No.206002

真・恋姫夢想 続・続ッ!とある桂花のデレ日記

狭乃 狼さん

こりもせずの第三弾~w

ま~、デレた桂花を妄想するのが、最近は楽しくて仕方がないwww

というわけで、これもシリーズ化することにしました。

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2011-03-10 22:04:48 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:21954   閲覧ユーザー数:16441

 

 

 

 

 

 

 

 

                         ~続・続ッ!とある桂花のデレ日記~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◎月☆日

 

 

 -あの日。

 

 

 三国鼎立が成った、その祝いの宴席。

 

 私が春蘭の馬鹿をからかっていた、ほんのちょっとの間に、華琳さまと、彼の姿が見えなくなっていた。

 

 一体どこに行ったのかと、皆が不思議がる中。

 

 華琳様が戻ってこられた。

 

 

 ”お一人だけで”。

 

 

 そして、その口から、その”事実”は語られた。

 

 

 ”天の御遣い”が、”天に還った”と。

 

 

 最初は理解できず。そして、次第に、その顔を青ざめさせていく皆。・・・多分、私も、青い、を通り越して、真っ白に、顔色を変えていたと思う。

 

 動揺が広がり、泣き出す者、怒鳴り散らす者、ただ固まる者。そして、ただ気丈に、そして、今にも崩れそうな表情で、それらの者達を、叱咤し、激励をする華琳様。そして私も、

 

 「・・・あの馬鹿が居なくなったところで、これからのことが変わるわけじゃないわよ。・・・むしろ、あいつが居なくなってせいせいしたわ。もう、あの性欲魔人に悩まされることもないんだから」

 

 と、ひたすら冷徹に。無表情に。そんな台詞を吐き捨てた。

 

 

 嘘だ。

 

 

 「桂花!貴様が北郷を嫌っていたのは知っているが、何も今ここでそんなことを言わなくていいだろう!」

 

 春蘭が私に食って掛かってくる。

 

 「はんっ!まさかあんたまで、あいつにいかれちゃってたなんてね!魏武の大剣・夏候元譲ともあろう人が、あんなぶ男にまいっちゃってたなんて!」

 

 

 全部、嘘。

 

 

 「・・・・・・春蘭、もうよしなさい。桂花、貴女も、皆の心境を読み取りなさい」

 

 そんな春蘭と私を、静かな声で制する華琳様。

 

 

 「・・・・・・・申し訳ありません、華琳様。では、私は明日の政務の準備がありますので、これで失礼いたします」

 

 「ふん!この冷血女が!かってにどこなと行ってしまえ!」

 

 バタン、と。

 

 春蘭のそんな声を背に受けつつ、私は宴席場の扉を閉め、一人自分の部屋へと歩き出す。

 

 一歩。

 

 また一歩。

 

 足を踏み出すごとに、私の体が震えを始める。

 

 さらに一歩。

 

 またさらに一歩。

 

 どんどん重くなっていく私の足取り。

 

 長かった。慣れたはずの城の廊下が、とてつもなく、長く感じられた。

 

 やっと、自分の部屋に辿り着いた。

 

 扉を開け、中に入る。そして、扉を閉め、鍵をかける。

 

 寝台の隣、そこにある机の上に、私の視線が止まる。

 

 そこには、いつだか真桜が作った”かめら”とかいう物でとった、みんなの写真。

 

 華琳様を中央に、魏の面々がそろった、その写真の中央で、彼の右腕を華琳様がしっかりと掴み。

 

 そして、その華琳様から彼を引き剥がそうと、その彼の左腕にしがみつき、すごい顔をしている私。

 

 この時、私の心臓は激しく鼓動を打っていた。彼の腕に、しがみついていられる、その幸せに。

 

 寝台に、私は仰向けになる。そして、自分の腕を、自分の顔にかぶせて、我慢していたその一言を、やっと、口にできた。

 

 

 「・・・・・・・・・・・・なんで、黙って、還っちゃうのよ・・・・・・・・・・・・」

 

 

 そこからは、もう、止まらなかった。

 

 

 「かず、と・・・・・・、かずとぉ・・・・・・っ、か、ずと・・・・っ!!ばか、ばか、ばかぁぁぁ!!なんで、何で居なくなっちゃうのよおっ!?帰って、帰って来てよぉ!!私の、私の傍に居てよぉ!!私の、名前を、呼んでよおっ!!・・・・・・・・・・・・・・かずとぉぉぉっっっ・・・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 そうやって、一晩中、誰にも知られぬよう、私は一人で、声を殺して泣いた。

 

 愛しい人。

 

 恋しい人。

 

 この世で誰よりも。

 

 華琳様よりも。

 

 私が一番、愛する人。

 

 会いたい。

 

 会いたい。

 

 もう一度。

 

 もう一度。

 

 その笑顔を向けて欲しい。

 

 その優しい声で、”桂花”って、私の名前を呼んで欲しい。

 

 そして、もう一度。

 

 その、優しい腕に、抱いて、欲しい、よ・・・・・・・っ!!

 

 「かず、と・・・・・・・・・・・・・・・・っっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――――――そして、三年。

 

 

 

 それだけの月日が流れた、そんなある日。

 

 

 ◆月■日。

 

 

 

 

 

 「ただいま、みんな」

 

 

 -あいつは、ひょっこり、何事もなかったかのように帰ってきた。

 

 

 みんなに手荒い祝福を受けるあいつ。

 

 そして、遠巻きにそれを見ていた私と、その目が合った。

 

 

 「・・・・・・・ただいま、桂花」

 

 

 ただいま、桂花、と。

 

 変わらぬ笑顔で、その優しい声で、私に空いていた”穴”を、一瞬で埋めてくれた彼。

 

 ・・・でも、そこで素直になれないのが、私なわけで。

 

 この口から出てきた言葉は、いつもの如く。

 

 「・・・・・・ふ、ふん!別に帰ってこなくてもよかったのに!あ~あ、ようやくお邪魔虫が居なくなって、華琳様とじっくり愛し合える日が来たと思ってたのに!・・・って、なにこっちをいつまで見てんのよ!さっさと向こう行きなさいよ!てか視界から消えて!ニヤニヤしてんじゃないわよ、この歩く全身性液男!!」

 

 とまあ、悪態を通り越しての罵詈雑言である。

 

 心中はもちろん、狂喜乱舞。

 

 嬉しさのあまり、思わずその胸に飛び込んで行きたがってるのに。

 

 心と体はまったくの正反対。

 

 も、自分の意思でもどうにもならないです。はい。

 

 

 困ったように頭を掻く彼にその背を向け、私はこう呟く。

 

 「・・・・・・・・・・ま、一応、とりあえず、むちゃくちゃ嫌だけど、可哀想だから、言っておいてあげるわよ。・・・・・・・・・・・・・・・お帰り///」

 

 

 

 

 ▽月∠日。

 

 

 あいつが帰ってきてから、丸二年が過ぎた。

 

 この間に、あいつはどうやったのか、蜀や呉の連中ともその親睦を深めた(まあ、要は”そういう”関係になった)らしく、しょっちゅうそれぞれの国の面子と、仲良く交流をしている。

 

 とうぜん、そんなのを見てると、彼が好きなほうとしては居ても立っても居られず、私はなんだかんだと文句をつけては、その邪魔をするという日々が、ほぼ日常になっていた。

 

 「この節操無しの三国一の種馬!いい加減学習能力ってのを持ったらどうなわけ?!」

 

 なんていう、いつもながらの悪態を、華琳様始め、三国の見目麗しい少女達に囲まれ、その鼻の下を思い切り伸ばしてる、このスケベ男に。

 

 (何でこんな男に惚れてるんだろ)

 

 我ながら、たまにそう思うこともあるのだが、理由なんて思いつくはずもない。

 

 だって、理屈じゃないんだもの。

 

 そう。

 

 恋は計算でも式でもなんでもない。

 

 ただ、感情あるのみ。

 

 -好きになったんだからしょうがない。

 

 だから、彼女達が羨ましい。

 

 素直に、気持ちを言葉にできる、彼女達が。

 

 彼を囲む、その少女達を、決して悟られないように、羨む私。

 

 

 愛していると叫びたい。

 

 

 愛して欲しいとすがりたい。

 

 

 そんな本音を悪態で隠し、私は今日も、彼の傍に居続ける。

 

 大好きな、私を惹きつけて止まない、その笑顔の傍に。

 

 私の愛する天の御遣い、北郷一刀の、その傍に。

 

 「いつまでもデレデレしてんじゃないわよ!このど変態のどすけべの性欲魔人ーー!!」

 

 

                                 ~続・・・・く?~

 


 
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