19:45 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:7375   閲覧ユーザー数:6660

 

 金髪の幼女と・・・何か機械っぽい少女がいた。

 

 

『っぽい、じゃなくてアレは完全に機械だね。一応魔力も感じられるけど・・・。』

 

 

[それに、もう一人の幼女は人間ではありませんね。注意して調べないと分からないぐらいの違いですが。]

 

 

「おい、貴様。」

 

 

 何だか不機嫌そうに金髪幼女が声を掛けた。

 

 

「ん?俺か?」

 

 

「お前以外に誰が居る?・・・それより貴様・・・どうやって学園に侵入してきた?」

 

 

 侵入した?もしかしてここは私有地か?

 

 

「いや・・・気付いたらここに居たんだけど・・・?」

 

 

「貴様・・・バカにしているのか?」

 

 

 幼女は尋常じゃ無いぐらいの殺気を飛ばしてきた。この感覚・・・まるで戦場にいるようだ。ま、俺はその程度では動揺しないけど。

 

 

『へぇ・・・中々の殺気だね。何年生きたらこれ程までの殺気を出せるのかな?』

 

 

 さぁね。そんなことより、向こうは随分とお怒りだな。

 

 

「いや、本当のことなんだけど・・・。それにこっちには交戦の意思はないよ。」

 

 

「そんなこと信じられるか!・・・まぁいい。後でじじぃに引き渡したらいいか。やれ、茶々丸。」

 

 

 ちょっ!話を聞け!

 

 

「了解しました、マスター。それでは、マスターのご命令により貴方を拘束します。」

 

 

 そして機械の少女は俺に向かって突っ込んできた。

 

 

「ちょっ!?」

 

 

 普通の人間よりかは速いが、アイツ等みたいに速い訳では無い。俺は普通に躱した。

 

 

『まだまだだねぇ~。』

 

 

「っ!?躱された!?」

 

 

「ほぉ・・・少しはやるようだな。茶々丸、本気でやれ!」

 

 

「了解しました、マスター。」

 

 

 仕方ない、一旦落ち着いて貰うか。

 

 

「ルナ、デュアルソード。」

 

 

[了解、ブラックウィング。]

 

 

 俺は夜天連刃【黒翼】を出して、茶々丸という少女の拳を受け止めた。

 

 

「「なっ!?」」

 

 

 二人は俺が突然双剣を出したことにより驚いているようだ。

 

 

「アーティファクトか!?っく!茶々丸、私も出るぞ!時間を稼げ!」

 

 

「了解しました!」

 

 

 少女は再び俺に突っ込んだ。

 

 

「遅いな。」

 

 

 俺は少女の攻撃を躱してすれ違いざまに膝蹴りを叩き込む。機械といっても、ちょっと心が痛んだ。

 

 

「あっ!」

 

 

 少女は後方の、幼女の側の木にぶつかる。

 

 

「茶々丸!?っく!氷爆(ニウィス・カースス)!!」

 

 

 幼女は懐から小瓶を取り出して俺に向かって投げた。

 

 

「ちょっ!?」

 

 

 それは俺の目の前で爆発した。俺はギリギリで回避したが、俺の居た場所が氷結していく。

 

 

「なっ!?躱した!?」

 

 

「この世界にも魔法が!?」

 

 

『あははっ、面白くなってきたね!!』

 

 

 幼女は俺が躱したことに、俺は幼女が魔法を使ったことに驚いた。しかし、驚いている場合では無い。ってかロキ!喜んでいる場合か!

 

 

「っ!仕方ない、女子供に手を挙げたくはないんだけ・・・ど!」

 

 

「ぐあっ!」

 

 

 俺はルナを待機状態にして、幼女の腹部に肘を打ち込む。そして、怯んだところで首を掴み茶々丸と呼ばれた少女の方に投げつける。

 

 

「マスター!」

 

 

 少女は金髪幼女を受け止めた。だが、顔を上げた瞬間、俺はルナをライフルモードにして突きつけていた。

 

 

「チェックメイト・・・だな。」

 

 

「っくぅ!どうした、さっさと殺せ!」

 

 

 ・・・だから、人の話を聞け。

 

 

「だから、こっちには交戦の意思は無いんだって言ってるだろ?それよりここは何処だ?」

 

 

 俺はため息をつきながらルナを待機状態に戻す。

 

 

「・・・貴様、そんなことも知らないのか?・・・どうやら貴様の言ってることは本当のようだな。いいだろう、教えてやる。ここは学園都市、麻帆良学園だ。」

 

 

「学園都市?麻帆良学園?」

 

 

 何処だ?一応日本ってことは確かだな。

 

 

「それで・・・貴様は一体何者だ?弱体化しているとはいえ、真祖の吸血鬼を倒すほどの実力があるとは思わなかったぞ?」

 

 

 真祖の吸血鬼!?ここは型月の世界なのか!?いや、落ち着け・・・真祖は姫を残して全滅したはずだ。ってことは別の世界の吸血鬼か。

 

 

「俺は黒澤零冶だ。零冶って呼んでくれ。」

 

 

「ふむ、では零冶。貴様はどうやって学園の結界内に侵入した?」

 

 

 結界?

 

 

「う~ん、本当に気付いたらここに居たんだ。俺もさっぱり解らないんだよ。」

 

 

「ふむ、転移ではまず不可能だろうし・・・かといって普通に侵入できるはずも・・・ブツブツ。」

 

 

 幼女は考え込んだ。やっぱり解らないようだ。

 

 

「まぁ、考えても仕方ない。おい零冶、取りあえず私に付いてこい。面倒だが、じじいに報告しなければならんからな。後のことはじじいに任せるとしよう。」

 

 

 じじい?誰だ?

 

 

「じじいって誰だ?」

 

 

「ん?まぁこの学園の責任者であり、関東魔法協会の理事をやってるじじいだ。」

 

 

 ・・・そんな偉い人をじじいって言って良いのか?

 

 

「分かった。付いていくよ・・・えっと。」

 

 

「ああ、そういえば名乗ってなかったな。私はエヴァンジェリンだ。こっちは茶々丸だ。」

 

 

「よろしくお願いします、零冶様。」

 

 

 ロボ少女は丁寧にお辞儀をした。

 

 

「零冶でいいよ。それじゃあエヴァンジェリン、案内してくれ。」

 

 

 一応責任者なら、衣食住の交渉ができるだろう。

 

 

「では付いて来い。行くぞ茶々丸!」

 

 

「了解しました、マスター。」

 

 

 そうして茶々丸は足の裏からロケットを噴射してエヴァンジェリンを抱えて行った。

 

 

「・・・すげぇな。」

 

 

『どんな構造しているんだろうね。』

 

 

[零冶、感心している場合ではないですよ?置いてかれますよ。]

 

 

 おっと!

 

 

「それじゃあ、いくか。」

 

 

 俺は縮地を使ってエヴァンジェリンの後を追っかけた。

 

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 そして俺は学校の学園長室の前に着いた。

 

 

「・・・ここだ。入るぞじじい!」

 

 

「おお、やっと来たか・・・・ん?その子は誰じゃ?」

 

 

 中に入ると・・・ぬらりひょん・・・もとい、頭の長いお爺さんが居た。

 

 

「こいつが礼の侵入者だ。私と茶々丸を軽く蹴散らした奴だ。」

 

 

「なんと!?エヴァンジェリンをこんな少年が・・・。」

 

 

 エヴァンジェリン、もうちょっと柔らかく言って欲しいな。別に故意的に侵入したんじゃないしね。

 

 

「して、君の名は何て言うのかね?」

 

 

「黒澤零冶です。」

 

 

「そうかそうか。儂はこの学園の学園長と関東魔法協会の理事長を務めている近衛近衛門じゃ。・・・では零冶君、君はどうやって学園に侵入したのかね?そして目的は何なのかね?」

 

 

 またか・・・。

 

 

「エヴァンジェリンにも言いましたが、俺は気付いたらあの森に居たんです。別に故意に侵入したわけではありません。」

 

 

 近衛門は俺の目をじっと見つめた。多分真意を見極めているんだろう。

 

 

「・・・嘘じゃなさそうじゃな。・・・それで零冶君、君は魔法使いなのかね?」 

 

 

 ここじゃ‘魔法使い’っていうんだな。

 

 

「ええ。まぁそんな所です。」

 

 

「ふむ・・・何処かに所属しているのかね?エヴァンジェリンを倒すほどの実力者なのじゃから、さぞかし有名な魔法使いじゃと思ったんじゃが・・・?」

 

 

「いえ、俺は何処の組織にも所属してません。今まで静かに暮らしてきたので・・・。」

 

 

 俺は組織は嫌いだ。

 

 

『まぁ、無理も無いね。』

 

 

 ロキは苦笑しながら言った。

 

 

「ふむ・・・今君の戸籍を調べたのじゃが、黒澤零冶という人物はこの世に存在しないのじゃ。・・・どういうことかの?」

 

 

 ちょっ!?いつの間に調べた!?

 

 

「・・・俺は物心付いた時にはとある犯罪組織に居ましたから、名前なんてありません。この名前は自分で付けたんです。」

 

 

「なんと!?・・・そうか、それはすまないことを聞いたのぉ。」

 

 

「・・・いえ。それで、モノは相談なんですが、俺には行く当てがありません。どうにか衣食住を確保したいのですが、近衛門さんの力でどうにかなりませんか?」

 

 

 取りあえず衣食住の確保が最優先だ。その為ならある程度の条件は呑もう。

 

 

「ふむ・・・・・・っ!零冶君、衣食住は儂が何とかしよう。じゃが、代わりと言ってはなんじゃが・・・この学園の警備員をしてくれんかの?今は人手が足りんのじゃ。もちろん魔法関係も含めての事じゃ。・・・どうかの?」

 

 

 警備員か・・・・それぐらいなら問題はないな。しかしまぁ随分と好待遇だな。そんなに人手が足りないんだろうか?

 

 

「分かりました。その位でいいのなら喜んで引き受けます。」

 

 

「おお!やってくれるか!助かるわい。それじゃ、住居はこの紙に書いておくのぅ。それと今月分の給料を前払いしておくから、必要なモノを買いなさい。それと警備の事じゃが、明日にでも零冶君を紹介するからの。それと魔法関係の警備は別料金じゃから安心せい。」

 

 

 ますます好待遇だな。でも、何か裏がありそうだな・・・。

 

 

「ありがとうございます!ではまた明日の朝にここに来た方がいいですか?」

 

 

「そうじゃの・・・8時過ぎ位でお願いしてもええかの?」

 

 

「分かりました。それでは。」

 

 

 俺は学園長室を出て、これから住む住居に向かった。

 

 

 

 

 

「じじい、あの場所に住まわせるのはマズイだろ?」

 

 

「ふぉっふぉっふぉ、丁度管理人が欲しかったのじゃ。最初は面倒じゃろうが・・・まぁ慣れるじゃろうて。」

 

 

「・・・狸じじいめ。」

 

 

「ふぉっふぉっふぉ。」

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 そして、俺は住居に到着したのだが・・・・

 

 

「あのクソじじい・・・嵌めやがったな?」

 

 

 そこは麻帆良学園中等部の女子寮だった。紙の裏に‘管理人の仕事もよろしく頼むのぉ。’と小さく書かれていた。これが狙いか!!

 

 

『あっはっはっはっは!!やられたねぇ零冶!!』

 

 

 ロキは大爆笑していた。

 ・・・てめぇ・・他人事だと思って・・・。

 

 

『あはは、ごめんごめん。』

 

 

「・・・仕方ない、他に行くとこはないし・・・ここに住むか。」

 

 

[また波瀾万丈な生活になるのですね。]

 

 

 取りあえず俺は管理人室という部屋に入って寝ることにした。

 

 


 
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