No.341254

そらのおとしもの  電脳世界の不可思議(モニタリング)

BLACKさん

今回の話はアニメ版「僕は友達が少ない」の第5話を参考にして、アニメ「銀魂’」のとある話を見て思い出したMADから連想させたものから作り上げたものとなっております。
また作者の分身となるオリジナルキャラ(秋山総司郎)も出てきます。


なお、今回は作品の最後に作者のお知らせ的おまけがございます。

2011-11-29 21:24:05 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:1146   閲覧ユーザー数:1120

 

 

とある日のこと。

空見中学校に思いもよらない人物が尋ねてきた。

 

「ふぅ~ん、相変わらずみすぼらしい中学校ね、お兄様」

「そうだね、月乃」

 

やって来たのはなんと私立空見学園の生徒鳳凰院キング義経と鳳凰院月乃であった。

 

「そこのお猿さん」

「へ?」

 

一人の生徒が声をかけられた。

 

「桜井智樹はどこにいる?」

 

兄妹はなんと智樹の居場所を聞いてきたのであった。

 

 

 

 

そらのおとしもの  電脳世界の不可思議(モニタリング)

 

 

 

 

 

「なんでお前達がここに来てるんだよ!?」

 

鳳凰院兄妹は新大陸発見部の部室前に来ていた。

 

「私達だって好きで来たんじゃないのよ」

「不愉快であるが、君達にちょっと頼みごとがあるのだよ」

「頼み事だと?」

「そうよ」

「君達にゲームのモニタリングをお願いしたいのだよ」

「モニタリング?」

「なんですかそれ? おいしいんですか?」

「違うわよデルタ。簡単に言えば新しく作ったゲームを試しに遊んでくれってことよ」

「なぁ~んだ」

 

がっかりするアストレア。

 

「このゲームの開発者が僕の家の知り合いでね。

その開発者の頼みなのだよ。不服ではあるけど、君達庶民の感想も聞かないといけないのだよ」

「それで俺達かよ」

「イカロスさんには是非プレイしてもらいたいです」

 

義経はイカロスの前に跪き、お辞儀をする。

 

「はあ……」

「面白そうじゃないか」

 

そこに空見中学で臨時教員として働いている秋山がやって来る。

 

「あら、あなたは…」

「ここの臨時教員」

「とても教師には見えませんわね」

「見えなくて結構。ゲームか……すごく面白そうだな。俺も混ぜてもらうぞ」

「構いませんよ。庶民の大人の意見も聞ければそれはそれでゲームの開発参考になりますし…」

「そいつはありがたい。

ただもう少し年齢の低い子も一人参加させようと思うけど、いいか?」

「結構です」

「そうか」

「それでそのゲームのモニタリングはいつすればいいのかしら?」

 

美香子が尋ねた。

 

「今度の日曜日。こちらの方の公民館で…」

「はいはい、分かった分かった。だからとっと帰りやがれ」

「では失礼させてもらうよ」

 

鳳凰院兄妹は帰っていった。

 

「智ちゃん、引き受けちゃっていいの?」

「別にゲームなら問題ないだろ」

「あの連中の考えてることだぞ。安請け合いして大丈夫だと思うか?」

「何、何かあったら俺がどうにかしてやるさ」

 

秋山が頼りになりそうなことをいう。

 

「あんただと、いろんな意味で不安だよ」

「じゃあ会長が…」

「もっと不安だ!!」

 

 

そして約束の日曜日になり、智樹達は公民館に向かった。

公民館に行ったのは新大陸発見部の部室にいた智樹、イカロス、そはら、守形、美香子、ニンフ、アストレア。

途中で話を聞いていた秋山に誘われたカオスと日和もであった。

一同は公民館に着いた。

 

「ずいぶん遅かったね」

「これだけのモニターを用意したんだ。大目に見てくれよ。

それにこっちは約束の時間より15分くらい前に来たんだ。

そちらが早いと言わざるをえないぞ」

「それは失礼」

「それで俺達にやってもらいたいゲームはどれだ?」

「これよ」

 

月乃がゲームに使うものを見せる。

 

「それは……」

「ゴーグル?」

「これは電子ゴーグル。このゲームをするためのものよ」

 

兄妹はパソコンを見せる。

 

「パソコン?」

「それで何するんだよ?」

「このパソコンに入ってるゲームのデータを直接このゴーグルから読み取ってゲームをするのだよ」

「要するに自分達があたかもゲームの世界に入ってるように体感して、主人公パーティーとして遊ぶものだな?」

「さすが大人だけあって呑み込みが早い。その通り」

「ふぅ~ん」

「まあ面白そうだな。とりあえずやってみようぜ」

「その前に設定入力よ」

「今回はすぐにレベルアップもしてすぐにラスボスの魔王の所まで進めるようにしておこう」

 

ゲームのプログラマーがデータ入力をする。

 

「これでいい。ではそのゴーグルをかけたまえ」

 

兄妹は既にゴーグルをかけていた。

 

「ふぅ~ん」

 

そして全員がゴーグルをかけた。

 

「おっ、何か文字が出てきた」

「最初に職業を選ぶものが出てくるからそこから一つなりたい職業を選ぶんだ」

 

全員がなりたい職業を選んだ。

 

「それじゃあゲーム開始だ!」

 

こうしてゲームは始まった。

 

 

智樹はいつの間にか平原に立っていた。

 

「ここは……」

「ゲームの世界のようだな」

 

その草原に守形が現れる。

守形の格好は黒いスーツを着たものであった。

 

「先輩、その格好なんすか?」

「何って別に『サラリーマン』を選んだんだが?」

「なんでそんなのあるんすか!?」

「それより智樹、お前も自分の格好を見てみろ」

「自分の格好ってどう見れば…」

「自分のステータス画面で見ることが出来るみたいだぞ」

「どれどれ」

 

智樹は自分の姿を確認した。

 

「な、なんじゃこりゃああああああ!!?」

 

智樹の格好は頭には王様の冠があったが、それ以外は何も着ていない裸の王様であった。

 

「な、なんで裸なんだ!?」

「その冠からして王様を選んだようだが、それではまさに裸の王様だぞ」

「と、智ちゃん……」

 

そはらがその場に現れる。

 

「そはら」

 

智樹がそはらの声がしたので振り向く。

 

「うっひょおおおおおお!!」

 

そはらの格好興奮する智樹。

そはらの格好はビキニタイプの水着を着ていたがブラの所がかなり露出があった。

 

「うひょひょひょ!!」

 

智樹はそはらに向かってダイブをするが……。

 

「智ちゃんのエッチーーーー!!」

 

そはらはチョップで智樹を迎撃。智樹はいつも以上に地面にめり込んだ。

 

「げふ」

「見月、その格好は…」

「か、格闘家を選んだつもりなんですが…」

「随分大胆な格好ね~」

 

次に美香子が現れる。

美香子の格好は紫色のチャイナドレスを着ていた。

 

「会長も格闘家ですか?」

「いいえ、私はこれよ」

 

美香子はチャイナドレスの裾から拳銃を取り出す。

 

「なるほど、ヒットマンか」

「そうよ~」

 

美香子は地面にめり込んでいた智樹に向かって銃を撃つ。

 

「いってーーーーーーー!!」

 

智樹は地面から飛び出てきた。

 

「会長、何するんですか!?」

「智ちゃんは何か服着て!」

「げふぅ!」

 

またそはらチョップをくらわされた智樹。

 

「ははははは。さすが庶民の格好だ」

「みすぼらしいったらあらしないわね」

 

今度は義経と月乃が現れる。

義経と月乃は聖騎士と言ったとても豪華で装備も充実したものであった。

 

「手前らずるいぞ!」

「当たり前だろ? 僕達が主催なのだから~。ところでイカロスさん達の姿がないようだが?」

「そう言えば…」

「ト、トモキ! あんたなんて格好よ!」

 

そこにニンフの声が聞こえてくる。

 

「ニンフ、お前も人のこと言えるか?」

 

ニンフの格好は魔法使いの格好だが、ものすごく露出があった。マントで体を隠すことが可能であるが、隠すべきところを隠しているだけであった。

魔法使いらしく帽子もかぶっている。

 

「私は良いのよ。トモキは隠すべきところも隠してないじゃない。えい」

 

ニンフは杖を振って智樹にひとまず服を着せた。

 

「ほ……」

「な~にしてるのよ、あんた」

 

そこにアストレア、カオス、日和も現れる。

アストレアは胸を強調した鎧を着た女剣士。ぶっちゃけた話、いつもの戦闘服と大差がない。

カオスもいつもの修道服を黒から白にした程度であった。

日和も日和で農作業をしている時の格好であった。

 

「ヒヨリ、何選んだの?」

「鍛冶屋のつもりだけど…」

「確かに職業は鍛冶屋だ」

「でもこれじゃあ日和ちゃん、農業者だよ」

「はぅ……」

 

恥ずかしがる日和。

 

「お待たせしました」

 

そこにイカロスの声が聞こえてくる。

イカロスの格好は巫女服っぽい衣装に少し西洋的な要素を入れたものだった。

 

「ブラボー! さすがイカロスさん」

 

喜ぶ義経。

 

「イカロスさんの格好って何だろう?」

「アルファー、何を選んだの?」

「私はそはらさんと少し違って魔闘家です」

「魔闘家?」

「ちょっと魔法系の使える格闘家ってことじゃないかしら?」

「あんまり大差ないよね」

「これで全員…」

「待て。まだ秋山の姿がないが……」

 

秋山だけいないことに気づく。

 

「きっとこのゲームがまだ未完成だから一人だけ別の場所にいるのでしょうね」

「未完成なんですか?」

「だからこうやってモニターを呼んだのだろう」

「ではさっさと進もうではないか。庶民ども」

 

義経が先頭でパーティーは進むことになった。

 

 

ゲームはすぐに魔王のところまで進んだ。

何故ならまだ未完成品だから。

それでも智樹達は魔王を倒せる平均レベルにまで上がっていた。

 

「ここが魔王の城…」

 

周りは暗く囲まれており、城自体も禍々しさを放っていた。

 

「さすが魔王の城ね」

「…奥に生体反応が二つありますね」

「二つ? 魔王の他に腹心でもいるのか?」

「ただ……その奥以外に生体反応がありません」

「全滅している?」

「とにかく進んでみよう」

 

一同は魔王の城へと入り、進んでいく。

 

「何も出てきませんね」

「まさか魔王自身が戦うってことじゃないですよね?」

「それ怖いです~」

 

アストレアは怯える。

 

「落ち着きなさい、デルタ。所詮これはゲームよ」

 

とりあえず一同は再び魔王のいるとされる部屋へと進んだ。

 

「ここか……」

「では行こうか、諸君。魔王、覚悟しろ!」

 

義経が華麗に魔王の部屋の扉を開けた。

そして一同が見たものは……。

 

 

「うん?」

 

その部屋に秋山がいた。いつもの格好で…。

しかしただ居ただけでない。

秋山の手は魔王の喉元を掴んでおり、掴まれていた魔王は血まみれで意識が朦朧としている状態だった。

 

「な、なんじゃこりゃあああああ!!!?」

 

智樹が大いに叫んだ。

 

「何って魔王を倒しに来てんだろ。そんで魔王…」

 

秋山は智樹達の方から手に掴んでいる魔王の方に顔を向け直す。

 

「お前さ、支配したって下々の人間が一斉に自殺とかしたりしていなくなったら、誰が飯作ってくれたりするんだ?

お前達じゃ無理だろ。勝手に死んでくだけだ。だったらやめろよ…」

「…支配こそが我ら魔族………」

「話し合いの余地なし。消えろ」

 

秋山が魔王を掴んでる手から氣を放ち、魔王は完全消滅した。

 

「ふん。それに支配したってどうせ退屈で暇になるだけだ」

「秋山!」

 

一同が秋山の方に駆け寄る。

 

「しかしお前達、遅かったな」

「秋山、これはどういうことだ?」

「なんであんたが既にここに……」

「俺の職業を見てみろ」

「秋山の職業…」

 

全員が秋山の職業を確認する。

 

『は!?』

 

全員が驚愕した。

 

 

 

 

秋山  職業:神

 

 

 

「か、か、か、神?」

「こ、こんな職業ないぞ」

「インチキだわ!」

「インチキか……。まあ確かにこれやる時に俺がデータいじって自分の職業を神にはしたな」

「ど、どうやって……」

「俺のこと舐めんなよ」

 

秋山の能力を持ってすればこんなデータの書き換えは造作もないことであった。

 

「それはそうとよく来たな、勇者パーティー達よ」

「へ?」

 

秋山がラスボスらしいことを言ってくる。

 

「と、突然何を?」

「もう魔王を倒したからこれで終わりじゃ…」

「おいおい、俺の能力舐めんなって言ったろ。魔王は前座だ」

「と言うことは……」

 

秋山はいつもの黒い上着を黒いマントに変えた。

 

「さあ、かかって来るがいい。俺こそが真のラスボスだ」

「か、神様が!?」

「俺の職業をよく見てみろ」

 

一同は再び確認する。

しかしそれでも神としか書かれていなかった。

 

「もっとよく見てみろ」

 

 

 

 

秋山  職業:(暗黒)神

 

 

 

「なにこれ!?」

「俺は闇の神の魂持ってるんだぞ。暗黒神を名乗るのが当然だろ」

「そんな理屈ありですか?」

「ありだ、ではいくぞ!」

 

秋山との戦闘になった。

 

 

「インチキをする者はこの鳳凰院キング義経と…」

「月乃がお相手いたしますわ!」

 

鳳凰院兄妹が先頭で秋山を迎え撃とうとする。

二人の装備は一同の中で一番豪華であり、一番強かった。

 

「そんな見てくれの装備で俺は倒せん!」

 

秋山右手を横に広げると突然鳳凰院兄妹の周りから鎖が現れ、二人を縛りつけた。

 

「な…」

「なんだこれは……」

 

二人は動こうにも鎖の力が強すぎて動かなかった。

 

「人様の技だ。だがお前達のその装備、神性がありすぎたようだな。

その鎖は神性が高ければ高いほど、縛る力は強くなる」

 

秋山が左手を少し上に上げると今度は後ろから突然金色のオーロラのような壁が現れ、そこからいくつもの武器が出てくる。

 

「この能力も人様の技だ。だがお前達相手ならこれくらいでいいだろ」

 

秋山が左手首を前に倒す。すると後ろから現れた剣やら槍が一斉に二人を襲い掛かり、倒した。

体力が尽きたとして二人はゲームオーバー。ゲーム世界から消滅した。

 

「……」

 

智樹達は黙っていた。

 

「これって勝てるんですか…」

「安心しろ、お前達相手にこれとかは使わない。これはあくまであの二人を速攻で倒すために使っただけだ」

 

秋山は鎖と後ろのゲートを消す。

 

「それにさっきも言ったが見てくれの武器じゃ俺は倒せない。

だが心がきちんとこもった攻撃なら俺は倒せるぞ」

「心がこもった…」

「お前達ならいい勝負が出来そうだな」

 

秋山が先ほどとは打って変わって真剣な顔になる。

 

「いくぞーーーーーー!!」

 

秋山が走り出す。

 

「!」

 

美香子が裾から拳銃を取り出して秋山に向かって発砲する。

 

「ぐはっ!」

 

弾は秋山の頭に直撃し、秋山は倒れる。

 

「あれ?」

「倒しちゃった?」

「んなわけないだろ」

 

秋山が起き上がる。

 

「まあ今のは効いたな」

 

秋山が額に手をさするように空を切る。

すると額の傷は完全に治る。

 

「いい殺意だ。…と言うより本気で殺す気だったろ」

 

秋山がギャグ調に怒る。

 

「心がこもっている攻撃ならダメージがあるのでしょう?」

「それは否定せん」

 

秋山は笑う。

 

「だが次もうまくいくとは思わんことだな」

 

秋山は再び走り出す。

それも先ほど以上の速さであった。

 

「く……」

 

美香子が拳銃を放つも秋山は放たれる弾をことごとく避ける。

 

「ぬおおおおお!!」

 

秋山がパンチを繰り出そうとしたその時である。

 

「ぬあっ!?」

 

秋山が突然足を滑らせた。

 

「くぅ……」

 

秋山がすぐに体勢を立て直し、滑った原因を確かめるため足元を見る。

すると周りには書類がばらまかれていた。

 

「この書類……お前か」

 

秋山が守形の方を見た。

 

「そうだ」

 

守形が適当に書類を書いて、それを秋山に向かって投げつける。

 

「てゃあ!」

 

秋山は手刀で書類を切り裂いた。

 

「やはりただの書類じゃないな。斬った時に刃物を切った感覚がした」

 

秋山がその原因を見るためある人物を見る。

その原因を作ったのは風音日和。日和の鍛冶能力により書類を武器へとしていたのだ。

しかもその日和は美香子の銃を改造強化している最中であった。

 

「武器改造か」

 

秋山の標的が日和へと代わろうとしていた。

 

「そうは……」

「させない!」

 

日和を倒させまいとイカロス、ニンフ、アストレア、そはらが立ち塞がる。

 

「その杖と剣も強化されてると見ていいな。

いいだろう、もう少し力を入れて戦ってやろう!」

 

秋山は四人の方へと向かって走り出した。

 

「はあ!」

 

秋山は剣を召喚し、アストレアの剣とぶつける。

 

「あんた、武器を使わないんじゃ……」

「誰も使わないとは言ってない。あの鎖とゲートだけは使わないと言っただけだ」

「必殺、殺人チョップエクスカリバー!」

 

そはらのチョップが光だし、そこから光のエネルギー波が放たれる。

 

「ディラクションバスター!」

 

ニンフも持っていた杖の球からそはらのエクスカリバーと同じような水色のエネルギー波が放たれる。

 

「ちぃ!」

 

秋山はアストレアを押し出す。

 

「きゃっ」

 

振り向いた秋山は剣からエネルギー刃を放ち、そはらとニンフの放ったエネルギー波を切り裂いた。

 

「嘘!?」

「隙ありーーーー!!」

 

アストレアが秋山の上から剣を振るう。

 

「でゃあ!」

 

秋山は後ろ回し蹴りでアストレアの剣を折った。

 

「嘘ーーーーー!」

「たあああああ!!」

 

秋山は剣を持っていない手でアストレアの腹部に当て、そこからエネルギー波を放った。

 

「がはあああ」

 

エネルギー波はアストレアの腹部を貫き、アストレアのHPがゼロになる。

 

「「アストレアさん(デルタ)!!」

「すみません、イカロス先輩…、ニンフ先輩……がくっ」

 

アストレアが消滅した。

 

「アストレア…!」

 

イカロスが激情に走って秋山に向かって突撃していく。

 

「ふん!」

「はあ」

 

秋山とイカロスの拳がぶつかる。

その時に周りに衝撃が走る。

 

「せいやぁ!」

 

秋山は裏拳でイカロスを吹き飛ばした。

 

「エクス……」

 

そはらが必殺技を撃つ前に秋山が一気にそはらとの距離を詰めた。

 

「え?」

「カリバー!」

 

秋山が持っていた剣でそはらがやろうとした「エクスカリバー」を放ち、そはらを消滅させた。

 

「次の相手はどいつだ?」

 

秋山が周りを見ようとすると後ろから突然撃たれた。

 

「ぐおぁ!」

 

撃たれたのは腕であり、腕が一本吹き飛んだ。

 

「どうかしら?」

「腕を吹き飛ばすほどとは思わなかったぞ」

 

秋山は腕をすぐに再生させた。

 

「それに弾のスピードも速くなっているな。

ならば仕方ない。本当は使いたくなかったんだけどな……」

 

秋山の体が光りだす。

 

「あれって……」

「まさか自爆!」

「自爆してもすぐに再生できるが、俺は自爆するほど自暴自棄な奴じゃない」

 

体の光が右手に集められる。

 

「何とかして防いだ方がいいぞ。

防げば全滅は免れるからな」

 

秋山が警告する。

 

「空間爆裂!」

 

秋山が右手を地面に叩きつける。

そこから強力な光が放たれ、魔王の城を完全に光につつみこんだ。

 

 

魔王の城は完全に瓦礫と化した。

そこの秋山は平然と立っている。

そして秋山の周りには何とかシールドなり結界で防いだり守られた人物が数名。

智樹にカオスに美香子のみが残っていた。

 

「残ったのはお前達だけか」

「……っ!」

 

カオスは結界を張って智樹を守るために前に出て智樹を庇っていたが、爆発の力が大きく、ダメージを受けていた。

美香子も守形に庇われていたので消滅は免れていたが、カオス同様にダメージを受けていた。

 

「とは言っても二人はボロボロだな。まずは………」

 

秋山が美香子の方を見る。

 

「お前だ」

 

秋山が右手から強力なエネルギー波を高速で撃ち出し、美香子を包み込み、消滅させた。

 

「さてと、あとはお前達二人……」

 

カオスがボロボロながらも智樹を守ろうと立つ。

 

「お兄ちゃんは守る…」

「カオス……」

「その心意気はよし! だが今の俺はあまり容赦せんぞ!」

 

秋山が高速移動でカオスを蹴り上げた!

 

「!」

「カオス!」

「……」

 

秋山は既に右手にエネルギー弾を溜めていた。

そしてそのエネルギー弾をカオスに向かって放とうとした時…。

 

「やめろーーーーーーー!!」

 

智樹が右手にしがみつく。

 

「ぬおあっ!」

 

秋山はぐらつき、右手のエネルギー弾が智樹の方に当たる。

 

「ぐわっ!」

 

智樹はエネルギー弾をくらい、転がる。

 

「お兄ちゃん!」

「………マスター」

「うん?」

 

秋山は聞き覚えのある声に少し驚いた。

すると瓦礫の中から何かが光だし、瓦礫が吹き飛ばされる。

そこから出てきたのはイカロスであり、イカロスはいつもの戦闘服に加え、ウラヌス・クイーンモードになっていた。

 

「何……。このゲームではそのモードにはなれないはず……。そうか…」

 

秋山が上を見た。

 

「お前の仕業か、ニンフ」

「その通りよ」

 

現実世界。

ニンフがモニターの方で秋山に話しかける。

 

「あんた自身のデータをいじろうにもあんたの方は強力すぎてどうしようも出来なかった。

けど、ゲームの本体自体はデータをいじれた。だからまだギリギリ無事だったアルファーをいつもの力を出せる状態……いいえ、いつも以上の力を引き出せるようにハッキングした!」

「俺がゲーム本体をいじれないようにしてないことに気付いたか」

 

戻ってゲーム世界。

秋山はイカロスの方を見る。

 

「マスター…カオス…」

 

イカロスが二人の方に駆け寄る。

 

「イカロス…お前…」

「大丈夫ですか? マスター」

「もうこんな状態だ。俺はもう駄目だろうな…」

「そんな…」

「大丈夫だ。これはゲームだ。戻ればいつも通りさ。けど、イカロス……」

 

智樹が秋山を指差す。

 

「いくらゲームだからってあいつには負けるな」

「はい」

「勝てよ」

 

智樹はイカロスの腕の中で消滅した。

 

「「マスター(お兄ちゃん)…」」

 

イカロスとカオスは涙を流していた。

 

「イカロスお姉様、私の力も上げるね」

「え?」

「今の私じゃ、秋山お兄ちゃんに勝てない。

でもイカロスお姉様なら勝てる……。

だから私の分も頑張って…」

 

カオスの体が光り出す。

カオスはこのゲームの職業シスターだけが持つ特殊能力を発動させていた。

その能力とは自身を犠牲にして特定のキャラの能力を倍にするというものであった。

 

「じゃあね、イカロスお姉様」

 

カオスは消滅し、主人公パーティーはイカロスのみとなった。

 

「これで完全にお前一人だな」

「………」

「お前と真剣にやるのは初めてだな。

現実世界だと俺の力に制限がかかるが、このゲームの世界なら大した制限はかからない。

とは言っても絶対の全力は出せないけどな」

「………」

「だんまりか。まあいいさ……」

 

イカロスと秋山が黙り込む。

 

「あなたを…」

「うん?」

「あなたを倒します!」

「いいだろう!」

 

二人が一気に駆け出した!

 

 

「ふああっ!」

「!!」

 

二人が拳を繰り出す。

互いの拳が激突する。

 

「つあっ!」

 

秋山がもう片方の拳でぶつけようとし、イカロスももう片方の拳でそれを防ぐ。

 

「互いに両手は使えんぞ」

「ですが……」

 

イカロスは背中の羽からArtemisを発射させる。

 

「ちぃ…」

 

秋山も自身の体から小型ミサイル発射台を召喚し、ミサイルでArtemisのミサイルを迎撃する。

ミサイル同士が爆発し、二人は吹き飛ぶ。

しかし二人は普通に着地する。

二人とも怪我はしていたがその怪我もすぐに治った。

 

「このままやってもお互いの再生能力で意味がないな……」

 

秋山が掌を上に向ける。

 

「?」

「ふあ!」

 

秋山の体から特殊なオーラが周りを包み込むように発せられ、オーラはイカロスも包むとすぐに消滅した。

 

「これでお互いこの世界では再生能力は使えん。

そして俺も色んなものを出したりといつもやってることは出来ん。

とは言ってもお前もだ、イカロス」

「……」

「言いたいことが分かるか? 徹底的にこれでやろうと言うことだ」

 

秋山が握りしめた拳を前に出す。

要するに拳と拳で戦おうと言うことである。

 

「まあチョップとか足で切れたりすることも出来るようにはしたけどな。俺もお前も……!」

 

秋山が駆け出し、イカロスの腹部にパンチを入れる。

 

「っ!」

 

イカロスはやられたと同時に秋山の腹部に返しのパンチを入れる。

 

「ぐはっ! !」

 

秋山がイカロスの顔を殴る。イカロスはお返しにとばかり秋山の顔を殴る。

そして顔だけでなく足で秋山の横腹を蹴る。

そんな時秋山の体から鈍い音が聞こえてくる。

 

「ぐ! あああああああああ!!」

 

秋山は自分の体の骨が折れたのにもかかわらず攻撃を続ける。

そしてイカロスも攻撃を続ける。

そんな互いが互いを傷つけあう殴り合いが数分も続いた。

そして二人にとって最後の攻撃が繰り出されようとしていた。

 

「ふああああああああああ!!」

 

秋山が手刀でイカロスの左腕を斬った。

 

「!! ……!!!」

 

イカロスは左腕を斬られたにもかかわらず、何事もなかったかのように秋山の顔面にアイアンクローを使う。

 

「ぐあああああああああ!!」

 

イカロスのアイアンクローからは熱が出ていた。

 

「消えなさい。闇の神よ」

「がああああああああああああああああああ!!」

 

イカロスがそう言うと手の熱が強くなり、秋山は苦しみ、そして消滅した。

秋山が消滅すると同時に空全体を覆っていた暗雲は消え、明るい空になった。

イカロスはそんな空を眺めながらこう言った。

 

「ニンフ…カオス………マスター………………勝ちましたよ」

 

 

「いやあ、久々に暴れたなぁ」

 

秋山がいつも見せている態度とは少し違って明るく智樹達に接していた。

 

「あんたは良いだろうけどさ~」

 

あの後色々と義経達に言われた智樹。

とは言っても秋山が原因だとして、秋山は……。

 

「未完成ゲームではよくあることだ」

 

そんな一言で何故かゲームプログラマーの方は納得したので何とかなった。

 

「けどさ、なんであんた最初に魔王の所にいたんだ?」

「簡単だ。最初にあのゴーグルつけて、ゲームスタートする時にデータをいじって既に魔王の所に行ってたんだ」

「そんなことできるのかよ」

「ニンフや日和だってその気になればできるだろ。

まあ俺の場合は二人以上に認識されずに自然にできるけどな」

 

秋山は背伸びするかのように腕を伸ばす。

 

「まあそれはそうとお前達は今回どうだった?」

「そう言われると……」

「楽しかったわね~。思いっきり銃を撃てたし~」

「なんやかんやで面白かったですね」

「そうか。それじゃあ今日は俺のおごりだ!」

 

そう言って秋山は駈け出していくのであった。

 

 

 

おまけ

 

 

作者「俺からのお知らせです」

一刀「なんだ?」

作者「前回も言ったようにしばらくは『そらおと』系は投稿をお休みしようと思います」

一刀「それで別の小説の方に力を入れるのか」

作者「そうだ。だがもう最終回まで来たが最終回はエピローグだし、短いのですぐに終りそうだ。

だから12月になったら一気に投稿でもしようと思っている」

一刀「一日ずつにするのか?」

作者「そこはまだ決めてないが12月1日からの投稿だな。ただ俺は深夜までは起きれないから人が多そうなこの時間帯(夜9時ごろ)からの投稿になるかな。12月中に全部投稿したいから週に3本と言う単位だな」

一刀「それでも多めか」

作者「うむ。もうすぐ終わるなら前に何度も夢で見たと言っている『そらおと』の映画的なネタを書きたいなと思うが、なかなか最後が書けない」

一刀「頑張れ」

作者「ただ投稿するのはいいのだが、一つ問題ができた」

一刀「なんだ?」

作者「12月公開の仮面ライダーの映画があるだろ。隕石が降ってくるって奴。実はその書いてる『そらおと』のネタも隕石から始まるんだよな」

一刀「被るってことか。けど隕石から始まるだなんて物語的にはよくあることだろ」

作者「まあそういわれればそうなんだろうけどさ。

そこで俺は思いついた。その『そらおと』ネタを利用し、またSS大戦でも書こうとしている」

一刀「またかよ! けどオーズ的な話、何か作れるか?」

作者「なぁ~に、オーズ的似合いそうなのは一つ思いついている」

一刀「まじで!?」

作者「だがあくまで概要だからな。オーズの話を見ない限りうまくかけるかわからない。一応話の元ネタはオーズの話になるからな。それをアレンジしてうまく俺が書いてきた恋姫の話にできるようにしないといけないからな…」

一刀「大変だな」

作者「それでも『そらおと』の奴をかければ儲けものだ。

まあとりあえず俺のお知らせはこんなものだ。

しばらく『そらおと』系の投稿はお休みするけど、別の作品を投稿するつもりだ!

前にも言っているが元ネタは『Fate/Stay night』だ。

 

 

それでは!」


 
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