No.342004

Destiny/Domhan Eagsula(デスティニー/ドムハン エアグスラ)  第1話    召喚、そして始まりの日

BLACKさん

この物語は作者が「Fate/Zero」を見た影響で「Fate/Stay night」の話を基に作った作品です。
基となった話はアニメ化されてないルートをメインとしているため、ネタバレが嫌な人はあまりお勧めできません。
また話によっては原作のシーンなどを見ながら作っている場面もあり、原作で出てきたセリフと全く同じやほとんど同じなところもあることをご了承ください。
なお、サーヴァントにつきましてはクロスオーバー的にまったく別の作品からの参加となっています。

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2011-12-01 21:12:48 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:1179   閲覧ユーザー数:1153

 

 

アバン

 

 

ここ鋼呂(こうろ)市である戦いが行われようとしていた。

その戦いのために魔術師達は戦いが始まる数日、数週間、数か月、数年前から準備をしていた。

その準備をしていた者の数人は戦いが行われる数日前にある儀式をそれぞれ、行っていた。

その者達は魔術のことを知り、その戦いに必要な存在、サーバントを呼び出すため、魔法陣を描き、ある者はその魔法陣にそのサーバントに関係のあるものを置き、またある者は何もなしで召喚のための呪文を唱える。

呼び出す呪文は各々の知っている呪文により異なる。

そして彼らのサーバント召喚はほぼ同時刻に終わった。

 

 

 

 

「……」

「私はライダーのクラスとして呼び出された者。問うわ、あなたは私のマスターかしら?」

 

ライダーを召喚した者。

 

 

 

 

「あれ? サーヴァントはどこ?」

 

サーバントを召喚したはずが目の前にいないので家の中を探してみたら別の部屋にいた。

 

「あなたが………私のマスターですか?」

「お前は一体……」

「私は……………アーチャーです」

 

アーチャーを召喚した者。

 

 

 

そしてここに一人………。

 

「俺はセイバーとして召喚された。お前が俺のマスターなのか?」

 

金色の髪をした男セイバーが一人の少女に尋ねた。

 

 

 

ここに戦いの物語が始まる。

 

 

その戦いの名は「聖杯戦争」

 

 

 

 

 

 

 

全てが始まる夜の3時間前。

 

「~♪~♪~♪」

 

ここ鋼呂(こうろ)市にある公立鋼呂高校。

その高校にある剣道部の元部員八子空恵生(やしうろ えみ)は剣道部の道場を掃除していた。

八子空恵生は他の人とは違ったものがあった。

それは異常と言うまでの正義感を持っていた。

恵生がそんな正義感を持ったわけ、それは8年前に起こった事件「鋼呂炎上事件」。

それは鋼呂市に突如起こった謎の火災。当時鋼呂市に住んでいた人口の95%が死亡、生存者は5%とされた。

恵生はその時の生存者の一人であり、その生存者の中で唯一鋼呂市に残った人間であった。

恵生の両親は「鋼呂炎上事件」で死亡。恵生も生死の境をさまよっていた。

そんな時、倒れている恵生を助けたのが焼け野原となった鋼呂市を歩いていた男、八子空断(やしうろ だん)。

その男が倒れていた恵生を助け、そして自分の養子とした。

炎上事件から1年経ったある日のこと、断は「正義の味方」と言うものに憧れていたことを幼かった恵生に告白。しかしそれを諦めたことも告げた。

そんなことを聞いた恵生は断にこう言った。

 

「だったら私が正義の味方になる」

「女の子のお前がか?」

「正義の味方に男も女も関係ない!」

「ははは、それは言えてるかもな」

「言えてるかもなじゃなくて、言えるの!」

「はははは」

 

断はそれから3年後、炎上事件から4年後に病によりこの世を去った。

しかし恵生は断との約束を守るとして「正義の味方」としてあろうとし続けた。

その行動としてまずは誰かから頼まれたらまず断らない。それがどんなに人が嫌がることだとしても……。

今やっている道場の掃除も恵生の友人であり、剣道部に所属している真浦茜雫(まうら せんな)に頼まれてのことであった。

恵生は暇だったために道場の掃除を徹底的に行い、掃除を終えた時には既に夜の7時であった。

 

「もうこんな時間か、早く帰らないといけないかな」

 

恵生は道場の扉を閉め、鍵を返しに行こうとすると……。

 

「?」

 

グラウンドの方から物音が聞こえてきた。

 

「何の音だろ?」

 

恵生がグラウンドを見に行くとそこには……。

 

 

「!」

「でやあっ!」

 

見るからにおかしい格好で天使のような羽をした少女と白いコートを身に纏い、槍をもった少年が戦っていた。

少女の方は武器らしいものは見当たらなかったが、その羽を武器のように振り回し、槍とぶつける。

 

「くっ、なんて羽だ」

「あ、あれって……」

 

恵生は思わず後ずさりをしてその辺にあった小石を蹴飛ばしてしまう。

その蹴飛ばした音が戦っていた二人に聞こえる。

 

「この音は!」

 

槍を持った少年が恵生の方を見る。

 

「!」

 

少年は先ほどまで戦っていた少女を無視して恵生の方へと向かっていく。

 

「しまった! まだいたのか! アーチャー!」

 

アーチャーと呼ばれた少女の後ろには暗くて分からなかったが誰かがいたようであった。

 

「ダメです、ランサーの方が早いです!」

 

アーチャーは命じられた声の命令を聞こうにもランサーの方が早くて恵生を助けに行けない。

ランサーは恵生の前へと立つ。

 

「!」

「僕だって本当はこんなことしたくないけど、聖杯戦争のルール……そしてマスターの令呪のせいで……ごめんなさい!」

 

ランサーの槍が恵生の心臓を貫いた!

恵生はその場で倒れる。

 

「ごめんなさい」

 

ランサーは倒れた恵生に謝るように頭を下げ、その場を去っていった。

 

「お前、大丈夫か!」

 

アーチャーの後ろにいた男が倒れた恵生の所に駆け寄り容体を見る。

 

「こいつはひどい…」

「心臓を一刺し……、命はありませんね」

「そいつは早計だな、アーチャー」

「え?」

 

男が言うのでアーチャーがよく調べてみると恵生は心臓を貫かれ、破壊されていたが、まだ息があった。

 

「まだ息がある。すごい生命力だな」

「ですが、心臓がないのではどうしようも……」

「おいおい、俺をなんだと思ってるんだ?」

 

男はあるペンダントを取り出す。

 

「それは……」

「俺の魔力がたっぷり込められたペンダントさ。こいつで心臓を復活させる」

「そんなことが出来るんですか?」

「完璧元に戻るって思ってない。

正直なところ、こいつの心臓は改造人間のようなものになるだろうな」

「!」

 

アーチャーは思わず絶句した。

 

「それが魔術なんですか……」

「魔術も完璧じゃないんだ。だがここで命を終わらせるよりは遥かにいい。

後遺症は出ないとは思うが、もし出たとしてもそんなに悪いもんじゃないはずだ」

「その根拠は?」

「根拠? 俺の自信で充分だろ。それじゃあ、やるぜ」

 

男はペンダントに改めて魔力を込め、ペンダントは恵生の心臓があったところに入っていった。

 

「帰るぞ、アーチャー」

「はい、マスター」

 

男はアーチャーに抱えられる形でその場を去っていった。

アーチャー達が去ってから数分後…。

 

「う……う~ん」

 

恵生は目を覚ました。

 

「あ、あれ……」

 

恵生は自分がグラウンド近くで倒れていることに気が付く。

 

「え~と私は確かあの子供に刺されたはず……」

 

恵生は冷静に思い出し、事態把握をする。

 

「……」

 

恵生は刺された心臓部分に手を当てる。

 

「心臓は……ある。私、心臓を刺されたのに……」

 

服には血の跡も何もない。

 

「夢……夢にしては変ね。こんなところで倒れてるなんて……。

と言うことはやはり現実……そう言えばあの子、『聖杯戦争』がどうとかって言ってたわね。

帰ったら調べてみよ。あ、その前に鍵返さなきゃ」

 

恵生は何事もなかったかのように道場の鍵を返し、家へと帰っていった。

 

 

 

幕間

 

 

 

 

 

 

恵生が家に帰っている最中、とある場所では……。

 

「え? あの人が生きてる?」

「ぬかったな、ランサー」

 

ランサーと呼ばれた少年が謎の男と会話していた。

 

「お前としては生きてることは嬉しいことだろうが、聖杯戦争のルールはお前も知っているはずだ」

「それは……」

「『無関係の人間には知らせるな。もし知ってしまったら口を封じろ』っとな……」

「けど……口を封じるってただ単に黙ってるようにお願いをしたり、記憶を無くすって方法は…………」

「ダメだ。これはルールであり……命令だ」

 

男が右手の掌に一本の線のような痣があり、それをランサーに見せつける。

 

「はい………」

 

ランサーは嫌々出て行った。

 

「ふん、お前は令呪がなかったとしてもお前は俺には勝てない……」

 

男は薄ら笑った。

 

「しかし未だにセイバークラスのサーバントが現れたという情報はない……。まさかな……」

 

 

 

 

 

 

幕間終了

 

 

 

 

恵生は家に帰り、家の敷地内にある蔵に入っていた。

恵生の家は元々は断の家であり、断の家は立派な屋敷であり、鋼呂市の中でも5位に入るくらいの屋敷の大きさであった。

その広大な屋敷の中に蔵があり、恵生はその蔵で調べ物をしており、一つの本を見つけた。

 

「え~と、聖杯戦争……あ、ダメだ『聖杯戦争』って名前だけしか書いてない。

これじゃ肝心の中身が分からない」

「そうですね」

「!」

 

恵生が後ろを振り向く。そこにはランサーが立っていた。

 

「君は…」

「どうやって生きてたかは知りませんが、もう一度死んでもらいます」

 

ランサーが槍を構える。

 

「くっ……」

 

恵生は思わず後ずさりし、後ろの棚へとぶつかる。

 

「きゃっ!」

 

棚から様々な本が落ちてくる。

 

「うわっ!」

 

本は恵生だけでなくランサーの上にも落ちてきて、ランサーは恵生以上に本が被る。

 

「とりあえずどうしよう」

 

恵生は慌てて蔵の奥へと行く。

その奥には魔法陣が描かれていた。

 

「これって……」

 

恵生が魔法陣に近づこうとした時、本に埋もれていたランサーが本を吹き飛ばし、恵生の元にやって来る。

 

「ふう、危なかった……」

 

ランサーが恵生に向かって槍を向けたその時!

 

「!」

「な、なんだ?」

 

恵生の近くにあった魔法陣が光りだしたのだ。

 

「こ、これって……」

 

魔法陣の真ん中にはいつの間にかガラクタが落ちていた。

そしてガラクタが消えると同時にそこにいつの間にか人が立っていた。

 

「ふん!」

 

その人は背中にあった剣を抜き、その剣をランサーは槍で防ぐが…。

 

「うわっ!」

 

ランサーは蔵の外へと押し出された。

 

「……」

 

その人は長い金色の髪を結び、赤い兜に赤い鎧をまとった男のようであった。

男は蔵の奥の方で立ち尽くしている恵生の方を向く。

 

「俺はセイバーとして召喚された。お前が俺のマスターなのか?」

 

ここから本当の戦い…聖杯戦争が始まるのであった。

 

 

 

第1話    召喚、そして始まりの日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

OP

 

 

 

一つの場面に立つサーバント達。

一番前にはアーチャー、セイバー、ライダーの順で左に並ぶ三人。

真ん中にはランサー、アサシン、バーサーカーの順で左に並ぶ、一番後ろにはっきりと映らないキャスター。

 

 

 

『Destiny/Domhan Eagsula(デスティニー/ドムハン エアグスラ)』

 

 

街を普通に歩く恵生。

 

 

歩く恵生の周りには恵生を眺める彬渡と右策。

 

 

暗いどこかに座り込んで薄ら笑いをする終死郎。

 

 

晴れた空を眺めるルフィリーヤス。

 

 

日常を楽しむ恵生、彬渡とそれを眺める右策。

 

 

どこかの部屋で何かを叫ぶ右策の姉の茜雫(せんな)とそれを聞く謎の老人。

 

 

夜、ライダーとランサーが互いの得物である槍をぶつけ戦いあう!

 

 

違うところではセイバーとアサシンが空を舞うかのように互いの剣をぶつける!

 

 

互いに銃器を持って戦うアーチャーと恵生。

 

 

森を歩くバーサーカー。

 

 

偉そうに椅子に座りふんぞり返るキャスター。

 

 

謎の空洞には謎の巨大な柱と柱の上に存在する巨大な穴。

 

 

その空洞に立つ血まみれの誰かわからない男。

 

 

朝日を眺める恵生。

 

 

 

 

今回明らかにされた情報。

 

 

 

サーヴァント名「セイバー」

マスター  八子空恵生

真名不明

男性

 

 

 

サーヴァント名「アーチャー」

マスター  不明

真名不明

女性

 

 

 

サーヴァント名「ランサー」

マスター  不明

真名不明

男性

 

 

 


 
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