No.175453

恋姫ブレイク 1話

タナトスさん

錆落しが中々進まない……

2010-09-29 23:35:56 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:2471   閲覧ユーザー数:2260

 

俺達がこの世界に来てから1週間、俺と愛紗は依頼を獲得した。

 

 

最初の依頼はGRFの依頼だった。

 

渓谷内のEUSTのニュードプラント襲撃と言う依頼内容だった。

 

この世界、多くの傭兵会社が存在して、その会社がGRFかEUSTの依頼を受けて派遣され、代理戦争として戦争が行われる。

 

二大勢力たるGRFとEUSTにも専用の軍が存在するが自分達の本部や、重要プラントを守るために余り遠征軍を派遣していない。

 

自然と足りない兵は傭兵が雇われ各戦場で火花を散らせていた。

 

中でも大きな傭兵企業はGRFとEUSTから自然と依頼が舞い込んでくる。

 

スポンサーも自然と着く、ブラスト製造企業からもサンプルとして最新鋭ブラストをタダで貰う事が出来るとカナリ優遇されている。

 

逆に俺ら弱小傭兵は全て自前で調達なため苦労が耐えない。

 

 

その中で突出している傭兵会社はカリン率いるカリンカンパニー。

 

二番目の勢力としてシェレン率いるSB社。

 

三番目の勢力としてレイハ率いるレイハ財閥とミウ率いるミウ財閥が同列。

 

四番目にユエ率いるユエ商会。

 

五番目にトウカ率いるトウカ屋。

 

そして最後に勢力を徐々に伸ばしつつあるテンホウ、チーホウ、レンホウ3姉妹が運営するイエローフラッグ。

 

今の所、急成長しているのはこの辺か……

 

俺ら全然売れてない傭兵会社なのよね……

 

 

そんな事考えながら自分のブラストにコックピットに乗り込み、GRFが手配した輸送機に乗り込んだ。

 

『もうすぐ作戦開始ポイントよ~頑張って~ん♪』

 

相変わらずキモいオペレーターだ……

 

俺はそう思いながらブラストの調整に入る。

 

『一刀様! 此方は準備完了しました!』

 

愛紗からの通信が俺の緊張を解き放つ。

 

「了解、愛紗。此方も準備完了だ!」

 

俺がそう言い終ると同時に貂蝉から通信が入る。

 

『作戦ポイントに到着よ~ん! 発進ど~ぞ!』

 

「ブラスト機動!! 北郷 一刀、出る!!」

 

『愛紗、行きます!!』

 

 

2機のブラストは輸送機のカタパルトから押し出され、戦場に降り立った。

 

 

戦況は五分と五分、予断を許さない状況だ。

 

俺はコックピット画面のマップをタッチしながら戦局を把握する。

 

「よし、行くぞ!! 愛紗!!」

 

『了解!!』

 

俺達はブラストを操作し、カタパルトで戦場に飛び込む。

 

Bプラントは敵に占領されている。

 

俺と愛紗はグレネードを装備し、敵に投げ込む。

 

乱戦の時は兎も角、相手が密集している場合は有効で、サブマシンガンでの点での攻撃ではなく面での攻撃が可能だ。

 

コレは俺や愛紗が敵拠点制圧に使う手口だ。

 

初心者はサブマシンガンやデュエルソードに目が行くがグレネードを使いこなせて始めて強襲は旨く扱える。

 

注意は味方にも影響を及ぼすのでケースバイケースだが。

 

「よし!! 愛紗!! 敵が怯んだ!! 切り込め!! 援護する!!」

 

『了解!!』

 

俺の支持に愛紗は兵装をデュエルソードに変更し、アサルトチャージャーを合わせての高速機動で敵陣に突っ込む。

 

相変わらずの接近戦大好きっ子である。

 

愛紗が得意とするのは通常斬りからバックダッシュのダッシュ斬りを得意としていた。

硬い装甲なら通常斬り二回のダッシュ斬りと用途に応じて使い分けている。

 

しかし、愛紗のブーストゲージの減りが早い早い……

 

俺は愛紗をサブマシンガンで護衛しつつ、接近戦を挑んでくる敵はデュエルソードに切り替える。

 

しかし、この戦場……狙撃兵装や重火器兵装、支援兵装のヤツが全然いない……

 

それはそれで楽なのだが……

 

その時だった……登った丘が地盤沈下し俺と愛紗のブラストが落下した。

 

 

俺が目を覚ました時には大分深く落っこちたみたいだ。

駄目だ……画面が死んでる……

 

操縦桿のスティクも動かない……

 

完全に御釈迦だ……如何しよう……

 

俺はハッチを開いて、サバイバルバッグから懐中電灯を取り出し辺りを照らす。

 

愛紗のブラストも破損している。

 

コレは……修理は不可能だな……

 

愛紗のブラストのハッチも開き、愛紗が出てきた。

 

「一刀様!! ご無事で!?」

 

愛紗の問いかけに俺も手を振りながら答える。

 

「ああ、無事だ!! しかし、またとんでもない所に落っこちたものだ」

 

「ええ、貂蝉との連絡もつきません……」

 

マジか……完全に遭難した……

 

しかし、何だ? この坑道? やたらと広いし、何かの搬入物資を詰め込む為の空間のようだ……

 

しかも地面がアスファルト?

 

訳が解らない……

 

俺と愛紗は懐中電灯の明かりを頼りに移動を開始した。

 

暫く歩いていると2台の大型トレーラーを発見した。

 

「トレーラー? こんな所に……」

 

愛紗が呟く様に言いながらトレーラーを調べる。

 

俺はトレーラーの梯子に登りライトを照らした。

 

其処にあった物はブラストだった……

 

「な!? ブラスト!? しかもこのシルエット……セイバーのブラスト!? でもフェイスが違う……二つ目のセイバー!? 何だこれ!?」

 

俺が驚きの余り、言葉を失っていると愛紗も驚きを露にした。

 

「セイバーのブラスト……しかも兵装が私の青龍刀に似ている!? サブウエポンはガトリングガン!? 何だこれは!?」

 

ハッチが開いている……乗ってみるか……

 

俺が乗り込むとハッチが閉じ、俺の体を光が包んだ。

 

『生体認証の登録を完了……『ボーダーカード』をインストールしてください……』

 

『ボーダーカード』とは俺達ボーダーの認識表であると同時に俺達の戦歴や報酬が入った。

ボーダーギルドが発行した万能型身分証名称の事だ。

 

俺は自分の機体から取り出したボーダーカードをカードインストーラーに差し込む。

 

『……認識しました。マスターカズト……プロトセイバーⅠ型、『サムライソード』です。以後お見知りおきを……』

 

AIはそう語りかけてきた。

 

俺はパネルを操作し、ブラストの兵装をチェックした。

 

何だ!? この潤沢な兵装は!!

 

プラズマレーザーアサルトライフル

 

ソリッドニュードセイバー

 

ニュードエネルギーグレネードランチャー

 

ハイパーアサルトチャージャー

 

プラズマレーザーアサルトライフルやソリッドニュードセイバーなんて試作段階の域を出ない兵器だ。

 

確かにプラズマ兵器やレーザー兵器はあるが、あくまで単発や狙撃銃としての扱いが殆どだ。

 

それが連射できるだなんて……

 

しかも、ニュードを硬質化させ、其れを兵装として利用するなんて……

 

オーバースペックもいい所だ……

 

『一刀様……この兵器は……』

 

「ああ、無茶苦茶高度な技術で作られている……」

 

愛紗のセイバーはプロトセイバーⅡ型、『ブルードラゴンソード』ど言う開発コードが与えられた。

 

兵装は、

 

ソリッドニュードセイバーランス

 

小型ガトリングガン

 

ギガンティクロケットランチャー

 

ハイパーアサルトチャージャー

 

 

何て出鱈目な兵装……

 

「愛紗、戦線へ復帰するぞ!! 時間が無い!!」

 

『了解!!』

 

俺と愛紗は再び戦場へと帰還する。

 

 

俺達が坑道から抜け出す時、ハイパーアサルトチャージャーを使用した。

 

「ッ!! 何て加速力だ!! それにブーストゲージの減りが遅い!! コレなら抜け出せれる!!」

 

俺達は谷間を抜け出し、戦線に復帰した。

 

ヤバイ!! コアの陣地まで敵に押し込まれている!!

 

「愛紗!! コアの耐久値が75%未満になった!! ココから自軍コアまで遠い!! 敵コアの破壊を行うぞ!!」

 

『了解!!』

 

そう言いながら俺と愛紗はツーマンセルで進撃する。

 

途中、敵に妨害される。

 

『敵発見!! 攻撃を開始する!!』

 

『敵ブラストを発見!!』

 

COUGAR社の強襲兵装の敵が阻んでくるが俺と愛紗は左右によけながら俺はプラズマレーザーアサルトライフルを愛紗はソリッドニュードセイバーランスを引き抜き攻撃を開始した。

 

プラズマレーザーアサルトライフルは敵に数発当たり敵をバラバラにした。

 

1、2発当てただけだぞ!?

 

何て威力だ!!

 

愛紗もソリッドニュードセイバーランスを上から下に振り下ろす。

 

敵のブラストはデュエルソードで受け止めるが、簡単にデュエルソードごと切断される。

 

『何だ!? コイツ等!? 無茶苦茶強いぞ!?』

 

『本当に俺達と同じD5ランクのボーダーかよ!?』

 

敵がそう言う通信をするのを傍受したが、悪いな、ゲームでは俺も愛紗もA1だ!!

 

敵を蹴散らしつつ進行し、敵の自動砲台も破壊しコアに攻撃を開始、コアは僅か数発で破壊、俺達の圧勝で終わった。

 

 

 

 

カリンカンパニー本社……

 

このビルの主であり、このカンパニーの社長たる、カリンは映像を食い入る様に見ていた。

 

(このブラスト一体何? 兵装の破壊力、装甲の薄さに反してとんでもない硬度、ブースターの出力、更に其れを扱うボーダーの腕……どれもこれもD5のランクに当てはまらない……コレは一体……)

 

カリンは即座にシュウランを呼び出す。

 

数分後、シュウランが入室してきた。

 

「シュウラン! スカービ渓谷に参戦した謎のブラストとボーダーを調査しなさい!! 其れも徹底的に!!」

 

シュウランは恭しくお辞儀をして主であるカリンに答える。

 

「了解しました。カリン様」

 

シュウランが退出すると、カリンは自分の椅子から立ち上がり、窓越しに下を眺めながら呟く。

 

「あのブラストもボーダーも私の物にしてみせるわ……我が夢の為に……」

 

 

 

 

SB社では……

 

メイリンが今回の一刀達の戦闘をシェレンに見せていた。

 

最初は所詮D5クラスと興味無さそうに眺めていたが謎のブラストが介入した時点で眼つきが鋭さを帯びる。

 

「ねえ、メイリン……本当にコレD5クラスのボーダーの戦闘?」

 

メイリンも眼鏡を直しながら呟く。

 

「ああ、悪い冗談の様な本当の話だ……ミンメイにも調査させたが本当だった。この二機のボーダーもランクD5、最下層だ……」

 

シェレンは唖然として答える。

 

「ちょ!? それホント!? この腕で!? コイツ等、私と互角か或いはそれ以上よ!? 新人でこの腕なわけ!? 冗談キツイわよホント……」

 

メイリンは更に追い討ちをかける。

 

「更にギルドに問い合わせたが……その二人はボーダーになって1週間だ。実戦もコレが初めてだそうだ。更に笑えるのが、ギルドが主催する新人研修にすら参加していない」

 

シェレンは唖然とする。

 

「……天才ってヤツかしら……」

 

メイリンは彼女の呟きに答える。

 

「さあな……兎に角、腕も然る事ながら機体もバケモノだ」

 

シェレンはメイリンの言葉に頷く様に言う。

 

「確かにね……プラズマレーザーをフルオートで発射して壊れないライフルなんて聞いたことも見た事もないわ……機動性も私のヤクシャ改を上回ってるわよ……」

 

メイリンは溜息を吐きながら呟く。

 

「それだけじゃない……現存する全てのブラストを上回る性能だ……下手をすれば戦力バランスが大きく崩れる……」

 

メイリンの言葉にシェレンはニヤリと呟く。

 

「この二人とは戦場で会いそうな気がするわ……」

 

メイリンは呆れながら呟く。

 

「何時ものカンか?」

 

「そ、何時ものカン」

 

 

 

様々な思惑を孕みながら世界は動き出した。

 

 

華琳のブラスト如何しよう……

 

 


 
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