No.319947

真・恋姫†夢想 とあるメイドな桂花の一日

狭乃 狼さん

中の人ネタ。

そんなのを始めて書いて見たりしましたw

ただし、出てくるのは恋姫のキャラというか、一刀と桂花だけですがww

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2011-10-17 22:32:23 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:12617   閲覧ユーザー数:9646

 

 彼女の朝は早い。

 

 夜明けを告げる鳥の声が街中に響くその前に、早くも寝台から抜け出て、その衣服を替える。白い清楚な夜着を脱ぎ捨て、代わりにその身に纏うのは、藍色を基調とした可愛らしいフリルの付いたエプロンドレス、そしてその華奢な脚に履くのは白のニーソックス。茶色がかったそのショートカットの髪に、彼女の職務を象徴するともいえる白のカチューシャを付け、最後に姿見の前に立ち、自身の格好に乱れが無い事を確認すると、彼女はその日の第一声をその場で発する。

 

 「……よっし!今日も完璧っと!……さて、アイツを起こしに行きますか!」

 

 そうして彼女は自身の部屋を出て、足早に、一日の最初の仕事をこなすべく、その同じ建物内にある、とある部屋を目指す。日もまだ完全には昇りきらず、廊下はいまだに仄暗い。それでも彼女は迷う事無く廊下を進み、目的の部屋へと到達する。

 

 「さて、と。……今日は一体誰がその隣に居るのか知らないけど、かといってこれ以上寝かせるわけにもいかないし。……たく、毎日起こしに来るこっちの身にもなって欲しいものだわ」

 

 その眉間にしわを思いっきり寄せ、溜息とともにそんな風な愚痴をこぼしてから、彼女は目の前の扉をノックし、室内で今だ夢の中に居るであろうその人物に、その声をかける。

 

 「コンコン。……“旦那様”、おはようございます。そろそろお目覚めのお時間です。……と、言って返事が無いのもいつもの事、と。……失礼します!」

 

 彼女が“旦那様”と呼ぶその部屋の主が、彼女の朝の挨拶に何の反応も示さないのは、今の職務に彼女が就いて以来、それこそ何度と無く体験をして来た事である。なので、自身の声に対する反応が無いときは、勝手に入って来ていいとその本人からも許可を得ている彼女は、そのまま扉を勢い良く開け、室内へと入っていった。

  

 「……やっぱりまだ寝ていた、か。ったく、しょうがないわね、ほんとに。……ちょっと、ほら朝よ?とっとと起きてちょうだいよね?」

 「……ん……あと、五分……」

 「だ・か・ら!天界の単位を言われたって私には分からないって、何度言えば分かるってのよ!?ほら!無駄な抵抗してないで、さっさと起きなさいっての!!」

 「……たら、起きる……」

 「は?」

 「……が目覚めのキス、してくれたら起きる……」

 「な!?//////あ、朝っぱらから、な、何言ってるのよ!?この全身性液男!!」

 「ぐへっ!?」

 

 その顔を茹で上がった蛸のように真っ赤にしながら、寝台の中で布団を頭から被ったままその一言を言った人物に対し、そんな罵声とともに思いっきりエルボードロップをかます少女。 

 

 「……あ、朝から強烈な一撃、だ……。でも、やっぱ出来ることなら、目覚めはキスの方が良か」

 「……ナニ?まだ目が覚めてない?だったら今度はその股間めがけて肘、落としてあげよっか?」

 「おはようございます。もう目は十分覚めておりますので、それだけは平にご容赦を」 

 「分かれば宜しい」

 

 少女のその一言に、寝台から飛び起きてその頭を下げる少年と、そんな彼を見て満足そうに微笑む少女。

 

 「さて。それじゃあそろそろ、ちゃんと起きるとしますか。あ、でもその前に」

 「?」

 「……朝の挨拶はちゃんとしないとな。……おはよ、桂花」

 「はい♪おはようございますです、旦那様♪」

 

 

 主人である天の御遣いこと北郷一刀を起床させた後、その専属メイドである桂花の一日は本格的にスタートをする。

 

 「よっし、それでは気合入れて、洗濯の方、始めて見ますか!」

 

 木で出来た少々大きめのたらいを井戸のその傍に用意し、その横には山のように積まれた洗濯物入りの木箱を置いて、腕の裾をしっかりと捲り上げた後、井戸から汲み上げた水をたらいに張って、洗濯物を一つ一つ丁寧に洗い始める。

 

 ちなみに、それらの洗濯物は全て、彼女の主人である一刀のものである。 

 

 「ふんふふ~ん。旦那様のお洗濯物~、それをしっかり手で洗う~、それがメイドの嗜みなの~♪」

 

 上機嫌でそんな鼻歌(作詞作曲・桂花)を歌いながら、その一つ一つを丁寧に洗っていく。

 

 「それにしてもアイツの下着……随分くたびれて来たわねえ。……そろそろ新調を考え無いと駄目かしら?」

 

 まじまじと。一刀の下着をその両手で広げて凝視しつつ、形と色は同じでいいのでしょうか、とか。材質はどんなもので作るのがいいだろうか、などと。唸りながらその場で本気で悩んでいる桂花であった。

 

 

 その後、再び洗濯を再開し、物干しにそれらを全て干した後、桂花は今度は街に出た。

 

 「さてさて。今日のおかずは何がいいかしらね?昨日は麻婆だったから、今夜は拉麺って言う手もありかしら?」

 

 彼女が一刀の専属メイドになって以来、彼の食事は基本的に、朝食と夕食のみ彼女が作っている。本来であれば、昼食を含めた三食とも、城の専属料理人がその役を担うのだが、桂花が彼のメイドとしてその職務に就いたとき、はっきりきっぱり、こう言い切ったのである。

 

 「お仕事中のお昼は仕方ありませんが、それ以外のお食事は全て、一刀さんのメイドである桂花のするべきお仕事だと思います!桂花的に!」

 

 と、いうわけで。

 

 その指にたくさんの絆創膏をはりつつ、必死になって覚えた料理を始めて披露した時、一刀から褒め言葉をもらったその瞬間、あまりの嬉しさにその場で失神した事も、今となってはいい思い出である(笑。

 

 

 

 ここで時間は一気に飛んで(笑)、その日の夕食後。

 

 「ふへ~。……たまのお風呂って最高だよなあ……」

 

 城内にあるおの浴室にて、湯船の中、一人手足を思いっきり伸ばし、極楽気分でいる一刀がそこに居た。

 

 「と言うわけでお背中流します!一刀様っ♪」

 「おわあっ?!ちょ、桂花?!い、一体何処から出てきたの?!」

 「そこはもちろん、メイドの嗜みです!」

 「メイド関係あるのそれ!?てか理由になってないし!」

 「大丈夫です!桂花的には問題ありませんから!」

 

 くるくる、と。その立てた指を回しながら、何故か得意げな顔でそうのたまってみせる桂花。

 

 「では早速お背中を流させていただきます!さ、湯船から出てくださいませ♪」

 「いや、その!き、気持ちは嬉しいけど、ほら、お、おれって今裸だし」

 「……そんな事分かりきってるっての!ほら!うだうだ言ってないでとっとと出る!」

 「わ、分かった!分かったから引っ張んないで!」

 「……ま、ごりっぱ♪……ていうか、なにそんなもの元気にしてるのあんたは!?このど変態の性欲魔人ーーーーっ!!」

 「ほげあっ?!」

 

 どっぼーん、と。湯船から無理やり引っ張り出されたのに、その引っ張り出した本人の手で、再び湯船の中に蹴り落とされるという、そんな理不尽な目にあった一刀であった。

 

 「……あー、ついやっちゃいました……てへ♪」 

 「てへ♪じゃないって……がぼ」

 

 

 

 「とまあ、最後にちょっとやらかしちゃいましたが、こんな事ぐらいでは桂花はくじけたりしないのです!」

 

 ぐっ!と。先ほどの風呂場での失敗からあっさりと立ち直り、両手を握り拳状態にして気合を入れなおす桂花。

 

 「あの日あの時、アイツのメイドになると決めたその瞬間から、私はそれまでの自分を全て捨てた!……まあ、時々あの頃の自分が出るけれど、それもまた私の魅力だと、アイツ……旦那様は言ってくださった。なら私はこれからもしっかりと、お仕事を全うさせていただくのみ!」

 

 過去の自分は過去の自分。現在(いま)の自分は現在の自分。

 

 そう言って優しく微笑み、現在の自分を受け入れてくれた一刀に対し、自分は誠心誠意それに応える。桂花はその最初の誓いを改めて思い出し、再びその胸に強く刻み込む。

 

 「そう!旦那様に目一杯お仕えし、その一助となるのが今の私の務めなのだから!」

 

 そうして彼女はこれからも、愛する旦那様である一刀のため、一所懸命にその責務を全うしていく。

 

 周りになんと言われようが、たとえどんな失敗をやらかそうが、ただひたむきに、かいがいしく。

 

 どうしてそこまで出来るのか。

 

 そう問われた彼女は、その、太陽の様に明るい、満面の、最高の笑顔で、何時もこう答えるのである。 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんてったって、桂花はメイドですからね、マジモンの♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おわり

 

 

 というわけで、黒山羊さんに触発されて書いたこんなss、皆さん如何だったでしょうか?

 

 真白色シンフォニーというゲームに出てくる、アンジェリーナと桂花が、中の人が一緒と言うことでこんな妄想をしてみましたww

 

 で。

 

 作中における桂花の言葉遣いやら態度が、本来のものだったりアンジェっぽいものだったりと、ころころ変わりますが、人間の本質という物はそうそう変わるものではないと言うことで、どうかご理解してくださいませww

 

 では、今度はまた北朝伝の方でお会いしましょう。

 

 それではみなさん、また。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うりゅ~( ゜ω゜)o彡゜   


 
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