No.446403

魔法少女リリカルなのはStrikerS ~赤き狂戦士~

時空管理局特務殲滅部隊---通称「インフェルノ」。そこには管理局員、次元犯罪者の両方が「赤き狂戦士」と恐れる青年が所属していた。そんなある日彼は、インフェルノの部隊長の命を受け新しく設立された部隊「機動六課」に異動する事になり、狂喜的な笑みを浮かべ素直に異動を受諾する・・・彼の笑みは何を意味するのか?

2012-07-05 13:31:08 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:995   閲覧ユーザー数:971

 

第二章 始まり

第十七話「出張任務の前に」

 

Sideヴァン

「出張任務だァ?」

「そうやで。カリムからの依頼やで」

「カリムゥ?あの女から依頼された任務だと、任務じゃなくて珍務になるンじゃねェーのかァ?」

 

部隊長室にわざわざ呼び出して、聞かされた内容がこれかよォ。

あの女は俺様がチームオブルーチェの隊長をやってる時に何度か任務を頼んできたが、

どれも古代ベルカに関するロストロギアの違法採掘や密輸をどうにかしてくれというもので

サイコウーすぎるくらいに退屈な任務だったァ。

 

「カリムに失礼やで、ヴァン君。今回のカリムの依頼は、ある管理外世界にロストロギアが

流出したみたいなんや」

「ようは、教会の連中がそこまで手が回らないから、アイツが後見人として関わってる使いやすい

この部隊が選ばれってワケだなァ」

「その通りや、理解早くて助かるわ。てなワケでヴァン君も」

「だが断る」

 

誰がそんなパシリみてェーなァお仕事を引き受けるかよォ。

何言われても絶対にのらな

 

「一緒に来てくれたら、今月の給料2割増しや」

 

「よし、任務の説明をしろォ」

 

ヤル気満々だぜェ!!

 

「それではやて。今回の任務先は何処なのですか?」

 

「そういえば、まだ行き先は聞いてないよね」

 

「あといつ出発なのかもだよ。教えてよはやて」

 

「それがやな・・・」

 

あン?なンかコイツ嬉しいそうじゃねェーかァ?って事はコイツにとってなンか関係がある

トコなンだろかァ?

 

「まさかの地球やで!しかも海鳴市!今から3時間後に出発や」

 

「「えっ!?」」

 

なのはとフェイトが海鳴市と聞いて驚く。

そォーいやァ地球はなのはとはやての故郷だったなァ。

しかし、管理外世界にロストロギア?なンでまたそンな場所にロストロギアがあンだァ?

そして、妙なもンだぜェ。

 

コイツらの故郷に落ちて、コイツらがそれの回収するって偶然はなかなかあるもンじゃねェよなァ。

 

 

「海鳴市か・・・最近帰ってなかったね」

 

「うん。アリサ達元気にしてるかな?」

 

「さっき海鳴での拠点の事で、アリサちゃんに連絡した時は全然元気そうやったよ」

 

アリサァ?コイツらのダチかなンかだろうなァ。

拠点がどうこう言ってるって事は、少なくともなのは達が魔導師だって事はそのアリサって奴

は知ってンだろうなァ。

 

まァーそれはいいとして・・・

 

「オイ、タヌキ部隊長ォ。一つ質問」

「呼び方がすっごぉ気にくわんけど、まぁ言うてみ」

 

やはり呼び方が気に入らんかったようで、はやての奴は若干青筋を立てながらも

俺様の話を聞くようだァ。

「この様子だと、フォワード共もこの任務に駆り出される感じだがァ、もし地球に俺達がお出かけ中に、レリックが発見された場合はどォする?」

 

「あっ、そうだね。確かにそれは問題だね」

 

俺の素朴な疑問になのはも疑問を持ったようで、考え始める。

レリック専任の部隊である六課がレリックとは関係のないロストロギアを回収しに管理外世界に行っていて対応できなかったとなれば、六課の事を快く思っていない一部の上層部の連中にとっちゃ、

いいあげ足取りの材料になるだろうなァ。

 

「うーん・・・ヴァン君の言うとおりや。もし本当にそんな事が起こってもうたら、間違いなく私らにとってはピンチやね。どうにかせなアカンな・・・」

「フォワード達は残して、なのはと私だけで行くっていうのはどうかな?」

 

「いや・・・フォワード達には少しでも経験を積んでほしんや。外すワケにはいかへんよ」

 

 

それから色々案が出はしたが、どれも不安要素があり実行するには程遠い。

・・・仕方ねェ・・・助け船でも出してやるかァ。

 

 

「一つだけ手があるぜェ」

 

「なんなん?その手って?」

 

「インフェルノだァ。俺様の古巣を使うンだよォ」

 

「「「は?」」」

 

なのはとフェイトとはやての3人は俺様の案を聞いて目が点になってやがる。

 

そりゃそうかァ。

 

 

「確かにそれはいい案ですね」

 

 

ハーナが俺様の提案に乗った事で、他の3人は意外そうな顔を聞いてハーナを見る。

いつも歪みあっている奴らがこうなればこんな顔にもなるンだろうなァ。

 

そして、そンな3人にハーナが俺様の案に賛成した理由を話しだす。

 

「インフェルノは皆さんも知っいると思いますが、管理局上層部の命令を受けずとも

独自に行動する事ができます。

そしてその権限の中には、他隊の中に入り捜査をする事できるものもあります。

その権限を利用すれば今回の問題は解決できます」

「にゃはは・・・インフェルノって何でもありなんだね」

「特務隊の中でもインフェルノは特に特殊なんだよ」

 

「でもそれって職権乱用じゃあらへんの?インフェルノがレリックについて捜査してるんなら

わからん事もあらへんけど・・・」

 

 

流石にそこには気付くかァ。

 

この歳で部隊長をしてるだけはあるなァ。

 

だが甘ェ。

 

「はやて。テメェはまだ若いなァ」

 

「突然何言いだすんや。私はまだピッチピッチの19歳やで?」

 

「そっちじゃねェよォ、バァーカァ」

 

 

なンてベタベタなボケをかましやがる。

 

「誤魔化すって言ってンだよォ。捜査報告書をでっち上げるンだァ」

「いやいや!!でっち上げたらダメやろ!?バレてまうで!!」

 

「バレない自信があるから言ってンだよォ。しかも、この話はあくまでレリックが

見つかった場合の話しだァ」

 

「それにインフェルノの隠ぺい工作能力は普通ではないので、余程深く調べられなければバレる

可能性はゼロに等しいですよ」

 

「「「・・・・・・」」」

 

いつもの無表情で説明するハーナを見て、コイツら呆気にとられてやがる。

 

こういう時は、コイツのこれも役に立つンだよォ。

 

「まァ、連絡だけ入れるだけだァ。せいぜい、レリック発見の知らせが来ない事を祈るンだなァ」

 

 

 

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それだけ話すと俺は部隊長室を出て自分の部屋へ向かう。

任務の準備をする為だァ。

管理外世界なのだから当然、魔法どころか管理局の存在はその世界では知られてはいない。

まァそういう事だから私服を持って行く必要があるワケだァ。

 

『マスター。インフェルノに連絡をしましたよ』

 

 

「で、誰を待機させるってェ?」

 

 

俺が隊長だった時なら、こンな場合、いつもなら入隊してすぐの下っぱを使うはずだァ。

多分クランツの奴なら・・・

 

 

『カジノで決めるとの事です。今頃既に、数名の隊員を集めて楽しくやってると思いますよ

・・・お金付きで』

 

「アイツはクールなクセに、三度の飯より賭け事が好きって奴だからなァ」

 

分隊を分ける時も俺様に賭け事で決めようとか、真顔で提案しやがったから、

俺様でも面食らったぐらいだァ。

 

『おや?あの方は・・・』

 

ルーチェのそンな言葉で前を向くと、犬耳と尻尾を生やしたタンクトップを来た男が外の広場で、

正拳突きを繰り返していたァ。

「よっと・・・」

 

三階の窓から飛び降りて、広場に降りて鍛練をしている犬耳男に声をかける。

 

「よォ、ザフィーラァ」

 

「ん?お前か、ヴァン」

 

呼び掛けると、正拳突きをやめ、俺様に向き、肩にかけたタオルで鍛練でかいた汗を拭きながら

こっちに近づいてくる。

 

「それがテメェの人間体かァ。想像どおり渋いなァ」

そう、俺様は初めてザフィーラの人間体を見たァ。

 

六課内ではいつも犬・・・いや違ったかァ。

 

狼の姿でいる為に、人間体は今まで見た事がなかったワケだァ。

 

 

「しかし、よく私だとわかったな」

「動物耳と尻尾着けて、六課の敷地内で鍛練してる奴が他にいると思うかァ?居るってなンなら

是非教えてほしいもンだァ」

 

「ふっ、それもそうか」

 

俺の言葉を納得したようで、静かに頷く。

 

「先ほど主はやてから念話で聞いた。任務で地球に行くそうだな」

 

「予言騎士サマのパシリでなァ。まァ任務ならやるしかねェがァ」

 

「騎士カリムとは面識があるのか?」

 

 

今の会話でコイツは俺がカリムと繋がりがあるとわかったようだなァ。

 

流石ははやてを守護する守護獣だァ。

 

 

「なァーに。昔、よくお仕事を依頼されてただけだァ。ってか、さっきの言い方だと

オマエは来ないのかァ?」

 

「私は主が留守の間、ココを守るのが仕事だ。これも盾の守護獣としての使命だ」

 

「尊敬するぜェ、ザフィーラァ。俺様にはそンなすげェモンはねェーからなァ」

 

それだけを話すと俺は隊舍に戻る為にザフィーラに背を向け、歩きだす。

 

「・・・かつては持っていたのだろう?」

 

「・・・・・」

 

その人事で、足を止める。

 

いや、止めさせられたとでも言うのかァ?。

 

「お前は昔、私のような覚悟を持って戦っていたのだろう?だがお前はソレを見失う程の何かを体験した・・・違うか?」

 

「やめとけよォ。人には触れられたくない事だってあるンだぜェ?そンな奴は嫌われちまうぞォ?」

 

「・・・・・・」

 

今度こそ歩きだす。

 

後ろでザフィーラの奴が鍛練を再開する気配も伝わってくる。

 

「はァ・・・ここに来てから、俺様心気臭すぎねェかァ?」

 

 

『私としては、そっちの方が、マスターが大人しくなるので嬉しい限りですがね』

 

「そンな俺様になンの価値があるンだよォ?」

 

軽口を言い、部屋に入り任務の準備を始める。

 

 

・・・そうだァ。

 

 

そンな俺様に価値はない。

 

 

俺様は戦いの中でしか、俺様の価値を感じられないンだァ。

 

使命の糞もない。

 

 

 

 

 

ただ戦うだけさァ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

そうだろォ?

 

 

 

 

 

ハーナァ?

 

 

 

 


 
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