ゲストさん

No.20044

2008-07-18 23:32:46 投稿

全10ページ

高嶋ぴいさん

どんなに遠く離れても

ワンピ2次。ほのぼのお笑いストーリー。ナミが仲間になった直後、ゴーイングメリー号宛にある一通の手紙が届く。果たしてその内容とは…?

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 海は青。空も青。

 我らがゴーイングメリー号は、帆に追い風をいっぱいに受け、大海原をひた走っていた。

 ついこの間、アーロンの呪縛から解き放たれ、この船の本当の仲間になったばかりの航海士が指さす方向は、夢のグランドライン。

 風は穏やか。波も穏やか。

 ナミの航海日誌、本日の一ページにはおそらく「極めて順調。全く問題なし!」と書き込まれるに違いない。

 そんな束の間の平和の中にあるゴーイングメリー号に、ちょっとした事件を引きおこす手紙が舞い降りたのは、ココヤシ村を出て五日ほど経った、正午にほど近い時刻であった。

 

 

 

 バッサバッサと、けたたましい羽音をたてて、一羽のペリカンが船の甲板に着地する。

 動物と見れば、「肉」としか思わないルフィよりも先に、ウソップがこのペリカンを発見したのは、彼にとってたいそう幸運であった。

 

「何だ、何だ?お前どっからやってきたんだよ?」

 

 ペリカンに向かって人間のように話しかけながら、ウソップは近づく。

 人なれしている鳥のようで、近づいてくる人間を見ても、ペリカンは逃げようとはしない。

 それどころか、テケテケとウソップに寄ってきて、クワーッとひとつ大きく鳴いた。

 よく見れば、このペリカン、帽子をかぶって鞄をさげている。そのどちらにも、郵便のマークが入っていた。

 どうやら、船専門の郵便配達鳥のようだ。

 郵便鳥の首にひっかけられた鞄の中から、ウソップはこの船宛ての手紙を取り出す。

 わざわざ海を渡ってきてくれたお駄賃として、ウソップがニボシをポケットから出し、咥えさせると、仕事を終えたペリカンは満足げに飛び立っていった。

 手元に残された手紙の宛名を見ると、整った文字で、「ルフィ海賊団御一行様」とある。

 差出人の名前は表にはなかったが、こじんまりとした文字と、可愛らしい上品な花柄の封筒にはさほど悪意は感じられない。

 クルーのうちの誰か宛に、知り合いから来た手紙なのではなかろうか?

 「御一行様」とあるぐらいだから、きっと全員宛てだろうし、自分が見ても構わないだろう。

 そう思い、ウソップは、その器用な指先で、丁寧に封をきった。

 

「お、何だウソップ。手紙か~?」

 

 ウソップの様子に気付いたルフィが、近よってきて、横から一緒に手紙を覗く。

 数枚の便箋に、几帳面にぎっしりと書き込まれた文字を暫く眺めていたウソップは、おもむろにコックを呼んだ。

 

「おお~い、サ~ンジ~!ちょっと来てくれ~!」

 

 昼食用のスープの仕込みで忙しかったコックは、めんどくさそうにキッチンから顔を出す。

 

「この手紙、お前宛てだよ!」

 

 ウソップが振り回している、便箋の色と柄を見て、サンジはその書き手が女だと直感したらしい。

 喜びいさんで、軽やかにスキップしながら駆け寄ってくる。

 

「誰かおれに思いを寄せるレディから、愛の告白のラブレターかァ~?」

 

 呆れ顔のウソップは、サンジに向かって手紙をつきだした。

 

「そんなんじゃねぇよ!まあ、読めって!」

 

 ニヤニヤと、タバコの煙をハート型に噴き上げていたコックだったが、文面を読み進めるうちに、だんだんと真顔になってゆく…。

 そんなサンジの顔色をうかがいながら、ウソップが声をかける。

 

「どうだ?サンジ、大丈夫そうか?」

「当然だろう!おれを誰だと思ってるんだよ!」

 

 ニッと白い歯を見せて、サンジは自分の胸をどーんと叩いた。

 その言葉に、ルフィとウソップは、「やりィ!」と声を上げ、互いの手をパチーンと合わせる。

 

「なら、決まりだな!」

 

 嬉しげにルフィが、にしし…と笑った。

 

「そうだ!なあ、この計画、ナミさんには内緒にしておいた方が良くないか?」

 

 サンジの提案に、ルフィが大喜びで賛同する。

 

「おう!ナミは騙しといた方が、きっと面白ぇコトになるな!」

「騙すって、お前、人聞きの悪い言い方すんなよ!」

 

 ウソップは、ぺしっとルフィにツッコミを入れた。

 サンジが、何かを気付いたらしく、「あっ」と小さく声をあげた。

 

「ん?どうした?サンジ。」

「いや…これをナミさんに黙ってやるとなると、クリアしなけりゃならない重要な問題が1つ発生しちまうんだよ…。」

「重要な問題…………?」

 

 ウソップとルフィは、顔を見合わせた。そして、サンジの言わんとする所が判ったらしく、ほぼ同時に「ああっ!」と、声をあげる。

 サンジは、考え込むように、ぼりぼりと耳の後ろを掻く。

 

「ん~…そうだな…この計画を完遂するには、もう一人、協力者がいるか…。」

 

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