No.166780

魔法少女 華琳たんPART2

戯言使いさん

魔法少女華琳たんPART2です。旅立ちということで、短いです

夢と希望、駆ける武将、響く剣と剣のぶつかる音、命をかけて自らの夢を突き進む。そんなシリアスな恋姫無双を書きたい。

・・・・そう思っていた時が、僕にもありました。

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2010-08-19 19:31:32 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:5961   閲覧ユーザー数:5007

 

 

一刀が誘拐された。

 

その出来事は、魏の武将たちにとっては一大事だった。

 

一番慌てたのは、北郷隊の三人だった。三人はその事件を聞くやいなや、隊を総動員して、手掛かりを探し始めた。

 

次に慌てたのは霞と春蘭、秋蘭、そして意外にも桂花だった。桂花は誘拐されたと聞くと、即座に近隣の街に斥候を放ち、そして武将の三人に少しでも怪しい所があれば、すぐに支援を向かわせた。

 

 

 

華琳と言うと、よほど目の前で一刀が誘拐されたことがショックだったのか、部屋にこもって落ち込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ・・・一刀。今頃どうしてるのかしら。子供を作ったら解放するって言ってたけど・・・・はぁ、しょうがないわよね。だって、一刀は国で一番・・・・ううん、大陸で一番格好いいいのだから」

 

三国が平定して、天の使いである一刀も有名になった。義理固く、聡明で、それでいて整っている顔立ち、国の女子からの憧れの視線も多い。普通ならば男から嫉妬や妬みも多そうだが、一刀のフランクな性格や男前な一面もあり、男からの人気も高い。

 

だから、どんな相手であろうとも、一刀に害を与えることはないだろう。

 

 

でも・・・・と、華琳は思う。

 

 

「女として・・・嫌なのよ」

 

コンコン、とドアがノックされ、そして華琳の部屋に入ってきたのは風だった。

 

「華琳さまー。お兄さんのことで報告がありますー」

 

いつも通りの調子でいる風に、華琳は疑問を隠せない。どうして、そんなにも平然としていられるのか。

 

「・・・風は落ち着いているわね」

 

「もちろん、心配ですけどー、我々には華琳たんがいるではありませんかー」

 

「・・・・でも、華琳たんは負けたじゃない」

 

「『何寝言を言ってんだよ。一回負けただけじゃねーか』」

 

「ホウケイの言う通りですー一回負けただけではありませんかー。たった一回で諦めてしまうぐらいなら、恋も戦もしない方がよいのですー。ねぇ、ホウケイ?」

 

風は自分の頭の人形、ホウケイと「ねー」と言いながら会話していた。

 

その光景を見た華琳は、ただ一回負けただけで落ち込んでいた自分が馬鹿らしく思えた。

 

華琳は大きくため息をつくと、よく一刀がするように、両手で頬を何回が叩いて、気合いを入れなおす。

 

「それもそうよね。それで?報告って何かしら」

 

「はいー。変な集団が呉の国の方へ行くところを見た、と言う村人が多数いたのです。おそらく、一番信憑性がたいと思うのですよ」

 

「呉・・・・か。あの強さ、名のある武将に違いないと思うけど・・・・でも、それを確かめるために、軍を動かしたら、それこそ平和が崩れてしまう」

 

軍を動かすのもタダではない。それに、侵略行為と勘違いされては、せっかくの良好な関係が崩れてしまう。だが、このまま何もしないわけにはいかない。

 

華琳は悩むように、顎に手を添えた。それを見ていた風は、華琳の耳元に口を寄せ、小さな声で呟いた。

 

「ならば、華琳さま一人で行くのはどうでしょうか?」

 

「私一人!?で、でもこの国は・・・・」

 

「今は平和なのですよー。風や桂花ちゃんたちに任せてください。華琳さま・・・・いえ、魔法少女 シニカル華琳たん」

 

一瞬、にやりと笑った風に、華琳は思わず後ずさる。

 

「!?ど、どうして知っているのよ・・・」

 

「実は風も魔法少女なのですよー。だからホウケイも魔法で喋っているのですー」

 

「『おう。腹話術に思われてたかもしれねーが、実は俺自身が喋ってたんだぜ』」

 

そう言って、風はホウケイを床に下ろすと、ホウケイが一人でに歩いて、華琳に手をあげて挨拶をした。それは人形師のように紐で操っているというわけでもなさそうだ。

 

「そ、そうなの・・・・こんな近くに魔法少女がいたなんて・・・・」

 

「おそらく、華蝶戦隊バタフライも、風たちと同じだと思います。だから、太刀打ち出来るのは、華琳たんと風しかいません。風は弱いので、華琳たんが行くしかありません」

 

にっこり、と元気づけるような風の笑顔。そして、足元で「元気だしな」と叩いてくるホウケイを見て、華琳は一つの決心をした。

 

 

 

「・・・・分かったわ。よし!今すぐ武将たちを玉座の間に集めなさい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、突然集められた武将の前で、華琳は自分が一刀を助けるために一人で旅に出ることを言った。もちろん、魔法少女であることは隠したが。

 

武将たちの意見は当然反対。華琳が行くならば私も・・・・と、大勢が手を挙げたが、それでは軍を動かすのと同じになってしまう。だから、それは頑なに拒否をした。

 

しかし泥沼な討論になるかと思いきや、最終的には華琳の意見が通った。それも、風が様々な助け舟を出してくれたことと、やはり武将一同、華琳が一刀を心から想っている熱意が伝わったからだ。優しい部下を持って華琳は幸せだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして万全の準備を整え、そしてついに、華琳が一刀捜索の旅に出る日になった。

 

 

 

 

 

華琳が旅立つ日、華琳は馬上で武将たちにしばしの別れの挨拶をしていた。

 

それに対して、武将たちは色々なものを餞別として渡していたり、旅をする注意など、事細かに説明したりと、不安そうに見送っていた。

 

そして最後に風が華琳に近づくと、自分の頭の上にあったホウケイを取り、それを華琳に渡した。

 

「これは・・・?」

 

「一人旅は寂しいですからねぇー、それまでのお供ですよー。それに、魔法少女には可愛いマスコットが必要ですー」

 

「『おう。華琳さまよ、一つよろしく頼むぜ』」

 

ぴょい、と手を挙げて挨拶するホウケイに、華琳はくすっと笑った。

 

「それはありがたいのだけれども・・・・風は?寂しくないの?」

 

「少し寂しいですがー・・・・ほら、仮生産ホウケイなのです」

 

そう言って取りだしたのはホウケイと見た目がそっくりな人形だった。唯一違うところと言えば、お腹のところに大きく『仮』と書いてあることぐらいだった。

 

「これがほんとーの、仮性ほうけ・・・・・」

 

「待ちなさい。それ以上言ったら斬るわよ」

 

「斬るというと・・・・先っちょの余った皮ですか?」

 

「違うわよ!」

 

「残念ながら、風にはついてないのです」

 

「知ってるわよ!まぁ、とりあえずありがたく預からせてもらうわ」

 

華琳はホウケイを馬の頭の上に載せ、そして周りを見渡した。

 

不安そうに見つめる部下たち。しかし、全員には華琳への期待の視線もこもっていた。その視線を一身に受け、華琳は大声で言った。

 

 

 

 

 

「それじゃあ・・・・行ってくるわ!」

 

 

 

 

 

こうして始まった覇王と人形の一人と一体の一刀捜索の旅。

 

まず目指すは蓮華の統治する呉。

 

それまでの道のりは険しく遠い。

 

しかし、華琳は・・・・いいえ、華琳たんは挫けない!だって、魔法少女なのだから!

 

 

 

 

 

 

だが、華琳は早くも一つミスを犯していた。

 

それは、変な集団が呉の国の方へ行くところを見た、と言う情報を、ろくに確認もしなかったことだ。実際の華蝶仮面たちは、わざと村人たちに目立つような格好をして、呉に行くふりをしただけで、実際は違う所に行っていたのだ。

 

これこそ、華蝶戦隊バタフライのホワイトとブラックの時間稼ぎの策であったのだが、その時の華琳は、気がつくことが出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教えて!桂花たん

 

 

 

「はーい、みんなこんにちは。みんな大好き桂花だよー。そして!」

 

「『おう!カラクリ一刀の一刀だ。よろしくな!!』」

 

「今日もはりきって教えちゃうよー!」

 

「『それじゃあ、突然現れた、華蝶戦隊バタフライってのは何なんだ?』」

 

「うーん。ネタばれになっちゃうけど・・・・・どうせ、みんな気が付いてるよね?華蝶戦隊バタフライは、蜀の趙雲、つまりは星の華蝶仮面が元ネタで、それに色々とアイディアを組み合わせたのが、華蝶戦隊バタフライ。

あと、最初に言って置くけど『戯言使いの おまけが本編』のような能力は一切ありませんので、ご注意を。理由は、華琳たん一人で相手にするには、強すぎるからです。

 

まず、リーダーであるピンク。これは桃香よ。

戦い、知略、すべてに置いて秀でるところがない、駄目駄目なリーダーよ。まぁ、マスコットだと思ってくれればいいわ。

 

次にレット。これは愛紗。

戦闘能力が高く、主にバタフライの中では常に先頭に立って戦うわ。

 

次はブルー。これは星。

愛紗同様、戦闘要員だけど、愛紗と違い、冷静な分だけ慎重な戦い方が出来る、ストッパー的な役割。

 

そして次はホワイトとブラック。これは、朱里と雛里。

二人とも軍師でだから、主に作戦を考えたり、どうやって逃げるか、とかそう言った策略専門。ただ、雛里はとってもとーっても一刀のことが好きだから、たまーにやりすぎちゃうこともあるのよ」

 

「『へぇ。なるほどな。んで、華蝶戦隊バタフライの目的は?』」

 

「それは最初の作品であったように『一刀の子供を作る』ためよ!うぅ、ちょっと悔しいわ!でも、ほんとーに、理由はそれだけ。ずっと独占しようとも思っていないし、子供が出来たことが分かれば、速やかに解放するわ。まぁ、ちょっとした乙女心ってやつよ」

 

「『へぇ。なんだ、ただの一刀争奪戦みたいなもんじゃん』」

 

「まさにそう!でもね?これのメインはそれじゃないの。これは、華琳さま・・・・つまり、華琳たんの活躍を描く物語で、例えば華琳さまとホウケイの道中での会話、立ち寄った街での出来事、そして呉についた時、蜀についた時の出来事がメイン。だから、主人公は一刀じゃないわ」

 

「『ふーん』」

 

「そして、何と言ってもキャラ崩壊!ほぼ全キャラが崩壊しているわ。でも、崩壊しても根本的な物は変っていません!だから、まったくの別人ではないわ」

 

「『そうなんだよな。だから、これからも、もっとキャラ崩壊が続くから、苦手な人はよした方がいいぜ?』」

 

「何度も言うようだけど、これはコメディです。頭をゆるーく、かるーい気持ちでも見てくださいね」

 

「『おぅ!あと、これは次回は休みだぜ。この『教えて!?桂花たん』は作品中で新キャラが出た場合の説明としてやるものだから、毎回はしない』」

 

 

「だから、次回会うのはいつになるかは分からないわ。だから、それまでばいばーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけページ

 

 

『さぁーて、来週の華琳たんは?』

 

 

 

 

 

 

桂花よ。

 

先日、北郷が無様に落とし穴に落ちたのを、物陰から眺めていたら、風がどうしたのか?と聞いてきたから

「私が掘った穴で、北郷が落ちたのよ」

と答えたら、次の日

『北郷は桂花に尻穴を掘られてオチた』

と噂がたちました。とりあえず、風を懲らしめます。

 

 

 

 

そう言えばこの前、北郷が

 

「桂花は甘い物とか好き?」

 

と、聞いてきたので「普通に好きよ。何?何なの?話しかけないでよね!」と答えました。そうしたら次の日、北郷が訪ねてきて

 

「お誕生日おめでとう。これ、俺が作った天界のお菓子と、プレゼント」

 

と、言って『けーき』と小さな花の髪留めをくれました。どうやら、天界には人の生誕をお祝いするお祭りがあるようです。なので、私は言いました。

 

 

 

「私の誕生日は、明日よ」

 

 

 

 

あの時の北郷の顔はとても愉快でした。

 

でも、せっかくだから、けーきを食べました。なかなかの味です。それに、花の髪留めも可愛いです。

 

私はそれでもちょっと・・・・ほんとーにちょっとだけ嬉しかったのですが、北郷が日にちを間違えたことをとても気にしていて、最後にこう言いました。

 

 

「ら、来年はもっと凄い贈り物するから!」

 

 

 

 

 

・・・・ちょっとだけ来年が待ち遠しいです。

 

 

 

 

 

次回、魔法少女華琳たんPART3

 

 

来週も見てくださいね♪じゃん、けん、ぽん!うふふふ

 

 

 


 
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