No.202034

真・恋姫†無双~天より来たりし戦士~ 第13話

マーチさん

今回も短いです。少しずつでも量を増やしていけるように頑張ります。

あ、皆さんバレンタインはどうでしたか?

作者はクラスの女子に「チョコちょうだい」と言われ、ついには男にも「俺のチョコは?」とか言われて困惑しまくった一日でした。

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2011-02-17 02:15:35 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2453   閲覧ユーザー数:2049

 

 

その日は城の様子が少し変だった。

 

 

すれ違う人は殆どが鎧を着た兵士。鎧なんて普段は訓練や任務以外の時は装着するものではないはず。

 

 

 

「(なんか物々しいな・・・)」

 

 

一刀は少し疑問を浮べつつ、重そうな長い箱を抱えながら自室に向かって歩いていた。

 

 

「あ、一刀様!!」

 

 

そんな時、背後から一刀を呼ぶ声が聞こえた。

 

 

立ち止まってから振り向くと、そこには周泰がいた。

 

 

 

「周泰か。どうだ調子は?」

 

 

「もう大丈夫ですっ!!」

 

 

「そうか。」

 

 

周泰の満面の笑みは、彼女がすっかり回復した事を強調しているかのようだ。

 

 

一刀は軽く微笑むと、視線を前に戻して歩き出した。

 

 

それに呼応して、周泰は一刀の隣を歩く。

 

 

「一刀様のお薬のおかげですっ!本当にありがとうございましたっ!!」

 

 

屈託の無い周泰の笑みがとても可愛らしい。

 

 

一刀は少し動揺してしまい、つい目線を逸らす。

 

 

「・・・・・おう」

 

 

「ところで一刀様、その箱はなんですかっ??」

 

 

「あ?これ??」

 

 

一刀は抱えている箱をトントンと指で叩く。

 

 

 

「『クロスボウ』が入ってる。城にあったやつを改造したんだ」

 

 

「くろす?」

 

 

「あぁ、ここじゃ『弩』って呼んでるんだっけ」

 

 

 

と、ここで二人は一刀の部屋の前に到着した。一刀は扉を蹴って開ける。

 

 

「入るか?茶くらいなら出すぞ?」

 

 

「あ、いえ、実は私も仕事中でして・・・・」

 

 

一刀は「そうか」と言って部屋に入ると、もう一度振り返って周泰に質問した。

 

 

「一つ聞きてぇんだが、今日はなんかあったのか?やけに物々しい雰囲気だけど」

 

 

「え、一刀様はご存じないのですか!?」

 

 

「?」

 

 

 

 

 

 

「さっき袁術殿から指令の手紙が来まして、『反乱軍本隊を撃破せよ』と・・・・。明朝に出陣するので、みんなその準備で忙しいんです」

 

 

「・・・・・そうか」

 

 

一刀は「仕事頑張れよ」と言って扉を閉めた。

 

 

そして箱を床に置き、一息つく。

 

 

「よし、これで『準備』は整ったな」

 

 

クロスボウが入った箱を眺めて呟く一刀。

 

 

「(本隊なら韓忠についての手がかりくらいは手に入るだろう。いや、韓忠本人がいるかもな)」

 

 

などと考えていると、扉の向こうから声が聞こえた。

 

 

「一刀。いる?」

 

 

声の主は蓮華だった。

 

 

一刀は扉を開け「なんか用か?」と尋ねるが、用件はなんとなく察しがついている。

 

 

きっと出陣のことを伝えに来たのだろう。

 

 

そして、一刀の予想は見事に的中。契約に従って一刀も参戦してほしいとの事だった。

 

 

「わかった。手伝おう」

 

 

「進路なんだけど、まず思春の部隊と合流するわ。その後、さらに姉様の部隊とも合流する。それから本隊の撃破に向かう手筈よ」

 

 

「了解。てか姉ちゃんいるんだ」

 

 

「ええ。言ってなかったかしら?」

 

 

「初耳だ。で、お前の姉ちゃんは『御使い』のこと知ってんのか?」

 

 

「貴方の事は密使を使って伝えているわ。姉様が貴方にすごく興味があるみたいで、いろんな質問を書いた手紙が何通も来るくらいよ」

 

 

「そりゃ嬉しいねぇ」

 

 

ニカッと笑みを浮べる一刀を見て、少し不機嫌になる蓮華。

 

 

「そんなに嬉しい?」

 

 

「まぁ元いた世界じゃ、女とは無縁の場所で生きてたからな」

 

 

「ふ~ん・・・・・」

 

 

「だからさ、蓮華と仲良くなれたってのもすっげぇ嬉しいし――――」

 

 

「なっ・・・・・!?/////」

 

 

「甘寧や周泰とも仲良くなれた事だってめちゃくちゃ嬉しいんだ」

 

 

「・・・・つまり軟派なのね(ボソッ)」

 

 

一刀の言葉に多少翻弄された蓮華は、一息つくと立ち上がり「準備があるから」と部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

あたり一面が暗闇の空間。

 

 

 

ここに、一刀の様子を監視する者がいた。

 

 

 

「ご主人様がこんな積極的に戦闘に参加しようとするなんて・・・・・ちょっと予想外だったわぁん」

 

 

「お主、この男に『銃弾の事』を説明しなかったのであろう。このままで良いのか?」

 

 

「そうねぇん。ちょっと時間が掛かっちゃうけど説明しに行ってくるわぁん」

 

 

「急いだ方が良いぞ」

 

 

「わかってるわよぉん!!」

 


 
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