No.354062

桔梗√ 全てを射抜く者達 第37射

黒山羊さん

クリスマスって鍋じゃないの?的な黒山羊です。
最近、久しぶりに昨日、休刊日でした。1カ月ぶりかな?
まあ、風邪ひいたし仕方がないよねww
薬飲んで寝たら、一晩で治ったような気がします。はい。

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2011-12-28 08:45:16 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:7537   閲覧ユーザー数:3163

桔梗√ 全てを射抜く者達   第37射

 

 

 

 

視点:一刀

 

「そ……ん…さく?」

 

背中越しにその女に俺は言った。一瞬だったが、俺は女が孫策のように見えた桃色の髪に、褐色の肌、青色の目はとても印象的だからだ。

だが、何かが違う。親戚か何かか?だとすれば、此処まで似ているのには納得いくが、こんな所に居るのかが想像がつかない。

だから、この女から情報を探り出すために、牽制のつもりで言ってみたわけだ。

 

「姉様を知っているのか!?」

 

なるほど。どうやら、俺の背中の向こうには孫策の妹がいるらしい。というか、そんな重要な情報喋っちゃって良いんですか?

とりあえず、俺は血でベチャベチャの服を脱ぎ、後ろに放った。理由は、女に風邪をひかれたら、何となく気分が悪いし、その……なんだ、何と言うか、目のやりどころに困るし、半裸の女が後ろにいると思うと声が裏返ってしまう。

俺はタンクトップ1枚だが、まあ、アラスカの野外で寒中水泳をしている訳ではないので、死ぬ事は無いだろう。たぶん。

 

「答えてやるから、その前に、服を着てくれ。血で少しばかり濡れているが、勘弁してくれ。」

 

「す……すまない//////」

 

そう孫策の妹が言うと、俺が放った服を着ようとしているのか。シュルシュルと、布の擦れる音が聞こえる。

無心。無心になるんだ!俺、俺の後ろで聞こえる音は布と肌が擦れる音じゃない。Yシャツをアイロンがけしている時の音だ。

……Yシャツ。もし、桔梗様がよくある裸Yシャツしたら…//////胸の部分がミッチミチだよな。そんで、ボタンが弾け飛ぶよな。

止めだ!これ以上考えたら、頭がマジで茹であがってしまうし、色んなところ(主に鼻)からの出血多量で死んでしまう//////

俺は妄想を振り払う為に、後ろにいる女に話しかける。

 

「まあ、孫策とは単なる知り合いだ。敵でも味方でもない。」

 

「そうか。」

 

嘘は言っていない。反董卓連合の時は敵として遭遇したが、あの時の戦は終わった。

だから、今は敵でも味方でもない。え?そんな簡単に割り切れない?

まあ、普通の精神だったらそうかもしれないが、傭兵やっていると金によって敵と味方が決まる。

今は金が動いている訳でもないし、桔梗さんと戦争しているわけでもないから、この答案が一番正しい。

 

「で、孫策の妹という事は、お前は孫権か?」

 

「………。」

 

「沈黙という事は肯定だな。で、そんなお姫様がこんな所の牢屋にぶち込まれているんだ?」

 

「それは……。」

 

俺が孫権に問うと、孫権は俯いてしまった。

しまったな。つい、疑問を口に出してしまったのは完全に失敗だ。ここは落ち着いて孫権との距離を詰めてから、聞くべきだったな。

こんな所、尋問の教官に見つかったら、また、マダガスカルオオゴキブリの天ぷらを食わされるところだった。

あの食感だけはマジ勘弁だ。サクッ、グチュ、ムニュはあり得ない。ああ、もしこれを読んでいる人が食事中だったら、謝る。

 

「あぁ、言いたくないのなら別に構わない。忘れてくれ。」

 

「いや、今私が置かれている状況と向き合う為にも話させてくれ。」

 

ふーん、どうやら孫権という女はそこまで弱い女じゃないらしい。

孫権は一度落ち着く為に深呼吸をしてから、話し始めた。

孫権の話はぶっちゃけ滅茶苦茶長かったので、少しばかり割愛させてもらおう。

 

 

 

 

要するに、ある日、起きたら、孫権は縄で縛られた状態で籠の中に入れられていたらしい。

訳が分からなかったので、籠の中で暴れてみたら、その籠を輸送していた商人に籠を開けて貰ったという。

それで、その商人にどういうことなのか聞いても、孫策にこの籠を涼州まで持って行くように言われただけらしい。

すると、自分が入っていた籠の中に1通の書状が入っていたので、孫権はそれを読んでみたという。

そして、その書状にはこんなことが書かれていたという。

 

反董卓連合で俺の挑発に孫権が乗ってしまった事で、孫策は孫権を謹慎処分にしたが、それだけではまた繰り返すかもしれない。

そのため、孫権に修業させて、王族としての自覚と力量を持たせるということとなったらしい。

それで、その修行というのが、呉の息の掛かっていない所に行かされ、自力で呉に戻って来いという内容だという。

ちなみに護衛は無いとのことだ。

 

なるほどな。孫策は我が妹を思い、獅子は息子を谷底へ突き落す的な事をしたという訳か。

俺も修行させるのは賛成だ。あの程度の挑発に乗っていては器が知れるというモノ。いずれ、呉を担う者になるのなら成長しなくてはならない。

だが、いくらなんでも、起きたら、簀巻きにされて籠に入れられているってのは如何なものかと思う。

 

それで、孫権は呉に戻ろうとしたのだが、生粋のお嬢様だ。

万事うまくいくわけも無く、気が付いたら、奴隷商人に捕まったらしく、劉焉に売り飛ばされたというのだ。

俺は同情を禁じ得なかった。

 

「あ、それと聞いて構わないか?」

 

「なんだ?」

 

「お前の名前を聞いていなかった。教えてくれないか?」

 

「ウルフだ。」

 

「うるふ?変わった名前だな?」

 

「ここから、果てしなく西に行った国の言葉だからな。」

 

「果てしなく西?益州より向こうか?」

 

「ああ、そうだ。さらに言えば、五胡の闊歩する所より更に西だ。」

 

嘘は言っていない。日本もアメリカもイギリス中国から果てしなく西に行けば、いつかは辿りつけるからな。別に良いだろう。

そもそも、俺は『射撃狼』なんて通り名があるぐらいだ。別に、狼と名乗ったところで問題はあるまい。

 

え?自分が天の御遣いだってことを俺が隠した理由か?そりゃあ、隠すだろう。

情緒不安定な奴の前で、『俺は元、敵ですよ』なんて言ったら、ぼこられるかもしれないからだ。最悪殺されるかもしれない。

桔梗さんと再会するって心に決めたんだ。死ぬわけにはいかない。慎重に行動をしなければな。

 

「それから、もしかしてお前が、劉焉の耳を引きちぎったのか?」

 

「え?」

 

「いや、さっきその劉焉が喚いているのが、聞こえてな。」

 

「あぁ、正確には食いちぎったと言った方が正しいな。

それより、あの耳、豚の耳より美味しくなかったな。幾ら金を積まれても、料理する気分にはなれないな。」

 

 

 

 

「そうか。その…何と言うかだな………助かった。ありがとう//////」

 

「え?」

 

「いや、あの時な大勢の兵達に犯されそうになってな。

その時に劉焉が耳を押さえながら私の居る部屋の前を通って、兵達に噛みちぎった男を叩きのめせって言っていてな。

もしかしたらと思って、傷だらけのお前に聞いてみたのだ。お前があの時に、あんな騒ぎを起こしてくれなかったら、私は今頃………。」

 

「……そ、そうか。」

 

畜生。こんなんじゃ余計に、俺が天の御遣いであることを言いにくくなったな。どうしてくれんだよ!いや、マジで。

こんなことになるんだったら、最初から、自白しておけば良かったな。さて、とりあえず、孫権には俺が天の御遣いである事を隠しておくか。

うわあ、孫権マジ泣きしているし、俺どうしたら良いの?誰か教えて下さいよ。模範解答見せて下さい。冗談抜きで!

模範回答が分からない俺は、仕方がなく、咽び泣く孫権を見ないことにした。

問題の先延ばしをするとは軍人としてあるまじき行為だな。典型的な日本人的発想だな。

 

孫権を無視していると大分痛みが引いて来たので、感覚が戻ってきた。そこで、俺はもっと詳しく自分の状況を確かめてみた。

どうやら、牢屋に閉じ込められているのは俺と孫権だけのようだが、収容所に閉じ込められているのは、俺と孫権だけじゃないらしい。

激痛の所為で、さっきまでよく分かっていなかったが、何十…いや、何百もの人間の気配がこの収容所の中からする。

気配はするが、今が夜の所為か、寝ているみたいだ。そのうえ俺が負傷している所為で、最初に気がつかなかったのだろう。

 

もしかしたら、数百人じゃなくて、数千人もの人間が収容されているかもしれない。

何だ?此処は、どれだけデカイ収容所なんだ?うーん。もっと詳しい情報が必要だな。

 

っと!その前に先ず自分の情報を知る必要があるな。俺は武器装備のチェックに入る。

と言っても、俺が着用しているのはズボンとタンクトップ。先ほどまでTシャツがあったが、孫権に着せている。

ズボンのポケットはもちろんスッカラカンだ。レーションの一つも入ってやしない。

あるのは、マジで、ズボンとベルトにタンクトップのみだ。武器になるとしたら、ベルトだけだな。会社の研修では習わなかったが、一応ベルトのバックルで相手を殴る方法とベルトで絞め殺す方法は多少使える。る○うに剣心から習った。

って言っても、やはり、ナイフの方が俺には使えるし、おそらくこんな戦い方効果があるとしたら、それこそ一兵卒相手に不意打ち程度。

相手が将だったら、まるで効果がないだろう。まあ、有って困るモノでは無い。ベルトを武器として一応考えておくか。

 

大分俺の視覚がよくなってきた。おかげでこの牢屋の自分の部屋の構造が掴めてきた。

部屋の大きさは8畳ほど。二人が入る牢屋には少しばかり広いな。会社の寮は6畳の部屋に2人だったと考えると、やはり広いな。

んでも?まあ、社の寮は2段ベットだったり、二人分の箪笥と机があった事を考えると、そんなものか。

床は地面そのものだ。石畳ですらない。何かものを埋めて隠しておくには便利だな。それに暖を取りやすい。石畳だと体温が石畳に伝わり過ぎて体が冷えてしまう。それに石畳より柔らかい為、寝るのにも向いている。

そして、隣と仕切るのは壁だ。鉄格子だと、脱獄する時に周りにばれてしまう。その事を考えると、普通の壁というのは便利なものだ。だが、向かいの牢屋からはこちらが丸見えだ。脱獄するのなら、これを考えておかないとな。

窓は一か所だけある。だが、かなり高い位置にあり、ジャンプして届くような場所では無い。故に窓からの脱獄は無理だな。

 

とすると、脱獄するなら、2つの方法しかないな。

夜中、収容所の人が寝静まってから地面を掘ってと、周りの囚人たちを懐柔して味方につけて暴動いうのが王道だな。

ただ、看守の動きの法則性を見抜かなければならない。

それだけでは無い。相手の装備や、この建物の外の構造、この建物から出てからの具体的な脱出方法も知る必要がある。

毎日拷問と言うこともあるまい。痛みという奴は完全に慣れて来る。慣れてしまっては拷問でなくなる。

故に、他の囚人と同じようなことをする日もあるだろう。その時にでも色々な情報を収集しないとな。

情報収集には少しばかり時間が掛かってしまうな。ということで、とりあえず、この状況に慣れて、ここでの生活を知る必要がある。

俺は孫権と背中を合わせて寝転びながら、そんなことを考えていた。

 

 

 

 

俺が此処に入って数週間が経ったと思われる。

おかげで、ロン毛になってしまったが、此処の状況とパターンは大分読めてきた。

 

まず、ここの状況説明だ。

此処は益州の成都から少しばかり離れた所にある山の中だと思われる。

外に出た時に遠くに城と街が見えたことと、劉焉が週に一度此処に来る事を考えての推測だ。

囚人は約1500人、看守は約100人だ。

そして、この牢獄に居る者は大体が劉焉軍の兵士の縁者らしい。要するに兵達が裏切らないようにするための人質だ。

更に、また看守もまた人質を取られている。その人質も此処とは別の場所に監禁されているらしい。

このことを話してくれた看守曰く、数か所このような場所があるらしい。

まあ、そのせいか、看守は自分の家族を劉焉に取られ苛立ち囚人に当たる者と、囚人を家族と同じように置かれている事から優しく接する者の2種類に分かれている。色々情報を聞きだしているのは立ち聞きか、優しい者に差し入れをして情報を引き出している。

BarrettM82A1は此処にあるらしいが、何処にあるかは不明な上に、誰がそれを監視しているのかは分かっていない。

 

で、此処の生活パターンは以下の通りだ。

起床は夜明けとともにだ。看守が剣や槍を牢屋の鉄格子を叩く音で囚人は目が覚める。

五月蠅いだけだが、とても五月蠅いという訳ではない。

次に朝飯だ。朝飯と言っても山菜の入ったお吸い物と雑穀飯。調理は無茶苦茶で、山菜は生っぽくて筋張っていて、雑穀飯は固い。

準備も囚人の交代制だ。作る時も監視がつくので、包丁を盗むことが出来ない。

ナイフ代わりになると思ったのだが、外で騒ぎを起こしてみたが、別の看守が見に行くので、無理だった。

朝食が終われば、朝食の準備係は片づけをし、その他は看守に連行されて作業を行う。作業は主に農作業、武器作りだ。

農作業で劉焉の腹を満たし、兵糧を確保し、その残りがこの牢獄の囚人たちの食事となる。

そして、飯当番が昼飯と夕食を作り、他の者が農作業や武器作りをする。

夜遅くまで作業は続き、夜遅くに眠る。だいたいこんな感じだ。

訂正。俺の場合、脱出に備えて、寝る前に筋力維持のために筋トレをしてから、寝る。

 

そして、俺が拷問を受ける時はだいたい昼過ぎぐらいに呼ばれて、いつもの拷問場所で拷問を受ける。

頻度は先ほども言ったが週一だ。拷問の内容は鞭打ちか熱した鉄を当てて来るかのどちらかだ。

で、拷問が終わると簡単な治療が行われる。

『俺が怪我から感染症になって、死んでしまってはお前たちの為にもならないぞ』と俺が軽く劉焉を脅したからだ。

 

以上がここの施設と生活の概要だ。

まあ、こんな感じで囚人や看守から情報収集していると自然に友情のようなモノが生まれる。

おかげで、大部分の囚人と看守も俺を介して大分親密になってきた。

 

どうやって、親密になったかって?簡単だ。こういった極度に自由の制限された場所では衣食住というのが全てだ。

え?この状況でどうやって衣食住を改善するかって?そういうのはまず、看守を落とす。どうやって?美味い飯を調達するんだよ。

雑穀米と山菜しかないのに、どうやってかって?

先ほど言い忘れていたが、雑穀米は支給されるが、山菜は取り行かなくてはならない。そして、山菜取りに行く時に川を見つけた。

もちろん。その時に脱走も考えたが、この山の麓に看守が居ると聞いた為、情報が分からない以上、保留だ。

話を元に戻そう。竹を削って作った銛で川の浅瀬にいた魚を捕まえた。そして、それを料理して一部の看守に出す。

淡水魚は淡白だから、から揚げにすると美味いのだが、そんな油など存在しないので、蒸し魚となる。

気を良くした看守から俺は情報を引き出す。内容は日頃の不満や他の牢獄の内容だ。

此処の牢獄の話をすると、脱出するのでは?と警戒されてしまう。

最初なんでそんなことを聞きたいのかと聞かれたが、ずっと此処にいたら気が滅入るので、たまには外の話題を聞きたいと答える。

まあ、そんなこんなで外の情報は集まってきた。

 

だが、これでは看守からしか情報を聞き出せない。しかも情報は外部のモノだ。内部の情報も必要だ。

内部の情報は俺自身で観察するか、同じ立場の囚人から聞くしかない。

観察力は会社での訓練の時に瞬時にモノを記憶する訓練を受けていた為、それが大分役に立った。

そして、囚人からの情報収集だが、無闇やたらと聞いていては時間が掛かる。立場が上の者の方がよく知っているだろう。

囚人内でのパワーバランスとか知る為に、囚人の観察をした。その結果、特にパワーバランスがあるわけでもないらしい。

皆無気力にただ人質を取られていることや人質になっている事に絶望しながら、機械の如く生きているだけだった。

俺は子どもに美味い飯を出して、子供の気を引く。子供ってのは嬉しい時、まず親に報告するという習性がある。

そうすると、親は俺に対して最初は警戒するが、何度かこれを繰り返している内に、向こうの警戒心は消えて行く。

もちろん、一人身の者へのアプローチも忘れない。そして、また情報収集だ。

 

そして、重要なのは目立っていけない事だ。

日本人特有の謙虚に、物腰低く。偉そうにすれば、築き上げた関係が崩れてしまう。

こうして、俺は情報収集しながら、牢獄内で仲間を作っていく。仲間は居て困る事はない。

特にこのような特殊な環境じゃそうだろう。劉焉に仲間は人質を取られているか、兵士として働かされている。

それがあるおかげで此処に劉焉が来ても、俺を庇って下手な事をすることは無い。万々歳だ。

 

だが、更に数カ月後、2つだけ重大な問題を俺は抱えてしまった。

そう………。

 

 

 

 

「「「おはようございます!うるふさん!!」」」

 

「ああ、おはよう。今日も一日美味い飯食って、頑張って働こう。」

 

牢屋の前で整列し、挨拶してくる囚人に俺はいつも通りの挨拶で返す。隣の孫権は慣れないのか相変わらずビクついている。

そして、俺は先頭を歩き、囚人たちが後に続く。朝起こしに来た看守に挨拶をすると、看守は『お勤めご苦労様です』と言ってくる。

俺は挨拶してくる看守に『看守もご苦労さまだ。この牢獄治安維持のために頑張って下さい。』と返す。

お分かりだろう。そう最初の問題とは……気が付いたら、俺は牢獄の首領となっていたことだ。

やばいぞ。完璧に目立ってしまっている。

 

簡単に言うと、俺は牢獄の改善をしただけのつもりだった。

地べたで寝るのは体に良くないので、木を切って寝台を作っていた。作り方を囚人に教えると手先の器用な者が大量生産していた。

最初は看守に目を付けられたが、『適度な休息は疲労を減らし、労働を効率化させます。』と進言し、美味い飯を食わすと納得した。

他にも簡単な布団を作ったり、雨漏りを治したり、温泉を見つけ、大勢入れるように改造した。

牢獄のあまりの代わり具合に、劉焉に不振がられたが、看守が自分からやったと言って、治まった。

良かった。劉焉が馬鹿でマジ助かった。

そうしている内に俺がこの牢獄の力を持つようになってしまったのだ。

1つ目の重大な問題とは『目立ってしまっている』ということだ。

 

今日も俺は囚人と看守の為に材料を調達し料理をする。気がついたら、数カ月で俺の料理の腕は数段上がったような気がする。

そんなことを考えながら、俺は今日の朝飯の焼きおにぎりを作るために炊きたての雑穀米を握る。

隣の孫権の焼きおにぎりを作る手が危なっかしいので、俺は孫権に握り方を教える。

相変わらず、俺のTシャツを着ている。ちなみに俺はタンクトップの上から、看守から差し入れてもらった服を着ている。

すると、孫権が俺に話しかけてきた。

 

「ねえ、貴方って何?」

 

「単なるウルフというしが無い男だ。」

 

「名前は知っているわ。そうじゃないの、貴方は何者なの?」

 

「単なる遥か西方の元兵士で、益州の劉焉に捕まった捕虜だ。」

 

「いつも貴方はそうね。」

 

「仕方がないだろう。それ以上でもそれ以下でもない。」

 

「ふふっ。………そんな謙虚な貴方だから私好きになったのかも//////」

 

「何か言ったか?」

 

「えぇ!?何も言っていないわ!」

 

「そうか。」

 

「えぇ、そうよ。」アセアセ

 

「変な孫権だな。」

 

「私は変じゃないわ!貴方が変なのよ!!」

 

「俺が変なのは認めるが、それでいてお前も大概変な奴だ。」

 

そんな感じで俺は周りの情報を集め、脱出を考えながら、桔梗さんを待っている。

え?2つ目の問題は?それはだな。あることが心配で眠れないのだ。……心配事というのはだな。

 

桔梗さん今頃何してんだろう?ちゃんと栄養のあるモノ食べてるかな?酒ばっかり飲んでないかな?肩こっていないかな?

天ぷらを杏里に作らせて毎日天ぷら食べてないかな?酒のつまみだけじゃなくて野菜食べてるかな?塩分控えてるかな?

脂っこいモノばっかり食べていないかな?抱き枕無しで、ちゃんと寝れてるかな?変な男に捕まってないかな?………。

 

俺は日々そればかりが心配で眠れない。離れている時間が長過ぎるせいか、最近はそればっかり考えている。

おかげで目の下にクマが出来てしまい、最近孫権に心配されている。

 

「ねえ?大丈夫?日に日に目のくま凄いことになってるわよ?」

 

「凄い事って?」

 

「まるで大熊猫みたい。」

 

「……大熊猫…ね。」

 

「ちょっと!うるふ!」

 

俺の意識はそこで途絶えてしまった。ああ、寝不足が此処に来て祟ったか。

気が付いたら、3日後だった。

 

 

 

 

どうも、黒山羊です。

久しぶりの更新ですね。つい先日第三回同人恋姫祭りがありました。

私も短編を投降させていただきました。

前篇を読んだ方は多いと思われますが、先日後編を一般開放しましたので、良かったら読んで下さい。

『真・恋姫†無双 怒りのクリスマス』です。

 

とういわけで、今回のお話は如何だったでしょうか?はい。

一刀が牢獄内の人心掌握をしちゃいました。まるで銀○の○ラですね。

 

○「○ラではない!桂だ!」

 

はいはい。もう、そういうの良いから。ってか名前バレバレだぞ。いいのか?新撰組に通報しますよ。

というわけで、少しばかり参考にしました。まあエリザ○ス役が桔梗なので、当分脱出は先になりますので、次回から、桔梗の方へと移ります。

ということで、桔梗の活躍を期待していた人楽しみにしていて下さいね。

そして一刀!貴様脱出する気あるのか?というツッコミがあると思われますが、まあ、危ない橋は余程のことが無い限り渡らないのが、この外史の一刀くんなのでご了承ください。

ってか、一刀編短かったな!おい!

 

というわけでやってきました。この最後の挨拶企画!

前回のアンケートでは何と!冥琳が2票も入っていました!という事で今回は呉のスノークールお姉さまこと冥琳さんの名言で最後の挨拶と行きましょう!

では、登場して下さい!冥琳さん!

 

「うむ。何故か黒山羊とかいう者に呼ばれた周喩だ。」

 

では、早速ですが、恒例のシメの挨拶をお願いします!

 

「はっ!?この為だけに私を呼んだのか!?」

 

え?そうですが?

 

「ふざけるな!我ら孫呉を舐めているのか!?貴様!!」

 

えぇ!?そんなこと無いですよ!ほらほら、言っていたじゃないですか!

最後のお別れの挨拶してくれたら、孫策さんの眼帯包帯姿の合成写真を上げるって言ったじゃないですか!?

 

「む。たしかそうだったような気がするな。」

 

そうです!そうです!では、冥琳さん名言を一つお願いします!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「祭殿?誰が行かず後家ですか?#^_^)」

 

 

 

 

次回は票数が多かった蜀で行こうと思います。

そして、その次は魏で、呉→蜀→魏→呉のループで行こうと思っています。

 

「なあ、黒山羊よ。」

 

なんですか?

 

「この企画続けられるのか?」

 

さあ?

 

「無責任だな。」

 

というわけで、作者の気分で蜀の中から適当なキャラをチョイスしてやらさせていただきます。

 

「投げやりだな。」

 

 


 
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