No.446401

魔法少女リリカルなのはStrikerS ~赤き狂戦士~

時空管理局特務殲滅部隊---通称「インフェルノ」。そこには管理局員、次元犯罪者の両方が「赤き狂戦士」と恐れる青年が所属していた。そんなある日彼は、インフェルノの部隊長の命を受け新しく設立された部隊「機動六課」に異動する事になり、狂喜的な笑みを浮かべ素直に異動を受諾する・・・彼の笑みは何を意味するのか?

2012-07-05 13:29:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1040   閲覧ユーザー数:997

 

第二章 始まり

番外編2「雷神、最狂と会う」

 

Sideフェイト

 

 

私は今回、ある犯罪組織を追って第45管理世界「アーク」に来ている。

 

 

『すまないな、フェイト。休暇をやめさせてまでこんな任務に駆り出してしまって・・・』

 

「いいよ、お兄ちゃん。それに今回の任務は内密に済ませた方が絶対にいいし・・・」

 

『あぁ・・・』

 

エアディスプレイの中で、私のお兄ちゃん---クロノ・ハラオウン提督が申し訳なさそうな顔で、

私と話している。

・・・私が今回クロノ提督から引き受けた任務は、さっき話した犯罪組織の情報を得る、

またはその組織の構成員の逮捕だった。

ただの犯罪組織だったらよかった・・・いや組織事態はそれほどまで大きくはない。

 

ただその組織の起こした事が・・・

 

 

『管理局所有の次元航行艦が強奪される・・・しかも本局からやられたとなると、

前代未聞の大不祥事だ』

 

 

「・・・・・・」

 

 

お兄ちゃんの言う通り、これは管理局始まって以来の大不祥事・・・手口がまた手口だ。

その組織の人間は、数名の次元漂流者を装い、わざと管理局の部隊に保護され、本局でその部隊が船の補給を受けている際、船の乗組員が少ないのを見計らい、船を強奪したのだ。

 

 

・・・そして、その船に乗っていた乗組員は・・・

 

 

「安心してください、クロノ提督。フェイトTハラオウン執務官、

全力で事件の早期解決に尽力させていただきます」

 

 

『あぁ頼む、フェイト執務官』

 

 

 

私は執務官としての顔で、お兄ちゃんと話す。

 

 

クロノも提督の顔で私と話す。・・・絶対にこの事件を解決してみせる!!

 

 

『ハラオウン執務官。BOARDの潜伏地が判明しました』

 

 

お兄ちゃんの隣に別のディスプレイが展開された。

今回の任務で私とこの件で一緒に任務に派遣された人の一人だ。

確か・・・スカイ・クルーゼって名前だったよね。

 

私と同じ金髪でメガネを掛けた真面目そうで感じのいい、私と同じくらいの歳の人だ。

 

 

「では、クロノ提督。これから任務に行ってまいります」

 

『健闘を祈る』

 

 

通信が終わる。

 

 

因みにスカイ君が言っていたBOARDとは、件の犯罪組織の事だ。

 

 

「強奪された航行艦は見つかった?」

 

 

『艦は確認されていませんが、BOARDの潜伏している場所は、老朽化で現在使用されていない空港です。施設内には強奪された船を収容できる規模の格納庫もあるので、問題なく隠す事が可能なはずです』

 

おそらくそうだろう。

 

その格納庫の中に船が隠されているはず・・・よくそんな都合のいい場所を見つけたよね。

 

 

 

『既に、数名の者が施設内に潜入し、施設の内情を調べています。

もうしばらくしたら潜入した隊員から連絡が・・・ん?』

 

 

「どうしたの?」

 

 

『・・・今、潜入した隊員から連絡が入りました・・・敵の仕掛けた罠にかかり、負傷し現在、

攻撃を受けているとの事です・・・』

 

 

「!!本当なの!?」

 

 

いけない!!相手は平然と人を殺す集団・・・!!

 

もし捕まったら潜入した隊員達の命は・・・

 

 

 

「スカイ君は、この世界にある管理局の駐屯施設に連絡して、増援を!!」

 

 

『・・・お言葉を返すのですが、今回の任務は極秘裏に処理するようクロノ・ハラオウン提督に指示されています。この世界に駐屯している局員に協力を仰ぐわけには・・・』

 

 

「っ!!」

 

 

忘れてた・・・スカイ君の言うとおりだ。

もしここで駐屯施設に協力を頼めば、この事件が明るみに出てしまう。

なら、直接本部に・・・

 

『しかし、増援がこの世界にくるには約五時間はかかります。

それだけの時間をBOARDに与えてしまえば、確実に他の世界に逃走されるでしょう』

 

 

それだけではない。

 

 

もし、潜入した隊員が捕まっていたら、確実に殺されてしまう・・・!!

 

 

「スカイ君。本局に連絡を。連絡した後、スカイ君は私がさっき指定した場所で待機していて」

 

「フェイト執務官はどうなされるおつもりで?」

 

 

「私は、空港に潜入して、先行して潜入した3人を救助するよ」

 

 

『なっ!?危険すぎます!!考え改めてください!!』

 

 

確かに危険だよ・・・けど今、空港に取り残されている3人はもっと危険なんだ。

 

だから助けに行かないといけないんだ!!

 

 

『なら自分もそちらに向かい』

 

 

「・・・ごめんね」

 

 

スカイ君が話しているのを私は無視して、通信を一方的に切る。

 

スカイ君を巻き込むわけにはいかない・・・スカイ君の魔導師ランクはCランク・・・

潜入した3人はB+だった。

 

もし、スカイ君が一緒に私と来ても、言い方が悪いけど、足手まといだ。

 

 

 

「行くよ、バルデッシュ」

 

 

『はい、マスター』

 

 

バリアジャケットを展開し、空に飛び、廃棄空港へと向かう。

 

 

 

---------------------------------------------------

 

 

 

「さァーてェ・・・俺様の予想通りにクロノの妹が動いたかァ・・・」

 

 

『どうされますか?』

 

 

本局の制服を着た金髪の男に、男がはめている紅い指が男に話しかける。

 

 

「動くぜェ。

みすみすクロノの妹を死なせねェ。

奴には「アスカロン」の借りがあるからなァ・・・

お前はアレをすぐ動けるようにスタンバらせておけェ」

 

『了解』

 

 

「さァ~てェ・・・お片付けの時間だァ・・・あげゃ!!」

 

 

 

----------------------------------------

 

 

私は今、迎撃用オートスフィアを破壊している。先行してみつかった隊員を見て、

警戒レベルを上げたのだろう。

 

 

「おーい!!」

 

 

「貴男は!?」

 

 

声がする方を見ると、倉庫から3人の隊員の内の1人、クラウンさんが、

私に向かって走ってきていた。

 

良かった。

 

まだ生きてた!!

 

 

「す、すみません、フェイト執務官・・・失敗った挙げ句・・・

残り二人の隊員が奴らに捕まってしまい・・・うっ・・・!!」

 

 

「大丈夫ですか!?」

 

 

吐血する隊員。

 

 

慌てて彼に私は近寄る。

 

 

「俺に構わず・・・二人を!!早くしなければ、二人が!!」

 

「でも、二人の居場所がわからなければ、下手に動け」

 

「これを・・・」

 

 

クラウンさんが懐から、端末を取りだし、ディスプレイを展開して見せる。

 

どうやらここに映っているのは二人の魔力反応を探知したものみたい。

 

これで最短時間で、この場を撤退できる。

 

 

「貴男はここから早く出て、私が指定したポイントでスカイ君と合流してください。

私が捕らわれている二人を救出します」

 

「わ、わかりました・・・お気を付けて・・・」

 

 

 

時間がない・・・一刻も早く二人を助けないと・・・!!

 

 

クラウンさんに背を向け、私は反応がする方角へ向かおうとした・・・けど・・・

 

 

「なっ!?バインド!?ドコから!?」

 

 

体を見ると、私はバインドで手足を拘束されていた。

 

 

まさか、近くで見張られていた!?

 

 

「クックッ・・・気をつけるように俺は忠告したはずだけどな・・・フェイト執務官?」

 

 

「な、なんで、貴方が!?」

 

 

声がした方を見て私は固まってしまう。

 

そしてバインドをかけた人間の正体がわかってしまった。

 

 

「クラウンさん・・・!」

 

 

「簡単に言えば、俺は・・・俺達はスパイだ。当然、BOARDのな」

 

 

「じゃあ、まさか・・・」

 

 

「そう。アンタが思ってる通りだ。航行艦強奪の手引きをしたのは俺だよ」

 

 

 

 

スパイの線は考えてなかったワケじゃない・・・いくら計画的に航行艦を強奪出来ても、本局のゲートは管制室が許可しない限り開く事はない。

強制的に外部からハッキングすればできないわけでもないけど、かなりの時間がかかる。

そんな時間があれば船に乗り込みBOARDの人間を制圧もできた・・・けど、できなかった。

 

BOARDは航行艦からハッキングしたのにもかかわらず、殆ど時間をかけずにゲートを開けたんだ。

 

「よう!来たか、お前ら」

私の周りに10人くらいのBOARDの人間らしき人間が、囲んでいる。

 

そしてその中の人間を見てまた驚いてしまう。

 

 

「俺達・・・って俺は言ったよな?」

 

 

その言葉で私はわかってしまった。捕まった二人なんて最初からいなかったんだ・・・

 

その二人は、クラウンさんと同じBOARDのスパイだったんだ。

 

 

・・・じゃあ、スカイ君も・・・

 

 

 

「スカイ?あぁ、アイツは関係ないよ。俺達は強奪した船の隊員だったから志願したらこの任務に簡単に参加できたが、奴は違う部隊から来た奴だ。

というかアンタもそれは自分の兄貴から渡されたデータで見てわかってるはずだ」

 

 

そうだったんだ・・・スカイ君がスパイじゃないって聞いたら少し安心した・・・

こんな最悪な状況なのに、なんで私は安心してるんだろう?

 

「じゃあ・・・さようならフェイト執務官」

 

 

私に向けてBOARDの人間が杖型デバイスを向ける。

・・・ここで、私は終わるの?嫌だ!!まだ、私は・・・私はまだ!!そう心の中で私は叫んでいたが、

正直あきらめていた。

 

そして、目をつぶる。

 

 

 

 

 

・・・あれ?いつまで立っても痛みがこない事を不思議に思い、私は目を開いた。

 

 

「どうした!?ぐわぁ!?」

 

 

 

最初に目に映ったのはクラウンさんの仲間の1人が、銃声と共に倒れた。

 

いやその前に既に1人倒れている。い、いったい何が起こってるの?

 

 

「な、なんだ貴様は!?うわぁ!!」

 

 

また1人倒れる。

 

今度は銃による攻撃じゃない・・・剣による近接戦・・・その証拠に今倒れた人の前に、

攻撃した本人と思われる人が、剣を肩に担いで私達に後ろを向ける形で立っている。

その人の格好は金髪に赤いロングコート・・・トンファーのような大剣を手にしている。

 

 

そして私達の方を見る・・・そして私はまた、驚いてしまう。

 

「す、スカイ君!?」

 

 

そう・・・私の目の前にいるのはここに乗り込む前に私と話をしていた男の子、

スカイ・クルーゼその人だった。

 

 

「ったく・・・いきなりコレかよォ・・・まァいいけどなァ・・・」

 

 

 

メガネを外し指で回した後、地面に落としメガネを踏み潰すスカイ君。

 

 

雰囲気がさっきと全然違う・・・本当にスカイ君なの?

 

 

「スカイ?いや、誰だ貴様は?」

 

「ナニ言ってやがンだァ?さっきまでアンタらとは一緒に行動してただろォ?」

 

 

クラウンさんの問いに対しスカイ君らしい、人は自分をスカイ君だと話す。

 

 

「じ、人格が違いすぎる・・・!!」

 

 

そう。

 

スカイ君とは真逆の性格・・・目の前にいる人はまるで、

血に飢えた猛獣のようなプレッシャーを放っている。

 

 

「俺はその辺の技のプロなンでねェ。これくらいは朝飯前なンだよォ、あげゃげゃ!!」

 

 

そう言うとスカイ君は私に近づいたきて、私の体を縛っているバインドを全て解除する。

 

 

 

 

「あ、貴男?」

 

 

「ヴァンだァ。ヴァン・ハートネットだァ」

 

 

「ヴァン・・・ハートネット?・・・・!?」

 

 

その名を口にし、私はその名前の人物が何者なのか思い出す。

 

 

 

クロノが最近知り合ったと私に言っていたっけ?。

 

なのはやヴィータも前に、人事部時代によくこの人と行動していたって言っていたよね

 

 

・・・3人共、めちゃくちゃな人だと言っていたね・・・なんとなくその理由がわかったよ・・・

 

 

「ヴァン・ハートネット・・・あの赤き狂戦士だというのか!?」

 

 

「ご明察ゥ~♪」

 

 

クラウンさんがヴァンさんの異名を口にする・・・そう、

彼は最狂最悪の管理局員って言われてるんだった。

 

 

 

「だが何故貴様のような奴がこんな任務に!?」

 

 

「俺様が率いる俺様の為の小隊「チームオブルーチェ」はなァ、テメエらのような裏切り者を取っ捕まえるのが仕事でェなァ。

お前らの事は前々から怪しいと思ってたァ・・・ンなわけでェテメエらを泳がせて様子を

見てたら案の定、見事にこんな派手な事をやってるからさァ~正直驚いたぜェ」

 

 

「成る程・・・俺達は前々から疑われていたようだ・・・」

 

「ンでまァ、俺様がクロノの野郎に頼ンでこの任務に混ぜてもらったンだよォ」

 

 

どや顔で話す、ヴァンさん。

 

 

あまりに余裕すぎる態度・・・

 

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

「あン?」

 

 

1人の男がヴァンさんに飛び掛かり、杖をヴァンさんに振り下ろす。

 

「なっ!?」

 

 

男が驚いている。

 

 

振り下ろした杖をヴァンさんが軽々、素手で止めたからだ。

 

 

「セッカチなクズだァ・・・焦らなくてもテメエもその仲間のクズもそこのボス猿も含めて

オネンネさせてやっかっから・・・よォ!!」

 

 

「がぁっ!?」

 

 

男の喉元に膝蹴りを当てる。

 

 

あまりの激痛で男がその場でのた打ち回る。

 

 

「あげゃげゃげゃげゃ!!」

 

「な、なんだコイツ!!うっ!!」

 

「た、助けてくれぇぇ!!」

 

 

「うわぁぁぁぁ!!」

 

 

ヴァンさんが動き始めた。

 

その瞬間、その場は地獄へと変貌した。

 

 

次々とBOARDの人間は逃げ出した。

 

 

「逃がすかよォ!?」

 

 

背中を向け逃げ出した人間を、ヴァンさんは後ろから大剣で一掃する。

 

そして、クラウンさん以外の人間は全員ヴァンさんに気絶させられた・・・

本当に気絶ですんでるのかな?

 

 

 

パチパチパチ

 

 

 

どこからもなく拍手が聞こえる。

 

その音の発信源はクラウンさんだった。・・・

なんだかもう信じられない出来事を見てるって感じの顔だね。

 

 

「流石だよ、赤き狂戦士・・・だがな・・・俺は貴様などに負けはしない!!」

 

 

そう叫ぶと同時に、上に飛びヴァンさんに襲い掛かるクラウンさん。

 

杖を構える。

 

けど、杖が向けられているのはヴァンさんではなく、すぐ近くの地面だった。

 

ドォォォン!!

 

魔力弾が地面に当たり、砂ぼこりが舞う。

 

 

「はっはっはっはっはっ!!貴様の相手など誰がするものか!!俺がここから逃げ延びるだけで、

それだけで俺の勝ちだ!!馬鹿者共がぁ!!」

 

 

「!!逃がさない!!」

 

 

「待てェ」

 

 

クラウンさんを追おとしたらヴァンさんが私を止める。

 

 

「ヴァンさん、なんで止めるんですか!?」

 

 

「焦ンなよォ。まァ見てろよォ・・・ルーチェ」

 

 

『了解。アスカロン起動。光学迷彩解除』

 

 

その瞬間、私達のすぐ上の空が輝き、その中から一つの船が今までそこにいたかのように現れた。

アースラに似ているが、アースラより少し大きい・・・そして何よりその外観は私が知る次元航行艦の中で一番派手な部類だった。

全体の色は血のように赤く、艦首はアースラのように2つに分かれているのではなく、一つだけで、

先端が剣のように鋭く尖っている。

そして、その先端に太陽光が当たり、赤く輝く

 

・・・まるで目の前に巨大な剣があるみたい・・・

 

 

 

『アスカロン級強襲次元航行1番艦「アスカロン」』

 

「アスカロン・・・?」

 

 

「俺様の、チームオブルーチェの本拠地だァ。管理局初の完全戦闘用の次元航行艦・・・

その証拠に武装の数はどの次元航行艦の中でトップクラスだァ」

 

 

本当だ・・・たくさん砲門が付いてる・・・確かあの武装って・・・バルカンって言う武装だっけ?

昔、はやてが持っていた漫画にそんな武装を乗せて戦艦を見た事があった・・・

これじゃ次元航行艦じゃなくて、次元戦艦だよ・・・

 

 

「主砲照準。目標ォ、第二格納庫ォ」

 

 

「ま、待ってください!!攻撃する気ですか!?」

 

 

『安心してください。今から撃つ格納庫には船はありません。あくまで警告で撃つんですよ』

 

 

そう彼のデバイスが私に説明している間に、アスカロンからなのはと同じ桜色の砲撃が放たれ、

格納庫の一つが消失した。

 

「すごい・・・」

 

 

あまりの威力にそんな言葉を口にでた・・・

 

「えェーBOARDのウンコクズ共に警告するぞォ。

キミ達は完全に狙われているー。無駄な抵抗はやめて素直に投降しろォー。

さもないと、お前らが隠れてる格納庫にさっきの砲撃をぶち込むぞォ。

あと今なら特別に執務官を雇う権利を認めてやるぜェ」

 

インカムを付けて、強奪された航行艦にそんな事を告げてる・・・

 

棒読みなのがまたさらに怖いよ・・・

 

『マスター、執務官を付けるのは最低限の権利ですよ?』

 

「あれ、そうなの?俺はてっきり犯罪者ってのは天国か地獄のどちらかを

選ぶ事しかできないのかと思ってたぜェ」

 

 

『どこの法律なんですか・・・』

 

 

 

--------------------------------------------------

 

 

 

 

 

「って感じだったかな?私とヴァンの出会いは?」

 

「はは・・・なんというか・・・ヴァンさんらしいというか・・・」

 

ヴァンと私の出会いの話を聞き、エリオが曖昧な感想を漏らす。

 

リニアレールの事件から無事に帰ってきてから、私は今、なのはとフォワード達4人と

食堂で夕飯を食べている。

 

その時に、スバルが私とヴァンがいつ出会ったのかと聞いてきたんだ。

 

 

「結局あの後、BOARDの構成員34人全員はヴァンの警告を聞き、無事に投降・・・次元航行艦も殆ど無傷で回収できた上に、事件も外部に知られる事もなく、任務完了・・・

私が担当した事件では一番変な終わり方だったね」

 

 

「あの・・・そのアスカロンっていう次元航行艦は今、どこにあるんですか?」

 

ティアナがアスカロンの現在の状況を聞いてきたけど、私でもアスカロンが今どうなってるかは、

わからないんだよね・・・

 

 

 

「チームオブ・ルーチェはヴァンがインフェルノに転属になって、隊長不在になってしまってからは解散したんだけど、その後のアスカロンの所在は私もわからないんだよ」

 

「クロノ君なら何か知ってるんじゃないのかな?」

 

「ううん。クロノもアスカロンのその後は知らないみたい。

アスカロンの監督管理者は途中から、別の人に変わったちゃったみたいで」

 

「じゃあやっぱり、一番知ってそうなのは・・・」

 

 

ヴァンなんだよね・・・けど絶対、適当な事言ってはぐらかす気がするよ・・・

それにこの事件の事をヴァンに話して思い出させたら、

 

あの時の・・・あの事を・・・思い出して・・・絶対に・・・

 

 

「?どうしたの、フェイトちゃん?何だか顔が赤いけど・・・」

 

「えぇぇ!?な、何でもないよ、なのは!!」

 

「????」

 

 

あの事だけは絶対に話せない・・・そうだ、絶対に話せないよ!!

 

 

 

-----------------------------------------

 

 

 

「驚きだよね・・・まさか、船に温泉が付いているなんて・・・」

 

 

湯ぶねに浸かりながら今回の任務を思い出す。

 

BOARDの構成員をクロノの指揮下にある部隊に引き渡して、ミッドチルダに帰るだけになった。

私は丁度、聖王教会に用があるという事で、ミッドチルダに帰るチームオブルーチェの本拠地でもある次元航行艦アスカロンに一緒に乗せてもらっているんだ。

 

 

「クロノが、取り止めにした分の休暇日の分を休むように言ったけど、特にやる事はないし

・・・あっ!」

 

そう言えば、この前なのはと連絡取り合った時に、なのはしばらく休暇が入るって言ってたような・・・

もしそうなら、休暇をなのはと一緒に過ごせるかも!その休みを使えば、久しぶりにはやてとも会えるから、いい事ずくし!!

よし!さっそく、なのはに連絡してみようかな。

湯ぶねから立ち上がり出る。

 

 

タオルを手に持ち、脱衣場に向かおうとした時、丁度扉が開いた。

 

 

そしてその入ってきた人物を見て私は固まる・・・特にその人物の下半身を見て・・・

 

 

「面倒だなァ・・・教会の予言騎士サマは人使いが荒いぜェ。

任務終わって直ぐに、この俺様に来いなンて何様だと思って・・・あン?」

 

 

 

 

目の前の人も私に気付いて、動かなくなるが状況を把握したのか、顎に手を置き、

 

私をジィーっと見つめている。

 

そしてその人が最初に口にした事は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う~ン・・・生で見ると、やっぱデケェーなァ」

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

 

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私はヴァンにどれくらいの力でぶつけたかわからないけど、魔力弾をおもいっきり

ぶつけてしまった・・・

後々、チームオブルーチェのヴァンの部下の女性から聞いた話しだと、

私は温泉の時間を間違えていたみたいで、あの時間はおもいっきり男性の使用する

時間帯だったとの事だった。

 

つまり・・・私は何も悪くないヴァンに酷すぎる事ををやってしまったんだ・・・

 

 

 

「よォ!テメエらも飯かァ?」

 

「!?」

 

なんてタイミングで来るの、ヴァン!?

 

 

「しっかしィ、相変わらずスバルとエリオはよく食うなァ・・・あン?どうしたァ、フェイト?

顔が赤ェぞォ?」

 

誰のせいだと思ってるの!?

 

わ、わ、わ、私の裸を見たから責任って何言ってるの私!?

 

 

 

「ごめん、なのは!!先に部屋に戻ってるね!!」

 

 

 

 

「ふぇ?フェイトちゃん!?」

 

 

なのはの返事を待たないで、私は自分の部屋へと走り出す。

 

 

SideフェイトEnd

 

 

結局その後、フェイトは昔、ヴァンとの間にあった「事件」が頭から離れず、部屋に戻ってからも

ずっと顔を赤く染めながら、寝るまでずっとそう過ごした。

 

 

これをみたいなのはは、ヴァンが何かをフェイトにやらかしたと思い、翌日問い詰める気でいたりと、勘違いがいつの間にか広がってしまっていた。

 

 

 

まぁ、なのはの勘違いは時間が違うだけで、実際はご明察だったりしていた・・・


 
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