No.457652

特捜戦隊デカレンジャー & 魔法少女まどか☆マギカ フルミラクル・アクション

鈴神さん

見滝原市にて、謎のエネルギー反応が続発する。一連の現象について調査をすべく、見滝原市へ急行するデカレンジャー。そこで出会ったのは、この世に災いをまき散らす魔女と呼ばれる存在と戦う、魔法少女と呼ばれた少女達。本来交わる事の無い物語が交差する時、その結末には何が待っているのか・・・
この小説は、特捜戦隊デカレンジャーと魔法少女まどか☆マギカのクロスオーバーです。

2012-07-22 20:40:44 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3108   閲覧ユーザー数:3077

Extra Episode.03 プレリミナリー・レジェンドウォー

 

見滝原市を舞台にした、デカレンジャーとインキュベーターとの決戦から数カ月。独断専行に走った形でインキュベーターと戦闘を行った事に関しての詮議を受けるため、地球を守る職務にあるデカレンジャー達は、遥か銀河の彼方にある宇宙警察本部へと召喚されたのだった。そして、インキュベーターと言う名の、宇宙の寿命を延ばすと言う目的のもと、全宇宙の文明の繁栄と破滅を齎して来た存在が明らかにされ、地球は勿論、全宇宙が混乱に陥っていた。

これは、そんな混乱の最中にありながら、デカレンジャーの作戦を引き継ぎ、残された魔法少女達の救済と魔女の殲滅のために奮闘した戦士達の作戦決行前夜の話である。

 

 

 

とある辺境の山岳地帯に、古い軍事施設があった。この基地は、地球侵略を目論むマシン帝国・バラノイアに対抗するために結成された組織、『United Airforce OHranger』、即ち『国際空軍超力戦隊』のものであり、最終決戦において壊滅的な打撃を受けて、ついこの間までは十数年に渡って使用不能となっていた。ところが今、この基地には最新鋭の機器が多数備えられ、電力等のエネルギー供給ラインも復活していた。未だ基地としての機能を果たすのに不備があるが、即席の作戦基地としての機能を果たせるまでには復旧していた。

 

「三浦参謀長、皆集まりました。そろそろ、お願いします。」

 

「分かりました、深雪さん。先に下に降りて、作戦内容の説明を始まる胸を皆に伝えておいてください。」

 

基地内部の作戦司令室に座る初老の男性、三浦尚之参謀長が、これから共に作戦に参加するメンバーの代表者の一人、小津深雪に先に行くよう指示する。深雪は言われた通りに、指令室を出て目的の場所へ向かう。

残された三浦参謀長は、深雪の出て行った扉から、司令官のデスクに置かれている写真立てを手に取る。

 

「ドギーさん・・・あなたの意志は、我々が受け継ぎます。」

 

三浦参謀長が見つめるその写真は、先の魔法少女事件に向けて、関係者同士の団結を祝う形で撮影したものだった。撮影場所は、三浦参謀長も行きつけのカレー屋。そこには、三浦参謀長はじめ、深雪ら関係者も写っている。

そしてその中には、地球を救うために身命を賭して魔法少女事件に挑んだ地球署署長、ドギー・クルーガーも居た。今日、こうして深雪等と共にこの場に来たのも、今はここに居ない彼の意志を受け継ぎ、新たな戦いを始めるためだった。

やがて、三浦参謀長は、写真立てをデスクに置くと、先にここを発った深雪の後を追って、今回の作戦に参加する勇者たちが待つ場所へと向かった。

 

 

 

UAOHの基地内部、関係者の集会用に使われるホールの様な場所に、数十人の人がけが集まっていた。年齢、性別、服装、所属等、その場に集まった人間には一切の統一性や共通点が見られないその集団だが、そのところどころで再開を懐かしむ歓喜の声が上がっていた。

 

 

 

「オーレンジャーの皆さん、お久しぶりです!」

 

「カーレンジャーの皆、今日はよく集まってくれた。」

 

UAOHの制服に身を包んだ五人の男女に声を掛けたのは、猿顔の男性を筆頭とした、とある町の自動車整備工場で働く五人の男女。一見、何の接点も無い集団同士に見えるが、かつては共闘した事もあるスーパー戦隊同士の誼なのだ。

 

「集合をかけたのは、僕ダップ。」

 

「ダップから久々に連絡が入ったと思ったら、まさかこんな事を頼まれれるなんて、思わんかったなぁ。」

 

「それでも、私達の力が役に立つのなら、喜んで力になるのでございますよ。」

 

「皆、本当にありがとう。また、一緒に戦ってくれ。」

 

超力戦隊オーレンジャーと、激走戦隊カーレンジャーのリーダー同士が握手すると共に、両戦隊の再びの共闘が実現した瞬間だった。

 

 

 

「健太!元気だったか!?」

 

「おお!!リョウマ、久しぶり!!」

 

民族衣装の様な服装を纏った男性――リョウマと、青のジャンパーを着た青年――健太がお互いの再会に喜び、堅い握手を交わす。

 

「それにしても、また君達メガレンジャーと戦う事になるとはな・・・」

 

「こっちも、またギンガマンの皆に会えるとは思ってもいませんでした。」

 

「久保田博士の話によると、ここに居る奴全員、俺達と同じスーパー戦隊だって事ですよ。」

 

「カーレンジャーの人達も来ているし、これなら向かうところ敵なしでしょう!!」

 

辺りに視線をやれば、常人にはあり得ない気配や貫禄を持った人間がそこら中に居る。自分達と同じ、スーパー戦隊と呼ばれる戦士達なのだと、リョウマや健太は理解する。

 

「そう言えば、纏達・・・ゴーゴーファイブの面子が見当たらないんだが・・・」

 

「ああ、ゴーゴーファイブの人達は、今回の作戦には参加できないそうですよ。」

 

「東北関東大震災の救助活動に、救急戦隊ゴーゴーファイブは出動しているんです。作戦の遠征部隊には参加できないそうですが、日本の防衛を担当してくれるとの事です。」

 

「そうか・・・あの大震災の現場に纏達は行っているのか・・・なら尚更、俺達も負けられないな!!」

 

かつて共闘した間柄でありながら、今回の作戦に加われない戦友を想うリョウマ。人々を助けるために今も災害と戦っている仲間に負けぬよう、自身の戦場に臨もうと、気を引き締める。

 

 

 

「疾風流忍者頭領・日向無限斎でございます。」

 

「隠流鶴姫家24代目頭領・鶴姫です。」

 

厳つい顔で和服を着た老人と、同じ和服姿の三十代ほどの女性が向かい合い、頭を下げる。この二人は、影の世界にその名を馳せる忍者の家系なのだ。そして勿論、互いが成したる影の功績についても聞き知っている。

 

「戦国時代より代々続く妖怪退治を専門とする鶴姫家・カクレンジャーのお噂はかねがね・・・かの妖怪大魔王を封印した影の武勇伝は、我々も聞き及んでおります。」

 

「そちらこそ、伝説の後継者たる疾風流のハリケンジャー、迅雷流のゴウライジャーの宇宙忍者相手に戦った武勇伝は我々の流派の中でも語り草となっております。同じ忍者として、誇らしい功績です。」

 

「勿体無きお言葉・・・それはともあれ、異なる流派、異なる敵を相手に戦う我らがまさかこの様な運命を辿り、共闘する事になろうとは・・・」

 

「きっとこれも、運命に導かれての事でしょう。この度の戦い、変身能力を失った我等は、諜報活動で尽力するほかありません。矢面に立っての戦いに立ち合えない事を、悔やむばかりです。」

 

「いやいや、自分達をお責めになりまするな。もとより諜報活動は、影として戦う我等忍の本分でございましょう?」

 

「ありがとうございます・・・」

 

無限斎の言葉に感謝して微笑む鶴姫。戦いの場に出る事の出来ない彼女にとっては、この言葉は何よりの励みになった。

 

「我々隠流一派は、アメリカでの諜報活動を担当する事になりそうです。配下の忍の一人に、アメリカで暮らした事のある者が居りますので、こちらはお任せください。して、疾風流・迅雷流はどちらへ?」

 

「我等は欧州で活動する事になる模様です。両流に一人ずつ、スペインで活動していた忍が居ります故、こちらも心配は無用です。」

 

「お互い、影に生きる者として、この戦いを勝利に導けるよう力を尽くしましょう。」

 

隠流・疾風流・迅雷流・・・異なる流派の忍の間に結束が出来、これから起こる戦いを裏で支える情報基盤が出来た瞬間だった。

 

「そういえば、他の隠流忍者の方々はどちらへ?」

 

「へ?・・・あれ、サスケ達はどこ!?」

 

無限斎の言葉で、自分の家臣であり、著名な忍者の子孫である四人の姿がいつの間に無くなっていた事に気付く鶴姫。だが、広いホールの中であっても、忍者装束は目立つもの。すぐにその四人は見つかった。

 

 

 

「ヒュウガが二人!!?」

 

「サスケが二人居るぞ!!分身の術でも使ったのか!?」

 

民族衣装の様な服装の男女四人と、忍者装束の男性三人、計七人の男女が皆、驚愕の面持ちで二人の男性を取り囲む。そして、回りを知人に取り囲まれた二人の男性はというと・・・

 

「俺がもう一人居る・・・お前は何者だ!?」

 

「それはこっちの台詞だ!!そっちこそ何者だ!?」

 

全く同じ顔の人間が二人、まるで鏡に映ったかと思うほどそっくりな人物の出現に、お互い驚いている様子だった。片や忍者の黒装束の男性、片や黒地の民族衣装を纏った男性。服装の違いが無ければ、見分けも付かない程二人の顔はそっくりだった。

 

「俺は星獣戦隊ギンガマンの黒騎士・ヒュウガだ。」

 

「俺は、鶴姫家配下の忍者で、二十四代目猿飛佐助だ。」

 

名を明かし合い、互いに別人である事を確認する二人。周囲を取り囲んでいた七人も、目の前の二人が、ただ顔が似ているだけであると知って安心する。

 

「それにしても、よく似てるわねぇ・・・」

 

「Unbelievable・・・他人とは思えないほどソックリダネー。」

 

忍者装束の二人が未だに信じられないと言った顔つきで二人を眺める。他の面子も二人の顔に見入る中、新たな闖入者が・・・

 

「ちょっと、皆どうしたの・・・って、サスケが二人!?」

 

「皆、こんな所に集まってどうしたんだ・・・兄さんが二人!?」

 

「「いや、俺達別人だから・・・」」

 

かくして、スーパー戦隊の中で他人とは思えぬほどそっくりな顔の二人が対面したのだった。

 

 

 

「また会いましたね、牧野先生。」

 

「そうですね、美希ちゃん。」

 

ホールの一角で握手を交わす二人の男女。

男性の方は、世界各地で失われかけている貴重な宝を集める民間団体であるサージェス財団の技術者、牧野森男。「プレシャス」と呼ばれる危険な力を秘めた古代の秘宝を保護・管理する精鋭部隊・轟轟戦隊ボウケンジャーの支援も担当した事のある元冒険家。

女性の方は、スポーツメーカー・スクラッチ社において特別開発室室長の地位にある、真咲美希。獣の力を心に感じ、獣の力を手にする、獣拳と呼ばれる拳法使いこなす獣拳戦隊ゲキレンジャーの支援者であり、彼女自身も獣拳を習得した実力者である。

 

「まさか、あなたもドギーさんや三浦参謀長の知り合いだったなんて。」

 

「世間は狭いものですなぁ、全く。」

 

ハハハ、と笑いながら、世間話に洒落込む二人。この二人が支援する両戦隊も、かつて強大な敵に対抗するために共闘した経歴を持つのだった。ちなみに、この二人に限って言えば、先に二戦隊が共闘する以前からの顔見知りである。

と、そこへ・・・

 

「ああ!!角煮カレー大盛の女神に、福神漬山盛の王!!」

 

緑のカラーリングが為されたレーサー服を身に纏った男性が、二人を指さし驚いた顔をする。そんな男性に対し、二人は視線を向ける。

 

「君は確か、恐竜やの・・・」

 

「バイトしていたイケメン君よ。名前は、城範人君。」

 

美希の言葉に、レーサー服の男性の――城範人の事を思い出す牧野。彼は依然、牧野等が行きつけにしていたカレー屋でバイトをしていた事があったのだった。

 

「まさか君まで、スーパー戦隊関係者だったとはね。」

 

「はい。炎神戦隊ゴーオンジャーの、ゴーオングリーンやってます。」

 

再会を懐かしむ三人。そんな彼らのもとへ集まる、三戦隊のメンバー達。ゲキレンジャーを中心に親交ある三戦隊は、同窓会の様な空気に突入して行く。

 

「明石!!走輔!!お前等元気だったか~!!」

 

「久しぶりだな、ジャン!!」

 

「俺達はいつも好調だぜ、師匠!!」

 

ゲキレンジャーのゲキレッドこと漢堂ジャンの言葉に返したのは、ボウケンジャーのボウケンレッドこと明石暁と、ゴーオンジャーのゴーオンレッドこと江角走輔だった。ちなみに、走輔がジャンの事を「師匠」と呼ぶのは、かつての共闘の中で、ゴーオンジャーのオリジナル拳法、「炎神拳」を習得する切欠を作った事から来ている。

 

「今回のミッションは、『魔女退治』か・・・未知なる領域への挑戦。まさに『冒険』だな!!」

 

「魔女だろうがなんだろうが、俺達が力を合わせれば、恐い物無しだぜ!!」

 

「スーパー戦隊の皆で戦う・・・う~ん!!ワキワキだ~!!」

 

レッドの称号を持つ者同士盛り上がる三人。そんな彼らの傍らでは、こんな事も起こっていた・・・

 

「菜月ちゃんに早輝ちゃんに美羽ちゃん!!皆相変わらず可愛いな~~!!」

 

「「「いい加減にしろ!!」」」

 

女性陣にナンパを仕掛けようとする、ゲキチョッパーこと久津ケンに制裁を加える、三戦隊のメンバー達。常の戦闘における張りつめた空気とは縁遠い、弛緩し切ったおふざけモードに突入する一同だった。

 

 

 

「あなた達が、魔法戦隊マジレンジャーか?」

 

「その通りです。はじめまして、侍戦隊シンケンジャーの皆さん。」

 

袴姿の集団――侍戦隊シンケンジャーの筆頭たる青年――シンケンレッドこと志葉丈瑠に相対するのは、黒いローブを着た魔法使い然とした青年――魔法戦隊マジレンジャーのマジレッドこと小津魁だった。

 

「義母様から事情は聞いている。今回の作戦に、我等一門の力を借りたいとの事だったな。」

 

「はい。アヤカシを封印したあなた方のお力があれば、魔女を殲滅する今回の作戦も、万事首尾よく運べる筈です。」

 

「あい分かった。我等一同、喜んで手を貸そう。尚、今はまだここには居ないが、義母様・・・先代の志葉家当主も作戦への参加を希望している。後から合流する上での手筈を頼む。」

 

「分かりました。我等の方で対応いたします。」

 

片や「魔法」、片や「モヂカラ」と言う、全く異なるジャンルの力を使いこなす戦隊同士が手を取り合った瞬間だった。

 

 

 

「しかし・・・よくぞまあ、これだけのスーパー戦隊が集まったものだな。」

 

ホールに集まった面子を見回しながら、爆竜戦隊アバレンジャーのアバレブルーこと三条幸人は誰にでもなく呟いた。

 

「しかも、各戦隊の代表のほとんどが、恐竜やの行きつけとは・・・一体、どんな巡り合わせだ?」

 

苦笑しながら呟く幸人。彼の言う様に、ここに集まったスーパー戦隊の代表者のほとんどは、紫蘇町にあるカレーが有名な喫茶店、「恐竜や」を行きつけにしている人物ばかりなのだ。

今ここには居ないデカレンジャー地球署署長のドギー・クルーガー然り、ハリケンジャーの疾風流頭領の無限斎親子然り、魔法戦隊マジレンジャーの大黒柱の小津深雪然り・・・

そして何を隠そう、彼等アバレンジャーこそが、恐竜やを拠点として活動したスーパー戦隊なのである。

恐竜やには、スーパー戦隊を引きつける見えない力でも働いているのではと疑いたくなる偶然に、幸人は更に苦笑する。そんな彼に、

 

「きっとこれも、カレーを愛するスーパー戦隊の『ダイノガッツ』が成せる業なんでしょうね!!!」

 

「きっとそうったい!!恐竜やのカレーは、平和の象徴ったい!!」

 

こんな能天気な事を語りかけてくる人物が二名。アバレンジャーの同僚の、アバレッドこと伯亜凌駕と、アバレイエローこと樹らんるである。

 

「・・・・・まあ、そういう考えもあり何だろうな。」

 

アバレンジャーとして活動していた頃から振り回されがちなこの二人のテンションに、幸人は久々に疲れを感じていた。それと同時に、かつての戦いの日々が舞い戻って来たような気分になったのだった。

 

 

 

「まさか、これだけのスーパー戦隊が集まってくれるとは・・・」

 

今回の作戦実行に当って、司令官を務める三浦参謀長は、この場に集まった錚々たる面々を前にして、ある種の感動を覚えていた。

 

「これが、正義を信じる皆の力です。三浦参謀長。来て早々ですが、私達がこれから臨む作戦の説明を始めましょう。」

 

同行していた、魔法戦隊マジレンジャーのマジマザーこと小津深雪に促され、三浦参謀長はホールの一角に設けられた壇上へ上がり、マイクの前に立つ。

 

「スーパー戦隊の皆、今日はよく集まってくれた!!」

 

壇上の三浦参謀長の姿を見て、再会を喜んでいたスーパー戦隊一同は私語を止め、皆声のする方向へ向き直る。その顔には先程までの弛緩した雰囲気は無く、歴戦の戦士のソレだった。

 

「今日皆に集まってもらった理由は、先日ここに居るスーパー戦隊関係者を通して通知した、魔女殲滅作戦を実行するためだ。君達には、この作戦に参加し、協力して欲しい。」

 

スーパー戦隊一同は、三浦参謀長の言葉に聞き入る。自分達スーパー戦隊が総出で行う大規模な作戦についての説明、そしてそれを実行するに当っての自分達が配属される役割について、一切聞き洩らさないようにするためだ。

 

「この作戦は、今はここには居ないスーパー戦隊、特捜戦隊デカレンジャーの後を継ぐ形で行う作戦だ。その名も、『魔女殲滅作戦』。読んで字の如く、デカレンジャーの活躍によってその存在を全宇宙に知らしめた魔女を殲滅するための作戦だ。だが、魔女はこの地球上の至る場所に居る。我々スーパー戦隊は、全世界を舞台に戦わねばならない。」

 

世界を舞台に戦うと言う言葉に、作戦の規模の大きさや危険性に、緊張感を抱く者、高揚感を抱く者等、反応は人それぞれ。だが、誰ひとりとして作戦を降りようと考える者は居なかった。

 

「そして、我々が為すべきは、魔女の殲滅だけではない。インキュベーターとの契約によって、魔法少女にされてしまった少女達の魂の解放も同時に行わねばならない。故に、我々の任務には、魔女との戦闘と共に、魔法少女の探索も含まれる。」

 

一筋縄ではいかないという事を理解させられるスーパー戦隊一同。皆、話を促すように三浦参謀長に向かって頷く。

 

「だが、幸いな事に、ここに集まったスーパー戦隊の中には、魔法少女の魂を解放する力を持つ方々や、魔法少女を探し出す諜報活動を得意とする方々も居る。作戦に不備は無い!!」

 

士気を高めるために放たれた言葉に、一同は作戦の成功を疑わず、作戦の実行を待つばかりだった。

 

「長い前置きは、この辺で省くとしよう。早速皆には、作戦実行に当って指定された場所へ向かって欲しい。」

 

三浦参謀長から向かって右隣に、スーパー戦隊のメンバー表と世界地図が映し出される。そこには、各戦隊の着くべきポジション及び出撃先が記されていた。

 

「これより一時間半後に作戦開始となる。人員配置を確認した後は、基地内部に停泊しているヘリコプターを使って即刻現場へ向かってもらう。活動内容は現地へ到着するまでに詳しく伝える。以上だ。」

 

それだけ言うと、三浦参謀長は壇上から降りてホールを立ち去っていく。残されたスーパー戦隊一同は、これから実行する作戦に対しての期待や不安を胸に、新たなる戦いへ臨む覚悟を固めていた。

 

 

 

地球を守り抜いた戦士達の戦いは、終わらない。譬えその力が失われようとも、この星を、世界を脅かす存在がある限り、伝説は途絶える事は無い。彼等は伝説と共に続いて行く絆を信じ、戦い続ける。

伝説を紡ぎ、人々の笑顔のために、力を合わせて戦う彼等を人は『スーパー戦隊』と呼ぶ・・・

 


 
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