No.455840

世界を越えし男と数の子たち 第36訓 仕事は楽じゃない

俺はこの日、掛け替えの無い奴らに出会った。
俺は車に跳ねられて死んだと思ったら、なんかよく分からんが別世界に行ってしまったみたいだ。
気が付けば、マッドな科学者や12人の姉妹と暮らしていたり、組織にケンカ売って犯罪者になっちまったり。平凡な日々を送っていたり
そして--俺は戦う。ナンバーズ達を、世界を守るために。

2012-07-19 20:50:18 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1321   閲覧ユーザー数:1296

優斗達は無事にピザの配達が出来るのか!?

クラナガン、『マッパピザ』店内

 

今日も優斗とチンク、ディードはバイトに励んでいた。

 

ユウト「明日でやっと給料日だな…」

 

チンク「早いものだな…」

 

今日も優斗達はピザを焼いていた。

 

そこに、ディードが配達から戻ってきた。

 

ディード「ピザ、届けて来ましたよ」

 

ディードは店長に報告する。

ディードは店長に『ご苦労さま』と言われ、優斗達の所に向かう。

優斗は帰って来たディードを労う。

ユウト「おっ、お帰り、ディード」

 

チンク「結構早かったな」

 

ディード「今日は道が透いてましたからね」

 

ディードも、優斗達とピザを焼く作業に入る。

 

そこに、ピザ屋の店長が優斗達に話しかける。

 

店長「優斗君、チンク君、ディード君、注文が入ったから配達に行ってくれるかい?」

 

店長がディードに『帰って来たばかりなのに済まないね』というが、ディードは『大丈夫ですよ』と返す。

 

ユウト「分かりました。それで、注文の内容は?」

 

店長「ああ、注文は『特製マッパピザ40枚』で、場所は……

 

 

 

 

 

『時空管理局の機動六課』だよ」

 

 

ユウ・チン・ディ『………え?』

 

ーーーーーーーーーー

 

 

優斗達は機動六課に向けてバイクを走らせていた。

 

ユウト「やべーな、配達先が機動六課とはな…」

 

ディード「兄様、どうするんですか? 知り合いが居るとはいえ、私たちは機動六課と敵同士なんですよ」

 

ユウト「ああ、とりあえずピザ渡して、金受け取って、そのままおさらば出来ればいいんだが…」

 

チンク「正直なところ、仕事とはいえあまり行きたく無いな…」

 

そうは言いつつも仕事なので、優斗たちは機動六課にピザを届けにバイクを走らせるのであった。

 

ーーーーーーーーーー

 

機動六課、食堂

 

食堂には、FW(フォワード)部隊、隊長、副隊長陣にロングアーチ、バックヤード達がが揃っていた。

 

はやてが、『今日はみんなでピザ食べよか』と言っていたので、みんながピザを心待ちにしている。

 

なのはは、暇そうに待っているはやてに話しかけた。

 

なのは「はやてちゃん、暇そうだね…」

 

はやて「あ〜、まあ、注文して届くまではする事ないしな」

 

なのは「にゃははは…。でも、もうすぐ来ると思うよ」

 

2人の話に、フェイトが入ってきた。

 

フェイト「確か、『マッパピザ』は注文してから来るまでの速さがウリらしいからね」

 

フェイト達が話していると、機動六課の玄関にピザ屋が来たと通信が入った。

 

なのは「速いね…」

 

はやて「そやな〜」

 

フェイト「なのは、はやて、ピザを受け取りに行こうよ」

 

三人はピザを受け取りに行った。

 

ーーーーーーーーーー

 

一方、優斗達

 

 

ユウト「すいませーん!マッパピザでーす!」

 

優斗たちは玄関の局員に少し待つように言われた。

 

待っている間、ディードは優斗とチンクに話しかけた。

 

ディード「兄様、チンク姉様。これで、本当に大丈夫なんですか?」

 

優斗たちの今の格好は、ピザ屋の制服にメガネ(チンクはモノクル)を掛けている。

 

チンク「多分大丈夫だろう」

 

ユウト「で、後は人違いとでも言っておけば大丈夫だろ、多分」

 

ディード「多分って、ものっそい不安なんですけど……」

 

三人が話していると、はやて達がやってきた。

 

はやて「すみません、お待たせしました」

 

チンク「いや、大丈夫ですよ」

 

ディード「では、『特製マッパピザ40枚』で…54400円になります」

 

はやてはお金を取り出し、ディードに支払った。

 

ディード「えっと…はい、ちょうどですね」

 

ユウト「それで、これがサービスのセンブリ茶だ」

 

優斗たちはセンブリ茶を渡して、機動六課を出ようとする。

しかし、はやてに呼び止められた。

 

はやて「あ〜、ちょっとええですか?」

 

ユウト「ん? 何だ?」

 

はやては、優斗たちの顔をじっと見ている。

はやての様子を見たなのはは

 

なのは「(…あれって、メガネ掛けてるけど、優斗さん達だよね…。何でピザ屋の仕事してるの?)」

 

心底、ハラハラしていた。

 

なのは「(多分、はやてちゃん達にバレないように変装をしているんだろうけど…)」

 

もしかしたらバレて、『あんたたち、何しとるんや!!』となって、優斗達が逮捕されるかもしれない、優斗達の事を知っている身としては、正直望まれた事ではない。

 

はやては、優斗たちの顔を覗き込む。

 

はやて「う〜ん、どっかで見たような…、」

 

フェイトがはやてに言う。

 

フェイト「はやて、私も、どこかで見たような気がするんだ…」

 

フェイトの言葉を聞いたディードは、優斗に小声で話しかける。

 

ディード「兄様、マズいですよ。これ、やっぱりバレるんじゃ…」

 

ディードが言うと、はやてが声をあげる。

 

はやて「……ああ! そうや、思い出した!」

 

はやては、続けて言う。

 

はやて「もしかして、アンタ…、『五十嵐優斗』とちゃうんか?」

 

ディード、チンクは『ヤバイ!』と思った。

自分たちが、指名手配されている犯罪者だとバレたからだ。

 

しかし、優斗は

 

 

 

ユウト「違います、人違いです」

 

と、返した。

 

フェイトは、『五十嵐優斗』と名前を聞いて、表情を変える。

 

『五十嵐優斗』…つまり優斗は、『ジェイル・スカリエッティ』と共犯関係(と、管理局ではそうなっている)にある。

 

ユウト「その、『五十嵐優斗』ってのは誰だか知らねーけど、人違いだと思うぜ?」

 

はやて「う〜ん、せやけど、良く似とるんよな〜」

 

ユウト「ほら、アレだろ。世の中、自分に似た奴は3人居るって言うから、見間違いだよ」

 

はやて「そうか…、ただの見間違いやったか…」

 

はやては『呼び止めてすいません』と、優斗たちに謝った。

 

ディード「いや、大丈夫ですよ」

 

ユウト「間違いは誰にでもあるしな」

 

チンクも頷く。

 

そう言って、優斗たちは機動六課を後にする……前に、はやてが優斗に1つだけ質問した。

 

はやて「そういえば

 

 

 

 

『五十嵐優斗』は『シスコン』って言うのはホンマなんか?」

 

この質問に優斗は

 

ユウト「誰がシスコンだコラ!! 俺はロリコン!! …って、それも違う!! ………あ」

思わず質問に返してしまった。

そのせいで、6人を沈黙が襲う。

沈黙の後

 

 

はやて「……アンタ、優斗だったん?」

 

 

ユウト「……違います、人違い『いや、無理あるし、もう遅いで』……」

 

6人の間に再び沈黙が訪れる。

 

その中で、フェイトが口を開いた。

 

フェイト「…何をしているんだ」

 

ユウト「何って…、見りゃわかんだろ? ピザの配達だよ」

 

はやて「…なあ、アンタ達、確か指名手配犯やなかったか?確か、『スカリエッティの共犯者』で」

 

はやてが疑問に思う。管理局に指名手配されている筈の犯罪者が、ピザ屋なんかでバイトをしている事に。

 

はやての疑問に優斗は

 

ユウト「ああ、確かに俺達は指名手配犯だが? まあ、スカリエッティと共犯関係かどうかは微妙だな」

 

はやて「どういう事や?」

 

優斗は答える。

 

ユウト「スカリエッティやチンク達ナンバーズは俺にとって…いや、お互いにとって『共犯関係』じゃなくて、大事な『家族』だからだ」

 

フェイトとはやては驚く。

ちなみに、チンクとディードは黙って優斗の言葉を聞いている。

 

ユウト「俺は大事な家族を守るために犯罪者になった」

 

はやて「………」

 

家族のために犯罪者になる。

優斗の言葉で、はやては自分の過去を思い出していた。

 

かつて、家族の一員である自分を助けるために、一度、犯罪者の道を歩いた者達の事を。

はやては、優斗に自分の思っている事を聞いた。

 

はやて「…ひとつだけええか? アンタは犯罪者になった事、後悔とかして無いんか?」

 

はやての疑問に優斗は

 

ユウト「後悔? んなもんねえよ」

 

はやて「そっか…。……ふふふ」

 

ユウト「な、何だよ?」

 

はやてが笑い出し、優斗はたじろいだ。

 

はやて「いやな、自分が犯罪者になってまで家族を守るって、普通はそう出来ることや無いからな。それをするなんて、犯罪者にしては変わっとるなあ…って」

 

ユウト「あ? 俺が変わってる?」

 

ディード「まあ、確かに兄様は変わってますよね」

 

チンク「ああ、少しお人好しだな」

 

ユウト「ちょ!?お前らまで!?」

 

まさかディードやチンクにまで言われようとは。

 

はやて「お人好し、か…。せやけど、これでなんとなくわかったわ。スカリエッティの共犯者って言われとった『五十嵐優斗』が、どんな人物かと思ったら…どうやら、アンタは悪い人ではなさそうやね、五十嵐優斗……いや、優斗さん」

 

はやては、優斗が本当は悪人で無い事が、なんとなく分かった。

 

ユウト「さあ、どうだかな。もしかしたら、デカい規模のテロでも起こすかもしれねーぜ?」

 

はやて「そうなったら、アンタ達を逮捕するだけや」

 

ユウト「違いねえ。ま、俺達はそう簡単には捕まらねえけどな」

 

『んじゃ、そろそろ帰るか』と言って、優斗達は再び機動六課を出ようとする。

 

その時、今まで黙っていたフェイトが、優斗達に一言言う。

 

フェイト「五十嵐優斗。確かにお前は悪人では無いかもしれない。だけど、犯罪者である以上は私達とは敵同士だ」

 

ユウト「奇遇だな。俺もテメェ等管理局が嫌いだ」

 

優斗は、今度こそ機動六課を後にした。

 

ーーーーーーーーー

おまけ

 

はやて「しかし…、あの人、どうも悪い人には見えんかったな」

 

フェイト「そうだね…」

 

はやて「案外、犯罪者とは程遠い、そこらへんで遊び廻ってるようなマダオかも知れへんな」

 

フェイト「もしかしたら、街を歩いていてバッタリ…とか?」

はやて「あるかもしれんで」

 

なのは「あるのかなぁ………」

 

はやて「それに、あの人…

 

 

 

 

結構、面白そうな人やな~。いじりがいがありそうや」

 

はやての目が怪しく光る。

 

八神はやては、「おもしろいこと」を追及するのに余念のない人物である。

 

はやての眼が怪しく光ったのを、なのはとフェイトは見た。そして思った

 

 

『あれはオモチャを見つけた眼だ』と


 
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