No.279020

なつこい(田舎)無双 3回目

宇和さん

現代日本の田舎を舞台に繰り広げられる有り触れた日常を描くssです。

「許婚」、「幼馴染」、「ヤンデル」、「教師」、「幼馴染の妹」、「監禁系ヤンデレ」、「お嬢様」、「馬鹿」、「貧乏姉妹」、「ロリ」、「妹」、「後輩」、「義母?」、「大家」等のキーワードが散らつきますが。

あくまで、有り触れた日常を描いたssです・・?

2011-08-19 23:02:10 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3169   閲覧ユーザー数:2720

いいのか宇和(こんなss書いて)・・て、いう感じのこれまでのあらすじ。

 

北郷は裏取引により星の手から華琳に手渡される。

華琳は丸一日掛けて、北郷に自分との婚姻届にサインをするよう迫るが。

なんとなく、回避して、皆が犯罪者だと知って、寝て・・帰省1日目は終了した。

二日目・・朝。

 

 

「お、おはよう・・カズト」

「(ん~・・おはよう?誰かいるのか?)」

こんな一人暮らで、彼女もいない俺に?

 

「お、お~い、カズト」

ああ・・そういえば昨日、田舎に戻ってきたんだっけ。

 

「お、おはよう~あ、朝だぞ~」

てっ、事は星か・・。いやっ、その割にはなんていうかオドロオドロシイ声な気が。

星は俺の前だといつもやけにテンション高いし。

 

「はぁ~・・なにやってるのよ、全然起きないじゃない」

「あ、姉上・・」

あれ?しかも、二人いる・・それもどっかで聞いたような声が?

お手伝いさんの紫苑さんかな?

 

「まったく、しょうがないわね~変わりなさい」

紫苑さんにしてはハキハキしすぎな声だな・・誰だろ~?

 

 

「すぅ~~~~~~~~」

あれ?なんか、息を吸う・・音が。

・・なんか嫌な予感。

 

 

「カズトーーーーー!!!!!!!!!!!!!」

「ひ、ひゃぁふあああーーーーー!!!!!!!!!!!」

よかんてきちゅーーーーーーーーーーう!!

全然、嬉しくないけどね!!

 

「よしー!起きたわね」

「み、耳元で全力の声をだすんじゃありません!!」

鼓膜破れたらどうするつもりだーー!!

それに心臓弱い人なら止まる可能性もありーー!!

 

「って?あれ~?此処うちじゃない気が?」

染みが人の顔に見え(しかも、百単位で)無気味すぎ、お泊り会の深夜に泣きじゃくる子どもを引き取る親達が多発する事が名物の、俺の実家の天井じゃない。

染み人(顔)、3人ぐらいしかいないもん~この天井。

 

「そーよ、ここはわたしの家よカズト」

3人しかおらず、「さびしーいな」って思った俺が実家の天井の100人の染み人を思い出していると。

隣から、能天気と言うか軽い声が聞こえた。

 

「ゆ、雪?」

隣をみると・・巨峰があった(顔もあったかもしれないけど)。

 

「相変わらずスケベね~。カズト」

その声で巨峰をガン見する自分に気づき。

俺は慌てて巨峰の上の顔を見ると・・雪がいた。

 

声と同じく、能天気かつ軽い感じの笑顔で。

「久々ね~かずと」

「うわっ!!こ、こら抱きつくな!!」

 

「いいじゃないの~久しぶりにカズトの熱を私の体に仕込んでよ」

「な、なんかいやらしい表現するな~!!」

 

雪・・。

村の東南、海に面してる地域で漁業の長をしている家の長女である。

彼女自身は、多少奔放すぎる嫌いはあるものの、勇気や人望や才能等は華琳に並ぶとも言われており。

漁業関係者の間では期待されている、そして、その期待に答えるように今は村の外の漁業関係の学校に通っている。

 

「ゆ、雪もこっちに戻ったのか?」

「ええ、数日前にね・・この次期は港も色々忙しいからね夏休みに入ったらすぐコッチにとんぼ返りよ」

雪の腕力に負け、俺は抱きつかれたまま話し始めた。

む、胸の感触に蕩けさせられて離れられないわけじゃないんだからなー!

 

「へーぇ、大変そうだね」

「そうよ、ぐうーたら寝るだけが目的のカズトとの帰省とは違うのよ」

ぐーたらの代表格みたいな雪に言われてもな~。

 

「ひどいーいいようだな」

「だって、事実そうじゃない」

「そんな偉そうな事いってるけど雪だって、実際の仕事は冥(めい)に任せてダラダラしてるんでしょどうせ?」

ぐーたら女王って、あだ名あるぐらいだし。

 

「ご名答~まあ、ほんとに忙しい時は手伝ってるけどね」

「・・ほんとに忙しい時って何回位あるの」

「去年は一月で2回だったわね」

ほんと・・ぐーたらだ。

 

「じゃあ、俺とほとんど変わらないじゃん・・ダラダラ具合」

「二回の濃さが違うのよ濃さが・・その二回はマグロと長時間に渡る熱戦だから」

「・・近海漁業が中心のこの村でマグロなんて掛かるはずないと思うけど」

正直、嘘100%じゃん。

 

「養殖マグロの事よ~」

「養殖マグロって・・この村って実は和歌○県にあるの?大学と協力してるの?」

「なにいってるの違うわよ~「この村はフィクションです」県にあるのよ」

・・・。

 

「・・・今更だけど、相変わらずなんか凄い名前の県だね」

「初代県知事が「ファンタジクな政治」を掲げて当選したからね、名前も幻想的なのよ」

 

「・・・ねえ、雪」

「なにカズト」

 

「やめよ・・なんかさっきから話が置いてけぼりな感じがする」

「・・そうね」

書きたい物と、読みたいものの区別がつかなくなったら。

「2ちゃんねらー」になればいいと思う。

 

 

「じゃあ~話を無理にかえるけど。そーいえば一刀、去年はコッチに戻らなかったわね」

「あ、ああ・・去年は色々忙しくてさ」

まあ、主原因はちがうけど・・。

とはいえ、男として・・その原因を口に出すわけには・・。

 

「嘘ねーただ華琳の馬鹿が怖かっただけでしょ」

「うっ!ま、まあ・・あんな事したからね」

・・すぐさま、ばれた。

だ、だって!!華琳ってめちゃくちゃ怖いだもん!!

ちちゃいくせに、昔俺に海老ぞり固めしかけてきたぐらい、なんか怖いんだもん。

 

「それで・・2年目の夏にこっちに戻ってきたと」

「う、うん・・時間が経てばどうにかおさまるかと思って」

ほとぼりが冷めると思って・・。

「でっ、大体結果は予想できるけど・・どうだったの」

「婚約届書かされかけた」

いやーまじでビックリした。

ほとぼりもなにも・・華琳の怒りは不法侵入するぐらいやばい状態になってた。

 

・・あれ?でも元々華琳ってその位犯罪的な娘だった様な。

俺が記憶してる限りでも、男子への暴行+女子へのセクハラが主に軽犯罪が積もり積もって10年は刑務所入りは確実な気がする。

 

なら不法侵入ぐらい普通かー。

なんだ~。

 

・・・・。

 

なんだろしっくりこない。

 

「なっ、な、な、なんですってー!!」

「ちょっ・・蓮様、気づかれますって!」

俺がそんな風にしっくりこない事を考えていたら、なんか叫び声が聞こえてきた。

 

「あの・・雪?な、なんか声が」

しかも、天井から。

 

「ネコよ」

「いや・・完璧人の声だったんだけど」

絶対、二人はいたよ二人は。

 

「だから、ネコだって・・鳴きなさい」

「えっ?」

雪の発言に天井から疑問が出た。

この声って・・忍者コスプレ娘の命(めい)かな?

 

「鳴きなさい・・ネコ」

「・・・・」

ど、どうするんだろ・・命?

い、いや・・ネコは。

 

 

「「「・・・・・」」」

 

 

「お、おネコさまですよ。にゃ、にゃあー」

・・・。

 

 

「「馬鹿?」」

「!?」

俺と雪は同じタイミングで同じ発言をした。

いや・・さすがに「お猫さまですよ・・」はねぇ・・。

 

「///!!(ドンっ!)」

「「「・・・・・」」」

直後、慌てたのか何かにぶつかった音がしたが・・。

 

「・・反応が無いね」

「自分の馬鹿さに気づいて・・なにもいえないんでしょ」

まあ、たしかに顔に真っ赤にしながら頭を抱える命の姿が容易に想像できる。

さすがにアレはマヌケすぎだ。

 

「そーいえば・・今更だけど、昨日実家で寝たはずの俺が今日、雪の家で起きたのは天井のネコ忍者のせい?」

「ええ・・そうよ」

あの娘、昔から忍者好きで馬鹿みたいな修練くりかえしてー冗談みたいな能力あるからな。

俺一人、拉致るなんて簡単な事だろう。

ただ・・その努力をもうすこし学にまわせば、今みたいな目に会わなかっただろうにな。

まあ、もう遅い・・本題に戻ろう。

 

「そう・・なんで俺を拉致したの」

「天井にいるもう一人・・うちの妹が貴方に会いたがってたのよ」

そーいいながら、雪は天井を指差す。

 

「もう一人って・・ネコ云々はもういいの?」

「ええ・・気を使わないでいいわ」

いや・・気と言うか、なんちゅうか知り合いの一人が天井に潜んでる事実を確認したくないというか。

 

「そう・・蓮(れん)が俺に会いたがってるのか」

「そうよ」

「でも、なんで」

蓮は、なんで天井に居るの?

 

「久々に会うから、恥ずかしいらしいわ~」

「・・高校生にもなって、天井にいるって事実は恥ずかしくないの?」

普通はそーだよ。

 

「さぁ・・?わが妹ながらそこらへんの構造は良く分らないわ」

「そ、そう」

まあ、そうだよねー。

そんな事、誰もわかるわけないか・・。

 

とにかく。

「れ、蓮・・天井の穴からこっちを見てないで降りてきたら~?」

「・・!?」

なんか天井が動いた。

 

「・・・あ、あっ・・の・・・その、・・い、いやっ・・私はここでいい!!」

「良くないと思うよ、蓮」

何か考えてたようだけど、数秒後返事が返ってきた、・・繰り返しだけどよくないよ「普通の人間」として。

 

「で、でも・・恥ずかしいし」

「天井から目玉だけ見える現状のほうが恥ずかしいよ~蓮」

てか、「ギロッ」って感じで怖い。

 

「し、しかし」

「蓮・・グダグダ言わないで降りてきなさい」

今更ながらその姿、ナイって顔しながら雪も連を説得に加わってきた。

 

「あ、姉上・・で、でも~」

「でも、じゃないわ~早く降りないと、カズトくっちゃうわよ」

「く、くっちゃうって・・女性がいう台詞じゃ・・。てか、服の中に手を突っ込まないでくれー!」

指じゃなく爪を使うという変なテクニックを使いながら、俺の体に新入してくるなーー!!

 

「ふっふふふーよいではないか、よいではないかーお前の胸のイチゴは喜んでるぞ!!」

「う、うわ!!真面目にイチゴさわってるよ、この人!!ちょ、ちょっとマジやめて!!」

男のイチゴが云々なんて、誰ももとめてないし!!!

 

「い、イチゴは私のです!!!!!!!!!!」

あっ、唯一の例外。

 

「い、今すぐ降りますから!!イチゴ狩りは私がしますから!!!!」

「は、早くしないと・・た、竹の子狩りも始めるわよ!!」

「さすがに下ネタすぎて恥ずかしいなら!!やめとけばいいじゃん雪!!」

顔を真っ赤にして竹の子狩りとかいうの!!

あと、もう松茸だからね!!

 

「竹の子狩り!!!!!!あ、秋はまだですーーーーゆ、許しませんーーーーーー」

竹の子狩りでなんかが最高潮に来たらしく、蓮の声は意味不明な事を言いながら遠のいていった。

たぶん、ちがう場所から下に降りるのだろう。

 

「はぁ~相変わらず・・蓮って変わってるね」

「普段は我妹ながらいい娘なんだけどね・・」

雪は呆れたような顔をする、手はいまだイチゴ狩り中だ。

 

「・・俺は常時変な状態しか見たことないけど?あと、臍はまずい臍は・・」

「カズトの前だけ変なのよ、普段は融通の利かないただの陰気娘よ」

それって普通?って言いたかったけどやめた。

さっきの蓮の様子と比較すればまだましだ。

 

「てか、雪・・そろそろ腕止めて」

蓮がどっかいった今でもまだ触ってるし。

てか、どんどん下へ下へと向かってるから・・このままだとマズイ。

 

「ええっーー!いいじゃない~減るもんじゃないし」

「減るよなんかが!それにそもそも痛いんだよ雪のオサワリ」

なんかチクチクする。

 

「雪の指さぁー?バンソウコなんか巻いてない?ほんとチクチクするんだけど?」

「えっ?ああーバンソウコしてるの忘れてたわ~ごめん、ごめん」

そういいながら雪は、示すように右指を俺の前に散らしてきた。

ただ・・俺の襟から手をだしてるので手は服に突っ込まれたままだ、しかも、左手は執拗に腰を攻撃してくる。

 

「ど、どうしたのーそれ?あと腰はまずい!腰は!」

よ、よわいんだ・・。

 

「ああ・・うちの高校でリアル亜種「アス○ー」だなんだかんだいって絡んできた馬鹿がいてね・・」

 

・・リアル「ア○コー」って(制作当時やってました・・CMしか見てないけど※)。

水産高校なんて硬派そうな所にも若干痛い人いるんだ。

 

しかも、本物の漁業関係を牛耳る豪傑雪相手に漁業高校の学生程度が喧嘩を売るなんて。

・・無知は悲劇だなー。

 

「まあ、直ぐに潰して・・。今後がないように養殖用の鮫の水槽に静めてたら、相手の頭を押さえてた手に魚の鰭にあたって・・この様よ」

「(Wで・・ほんと、可哀想だなー相手の痛い人)」

てか・・水産系の高校でなんで鮫を飼ってるんだろ?

まあ、ともかく・・鮫の恐怖と溺れる恐怖、そしてそもそものその人の思考。

 

「(3っの意味でかわいそうな人だな)」

北郷が痛い人の冥福を祈ってるころ。

 

 

 

「たのもうーー!!!!!!わが、あるじを返して貰いにきたーー!!!」

・・場面は急に変わる。

どっかの誰かが場面切り替えが下手だから。

 

「星よ・・北郷は此処にはおらぬ・・帰ってもらおうか」

「ほう、ならなぜ、蓮付きのお前が門の前にいるのだ」

「さあ・・」

 

雪の屋敷の門前。

二人の「つわもの」が睨みあっていた。

 

「お前が門を守っているという事は・・やはり、あるじはここにいるのだな」

「・・・」

 

一人は星。

北郷家の家人で、悪戯道具(白ノリという最悪な使いようが出来る道具を)携え朝起こしにいったら消えていた北郷を取り返しにたつわものである。

ちなみに彼女は先に犯人が華琳と思い込み、華琳宅に赤穂浪士よろしく討ち入りにいった為かその服、体ともボロボロだった。

 

あと、もってる木刀に赤い液体がついてる。

本人いわく華琳家の朝食のオムライスのケッチャプが付いたらしい。

・・にしては、さらさらしすぎな気がするが。

 

「黙秘など!認めていると同じ事だぞ!思(おもい)!!」

「・・知らぬ」

もう一人は思。

蓮付きの家人であり、常日頃、彼女の傍で警護をしている人物である。

だが・・なぜか今日は屋敷の門前で守衛の如く待機していた。

 

「わたしに無許可であるじを拉致するとは・・孫家とは上手くやっていけると思っていたのだが」

「・・・」

いつもの飄々とした様子とは異なり、怒りの感情、そのまま言葉にする星であったが。

思はその怒りに比例するかのように無言のままだ・・それが、余計星の感情を高ぶらさせる。

 

「どけぃ!!わたしは別にお前の血(←ケチャップに修正)をこの木刀に吸わせたくて来た訳ではない!」

ケッチャプを血と誤読してしまうぐらいに。

 

「・・できないな」

「お前は蓮とあるじが結ばれる事に反対であっただろう・・それなのになぜ邪魔をする」

「この二年、北郷から離れ嘆く蓮様を傍で見てきた。・・もはや私の意見などうでも良い!!」

初めて、思が言葉に感情を乗せる。

 

「・・覚悟は決めているのか」

「・・すべては蓮様のため」

星の最終通告に、思はその言葉共に得物を構えた。

 

「なら、力づくで通してもらう」

「・・こい!」

 

まあ、そんな忠誠心は素晴らしいが、その忠誠の先(北郷、蓮)がどうなんだろうって?感じで・・。

思と星が戦い始めた時。

 

 

 

「・・・・」

「れ、蓮?」

どうなんだろって?いう内の一人である蓮は無言のままであるが。

イチゴ・竹の子狩りって言葉に踊らされ・・目を忙しなくイチゴ(胸)、竹の子(下半身

、イチゴ(乳首)、竹の子(リトル殿方)と交互に動かしていた。

 

「れ、れん・・・さん・・やめてくれませんか?」

もちろん、北郷はそんな蓮に引いていた。

「(す、すさまじい戦いだったな)」

文章にすれば数行だったのに、時間にすれば1時間にも渡る熱戦にギリギリ勝利した星は不法侵入って屋敷の廊下を進んでいた。

 

 

だが。

 

「ぴ、ぴろぴろぱ~です」

「穏(おん)と亞莎(あさ)が現れましたよ~」

亞莎が若干照れてギクシャクしてるが「ドラ○エ」ぽい感じで、星の進路の前に二人が立塞がった。

 

「思の次は穏に亞莎か・・ふっ、文系のお前らに私が止められるか・・思と同じように我忠誠の証(木刀」を赤く染める染料になるだけだぞ」

 

「普段ならむりでしょうね~」

「ですが、そんな思さんとの戦いで傷だらけの・・今日の貴方なら勝ち目はあります」

そう交互に口にする、あけっらかんとした顔の穏と、悲壮な顔した亞莎は対象的だあったが。

ただ・・覚悟は一緒らしく。星が発するオーラ(やるぞごらぁ!!)に一歩も引かず。更に間合いを詰めるように一歩進む。

 

「舐めて貰っては困るな・・。しかし、文系のお前らすら戦わせるとは・・蓮とはやはり、酷い女だな」

やはり・・『あるじを完璧な相手に嫁がせる会』の会長として蓮は嫁としては認められんな。

 

「そんな事はありません!これは私たちの意思で・・蓮様にはあずかりしらぬ事」

「そーですよ~私たちは純粋に蓮様に幸せになって欲しいですよー。だから、愚かかもしれませんけど強大な貴方の前に立塞がりますよー」

そういいながら二人は武器を構え始める。

・ ・マジ物(血が出ちゃう)の武器を。

下手すれば刑務所送りだが、逆にそれが二人の覚悟を表していた。

・・若干狂った(忠誠故の)覚悟であるが。

 

「いい・・覚悟だ、蓮はいい部下をもったな」

まあ、相手(星)の北郷への忠誠ぷりも狂ってるので。

その覚悟、なんの障害なく認められちゃったが。

 

 

「私たちは蓮様には返しても返しきれない・・恩がありますから」

あんな娘にどんな恩が・・!?という驚きはあるが、普段の蓮は『融通の利かないただの陰気娘』という雪の評があるように・・。

いやっ・・雪の親友で蓮の補佐役である冥いわく『ま、まあ・・頑張ってるんじゃないか?』という評があるように疑問系であるが、頑張ってる良い娘なのだ。

 

ほんとに蓮はいい娘なのだ、二人が命を賭ける位!!!

そ、そうじゃないと・・この後、染料になる2人がかわいそうじゃないか・・。

 

「まあ、それに蓮様とカズトさんが結ばれれば・・私たちも内縁の妻としてカズトさんちょっと貰えますし・・そうなればカズトさんと二人で本を読みながらアレやコレや・・うふふふ~」

すみません・・一人、「肉欲」入ってました。

 

「な、なにいってるんですかー!!」

そんな肉欲発言に、亞莎は驚きの声を挙げる。

忠誠心の塊(染料になって可愛そうと思える人)である、亞莎にとって穏の発言は簡単に認められる話ではない。

 

「なにって・・マグドカルドのカズト条約の2条には『正妻は蓮であるが・・この条約に血判したものにも北郷を貸し与える』との一文が記載されてますよー」

「そ、そんな・・うれし・・いやっ!!とんでもない事がマグドカルドに書かれていたのですか!!」

ピエロみたいな、リアルにみると怖くない?あのキャラがマスコットの。

肉挟みパン会社みたいな名前の秘密条約に記載された不道徳な内容に・・忠誠心の塊?である亞莎は一瞬変な反応をするが驚愕する。

 

「亞莎さんも条約に血判してじゃないですか?」

「うっううーわ、わたしこんなに自分の目が悪いことに恨んだことありません。知ってたら嫉妬の蓮様への五寸釘打ちやめてたのに・・」

・・忠誠心の塊じゃなかった(可哀想でもなんでもない)亞莎は。主人へのテンプレートな暗い復讐行為を悔やむ。

 

「この家の娘で知らないのは、一条の1項『蓮を北郷の正妻にする・・』に浮かれて後は禄に目を通さなかった蓮様だけですよ・・まあ、雪様がその一文(2条)だけ小さく書いてた事も原因でしょうけど・・」

 

「・・死ね」

 

 

「・・って、あれ?」

「・・へっ?」

 

2人が、その淫らな条約に更に「鬼」になった、星により事前のお知らせどおり「染料」になってる頃。

禄に目を通さず、後々・・消費者金融にとんでもない借金を背負う債務者の如く、後悔する事になった蓮は。

 

「カ、カズト!!と、都会の学校はどうだ」

「う、うん・・・楽しいよ」

 

 

「そ、そうか・・それは良かった」

 

 

「「・・・・」」

 

 

「カ、カズト!!都会の学校はどうだ」

「う、うん・・・楽しいよ」

「そ、そうか・・それは良かった」

 

 

浮かれすぎて、折角の時間を無駄にしていた。

 

 

無駄にしていた頃、屋敷の門。

 

「蓮様のため・・」

敗北した思は一人、ボロボロになり門前に倒れていた。

 

「蓮様・・」

思は蓮の名を呼び、その顔を空に思い浮かべる。

蓮の顔はいつものように笑顔だ。

 

「わ、わたしは・・」

立ち上がらねば、蓮様の幸せを守らねば・・。

そう思い、足を・・腕を・・動かそうとするが動かない。

 

足りない!わたしの思いが足りないからだ!!

だから、軟弱なこの足は動いてくれない!!

 

このままでは。

蓮様に笑顔を歪めてしまうかもしれない、あの女(星)が!

わ、わたしは・・守らねば、守らねばならない。

 

蓮様に・・蓮様に・・笑顔を。

 

「蓮様に北郷を・・」

蓮の隣に北郷が姿をあらわす。

蓮の笑顔はより輝く。

ほんとに、ほんとに幸せそうな、守りたくなるような笑顔だ。

 

 

まあ、それは置いといて。

蓮の隣の北郷の笑顔は「きらんー」って感じだ。

あと、恩の想像世界の為か・・北郷のカッコよさ2倍増しだ。

目なんて星が数多に入ってる。

 

あっ!・・蓮消えた。

 

「やっぱり・・二条のために」

結局、恩は顔を赤らめた後、煩悩の海に埋もれて立ち上がることはなかった。

※翌日、元気に起きた。

 

 

その頃、恩の妄想に出た北郷の、2分の1のカッコよさのリアル北郷・・。

 

「・・・ええ、祭(まつり)もチビ蓮(チビれん)もやられたの」

「ああ・・残りの手駒は私とお前だ」

 

「そう・・なら、冥(めい)は最期の手段を用意しといて」

「わかった・・お前はどうする」

 

「迎え撃つわ」

「気をつけろよ・・相手は手負いだが、それが逆に怖い。なにをするか分らん」

 

「危険なのはわかってる・・でも、蓮のためよ」

「そうか・・」

 

「・・・・」

なんだろ・・冥がこの部屋に入ってきてから。

ずーと、ひそひそ声で深刻そうな表情で何か話してる。

 

「カズト」

んっ?急に俺のほうに話し掛けてきた。

 

「ごめんねーちょっと用事が入って出かけてくるわ。後は冥に任せるから、なにかあったら冥にいってね」

「うん・・わかった」

俺がそう返事すると、雪はさっさと出て行った。

いつもならもう一からみ(セクハラが)ある所だけど・・ほんとに忙しいようだな。

 

「よろしく、頼む婿殿」

「えっ!あっ、ああ・・こちらこそ」

そんな事を考えている間に、いつのまにか冥が隣に座っていた。

 

「「・・・・・・・」」

その後は、しばらく無言が続いた。

 

 

冥は元々喋らないほうだし。

俺も、雪を挟んでなら冥と会話はした事あるが。

二人きりで話すのは初めてで、話の切り出し方すらよく分らなかった。

 

「(・・・とはいえ、このまま無言は・・きついし)」

そーいえば一つだけ気になることが。

 

「ねぇ・・冥?」

「ん?どうした・・婿殿」

 

「いやっ・・その婿殿って呼び方だけどさ・・その・・アレぽいよね・・あのー」

「菅井き○ぽいか・・」

 

「ご、ごめん・・」

「いや・・仕方ない田舎じゃ時代劇は散々流れてるからな・・あの、イメージが濃すぎる」

そーだね、昼の放送って「刑事」か「時代劇」だもんね。

あっ、最近は韓国ドラマかな?・・やめとこ、関係ないとこで変な波風立たせたくないもん(投稿当時、韓国物が色々と揉めてたんだよ※ 数ヵ月後みるお友達へ)。

 

「しかし、なんでそんな呼び方を?」

「婿と呼んで既成事実を作るとか何とかで・・雪に命令されて」

・ ・無茶苦茶な発想だ、まあ、鈍感というか、ずれている雪が考えそうな事ではあるけど。

 

「そう・・大変だね」

「なに・・雪、華琳、星という三凶を相手にするお前ほどではないさ」

・ ・うん、まあ・・それはそうだね。

 

「そうだね・・でも、やっぱりお互い大変だね」

「ああ・・お互い頑張ろう」

 

「「・・・・・・」」

その後、特に俺たちの間に会話は無かったが。

俺と冥の間には確かな友情が芽生えていた。

 

 

ただ。

マグドカルドには冥の血も含まれている。

 

「(菅井き○はさすがに無理だが、嫁の若い母親と旦那がって設定のアダルトもあるしな)」

所詮、冥ですらギャグキャラ扱いだ・・。

 

 

また、場面は馬鹿みたいに切り替わる。

この話で作者が孫家全員出そうとするからだ。

 

「・・文屋になにができる!!」

しょせん文系で書く甲斐もないほど易々と敗れた穏と亞莎を放置し。

時々現れる、『結婚適齢期すぎとるんだーー!!こっちは!!だから北郷をよこせー!!』、『チビ蓮も需要(幼児な)あると思うよー!!』等と叫ぶ敵をいなしながら星は廊下を進んでいた。

あと・・二人はコレ以降出番が無い予定だ「ネタ」がなかったのだ。

そんな二人は知らない事にして。

 

星は急に立ち止まる、屋敷の曲がり角の奥からなにかを感じたからだ。

今までとは桁が違う「力」を。

 

「ついに親玉が重い腰をあげたか・・雪!!」

「はろ~星、散々家で暴れてくれた様ね・・修繕費は北郷家持ちでいいわね」

星の言葉通り、奥から現れたのは雪だった。

相変わらず軽い口調で雪は星に話し掛けるが、その口調とは裏腹に手にはものものしい武器が握られていた。

 

「ふん、お前達が、わがあるじを拉致したのが原因だお前の家で払え・・」

「あら・・ちょっと悪い事したぐらいで殺しに掛かる赤穂浪士ぐらい無茶な言い様ね※」

※一方的な暴力でも喧嘩両成敗に入るのかという疑問を長年もつ、捻くれたものならではの見解である。

 

「拉致がどこがちょっと悪い事だ・・さあ、潔く返してもらおうあるじを!!」

「だめよ・・今日ここでカズトには決めてもらうんだから」

「決める・・だと?」

なにをだ・・と、星が言葉を続ける前に。

 

「それはね・・」

雪は顔を笑顔に「歪めた」。

そう、確かに・・歪めたのだ。

 

「蓮をカズトのお嫁さんにする事を」

狂気が潜むような怪しい感じで。

そして・・確信的な「目」をして。

 

「・・雪、お前の家とは、お前とはうまくやっていけると信じていたのだが」

「あら、しょうがないじゃない、貴方が信頼できないって分った以上、うちが単独で動かないと」

 

「信頼できないとは・・どういう事だ」

「昨日、カズトが村に到着したその日・・私はあなたを信頼して、会いたがってた蓮を縛り付けてまでして初日を譲ったのに、それが結局、丸一日華琳に奪われるとはね・・」

 

「奪われたわけではない。・・先の一件では、華琳殿には迷惑を掛けた、その謝罪のために華琳殿の家に向かったまでにすぎない」

「あんな許婚って言葉だけで、うちの可愛い妹の恋路を邪魔する女無視すればいいのに、あなたも本心ではそう思い邪魔だと思ってるくせに」

そう言葉を続けながら、雪は先ほどと同じように歪んだ笑みを作る。

 

「・・ほんと偽善者ね、貴方は」

星を蔑む為に。

 

「偽善者なら、お前もそうであろう・・」

「・・どういう意味」

その表情に内心若干の怒りを感じていたが、星も笑い返す。

 

「お前達は、蓮とあるじをくっつけた後に、全員で分け合うという条約を結んだそうじゃないか・・穏が言ってたぞ」

「穏の馬鹿・・ベラベラと後でお仕置きね」

 

「お前だって妹のためとのたうちながら自分があるじを欲してるだけであろう」

「・・・・」

雪が無言になる。

 

「なにかいいかえせるか!!」

「だって・・カズトだけじゃない」

 

「なにっ?」

「・・・だ、だって・やっぱり・・・カズトだけだもん」

 

「な、なにをいってる!!」

「私も蓮も皆もカズトだけだもん!!好きなの!!」

 

「なっ」

「好きだから好き!!それでいいの!!」

 

「お、お前は子供か!!「好きだもん」だけで話をすませるな!!文章にしたら全然段階を踏んでなくて突然すぎるぞ!!」

「い、いいのよ!!こんな田舎に男を好きな理由長々いうなんて恥ずかしい事いえる娘はいないの!」

 

「い、いやっ・・そんな事はないだろ!!」

「そ、そんな事あるのよ!!」

 

「さ、さぁ!!星!!構えないさい!!とにかく、貴方を黙らせれば私たちの勝ちよ!!」

「お、お前・・恥ずかしすぎる発言を隠すために暴力って無茶苦茶だぞ!!」

 

「だ、黙りなさい!!と、とにかく構えなさい!!」

「・・ちっ!!」

 

まあ・・そんな感じで痴話喧嘩を繰り広げている時。

 

 

「・・・・・」

「・・・・・」

北郷と蓮が二人きりでいる部屋には。

一枚の布団のみ敷かれていた。

 

「・・・」

北郷もいい歳なので、なんとなくその意味はわかるが。

正直、北郷は今だ一度も蓮を女性としてみたことが無い。

 

「・・・(ぽっ)」

だが、蓮はヤル気十分だ。

 

・・星は北郷を(貞操を)守れるのか!!

結果は次話の数行目で分る。

 

 

結局さ・・なにやりたいの?・・な次回予告。

貞操云々は明日まで待ってもらいますが、まあ・・ここで決着つくわけが無いって誰でも分るわけでして・・ええ、ええ。

まあ、でも、一応・・次回まで正解はわからない的なノリでお付き合いください。

はい、じゃあ・・戻りますね。

 

朝起きたらいつもどおり、染み人がいなかったが、北郷は悪臭に包囲されていた。

そんな四面楚歌状態で突如北郷の目に前に現れたのは・・中学の時の剣道部の後輩である愛紗であった。

 

驚愕のまなざしで愛紗を見つめる北郷であったが・・。

愛紗からは更なる驚愕な一言が・・。

 

『練習です』

 

 

次回、「驚愕、驚愕、驚愕、驚愕・・んで、死」の地獄の練習パターン(一回負けた主人公が老子に死線ギリギリの訓練を受ける的な)に入る。

ついでに、これからどんどんつまらなくなっていく(宇和いわく)。

 

 

あとがき

雪の最期がむちゃくちゃ・・。

田舎だから表現しきれないという自己だけ通じる方法で納得させました、自分を・・(読者は騙せないだろうけど)。

以上。

 

 


 
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