No.178998

独り占め-恋姫†焔耶伝-

月千一夜さん

皆様、ご無沙汰してます
お待たせいたしました・・・焔耶SS
ここに、投稿いたしますw
今回はひとまずナース焔耶のお話をば
設定としては、萌将伝の焔耶のお話から少したったころ

続きを表示

2010-10-18 16:35:31 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:13211   閲覧ユーザー数:10455

「どうして・・・こうなったのだろうか」

 

 

ある昼下がり

これまたとある部屋の中

私は・・・椅子に座り、頭を抱え込んでいた

 

そのすぐ傍には、寝台の中で眠るお館のお姿があった

だがその表情は少し苦しそうで、額からは結構なりょうの汗が滲んでいた

 

 

「いかん・・・拭いてやらねばな」

 

 

呟き、私は近くに置いてあった布で、お館の額の汗を拭ってやる

 

 

「しかし・・・なんだこの布

いやに使いにくいな」

 

 

そう思い、私は持っていたその『桃色』の布を目の前で広げてみる

三角形で、桃色で

あれ、これどこかで見たことがあるような・・・

 

 

 

 

 

 

 

【チョウセンのよん♪】

 

 

 

 

 

 

 

窓から思いっきりブン投げた

というか私は今、とんでもないことをしてしまったのではないか?

とんでもないどころか、凄まじくマズイことをしてしまったのではないか

 

 

 

「うぅ・・・やめろ、俺はノンケなんだぞ・・うわ・・・そこは・・・・・・ああああぁあっざーーーす!!」

 

 

 

・・・このことは、お館には内緒にしておこう

絶対に、だ

 

それよりも・・・

 

 

「今は、早く良くなってくれるよう頑張らねば・・・はぁ」

 

 

思わず零れ出た溜め息

 

同時に思い出すのは、今からつい数刻前の出来事だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《独り占め-恋姫†焔耶伝-》

 ~純愛っていうか、ツン愛っていうか・・・ごめん、やっぱデレで

          いや、むしろ一刀萌えか?~

 

 

 

「ん・・・?」

 

 

それは、私が朝起きてすぐのこと

今日は仕事もないし、いったいどう過ごそうかと考えながら城内の通路を歩いていた時だった

 

 

「あれは・・・お館か?」

 

 

視線の先

見えたのは日の光を浴びて白く輝く『ぽりえすてる』の服を着た、天の御遣いこと【北郷一刀】

私の、お館の姿だった

 

そのことに気づいた瞬間、胸の中が暖かな気持ちで溢れていく

最初はこの気持ちが何なのかわからなかったが、『あの日』を境にはっきりと理解することができた

 

あの日・・・自分の本当の気持ちに気づいた日から

 

だからこそ、私は僅かに緩む頬をおさえきることができない

だからこそ、私はこの遅れてきた気持ちをおさえることができなかった

 

 

「お館っ!」

 

 

手を振りながら、私はお館のもとに駆け寄る

すると見えたのは、いつものあの・・・太陽のような笑顔だった

 

 

「ああ、焔耶

おはよう」

 

「おはようございます

お館は、今日は随分と早いのだな」

 

「はは・・・まぁ、寝てないからね」

 

「そうか、寝てないのか・・・って、はぁっ!!?」

 

 

お館の言葉に、思わず声をあげてしまう

対して、お館は苦笑いだ

寝てない、だと?

 

そういえば、何やら顔色があまり良くないような・・・

 

 

「どうして、寝てないんだ?」

 

「ちょっと、急いでやらなくちゃいけない仕事があってさ

でも俺要領が悪いから・・・結局、朝までかかっちゃってね」

 

 

『参ったよ』と、本当に疲れたように言うお館

そうか・・・眠っていなかったのか

 

 

「それは・・・残念だ」

 

「焔耶?

今、何か言った?」

 

「い、いや何も言ってないぞ!?」

 

 

あ、危ない

 

しかし・・・もしかしたら、今日はお館と過ごせるかもと思ったのだが

この様子では、この後は仮眠でもとられるのだろう

仕事で疲れているところを、無理させるわけにもいかないし・・・今日は諦めよう

 

 

「お館、それじゃぁ私はこの辺で・・・」

 

 

あまり、引き止めるのも悪いか

そう思い内心残念な気持ちで一杯のまま、私はお館に向って声をかけようとした時だった

 

 

「あ、あれ・・・?」

 

「お館っ!?」

 

 

フラリと・・・お館の体が、倒れそうになったのは

それを私は、慌てて支えにはいる

 

 

「お館、大丈夫か!?」

 

「ごめん・・・焔耶・・・なんかもう、限界っぽい」

 

 

そう言って、完全に意識を手放すお館

おかしい・・・本当に、寝不足なだけか!?

 

もしかしたら・・・

 

 

「・・・やはり」

 

 

お館の額に手を当てたまま、小さく呟く

その手に伝わってくる熱は、通常よりも明らかに高い

 

お館は、熱を出している

 

 

「そういえば、ここ何日か夜中は冷えたからな・・・そのせいかもしれない」

 

 

とにかく、このままではマズイ

ひとまず、どこかに寝かせないと

確か、ここから一番近い部屋は・・・

 

 

「私の・・・部屋だ」

 

 

そう呟き、私はハッとなった

私は今、いったい何を考えていたんだ!?

ち、違う・・・やましい思いなんて一切ないぞ

 

 

「私の部屋が一番近いのであれば仕方ないな、うん

そうだ、仕方ない!」

 

 

自分に言い聞かせるように呟き、私はお館の体を背負う

向かうは、私の部屋

 

自然と、足は速まっていく

べ、別にお館と二人っきりになれるのが嬉しいからってわけじゃないんだぞ!?

 

 

 

 

 

 

~神は言っている・・・これが、お約束だと~

 

 

 

 

 

 

「今何か聞こえたような・・・気のせいか?」

 

きっと気のせいだな、うん

それよりも、早くお館を運ばないと・・・

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

・・・で、本当に私の部屋に運んでしまったのだが

 

 

「どうしよう?」

 

 

とりあえず、お館はすぐに私の寝台に寝かせた

水もたくさんあるし、汗を拭くための布も持って来た

看病をする為の準備は、ひととおりやった

だが、しかし・・・

 

 

「よく考えたら、今までこういうことをしたことないのだが」

 

 

えっと、汗を拭いたり額を冷やしたり

あとは・・・あとは、何があった?

 

 

「むむ・・・やはり、華佗を呼んだほうがいいのか?」

 

 

しかし、せっかくこうして二人きりなわけだし・・・って、何を考えてるんだ私は!?

お館様のお体を案じるのが先だろう!?

 

 

「しかし・・・」

 

「話は聞かせてもらったわん!!!!」

 

「うわぁっ!!!??」

 

 

突如、部屋に響いたのは、逞しく野太い声

私は慌てて、声がした方へと視線を向ける

 

そこにいたのは・・・筋骨隆々な、見覚えのある仮面をつけた人物

アイツは・・・

 

 

「華蝶仮面!!」

 

「どぅふふふふ♪

そうよん、恋する乙女の味方・・・華蝶仮面よん」

 

「くっ・・・何やら以前見たときよりも、随分と逞しくなったような気がするんだが」

 

「どぅふふ、鍛えに鍛えたこの美貌にメロメロかしらん?」

 

「流石は華蝶仮面・・・恐ろしい奴だ」

 

 

 

 

 

 

~~~~~~

 

「星、どうしたのだ?」

 

「愛紗か・・・なにやら今、凄まじい誤解をうけたような気がしてな」

 

「気のせいじゃないのか?」

 

「うむ・・・気のせい、か」

 

~~~~~~

 

 

 

 

 

「さって、ここは迷える乙女の味方である華蝶仮面に任せてん♪」

 

「む、むう・・・それでは、頼む

私では、どうしたらいいのかわからなかったんだ」

 

「どぅふふふ♪

それじゃぁ、早速これを着てちょうだい」

 

「・・・は?」

 

「さぁ、着替えるわよん・・・ぶるアあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!」

 

「ちょ、なにする・・・ば、やめ・・・うわあああああああああああああ!!!???」

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

「あらん、とっても似合ってるわよん♪」

 

「うぅ・・・そ、そうか?」

 

 

数刻後・・・私は華蝶仮面の用意した衣服を纏い、お館の寝台のすぐ隣に置いた椅子に座っていた

薄い桃色を基調とした、『なーす服』という服だとか

天界では、病人の看病をするさいはこの服を着るらしい

 

 

「しかし、何と言うか・・・恥かしいな」

 

「もう、もっと自信をもっていいのよん♪」

 

「う、うむ

しかし私がこれを着るのは仕方ないとして、お前が着る必要は・・・」

 

「さってん、それじゃぁ看病をはじめましょうか♪」

 

「そ・・・そうだな」

 

 

・・・まぁ、いいか

視界に入れなければ、問題はないだろうし

 

 

「とりあえず、貴女は彼の傍にいてあげて頂戴

私は、病人の為の食事の用意をしてくるわん♪」

 

「ああ、わかった」

 

「それじゃ、よろしくねん♪

ぶるああぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!!」

 

 

叫び、部屋から飛び出していく華蝶仮面

中々頼もしい奴だな

 

 

「とにかく、待ってる間・・・私がしっかりと、お館のことを看病せねば」

 

 

 

『ぶるああぁぁぁぁぁあっぁあぁああああああ!!!!!』

 

『キャアアアアアアア!!!??』

 

『か、華琳様ぁぁぁぁ!!!??

お、おのれ曲者ーーーーー!!

よくも華琳様を!!!!!』

 

 

 

 

「何やら、外が騒がしいな・・・何かあったのか?」

 

「ぅ・・・」

 

「っ・・・いかん、しっかりと見ておかねばならないんだった」

 

 

改めて気を引き締め、私は机の上を見る

机の上には、華蝶仮面が新たに持ってきてくれた桃色の汗拭きの為の布がある

その中の一枚を掴み、私はお館の額の汗を拭った

 

 

「ん・・・」

 

「お館・・・苦しそうだ」

 

 

寝苦しそうに、声をあげるお館

そんな声を聞いては、私まで辛くなる

 

 

「変わってやれれば、いいのだがな」

 

 

言ってから気づく・・・私も、随分と変わったものだと

 

切欠はあの日、自分の想いに気づいてからだった

 

お館のことが、好きだということに・・・気づいてからだ

 

 

「お館・・・」

 

 

軽く触れるよう、お館の髪を撫でる

愛しい・・・そんな柄にもないことを、思ってしまった

 

だがしかし、悪くはない

こんな風に、誰かを想うのも・・・ただ一人、好きな人のことを想い続けるのも

 

 

「お館・・・好きだ」

 

 

呟き、そっと額に口付ける

その瞬間、お館の体が僅かに動いた

 

 

「俺もだよ・・・焔耶」

 

「っ!!!!??」

 

 

そして、聞こえてきた声

慌てて顔を離すも、起きている様子はない

寝言・・・か?

まったく・・・紛らわしい

けど・・・

 

 

「私の方が好きなんだからな・・・お館」

 

 

そう言って、私は再びお館の看病に戻った

一刻も早く、いつもの笑顔が見たくて・・・

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

「ん・・・」

 

 

ボ~っとする頭もそのままに、私は霞む視界を泳がせる

あれ・・・私は、何をしていたんだっけ?

 

 

「そうだっ、お館の看病を・・・!!」

 

「おはよう、焔耶・・・っていっても、まだ夕方だけどね」

 

「・・・へ?」

 

 

慌てて顔をあげた先

寝台の中、体だけ起こしたお館様の姿があった

その表情はさっきまで見た苦しそうなものではなく、いつもの笑顔だ

 

 

「お館、体は!?熱は、大丈夫なのか!?」

 

「うん、まだ少し熱っぽいけど・・・大分、楽になったよ」

 

 

そう言って、笑うお館

その言葉に、私はホッと胸を撫で下ろした

 

 

「よかった・・・」

 

「ごめんね、心配をかけて」

 

 

申し訳なさそうに、お館が頭を下げる

それから、またさっきのように笑った

 

 

「それと、ありがとう

ずっと看病してくれてたんだよね・・・それに、ご飯まで作ってくれて

本当にありがとう」

 

「ご飯・・・?」

 

 

言われてから気づく

よく見ると、机の上には空になった食器が置かれていた

ああ、そうか・・・アイツが、作ってくれたのか

まったく、華蝶仮面・・・案外、良い奴じゃないか

 

あの異様な見た目に反して、な

 

 

 

 

 

~~~~~

 

「む、むぅ・・・」

 

「お、どうかしたのか星」

 

「翠か・・・いや、何かこう嬉しいやら悲しいやら」

 

「なんか、わけがわからないんだけど・・・」

 

「私にもわからん・・・」

 

~~~~~

 

 

 

 

 

「しかし・・・用心に越した事はない

今しばらく、このまま休んでいたほうがいい」

 

「いいのか?

だってここ、焔耶の部屋だろ?」

 

「構わないさ

愛紗や他の者達には、後で伝えておく」

 

「いや、それもだけど

焔耶はどこで寝るのさ?」

 

「なに、今こうして椅子に座ったままでも眠れたんだ

問題ないだろう」

 

「いや、問題あるって」

 

 

そう言って、何か考えるよう俯くお館

それから少しして、何かを思いついたのか顔を上げた

 

 

「焔耶、ちょっとこっち来て」

 

「ん、なんだ?」

 

「ほいっと」

 

「ん、うわっ!?」

 

 

ポスンと・・・私はお館の上に重なるよう、寝台に倒れこむ

そんな私の体を、お館は優しく抱きしめてきた

 

 

「一緒に、ここで寝よっか」

 

「で、でも・・・」

 

「嫌、かな?」

 

 

それは・・・ちょっと、ずるくないか

そんなの、答えなど決まっている

 

 

「嫌じゃない

私も・・・お館と、こうしていたいと思っていた」

 

「焔耶・・・」

 

「お館・・・」

 

 

そっと、重なる唇

私を抱きしめるお館の手が、少しだけ強くなる

 

 

「お館・・・大好きだ」

 

「俺も、焔耶が大好きだよ」

 

「嬉しい・・・お館」

 

「あ、あと・・・」

 

「あと?」

 

「似合ってるよ・・・ナース服」

 

「ありがとう」

 

 

お互い笑い、再び重なった唇

 

その後のことは・・・まぁ、察してくれ

 

 

 

・・・後日談

 

 

 

 

「大丈夫か、焔耶」

 

「あ、ああ」

 

 

あれからすぐ、お館はいつものように元気になった

そして見事に・・・今度は私が、風邪をこじらせてしまったのだ

な、情けない

 

 

「すまない、お館」

 

「いや、どう考えても悪いのは俺だよ

熱出してるくせに、あんなことしたんだから

ていうか、つい最近まったく同じことをしたのに・・・すっかり忘れてた」

 

 

言って、気まずそうに頬を掻くお館

ああ、確か桃香様とのことだったか

 

そうか、私は桃香様と同じようなことをしていたのだな

 

 

「お館・・・今日はその、ずっと傍にいてくれるのか?」

 

「ああ、愛紗達からの許可は貰ったよ

もともと、俺の責任だしね」

 

 

言いながら、お館は椅子に座りニッコリと笑いかけてきた

 

 

「だから・・・今日は、焔耶を独り占めできるのが嬉しくってさ」

 

「あ・・・」

 

 

『不謹慎かもしれないけど』

そう言いながら、笑うお館

その言葉に、私は呆気にとられてしまう

 

その一言が嬉しくて、だ

 

お館が・・・大好きな人が、私と同じ事を考えていた

そのことが、本当に嬉しかったんだ

 

 

「私も・・・」

 

「ん?」

 

「私も、嬉しいんだ」

 

 

 

 

 

 

~お館を、こうして独り占めできるのが・・・~

 

 

 

 

 

その後のことは、そのうち語るとしよう

 

ただ、私達は忘れていた

 

あの桃香様の一件には、まだオチがあったということを・・・

 

 

 

 

「くしゅんっ・・・」

 

「・・・お館?」

 

「あ、あれ?」

 

 

 

 

・・・fin♪

 

 

 

★あとがき★

 

えっと、お久し振り・・・ですかね

作者の月千一夜です

 

色々あって、ひとまず徹夜後の投稿

ね、眠い・・・だが、神は言っている

次は【なろぅ】だと

 

 

というわけで、皆様ご無沙汰してました

ご心配をおかけしたみたいでw

様々な方からメールや、励まし

はてには遠路はるばる、ミクシィのほうにまで来てくれるお方までww

本当にありがとうございます

 

それでも、しばらくここでの活動は自粛させていただきます

ここでの活動は今月末までは短編のみ

連載ものは【なろぅ】でと、させてもらいます

色々方がつくまで、もうしばらくお待ちいただければ嬉しいです

 

【なろぅ】

《雲の向こう、君に会いに-魏伝-》

「加筆・修正・外伝」を新たにプラスした、所謂完全版

 

《真★恋姫†無双-真紅の君-》

「呉√」オリ主もの

 

・・・以上の作品を連載中

 

 

それにしても・・・微妙にカオスだなぁ

いや、元ネタの焔耶っがものっそい可愛いすぎるから・・・ボクの実力じゃ、これが限界です

いつか、リベンジしたいww切実にww

因みに、桃香とのお話は萌将伝にてww

知ってるお方なら、このお話の本当のオチに気づくでしょうww

 

それでは、またお会いできればお会いしましょうww


 
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