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超次元ゲイムネプテューヌ『女神と英雄のシンフォニー』チャプターⅠ第4話『覚醒!紫のトランスガール』

月影さん

第4話突入。携帯って書きにくいです

2012-06-01 23:53:12 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1073   閲覧ユーザー数:1009

「むー……弱いモンスターばっかでつまんなーい。もっと強い奴は居ないのー?」

 

 あれから問題なく工場の最奥に到着した。特に強いモンスターも居らず、更には此処はホントにモンスターの巣窟というだけでお宝もない。俺とコンパは無事に終わりホッとしているが、ネプテューヌは不完全燃焼らしい

 

「ねぷねぷ、あんまり変な事言ってはダメですよ。本とかでもそういう事を言うと本当に強いモンスターが出てきちゃうです」

 

 俗にいうフラグという奴だな。しかしコンパよ、それを説明するのもフラグを強化することに繋がるのだぞ。何て思った次の瞬間、俺達の居る場所に影が射し、暗くなる

 

「二人とも上だっ!」

 

 ネプテューヌがコンパを抱えてその場から飛び退き、俺も急ぎその場を離れる。それと同時に上から影の主が降ってくる。蜘蛛の身体から頭にカブトムシの様な角が付いた魔物の上半身が生えた巨大なモンスター。その手には鍵の形をした武器を持っている。

 

「な、な……何なんですかぁ!? このモンスターさんは!?」

 

「フラグってのも恐ろしいな……ガチでお出ましかよ……」

 

「おぉー! これこれ、これだよ! こういうのを待ってたんだ私っ!」

 

 コンパは涙目、ケイトは苦虫を噛んだ表情、ネプテューヌは目を輝かせ、正に三者三様な反応を見せる

 

「逃げるのは……無理か」

 

 俺達の通ってきた通路はモンスターを挟んで向かい側。逃げるのは無理。やむなく俺達は(約1名は嬉々して)武器を構える

 

「先手必勝!」

 

 跳躍してモンスターの頭部に狙いを定め、棒術具でなぐり掛かるも

 

「硬すぎだろ、おい……」

 

 直撃はするも、モンスターが怯んだ様子はない。着地と同時に今度はモンスターが反撃とばかりに鍵で攻撃してくる。着地直後で姿勢が崩れてる為、回避が間に合わない。直撃に備え、防御姿勢を取る。しかし、モンスターからの反撃は顔に直撃した火球の爆発で止まる。魔力の類いは効くらしい。とはいえ、相手を怯ませる程度だが

 

「こっのーっ!」

 

 次にネプテューヌが、モンスターの蜘蛛の下半身に木刀の一撃を食らわす。しかし

 

「うそっ!? 木刀が折れちゃった!?」

 

 流石にマンションに転がっていた古い木刀では衝撃に耐えきれず、真っ二つに折れた。そこにモンスターからの反撃が来る。コンパの方も魔力のチャージが間に合わず、ネプテューヌは何とかそれを避けるも態勢を崩される。そこに追撃が迫る

 

「させるかっての!!」

 

 直ぐ様、モンスターとネプテューヌの間にわって入り攻撃を防ぐも二人して壁に叩き付けられる

 

「ねぷねぷ! ケイトさん!」

 

「つぅ……だ、大丈夫か、ネプテューヌ?」

 

「わ、私は何とか……」

 

「とにかく、ネプテューヌは下がってろ。武器がなきゃ戦えないだろ」

 

「う、うん……」

 

「コンパ! サポート頼む!」

 

「は、はいですっ!」

 

 そして、モンスターを睨み付け、再び向かっていく

 

 

 

 

(ど、どうしよう……)

 

 イースンを助けて、モンスターを倒すのが自分の使命だ。しかし――

 

(コンパの言う通り、いきなり強いモンスターなんて無理だった……)

 

 ケイトは自分と同じ様に記憶がないし、コンパに至っては完全に素人だ。だというのに

 

(強いモンスターが出てくればいいなんて思ったから……)

 

 そのせいで二人がピンチに陥っている。何とかしないといけないのに武器が折れた以上、戦えない……

 

『そんな事ありませんよ』

 

「……イースン?」

 

 不意に聞こえたイースンの声

 

『ネプテューヌさん、貴方にはまだ出来る事があります。武器が無くても、ネプテューヌさんには“力

”があります』

 

「力?」

 

『目を閉じて……心を落ち着かせて下さい。そうすれば見えてくるハズです』

 

 もう一人の自分が……と、イースンの声がそこで切れる。言われるがままにネプテューヌは目を閉じ、精神を集中させる。すると、瞼の裏に何かが映ってきた。黒と紫のボディースーツに機械のパーツの様な物を装備し、背中には蝶の羽の様なウィングが付いた紫のロングヘアーを二つの三つ編みにした女性だ。その手には大きめの黒い太刀を持っている。一瞬、この人は誰と思ったが

 

(もしかして……私?)

 

 本能的にそう感じた。と、同時に一つだけ思い出した。この姿は確かに自分自身、そう、自分の力の姿だと。その時――

 

「ケイトさんっ!」

 

 コンパの悲鳴が聞こえ目を開けるとそこにはモンスターの拳を受け、宙に浮いたケイトの姿。そしてモンスターは鍵を両手に持ち、フルスイングの姿勢に入る

 

「ケイトっ!!」

 

 力の使い方も即に思い出してる。何故こんなことが出来るのかまでは思い出せないが迷ってる暇はない。今はただ――

 

(ケイトを……助けたいっ!)

 

 その思いに従い、“力”を解き放つ!!

 

「プロセッサユニット……装着っ!!」

 

 その瞬間、ネプテューヌを光の柱が包み込んだ

 

 

 

 

 

 

 

(やっば……)

 

 コンパからの援護射撃を受けながら、相手の肉質の柔い箇所を探していたが何処も皮膚は厚く、効果的ダメージは与えられない。次第に息もきれはじめ、遂にモンスターの拳をモロに受けた。宙に浮く自分の身体、鍵でトドメを刺そうとするモンスター。

 

(避けられないっ!)

 

 ケイトが思わず目を閉じる。しかし、ケイトが感じたのは殴られた感触ではなく、誰かに抱き抱えられた感覚。ゆっくりと目を開けると

 

「大丈夫、ケイト?」

 

 そこには自分を優しい目付きで見つめる一人の女性の姿。彼女にお姫様抱っこされている。

 

「えっと……あんた、は?」

 

「おかしな事を訊くのね? ここには私とケイト、コンパしか居ないじゃない」

 

 そう、言われてケイトはあたりを見渡す。モンスターと目を点にしているコンパ、そして自分。だが、一人見当たらない

 

「まさか!?」

 

 やがて、一つの結論に行き着く。どう考えてもありえないが、状況的にそれしか考えられないのも事実

 

「ネプテューヌ……なのか?」

 

「最初からそう言ってるじゃない」

 

 と、少し呆れ気味になりながら、ネプテューヌは未だフリーズ状態のコンパのそばに着々し、ケイトを降ろす。

 

「二人とも、後は私に任せて」

 

 そう言ってモンスターを睨み付け

 

「よくも大事な仲間を……許さないから、覚悟しなさいっ!」

 

 ネプテューヌが手を翳すと紫の粒子が集まり、大振りの太刀を形成しそれを握りモンスターに向かっていく


 
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