No.289282

桔梗√ 全てを射抜く者達 第15射

黒山羊さん

焼酎と相性が悪い黒山羊です。
何故か、スピリタスは飲めるのに、焼酎を飲むとすぐに倒れる。
ハーフボトルをロックで飲んだだけなのに…。
そうそう、この間、酒屋に行ったら、おつまみコーナーで東北復旧コーナーという特設コーナーが設けられていました。
折角なので、見てみたら、色々ありました。5品程買って先日飲みました所、あさりの辛口塩辛が美味しかったです。

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2011-08-31 11:50:47 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:6427   閲覧ユーザー数:3566

桔梗√ 全てを射抜く者達   第15射

 

 

 

 

視点:一刀

 

「まだ4時だってのに、会議って、余程重要な案件何だろうけど、何の用事なんだろう?」

 

午前4時。俺の腕時計はそんな時間を示していた。幾ら夜明けが早い夏といえども4時という時間はまだ真っ暗だ。夜が明けそうな感じが全くない。鳥が囀る声の1つも聞こえない。

そんな夜中を俺は今玉座の間へと向かって走っている。理由は分からないが、杏里に起こされてまで会議をすると言うことは余程重要な案件だろうと、俺は勝手に推測した。

どんな案件なのだろう?もしや、黄巾党が巴郡に再集結して、こちらに向かっているとかか?

だが、よく考えれば、黄巾党が此処に攻め入るメリットが少なく、デメリットが大きすぎる。

俺が黄巾党なら、衰弱している他の郡を攻める。その方が被害は少なく、それなりに得る物があるからだ。

しかし、此処巴郡は制圧できれば得る物は多いが、勝つにはそれなりの損害が発生する。つまり、此処を攻めて得られる期待値が他の所に比べて、低い。普通だったら、攻めない。

じゃあ、他は何が考えられる?政策についてだろうか?考えられにくいな。政策で火急って災害が考えれるが、豪雨が降るような天気でもなかったし、地震も無い。

では、なんだろう?まあ、考えても仕方が無いか、推測はあくまで推測。だが、俺は降りかかる火の粉を全力で排除する。全ては俺の桔梗さんや戦友と居たいという気持ちの為に、そう、俺が生の充足を得る為に。

玉座の間に入ると、凪、沙和、真桜達以外は皆来ていた。そして、客人も居た。

 

「久しぶりだな。北郷。」

 

「え……あぁ!お久しぶりです。馬騰様」

 

そう、客人は西涼の太守馬騰様だった。馬騰様が此処に来るって、また西涼で戦でも起こったのか?と思ったが、それはあり得ない。なぜなら、西涼の太守がそんな時に自分の治める州を離れるはずがないからだ。

では、馬騰様が此処に来た要件は何だろう?此処に居ると言うことは今から行われる会議に関係あるのだろう。

 

「北郷。」

 

「なんですか?馬騰様?」

 

「前飲んだ時に色々教えてくれただろう?それにあの戦の時は世話になった。

そのお礼にお前に俺の真名を預けたいんだが、受け取ってくれるか?」

 

「えぇ、馬騰様なら信頼できる人ですから、俺は馬騰様の真名が欲しいです。」

 

「俺が信頼できる人か……照れるな//////

………ゴホン。俺の真名は蒼。西涼の蒼天を護り、その下を馬で駆ける者という意味だ。」

 

「では、俺も。俺は北郷一刀。性は北郷。名は一刀。字も真名もありません。

故に、俺にとって、親から貰った唯一の名である『一刀』が俺の真名です。俺の真名を受け取って下さい。」

 

「おう、よろしくな。一刀!」

 

「えぇ、これからも宜しくお願いしますね。蒼様(ニコッ」

 

あれ?なんで、蒼様はそっぽを向かれるのだろうか?俺、何か失礼な事をしただろうか?

そして、左斜め後ろから感じる視線は何だろう?痛い。滅茶苦茶痛い。そして、とても鋭い。

蛇に睨まれた蛙ってこういう状況のことを言うんだろうな。蛙は自分の捕食者である蛇の動きが気になって動けない。蛇は動くモノしか見えないので、相手のアクションを待っている。蛙は俺で、蛇は桔梗さんだな。

ヤバイ!ヤバイぞ!このままでは桔梗さんの好感度が下がってしまう。桔梗さんの機嫌を取る方法は無いのか?

 

「すみません、お待たせしました!」

 

ナイスタイミング!凪!真桜!沙和!マジで助かった。

今すぐ問題を解決する必要はなくなった。今すぐ会議始まるからな。桔梗様へのフォローは後になった。

 

 

 

 

「皆、就寝中の所、悪かったな。実は蒼の所にこのような書状が来たんだ。」

 

『オーッホッホッホッホッホ!私、名門袁家の華麗で優雅で雄々しい袁紹ですわ。

実は皇帝陛下がいらっしゃる洛陽を皇帝陛下から治世を任せられている暴君董卓が皇帝陛下の名を借りて、暴政を行って、洛陽の民は困っていますの。だから、暴君董卓を倒して、皆で洛陽の民を救いましょう。』

 

蒼様が俺達に見せてくれた書状にはこう書かれていた。

皆が読み終わると、蒼様が話し始めた。

 

「実はな。俺は董卓と組んで、この反董卓連合を倒そうと思う。」

 

「「「「!!!」」」」

 

焔耶、凪、沙和、真桜は驚いている。杏里と桔梗様は冷静なままだ。

おそらく、杏里はこの書状である程度の真実を推測し、蒼様の発言に納得したのだろうな。

桔梗様も同じか、蒼様から裏事情を聞かされて、知っているのかの、どちらかだろうな。

俺もおそらく杏里ほどではないが、ある程度の予測はついた。

 

「待って下さい。馬騰様。

董卓は暴君なのですよね?だったら、我々はこの反董卓連合に参加するのが普通だと思われますが。」

 

「いや、この書状に書かれているのは、全くの嘘、出鱈目だ。

俺と桔梗は董卓に会った事があるが、この書状に描かれている事と丸っきり反対だ。年は徐庶ぐらい。性格は穏やかで、やや引っ込み思案で、怖がりで、争いが何よりも嫌いだ。

荒んだ世を正すには漢王朝を中から変えて、建てなおすのが最も良い方法と言うような娘だ。暴君とは無縁だ。

それに洛陽は先々月行ったが、昔に比べて大分改善されてきた。

おそらく、袁紹は自分ではなく董卓が洛陽の治世を任されたことに、嫉妬しているのだろう。」

 

「……な…なるほど、……一刀は分かったのか?」

 

「だって、書状の頭で『オーッホッホッホッホッホッホ』って書くような奴だぞ。書状に書いてある内容がまともな事とは到底思えない。董卓という人物がどうような人物なのかは分からなかったけどな。」

 

「「「「うぐっ。」」」」

 

「話進めていいか?

世の為にも心優しい董卓やその優秀な将達を失うわけにはいかない。俺としては彼女たちを救いたい。

…でだ、俺は桔梗にこのことを先ほど話してみたら、援軍は出せないと言われた。」

 

「今までは劉焉から何も言われずにやってこれたが、これ以上表立ったことをすれば、劉焉に呼び出されて、何かあるやもしれん。下手をすれば、領地没収のうえ、死罪じゃ。

儂も董卓を助けたいのは山々じゃが、軍を引き連れて洛陽に行くのは不味い。

益州を治める者としては力不足だが、財力や軍事力は圧倒的じゃ、今劉焉を敵に回すのは得策ではない。」

 

「そうですね。私もそう思います。

劉焉から独立するなら、病弱な劉焉が死んだ後の方が良いですね。彼の跡取り候補は仲が悪いです。おそらく、後継者争いで戦が起こると思いますので、それに便乗するのが最も良い方法だと私は考えます。

だから、此処で劉焉に目をつけられるようなことはしない方が良いです。」

 

「じゃが、これから始まるであろう戦乱の世の為にこの反董卓連合に参加する者達を見る必要もあると儂は思う。軍を引き連れては行けぬが、董卓の援軍に行きたい将は居るか?」

 

 

 

 

「俺行ってみたいです。」

 

俺は即効手を挙げた。なんたって三国志の中でも超がつくほどの一大戦争。反董卓連合。

虎牢関で袁紹達が率いる反董卓連合が董卓軍の戦争だ。戦局が良くないと判断した董卓は洛陽の町を焼き払って長安に撤退したことによって、董卓軍が敗北する。董卓はその後長安で呂布に殺されるんだったな。

反董卓連合において、史実で陽人の戦いが有名で、演技では汜水関の戦いが有名だよな。

極悪非道でない董卓、お馬鹿な袁紹。他にも曹操、孫堅、袁術、呂布等有名な英雄達を生で見ることが出来ると思うと居ても立ってもいられなかった。

 

「他は居らんのか?」

 

「私も言ってみたいのですが、宜しいですか?」

 

「う~む。焔耶か。どう思う?杏里?」

 

「問題ないと思います。

最近は楽進隊、李典隊、于禁隊の錬度も上がって来ています。賊が出ても、十分対処出来ます。」

 

「ということだ。戦いに夢中になるのも良いが、一刀の護衛も頼むぞ。」

 

「は!はい//////!!」

 

「すまんが、蒼。この二人で構わんか?」

 

「おう、この二人とあらば、心強い。頼むぞ。一刀、焔耶。」

 

「はい!」

 

「はっ!!」

 

「では、今すぐに洛陽へ向かうぞ。」

 

「今すぐにですか!?」

 

「あぁ、俺の軍は今洛陽に向かって進軍中で、翠に任せてある。

桔梗への交渉は俺が直接やった方が上手く行くと思ったから、此処に来たんだ。」

 

「そうだったんですか。では、準備しますね。」

 

………そうだよな。蒼様は西涼を治める人だから、すぐに戻らないとダメなんだよな。

軍を馬超さんに任せてるって、蒼様は言ってるし、仕方が無いよな。

あぁ、桔梗様と離れ離れか。だって桔梗さんは巴郡の領主で、そんなに頻繁に離れる訳にはいかないもんな。この間の西涼のことはかなり例外的な事だと言ってたしな。自分から言い出した事だから、離れ離れになると言う事実を俺は分かっていたはずなのに、……寂しいな。グスン。

……ック、でも、こんなところで哀しくなっていてはだめだ。桔梗さんの前だぞ。それに、焔耶や凪も居る。

格好悪いところを見せる訳にはいかない。俺は表情を崩さないように、会議が終わるまで、努力した。

会議の終わり際に桔梗さんが俺にこの場に残る様に言ってきた。

会議が終わり、皆が出て行くと、桔梗さんが俺の方にやってきた。さっき蒼様と喋っていた時の誤解を解かないとなと思っていたから丁度良かったとは思っていた。

だが、桔梗さんの方から話があると言ってきたのだ。とりあえず、桔梗さんからの要件を聞くことにした。

 

 

 

 

「北郷よ。この戦、お前の知っている世界の過去には在ったのか?」

 

「はい。董卓はこの戦で華雄を失い、長安へと退却するはずです。

ただ、俺の知っている世界の過去とこの世界とでは結構違いが生じてきています。

蒼様の話に出てきた董卓と俺の世界の董卓は相反すると言って良いほど、違っています。」

 

「そうか。では、この戦勝てる可能性はあると言うわけじゃな。」

 

「えぇ、今回の戦も負け戦と確定したわけではありませんよ。

西涼の乱という戦いが俺の世界の過去には在りました。

それは馬騰という武将が漢王朝に反旗を翻して戦を起こすのですが、皇甫嵩と董卓によって鎮圧されたとなっています。しかし、この世界では蒼様を暗殺しようとした皇甫嵩が風呂桶で殴られて投獄されたという結果になっていますから、俺の世界の過去とこの世界は全く違う世界と考えて問題ないと思います。」

 

俺がそう言うと桔梗さんは深く息を吐いた。そして、顔色も良くなったように見える。

俺はそんな桔梗さんを見て少し安心する。やっぱり好きな人の不安そうな顔を見るのは見ていて気分の良いモノじゃない。好きな人にはやっぱり笑っていてほしいもんだ。桔梗さんは笑顔で俺の背中を叩いてきた。

 

「うむ。それなら安心じゃ。では、思う存分戦ってこい!」

 

「はい。では、行ってきます。」

 

「……そうだ。北郷。さっき蒼と仲良くしていたよな?」

 

ヤバイ。桔梗さんが笑顔になったから、忘れたんじゃないのかって安心したのに、完全に油断してた。

さて、どう言い訳しよう。………待てよ。そもそも誤魔化す必要あるのか?

ありのままを話せばいいじゃないか。何をそんなに焦る必要があるんだ?アホなのか俺は?

だって、考えてみろよ。俺は蒼様と真名を交換しただけだ。何も疚しい事はしていない。

そうだ!真摯な気持ちで桔梗さんに俺が思ったことを伝えたら良いんだ!

 

「そんな仲良くってほどでもないですよ。ほら、真名を交換しただけじゃないですか!

桔梗様も見ていたでしょう?」

 

「確かに真名を交換していたな。だが、明らか蒼は頬染めておったぞ。」

 

「そうなんですよ。俺何か蒼様に失礼なことしたのでしょうか?」

 

「……はぁ?北郷よ。本気で言っておるのか?」

 

「はい。いたって本気ですが?」

 

「もう良い。………さっきの光景でモヤモヤしておった儂が馬鹿みたいではないか。」

 

「何か言いましたか?」

 

「空耳じゃろう?儂は何も言っておらぬぞ。ほら、はよう行かんか!蒼が待っておるぞ。」

 

「えぇ……。押さなくっても自分で歩きますから、大丈夫ですって、桔梗様!」

 

「なら、とっとと歩け。」

 

俺はこうして玉座の間から押し出された。

 

 

 

 

視点:桔梗

 

儂は蒼と北郷が仲よさそうに喋っているのが気に食わんかった。

特に蒼が頬を染めた瞬間、儂は北郷を百発ほど殴ってやろうかと思った。儂一筋と言う癖に他の女を垂らしこみおって。儂と北郷とどうありたいのかという結論を儂は出ていないが、北郷を誰かのモノにする気はない。

だから、他の女と仲良くしておるのが気に食わんかった。

まあ、、他の女の好意に、北郷がとてつもなく鈍いのがせめてもの救いじゃな。

アレで北郷が頬を染めておったら、豪天砲の零距離射撃をしておった所だ。

 

今思ったのじゃが、北郷が初めて儂から離れて戦に行くのか。

北郷は此処に来てから、他の州に一度しか行ったことが無い。その一度も儂と一緒に西涼に行った時だけで、実質1週間以上離れ離れになった事が1度も無い。そして、今回北郷が行くのは洛陽じゃ。

少なくとも数カ月は北郷と会えないじゃろうな。

なんだか少し…寂しい…のぅ。

 

「怪我して帰ってきたら許さんからな。」

 

……ん?今、何か音がしたな。何じゃろう。儂は扉を開けてみた。

扉の真前で、北郷がうつ伏せに倒れていた。儂は北郷を仰向けにして上半身を抱き起す。

 

「おい!北郷!?どうした?」

 

「………大丈夫です//////」

 

「大丈夫な訳無いじゃろう。目の焦点が定まっていないぞ。顔も赤いし、息も荒い。風邪か?」

 

「いえいえ、大丈夫ですから。」

 

「なら、何故倒れておったのか説明してみろ。」

 

「それは……。」

 

「なんじゃ?聞こえん。もっと声を出さんか。」

 

「桔梗様が!『怪我して帰ってきたら許さん』って言って!

俺って!心配されているんだな!って思って!嬉しくて!それで頭がグルグルになって……。」

 

北郷は儂から目を逸らしながら、照れくさそうに、顔を更に赤くし、そう言った。

北郷の仕草を見た儂は少し体が熱くなり、北郷を抱きしめたいという衝動に駆られた。

くそ、北郷ごときにまたときめいてしまったではないか。儂は無理やりに話を変えてみる。

 

「城門で蒼が待っておる。はよう、準備して行かんか//////」

 

「す!すみません!では!」

 

焔耶と同じで世話が掛かる。

全く、儂がそばに居ないとホント駄目な奴じゃ。いや?儂がそばに居ると駄目になる奴なのやもしれんな//////

まあ、いずれにしても北郷は儂が守らねばな//////。

 

こうして、一刀と焔耶は洛陽へと巴郡を発った。

 

 

 

 

視点:??

 

袁紹さんが私は悪者だって言って、洛陽を攻めるって宣戦布告の使者を送って来たのが先月のこと。

やっぱり、戦は嫌です。皆傷ついてしまいます。袁紹さんの宣戦布告後の軍議で、私は戦をすることを反対したんだけど、私が長安に逃げても、袁紹さんが追ってくるかもしれないって詠ちゃんやねねちゃんが言うから、袁紹さん達と戦うことになりました。それでも、やっぱり私は気乗りしない。

宣戦布告から詠ちゃん達、皆が洛陽を……私を護ろうとして頑張っている。

漢王朝を中から変えて、皆が笑顔に成れる世の中にしようっていう私の考えは甘かったのかな?私のやっている事って正しいのかな?私は城壁から空を見上げながら、そんなことに想いを馳せていた。

でも、考えていても仕方が無い。考えるだけでは、事態は好転するわけがないから。私は城壁から降りる。

ふと下を見ると花が咲いていた。私はそこにしゃがみ込む。私は花が好き。だって、花の香りは変わらない。何があっても、その花がその花である限り、香りが変わることが無い。

世の中もこの花の香りのように平和であり続けることは出来ないのかな?

私が花を見ていると、私の後ろから私に近づいてくる足音が聞こえた。

 

「月、援軍の馬騰が来たわよ。今すぐ、月と面会したいって言ってるけど、顔色が良くないけど、大丈夫?」

 

「そう、詠ちゃん。今行くね。私なら大丈夫だよ。」

 

私は立ち上がり、蒼さんに会うために、詠ちゃんと一緒に玉座の間に向かって歩き出した。

蒼さんは信頼できる人で、曲がった事が嫌いな人。私と考え方は違ったけど、同じようにこの大陸を平和にしようと頑張っている人。そして、私が尊敬している人。

 

「そういえば、月。馬騰は厳顔の所にも援軍を頼みに行ったんですって。」

 

「そうなの?」

 

「うん。でも援軍は出来ないけど、将を2人貸してくれたって、馬騰が言っていたわ。

魏延と天の御遣いだって。」

 

「天の御遣い?あの管路の占いの?」

 

「うん。確かに馬騰はそう言っていたわ。」

 

「どんな人なの?詠ちゃんは見た?」

 

「まだよ。でも、天の御遣いが味方についていると知ったら、味方の軍の士気は上がるわ。」

 

「……そう。」

 

天の御遣い様に会ったら、教えてくれるかもしれない。私は正しいのか、聞いてみたい。

私はそんな救いを求める為に、自分の行いが間違いでないと証明して貰うために玉座へと急いだ。

 

玉座の間に行くと、華雄さん、霞さんがいつもの場所に立って居た。

詠ちゃんの話だと、ねねちゃんと恋さんは軍の準備があるって言ってたなぁ。

そして、蒼さんと知らない人が2人、膝をついて頭を下げて私を待っていました。部分白髪の髪が短くて、黒っぽい服を着た女の人と、黒髪の白く光る服を着た男の人。二人とも年齢は恋ちゃんや霞さんぐらいに見える。

どっちが天の御遣い様何だろう?

 

「董卓様、お久しぶりにございます。」

 

「顔を上げて下さい。蒼さん。私は蒼さんが頭を下げるような立派な人物ではありません。

いつものように気軽に話して下さい。」

 

 

 

 

「あ、そう。いやぁ―――。堅苦しいのは俺駄目でな。正直息苦しかったんだ。

ありがとう。肩こって、窒息して死ぬところだったわ。はっはっはっはっはっはっは。」

 

蒼さんはいきなり立ち上がり、笑いながら、そう言った。

蒼さんと一緒に来た女の人と男の人は相変わらず、膝をつき、頭を垂れたままだった。

 

「あの―。蒼さん。そちらのお二人を紹介して頂けませんか?」

 

「おう、そうだったな。

こっちのデカパイの姉ちゃんが桔梗の武官筆頭の魏延だ。」

 

「蒼様!デカパイって、もっとまともな紹介をして下さい//////」

 

「良いじゃねぇか。事実乳でかいんだしよ。

で、こっちの白く光っている服着た格好良い兄ちゃんが天の御遣い、北郷一刀。

ちなみに、俺と翠と蒲公英の将来の旦那だ。」

 

「待って下さい。俺には心決めた人が居てですね。蒼様の所に嫁ぎません//////」

 

「良いじゃないか。桔梗はお前と結婚するとは言ってないぞ。

桔梗がアレなんだしよ。俺の所に来るってことでいいじゃねぇか。一刀」

 

魏延さんと御遣い様は蒼さんの紹介に不満だったようで、顔をあげて、蒼さんに抗議している。

蒼さんはその抗議の声を笑いながら、答えている。若干、御遣い様の抗議には頬を染めているのは気のせいでは無いと思います。

 

あの白い輝く服を着た人が…………天の御遣い様。

確かに、あんな綺麗で輝いている服を、私はこれまで見たことが無い。

この人なら教えてくれるかもしれない。私は玉座から降りて御遣い様の前に行き、膝まづいた。

詠ちゃん達は私の突然の行動に驚いたのか、唖然としているみたい。

そして、救いを求めるように、御遣い様に聞いてみた。

 

「御遣い様、お願いです。教えて下さい。私は正しかったのでしょうか?

漢王朝を中から変えたら、皆幸せになれるって思って、頑張ってきました。

でも、洛陽の治世を任されてすぐに、袁紹さんが攻めて来るって言って来ました。袁紹さんの領土は荒れ果てているって聞いて、そんな人に洛陽を任せられない。それに、私が此処から逃げても追ってくると思ったから、戦になっちゃって……それでそれで、私の大好きな人や私を慕ってくれた人、洛陽の人達を戦いに巻き込んじゃいました。………それでも私のやってきたことって正しかったのでしょうか?」

 

そんな問いを私は御遣い様に投げかけたが、私の中で私の欲しい答えは決まっていた。

そう、『私は正しい』と天の御遣い様に私は言ってもらいたい。これは実際には問いを投げかけているのではなく、私を慰めて欲しいに行ったこと。要するに私はこの人に…天の御遣いという名に慰めてもらたがっている。

でも、天の御遣い様の口から出た言葉は私の予想できる者では無かった。

 

「そんなの多分誰も分かりませんよ。」

 

「………え?」

 

「絶対的な正義なんてモノの定義なんて分からない。俺達の知っている正義ってモノは相対的だ。

貴方が粛清した十常侍からすれば、貴方は悪だ。なんたって、彼らからすれば、貴方は彼らの生活を壊し、殺したのだから。でも、十常侍の重税に苦しまされてきた民からすれば、貴方は正義かもしれない。

だから、董卓様が正しいかどうかなんて、見る人によったら、変わってきます。貴方は正しいかもしれないが、正しくないのかもしれない。貴方が絶対的に正しいかなんて誰も分かりませんよ。」

 

「………。」

 

 

 

 

「だが、少なくとも、貴方は圧政に苦しんでいる多くの人を助けてた。それで良いんじゃないですか?

だって、洛陽の町の人は笑顔で、董卓様のおかげだって言っていましたよ。(ニコッ」

 

そう言って、天の御遣い様は私の手を握ってきた。微笑みかけてくれた。

天の御遣い様の手は大きくて、ゴツゴツしていたけれど、私の手を優しく包み込んでくれた。

 

「…………ありがとうございます。御遣い様//////。私、少し気が楽になりました。」

 

「そうですか。俺頭良くないから、今自分の言ったことが正論なのかどうかなんて知りませんよ?」

 

「ふふふ。それでも、ありがとうございます。御遣い様、一つお願いがあるのですが、良いですか?」

 

「何でしょうか?董卓様。」

 

「私の真名を受け取ってくれますか?」

 

「えぇ!?ですが、俺には真名が無いので、お返しは出来ませんよ。それでも良いのでしたら。」

 

「えぇ。私の真名は月と言います。以後宜しくお願いします。御遣い様。」

 

私が立ち上がると、御遣い様はソッと手を放してくれた。

もう少し手を握って居たかったけど、ずっとこのままという訳にもいかない。

私はゆっくりと元居た玉座に座り、私を慕ってくれる皆さんに私は決意表明をします。

 

「皆さん、私決めました。私は洛陽を護りたいです。

戦えば、多くの人が死んでしまう。私のこの選択が正しいのか分からないけど、この都を袁紹さんに渡しちゃいけない。渡したら、また洛陽の人が苦しむかもしれない。だから、私と一緒に戦ってくれますか?」

 

「月。分かったよ。月が決めたならボクも迷わない。月がしたいこと、ボクが全力で支えるから。」

 

「エエ子の月っちが、あんのアホの袁紹にボロカスに言われんのが我慢ならなかったから、月っちが戦うって決意してくれて嬉しいで。」

 

「主君の成長にこの華雄、涙を禁じることがでぎま゛ぜん。」

 

「ありがとう。詠ちゃん。霞さん。華雄さん」

 

詠ちゃんはとても落ち着いた顔をしている。最近の詠ちゃんはこんな顔をしなかった。原因は迷惑を掛けた私のせいだと思う。だから、詠ちゃんは私を見て安心して、私は詠ちゃんを見て安心する。

霞さんはとても明るい笑顔だ。華雄さんの顔は酷い。涙と鼻水で顔が浸水している。

 

こうして、私の陣営は一致団結して袁紹さんと戦うことになりました。これも御遣い様のおかげです。

私は御遣い様を見る。落ち着いて顔を見てみると、とても格好良い方でした。

優しくて、恰好良い御遣い様を見ていると胸がドキドキしてきました。………へぅ//////。

 

 

 

 

視点:鮮花

 

「うわぁ――――ん!一刀さんが洛陽に行っちゃった!私は何をオカズにハァハァしたら良いの?」

 

 

 

 

どうも、黒山羊です。

 

今回の話を振り返ってみましょう。

桔梗様が嫉妬しました。やっぱり、桔梗様はちょくちょく見せる乙女成分が俺的に萌えるので、そう言った所をちょくちょく書こうと思ったら、こうなりました。

そして、はい、始まりました。反董卓連合。この話では一刀は反董卓連合側ではなく、董卓側につきました。

残念ながら、当分、桔梗様は出て来ません。桔梗√なのにww。その代り、焔耶が出て来ます。

そして、へぅが出て来ました。そして、いきなりフラグ建てちゃいましたねww

純情派といえども、そこはやはり一刀君。どこまでもフラグを建てていきますww。

んでもって、無自覚にフラグを建て行くからたちが悪い。

しかも、桔梗さん一筋だというからもう、他のヒロインからすれば、悪夢ですよねww。

 

では最後の挨拶ですが、今回は趣向を変えてみましょう。皆さん知っているでしょうか?

『ましろ色シンフォニー』というゲームを?え?あのゲームです。

声優さんを見ると、一刀が主人公で、凪がツンデレ委員長で、桃香が不思議系ブラコン義妹で、桂花がおしゃべり野良メイドで、蓮華が凪のお母さんで理事長兼不思議動物ぱんにゃで、冥琳がドジっ子教師のあのゲームですwwそれでは御唱和下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

( ゚ω゚)o彡°うりゅ~!

 


 
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